ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:事例問題

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ᴷᵁᴿᴼ'
sᴏᴜɴᴅ ᴡɪᴛʜᴏᴜᴛ sᴏᴜɴᴅ.
写真は音をもたない。だからこそ聴こえてくる声がある。それは自分の中にある世界との呼応。

◯ 事例問題を解く・問149から見る鉄則

1.序 

問149

問題概要は17歳の女子高生の繰り返されるリストカット、「ワタシに失望してるんでしょう?」、動揺するカウンセラーはその気持ちを隠したま「そんなことないですよ」と返す。女子高生はある時ひどい自傷行為をした両腕を見せて「カウンセリングを辞めたいと思っているんでしょう!」と怒鳴りつける。カウンセラーはどのように対応したら良いか。

僕は第3回公認心理師試験の中でこれが1番良問だと思いました。これをひねって出題されると難しいものになるでしょう。そこで試しに問題を見せた上で美人女子大学院生みおみんに再登場願ってまたこの問題について語り合ってみました。

それはこの問題の中に事例問題、国語問題のように解ける(ただし臨床心理を知らないと解けない)カウンセリング問題エッセンスが含まれていると思ったからです。

2.問題分析・事例検討

僕:うぉはぁああああぁよみん!!

みおみん:おはみぃぃぃぃいいいん!

僕:というわけでこの問題について一緒に考えて欲しいんだけど(協力的共同体感覚《テキトー》)

み:こんな対応されたらワタシむっちゃ腹立つわ。なにしろワタシ美人だし

僕:美人と何の関係性あるんや。どんなところが腹立つん?

み:だってこの子カウンセリングに救いを求めてやってきているんでしょ?だから「苦しいか
ら何とかしてちょうだいよ」って手首切ってきたら「なうワタシ、そんなことじゃ驚きませんから」っていつもカウンセラーはにこにこして笑ってるね。これは激おこ案件

僕:カウンセラーは 20 代から 30代前半の男性、または 20 代院卒まもない女性、ただし男
女限らず 40代から 50代、あるいはそれ以外の可能性もある

みおみん:誰でもいいってことやん

僕:いや、駆け出しはさ、どんなことにも動じないぐらいワタシ若いけどセンスあるのよっ
て示したくて裏目って自分もやな気持ちになってカウンセラーの自己満足や

誰のためにカウンセリングやってるかっていうとこのカウンセラーは自分のためにやっとるわ

児童虐待なんかは淡々と聞かないとまずいけどな。大人が聞いて驚いたら子どもが「しまった、話さなきゃよかった」ってなるから

みおみん :この子かわいそう。「リスカするまで追い詰められているなんて辛かったでしょ」とか言われなかったんだね

僕:それから一時期収まってたリスカが受験を期に再発したのはやっぱりストレスから来る SOSだね。一時期はカウンセリングうまく行ってたけどね。どうもこのカウンセラー腕悪すぎて女子高生返事が来る電柱に話しかけてただけやろ。みおみんセンスええわ

み:当・然やね。ワタシ美人だし

僕:美人とは関係ないわ。私のコトカウンセリングするの辞めたいんでしょって心の叫びや、
多分このカウンセラーは手に負えないと思って本当に辞めたいと思ってたんだろう。そういう気持ちはすぐクライエントに伝わる

この子の気持ちわからないでリスカ見せられたら攻撃と思っててこの子のことキライだったんだろうな。最後にひどい切り傷作って怒鳴られても何もしなかったら本当に死んじゃうかもな

み:ほかの選択肢もありよりのありっつー風に教科書的に書いてあるからひっかけだね

僕:直面化とかな

み:確かに直面化は境界性パーソナリティ障害に対する基本的な態度って言われてるけど
「手首切ったのはおめーがわりいからだ。いい加減にしろ」はひとつの正答かもしらんけどそれは初回からラポール、治療的関係がうまくいってればだよね。このシナリオじゃムリみん

僕:ただ謝るっていうのはどや?

