photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
心磨きに努めていると、「ひとをみる"目"」はそれなりに養われてゆく。でも、この「瞳」はなかなか真実ばかりは映してくれないもので。まぁ瞬間的な「視覚」ってそういうものなのかもしれないけど。ともあれ、もっともっと五感を研ぎ澄ませてゆきたいな、と心改める夏の暮れなのでした。
◯ 産業・医療領域上司医師を臨床心理学的に考察
僕:いつもバタバタしてると机の上とかめちゃくちゃですみません。(※ 実際ものすごい)先生みたいにいつも身の回りキレイにしておけなくて(心理テスト所見作成中)
上司医師:うん、俺モノ持たないしな。ほら何もないだろ(机の引き出しをカラッと開ける)
僕:空っぽ。先生本当になんにもないんですね
上司:モノなきゃ散らかりようがないだろ?自宅にも食器ないぞ?
僕:え
上司:コンビニで買って食べてそのままおしまい
僕:はあ、先生医師用の宿舎だから確か広いんじゃ、3LDKぐらい?
上司:広いね。6畳間しか使ってないけど。ベッドないから2人がけのソファに寝てるんだよね。ソファ小さいから足はみ出す。で、丸まって寝る。気がつくと床に転がり落ちてる。改善策として落ちても痛くないようにフローリングの上にダンボール敷いた。冬は寒いね
僕:先生それ医学的に体に悪いんじゃ(僕:家屋内ホームレス医師…)
上司:うん、昔は直接床の上に寝てたんだけどね、10年ぐらい前からだんだん辛くなってきてね。歳は取るもんじゃないね。で10年前に◯印良品のソファ買った
僕:はあ
上司:あ、そう言えばロー◯ソンは帰宅途中だから便利。顔なじみになると「先生、これ取っておきましたから」って商品も取り置きしといてくれるからな
(僕:出勤→診察→デスクワーク→残業→コンビニ→ソファーでエコノミー症候群か転げ落ちて打撲か…)
僕:先生そう言えば逆流性食道炎かもって言ってましたね。うちの消化器内科でまだ診てもらってないでしょ?
上司:ああ、死ねる病気ひとつぐらいあった方がいいだろ
僕:え?
上司:ほら、誰にも気づかれないで孤独死とかね、気道詰まって死んでたら一瞬だし
僕:出勤時間過ぎてたらすぐ電話して迎えに行きます
上司:冷たくなってたらまたドア閉めといて
僕:確かに借り上げ宿舎だからカギありますけどね
上司:ひなた君も吐いてなかったっけ?
僕:ええ、1日2回ぐらい爽やかに。ノド詰まって目覚めるのってツラいですよね。
上司:最近運動不足だからやべえと思ってジョギングしたら700メートルぐらい走って吐いた
(昼休みに入りお互いiPhoneに向かうこと30分 ※ お互い意識障害傾眠傾向時あり)
上司:転勤族だから定年まで実家には帰らないし弟夫婦にオヤジの隣に住んでもらってるんだよね
僕:そう言ってましたね。
上司:下手に財産あるともめるんだよね。確かに俺、医学部に行くのに金かかったから「兄貴だけ金かけてもらってズルい」って、お前勉強しなかっただけで別にオヤジも学費出してくれたと思うんだけど。
僕:はあ
上司:弟にオヤジは土地ほとんど譲って俺はなんか河原の土地生前贈与受けた。
僕:まあ先生これまで稼いでらっしゃったでしょうけど
上司:弟には1銭も残さない。母校に寄付して医学生の学費の足しにしてもらう。
僕:僕は国境なき医師団に寄付しようかなあ。先生みたいに資産家じゃないけど。やっぱりきょうだいには渡したくないですよねえ
上司:そ、そ
※ 考察
このように日本の産業-医療領域を支える健康保健管理制度は医師他コメディカルの無私奉公の精神で支えられており、医療従事者の心身は日々の医療業務で確実に蝕まれています。
詳しくは書けないのですが感染症対策ではかなり上司はあちこちに引っ張り出されており多忙で土日も出勤しています。スタッフは少人数なので僕も心理以外の医療行政的なアシスタントをすることもままあります。
このようにバーンアウトした医療従事者や心理を休ませるかクビをすげ替えるかは実に難しい判断を伴うと思うのです。
(了)
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