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○ 「公認心理師・臨床心理士」=仕事ないという現実を打破する離れ業

1. はじめに

公認心理師・臨床心理士の求人は限られていて、これはこれで大変大切なものですが、福祉との近接領域のものも多く、世間一般で想像されている、カウンセリングをやったり心理テストをしたりする「心理職」は非常勤が多く時給1,000円台が中心です。

だからこそ一昨日紹介した「ココロト!」さんのような心理職のための職業紹介のプラットフォームの試みは大切だと思うのですが「隠されたニーズ」を掘り起こすことが大切になって来ると思うのです。

2. 世の中の動き

このブログを書いていると思うのですが「公認心理師・臨床心理士になりたい」人のニーズは多いです。それは時代が変わっていっても確実なものだと思います。「カウンセリングを受けたい人」が多いのも事実ですが、カウンセリングは保険適用ではないので人々はなるべく安く相談をしたいと思っています。

カウンセラーになりたい人とカウンセリングを受けたい人の料金体系の需給関係が合わないのです。

世の中で何が起こっていて、メンタルヘルスをめぐる世情はどうなのか?を知る必要があると思います。コロナ時代で在宅リモートワークが増えた。かつてないほど人の心は動揺し、カウンセリングのニーズは増えている、という説もあったのですが、コロナ禍の中で各企業の経済的体力は落ちている。経済が停滞すると真っ先に切られるのは福利厚生面、その中でも最初に犠牲になるのはメンタルヘルス部門です。

リモートワーク、コロナ疲れをした従業員がいたら「病んだら辞めたら?」というのが厳しい現実、カウンセリングを受けたいと個人が思っても賃金カットでそれどころはないのです。

3. 隠されたニーズ

メンタルを病み、病んでいないまでも誰かに話を聞いて欲しい人はやはり増加しているでしょう。それは僕がこの仕事をしていても話題がコロナに必ず触れることから、人々の不安は強まっています。企業の体力が落ちている→メンタルヘルス研修もやらない。

それはそうなのですが、相変わらず、というか、自粛期間だからこそ伸びている分野もあります。インドアの現在、それは youtuber、そしてインスタグラマー、note など新しいメディアを使った新しい情報発信です。そんなことは大学院では教えてくれませんが、心理職はどうも情報発信が下手、というかまずやらない人たちの方が圧倒的に多いです。

みたらし加奈さんはメディアで顔出しをしている臨床心理士・公認心理師で美人、筆力もあり著作「マインドトーク:あなたと私の心の話」も生育史や自分の欠点も素直に書きながら面白く、note も出していて 1,500円でメンバーになると有料 note が読み放題、とメディア発信者としてもそれを売上げに結び付けるのだから大したものだと思います。

目白みさえさんも育児マンガで大きなヒットを出し続けています。彼女は絵とストーリーとユーモアをきちんとメディア発信者として使っています。

僕自身も専業ライター経験もあるので思うのですが、本来情報とは有料のもので、作り手、書き手がライティングエージェントや読み手からお金を取るのはなんら恥ずかしいことではなく、むしろ当たり前のことです。

心理士は自らを商材として売り込むことを考えない人がほとんどです。そしてビジネスを考えている人は学者でもいます。下山晴彦さんのように業績が多くあるのですが、AI事業の説得力は僕から見ると「もうひとつかな?」と思わせてしまいます。なぜかというと、下山晴彦さんのターゲットとしている人たちは割と「万人向け」英語論文ではエビデンスが出ているということですが「その日の気分を朝書くとカフェに行くように勧められる」という、効果があいまいなものだから、と素人目から見ても判断されてしまうのではないでしょうか。

「本来の心理職の仕事に戻れ」と著作をあらわすのはかなり手をわずらわせる割にはお金にはなりません。心理学書は 1,000 部 2,000 部が当たり前で、だから高額なのです。

お金がない人たちがどれだけ 3,000円の本を買うでしょうか?面白い心理学の啓蒙書が書ければいいのですが、アイディアがどれだけ出てくるでしょうか。それならば心理学周辺の必ず収益が上がっているビジネスを考えた方がいいわけです。

その点臨床心理士・公認心理師になりたい人向けの大学院受験~資格取得のための予備校というのはきちんとしたビジネスモデルとして成り立っています。そのための参考書出版も行っています。

上記を見てみると個ではなく「集団」に働きかけ、僕のようなニッチ過ぎる「心理職になりたい人、心理職の実態に興味を持っている人」のようなブログは爆発的なヒットをすることはまずありません。

4.まとめ

上述いろいろな例について見てきましたが、純粋な「心理職」ではないかもしれませんが、「心理の知識や経験を生かした起業的な何か」であることは事実です。要するに本記事で言いたかったのは「仕事ない」ではなくて「仕事がなければ作り出せばいいじゃない」という、僕自身もやっていないことで、無茶ぶりであることは百も承知です。

あとは個人対象の開業領域ですが、これも相当にうまくいって軌道に乗れば月100万円の売上げを上げることは理論的には可能ですが、実際にはかなり困難でしょう。

個 vs 集団というのはひとつの考え方です。経営者的感覚を持って心理 + αという何かを獲得しようと考えるのは自分で仕事を創り出していくことにつながるものだと思います。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_