み:「ワタシあなたの気持ちようわからんけどとりあえず謝らせて」って言われたら絶望するしかない

僕:自傷をひどくさせないためにカウンセリングを彼女の気持ちどおり終了するっていう選択肢は別に彼女の気持ちやないやん。

ところでこの問題の正答、まあ原因と結果としては正しいんだけどどないや。んー、動揺を隠していたことが自傷につながったことを指摘するっつーことは「わてがめっちゃ動揺してたの隠したからアンタが不安定になったんやな、ほな驚くで『うわー、めっちゃ驚いたわあ』おま、これでええんか?わてがここまで言ってやったんだから満足せいや」

み:あんた◯されるで。どういう言い方がいいのかなあ。「わてな、大丈夫言うとったけど
ホンマはえろう動揺しとったんや。それ言わんかったんがあんさんが不安定になった理由やな?ちゃうか?」つーことじゃね?

僕:せやな。でも謝罪の一言ぐらいはあってもいいと思うわ。ところでこのカウンセラー、
この問題の答え通り言えたと思う?

み:無理やな。こんな鈍いヤツどないもならんわ。こんなんポンコツが突然目覚めることあらへんわ。設問に無理があるで。

※ 実は心理職にとっては常識のように思えるこの問題ですが、一般人から見るとわからん、リスカするような奴は叱りつけてしまえ、そう思って愛情なしに叱ったら相手は傷つくだけです。

※ カウンセリングに関する問題は僕が勝手に決めたものの基本的に上記の考え方をしていけばいいかと思います。すなわちカウンセリング至上主義(例外多し)相手の立場や心理状態を正しく理解する、侵襲性を避けることです。

※今回カウンセリングに関して、知識でも事例問題でも出題されていましたが(僕が勝手に選択)以下の原則があるようです.

1.投薬を受けていてももカウンセリングを行うべき。治療構造の枠組みは患者の希望があっても治療契約構造という初期設定からコロコロぐらつかないようにする。 
(問1)

2.患者の症状が悪化していてもカウンセリングをする。
これまでの出題傾向から→入院、身体管理、投薬治療の必要性に(服薬指示はしない)ついては患者に伝えてもいいようです。
(問2)

3.カウンセリングの際は初めにインフォームドコンセントをしっかりとしてカウンセリングの効果を説明して治療契約を結ぶ。多職種連携をする。関与しながらの観察をする。
(問33)

4.カウンセリングは侵襲性があってはならない(心理検査であっても)。共感性原則。共感は正しい。カウンセリング時には相手の状態を確認しながら行う(問38)

5.侵襲性を避ける。カウンセリング初期契約ではクライエントのニーズをしっかり把握する(問60)

6.カウンセリング至上主義にも例外あり。症状に全く関係ない方針のカウンセリングは行わない(問62)

7.カウンセリング至上主義の例外は、身体症状・幻覚妄想があり未受診の場合は医療機関受診>カウンセリングです。(問68)

8.具体的な医療行為(この問題では点滴)を患者に勧めない。医師の指示を受けるという意味では、医療至上主義でも医師を心理師が使ってはいけません。(問69)

9.自殺危険性がある場合には心理状態身体的状態観察をして相手を責めるような「お前の活動はどうだった?正しかったのか?」発言をしない。(問71)

10.問76は各社正答が異なる割れ問、現実指導重視か共感重視か。僕も判断しかねます。

11.多職種連携を行うのが境界性パーソナリティ障害の場合には大切。(問79)

12.観察評価原則
うつ病に対する初期対応、困った時は観察評価(問138)

13.真面目な人が急に窃盗繰り返して罪悪感なし。困った、理解しがたいときは医療受診。多分脳外科
(問142)

14.休職を勧める、越権行為はしない。明らかに過労のクライエントを産業医に面談させる。(問144)

15.選択肢ではほかの心理的介入を提案しているのにいきなり心理検査をするのは唐突(問145)➡️形を変えたカウンセリング主義 

16.「ない」という選択肢は「ない」の原則。「自殺の危険性は低い」と言うのは「ない」選択肢に正答がないように「ありえねーだろ、なんでそんなこと断言できるんだ」自殺危険の場合可能性と評価することはないです。(問146)

17.0指導やしつけを強制的にしない(尋ねる、確認する、検討する、は可能。登校を第一目標にするのは支援ではない。)(問147)

○ 医療>多職種連携>観察・検討>カウンセリング

そして「ない」という選択肢はほぼほぼ正解ではない。と言うことを覚えておくといいでしょう。


公認心理師試験対策




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selected the photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
刹那的で
儚い
その美しさを

より輝かせよう

わたしたちも
🌸

○ 第3回公認心理師試験事例問題の講評(午前問題)

※ 難易度を★で評価

偉そうに「評価」していますが、僕が満点を取れたわけではありません。後付けで調べて納得したものもあります。ただしこの試験で求められている独特のセンスが問われていると思いました。

問59★★
実験デザイン、2 条件に分けた尺度測定に関する主効果と交互作用に関する問題。よく考えたらわかるかなと。

問60★
不登校中学生女子に関するインテーク面接における公認心理師の初期対応を問う。いわゆる「共感検出問題」。現実対応よりも「共感」を大切にする。

問61★★
健康管理に問題あり肥満の男性。J.O.Prochaska の多理論統合モデル
Transtheoretial Model によるステージに関する質問。このモデルを知らなくともカンで当たるか。

問62★
躁転した女性入院患者に関する公認心理師のかかわり。これもなるべく具体的解決策に当たるような行為をせず、公認心理師と患者で完結する、侵襲的でないかかわりとするのが正解。 

問63★
被災者を支援する自らも被災者である公務員のバーンアウト状態に関する設問。これは第1回試験の時からの伝統として、公認心理師が「具体的方法」を勝手に行わず、公認心理師→医師につなぐのが回答という問題。

問64☆
今回の試験の目玉として語り継がれるであろう代理ミュンヒハウゼン症候群。心理学を習っていなくてもニュースを見ていれば回答可能。

問65★
家裁の処分を知っていれば、9 歳男児の重大犯罪がどのように措置されるかがわかる。

問66★
覚えたことをすぐ忘れてしまう中学生男子の状態を選択させる問題。特に理論を知らなくても字面を見ていれば解ける。

問67★
薬物使用で保護観察となった 21 歳への保護観察官のかかわり。守秘義務とインフォームドコンセントの原理で解ける。ただし、この案件は保護観察官が直接担当するような「直担」 事件か、また、保護観察業務を公認心理師が行うのか?という疑問が残る。

問68★
不安、動悸、情緒不安定な女性クライエントをどうするか?言わずもがな医療機関に紹介。精神療法だけやって悪化したら心理師は責任取れず。

問69★★
思春期やせ症、入院中の女子へのかかわりで不適切選択。具体的なものはダメ。心理療法に類するものと思い僕は点滴を受けさせる、を選んだのが IPSA、プロロゴスと回答が割れているがいかに?

問70★★
健康と物忘れ MMSE点数カットオフ値がわかればなんとなくわかる。「医師の指示」で医師を持ち上げれば正解、を装ったひっかけ問題。主治医からリファーされてまた主治医のところに行かせて服薬指導を受けさせる、というのは指示を守っているわけではなくて医師の見立てに反している。ところで公認心理師がこんなに健康指導に関与してもいいのか?ひょっとして給料そのままで心理職には健康指導もさせる、という意図が見えてしまう。

問71★
就職に悩んで抑うつ状態の男子学生の自殺のリスク評価。就職指導を行うというのは本当は有効そうな気がしないでもない。しかし現実対応は求められていないというのがこの試験の特徴。

問72★★
8歳男児の知能及び社会的能の評価
頻出の Vineland-IIの評価値がわかれば簡単

問73★
25 歳の男性会社員の日頃の言動・行動からの評価。AQ-のカットオフ値がわかれば平易。わからなくても解ける。しかし「見立て」と評して心理師が診断行為をしていいのか?心理師にそこまで責任を負わせるのか?という疑問が残る。

問74★
不適切問題選択。ボクシングで脳震盪を起こした男子大学生に対するかかわり。これは…脳震盪とは関係のない技法を試みるのはどうよ、と思う。

問75★★
2正答選択問題。
70 歳女性の日中の眠気について。「睡眠衛生指導」を心理師が行っていいの?と思いつつ、足のアカシジアかセネストパチー (身体異常感覚)について医師に相談するのはいいとしてあとは生活指導をどうすればいいか悩む。不眠
症生活指導は第2回試験でも出た。

問76★★

攻撃性高い 5歳被虐待男児、社会養護施設に勤務する心理師が行う支援。正答2つ選択。生活指導的な面も入る問題。現場感覚と異なるかも。

問77★
24歳の女性担任教諭になってから教室崩壊状態になった際、スクールカウンセラーのコンサルテーションを問う。正答2つ選択常識問題で、心理学問題とは言えないような。

◯ 講評

午前問題については「正答選択のコツ」をつかんでいれば比較的平易に思えました。この「コツ」というのは現場感覚ではない、ということです。「あ、こうすれば簡単に解決するよね、いつもワタシそうしているし」という導き出し方で答えを求めるものではありません。いわゆる「優等生的いい子ちゃん公認心理師」だったらどうするか?が解答として求められているようでした。



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◯ 公認心理師事例問題対策・生物・心理・社会的理解とインフォームドコンセント・連携の哲学

1.序・とにかく難しい事例問題

第2回公認心理師試験は客観的に見ても難しかったと思います。実際僕も解いてみてそう思いました。「え?そう?」と言っていたのはとある超名門スパルタ大学院新卒者で楽々8割程度正答していましたが、彼女は各領域を転々とした後、Gルート受験も可能だったのですがあえて大学院卒業を待って受験した才媛なので例外と思うことにしましょう。

「事例問題対策のコツ」はさまざまな人が書いていますが、そこをすり抜けてきわどい設問をしてくるのが公認心理師試験だと思います。

実際知識問題よりも事例問題不正答率が高かったという解析結果も出ています。

2.事例問題には医学優位の思想がある

事例問題には思想があります。試験委員にも数多くの医師がいて、この試験のスローガンは生物・心理・社会モデルBio-Psycho-Social modelです。

一番先に生物が来ることに注目します。たとえ司法や教育領域に勤めている心理職でもこの試験に合格するためには事例問題を解く上では「医師に相談する」「医師に報告する」という選択肢があったらサービス問題で、ラッキーと思ってその選択肢を選ぶことです。

どうしても医師に話す際に患者さんの了解が得られないときには説明(インフォームド・コンセントIC)を懇切丁寧に取り医師に報告することは正解になります。

「いや、オレは心理職としての矜恃があるからクライエントとの治療同盟が第一、そのあとに医師への報告は1カ月後でもいい」などと臨床哲学をマークシート相手に戦ってもムダです。

貴重な3点を失うだけです。あくまでも第一は生物=医学です。一方的に医師勢の味方をするわけではありませんが、実務的にも臨床面接をする上で心理職は何度もこの哲学に直面します。

「何でこんなに具合が悪いんでしょうねえ、不思議だなあ」

そうクライエントさんが言う時に、今まで毅然と業務指導をしながらクライエントさんにできる仕事の割り振りを細かく行い、支えていた上司が転勤などで不在になってしまった。そしてクライエントさんの業務負担が増えて仕事への不安が高まってなお不安が高まった容易に推測できたとします。

そういう「社会→心理」が予測される場合でもまずは生物的要因として考えなければいけないということです。

もちろん投薬をこうしましょうと心理師が言うと誤答になるのですが「不思議だなあ」というクライエントさんの言葉こそが「医学=生物」的な発言です。インフォームドコンセントなしに職場や家庭に連絡をするのは医療保護入院以外は×です。医療保護入院でも心理職でなく医師が家族に連絡をするでしょう。ケースワーカーが家族に連絡するかもしれません。入院において心理職はケースワーカーではありませんし権限はありません。

3.生物学中心の発想とは何か

春が訪れそうな季節、どんどん具合を悪くする人は多くいます。「この季節はみんな調子崩すから気をつけてね」という医師もいます。

しかし「春だから」という選択肢はありません。社会・心理的・季節的変化が患者さんに不調をもたらしていると強く予想されたとしても、それは患者さんがそう言わない限りはあくまで生物学的な問題なのです。

ただ、その理由がわかるのならば患者さんに早すぎる洞察を押し付けるのでなく、「こうでしょうか?医師に伝えてもいいですか?」とインフォームドコンセントが取れた時に初めて「社会・心理>生物学」になります。

臨床心理学における教育や各種心理療法の基本は、心理的原因の結果として不調が発生すると仮定しています。

しかし生物学重視の発想で言えば、患者さんが不調になるかどうかの原因は「誰にもわからない」のが正解です。

上記のようなクライエントさんが来て「これまであなたの上司はよくあなたのことを支えてくれていたと思いますよ」と早すぎる先回り洞察をしたら患者さんから拒否されてカウンセリングも治療も中断するかもしれませんので相当な注意が必要ということです。

事例問題については医師がいる環境であればあくまで医師中心の生物学的要因を重視しなければなりません。これは医師の肩入れを一方的にするわけではないです。「わからない」「原因不明」という不調は実際多いです。同じような環境の変化があっても変わらないかむしろ逆方向に精神状態が変化する人といるわけです。

4.ぶれるBio-Psycho-Social modelの軸

教育領域についてはチーム学校概念を重視することです。そして虐待においては子どもや親の了解がなくともすぐさまアクションを起こすのはこれまでの事例問題の傾向です。子どもや保護者に内密にしながら教員チームに情報提供をします。極端に「全く理解を得ずに強引に」というのは不正解ですが。

これは教育というeducational-Socialな視点が臨床心理学的視点を超えるからです。たとえスクールカウンセラーの外部性が重視されたとしても、子どものために心理職がドン・キホーテのように全ての大人と戦って孤立無援になったら何もできないどころか子どもや保護者を追い詰めてしまうというのは真実です。

この試験は正答選択原則があるようです。巧妙な軸のぶれを問うこともあります。

5.心理vs社会

産業場面にいると明らかにパワハラを受けていて通報したい、あるいは通報を勧めたいクライエントさんがいます。ただし、この場合に労働基準監督署や公益通報制度を使うように勧めたら一発で誤答になります。十分に気持ちを聞くことです。また産業医がいれば独立機関としての産業医に相談させることです。

心理面接はどんなに苦しくても(と予想されます)常識の範囲で誰とも調整行為をせずにひたすら延々とクライエントさんの話をまずは聞かなければいけないようです。

6.まとめ

いろいろな視点から見て
・医療領域=生物学>心理・社会
・教育領域=社会>心理
・産業領域=生物学>心理>社会
という構図が成り立ちそうです。

隠された事例問題正答のコツはこうしたいくつもの哲学に支えられているようです。

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◯ 知識問題配点1点、事例問題配点3点の方針・公認心理師試験

発端は僕のブログの読者のユキさんです。

「ぷーこ様、ひなたあきら様
センターに問い合わせたところ、「合格基準と合格率は比較検討するものではない」、「合格基準は厳密に60%ということではないが、検討委員会カリキュラムの文言を参照してください」、「配点は一般知識問題1点、事例問題3点で変更はない」とのことでした。現時点では、採点の真っ最中のようで、「はっきりしたことは何も分からない」というのが実情のようです。以上のセンターの回答から考えますと、やはり9月13日の公式発表を待つしかないようです。」


そして僕も日本心理研修センターに電話問い合わせしました。

僕「知識1点、事例3点でしょうか?」

(受付から割と年配の男性職員に代わってもらう。)

センター「その方針でやっていますが決定事項として発表はできません。」

センター「いろいろ大変なんですかねえ、みんないろんな噂が飛び交っていますし」

僕「そうなんですよ、みんな気にしています。」

センター「9月13日の発表まで待っていてください」

※ いちいちたかがブロガーが電話して聞いたものを記事にするのはどうか、という印象、感想、批判的な意見もあるだろうことは承知しています。

ただ、今回の受験人数にしても、センターではホームページを見るように言いながら、実際には判明している事項については発表してもいいのではないか?

と思い再問い合わせをした次第です。

ちなみに答えてくださった方は大変明るく、受験生の心情を理解してくれそうな応対をしてもらえました。

口の固いセンターが「方針」と言えばまず決定事項と思って間違いないと思います。

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◯ 第2回公認心理師試験直前対策・正答選択のコツ2

学会で出会った心理職と公認心理師試験の話になった際に「事例問題?あんな簡単なもの一問間違えただけだったよ」と言われました。

全154問中38問が事例問題なので事例問題全て制覇できたらそれだけで112点です。

また事例問題に傾斜配点があると仮定してもう一度事例問題を2018.9.9と12.16について隠された正答選択のコツについて再検討してみました。
参考記事:公認心理師試験の正答選択のコツ

1.「するな」の原理

クライエントさんが現実で何か困っていたら、しかるべき現実的対応をすると良くなっていくのは現場の心理職の感覚では正しいです。

しかしこの公認心理師試験はそういったことを勧めていません。

公認心理師が労基署に通報を勧めたり、部内配置換えをするようにクライエントさんから上司に言わせるよう指示したり、保育所を探したりするのは全部×です。

心理職は環境介入や調整が手っ取り早いことは知っていますし、実際にしてもいますがこの試験ではそれはまずい対応として扱われます。

2.「決めるな」の原理

現実的介入をするか、それともまずクライエントさんと話し合って何をどうするか検討するかということを迷う選択肢ではまず話し合うことが正答です。

丹野氏が指摘するとおり、まずは共感をしないといけないのです。

クライエントさんの心情に寄り添います。

ただし共感はクライエントさんがして欲しいポイントにするのであって、こちらが良かれと思って勝手に心理教育をしたり知識伝達をするという誘導はしないということです。

また、休職しなさいというのは越権行為です。

とにかく迷った際には公認心理師は自分で決めるな、勝手に決めないということです。

男女関係によく似ています。

男がぐいぐいリードしてあっち方向に行ってしまったら女性は怒ります。

「こう思うんだけどね、どうかな?」とソフトな男性はウケがいいかもしれません。

この試験はそんな感じの試験です。

何かをする前に2人で相談する、相談して何をするべきか、何を準備するべきかを話し合うことが大事です。

現実介入が必要な際には公認心理師が自分でやるのではなく、クライエントさんに「君のことなんだから自分で連絡して自分で決めたらどう?」とクールに言わないとならないらしいです。

それでも支援を続けないとならないので、支援を必要とするかしないかはクライエントさんに決めてもらいましょう。

いろいろと迷ったら、「これをやったらカウンセラーっぽいかな?」という選択肢を選びましょう。

「ふっ、私公認心理師っぽくてかっちょばいいわ」「俺、イケてね?」という選択肢が正解の可能性が高いです。

3.公認心理師は立場が下

いろんな選択肢があったとしたら公認心理師はいろんな関係者の中でもっとも意思決定と行動力は制限されているので、他の人に指示をしてはいけません。

「管理職教員に報告」は◯ですが「主治医に何かをさせる」「教員にやらせる」は誤答です。

医療現場での公認心理師の立ち位置ははっきりとしています。

これは丹野氏が受診勧奨をする、心理検査をすることは×と言っていたことに加えて、厚生労働省通達(公認心理師法第 42 条第2項に係る主治の医師の指示に関する運用基準について)でも「公認心理師は、主治の医師からの指示の有無にかかわらず、診療及び服薬指導をすることはできない。」とあります。

医師のみが行うことができる医行為に抵触するような服薬指示をするのはもってのほかです。

クライエントさんが「薬飲まない」と言ったら主治医に報告することです。

「飲みなさい」は言えません。

虐待とわかっていても医療機関の公認心理師なら主治医に報告して主治医から通告してもらいましょう。

入院した方がいい患者さんでも公認心理師からそう患者さんには言えません。

公認心理師はチームプレイの中のスターではありません。

4.希死念慮の扱い

漠然としたものならそのままにしますが、なるべく自分で扱わず人に相談業務をやらせることです。

はっきりともうすぐ死ぬから準備しているといった際には有無を言わさず家族に伝達です。

5.総括

何度か書いていますがこの試験は受験者が実務経験から得た、個人的に成功した体験や望ましい臨床哲学・理念を問うテストではありません。

現場ルールとはかけ離れている、試験のための正解を探るゲームです。

あくまで出題者の意図としては従順で組織の一員として働く公認心理師像を求めているのです。

第2回試験まで間がありません。

ご参考まで。

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