ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:上位資格

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医師団体が公認心理師認定資格を作ることの是非

以前から僕は公認心理師職能団体が2つに分裂していることについて、職能団体が統一しなければ公認心理師制度そのものが危機に晒されるという持論の持ち主なのですが、ここに来て、もし医師団体が公認心理師の専門認定資格を作ってしまったらどうなのだろう?

と思うわけです。

思い返すに2資格一法案の時から(従前国家資格として「臨床心理士」と「医療心理師」を創設しようとした試み)医師団体と心理団体は微妙な対立、というか緊張感のある関係にあってなかなかお互いの主張が噛み合わないという印象を受けていました。

資格問題とは直接関係ないのかもしれませんが公認心理師法第42条2項についても主治の医師に対しての守秘の義務を患者がどのような意向であろうと、必ず患者の合意を取り付けて医師に報告しなければならないという意見を見て、意思のある患者さんの合意を必ず取り付けなければならないという医師団体の主張に絶句した覚えがあります。

さて、もし医師団体が公認心理師にかかわる認定資格を創設するとすれば、公認心理師制度に大きくかかわってきた日本精神科病院協会(現任者講習会も主催していた)わけです。

というのも日精協(略称)は看護師、栄養士についても認定資格を作っており、医療にかかわる職種の専門資格を認定していました。

ここで看護師の認定資格を見てみると認定されるのは年間40〜50人と決して多くはないものの、こういった資格をもし公認心理師で作るとすれば、この時期日本公認心理師協会(師協会)と公認心理師の会(の会)が上位資格構想をぶち上げてしまった今、かなりナーバスになっている公認心理師を刺激することになるのは火を見るより明らかです。

結論から言えば僕はこの時期に公認心理師の専門資格を医師団体(医師の職能団体にしても医師の学会にしても)創設することについては「否」という見解を示すことしかできません。

職能団体が公認心理師側で分裂していてあたかも大喧嘩をしているかのように上位資格を作り上げてしまった今、医師団体が専門資格認定を始めてしまったらかなりの緊張状態が、今でも十分崩れているバランスをさらに崩すことになりかねないと感じるからです。

仮に医師団体が公認心理師の医療領域における専門性を高めるつもりで認定資格を作り上げたとしてもそれはまた上位資格問題と複雑に絡まり合う概念になることは必至であり、この制度を混乱させるばかりになると思います。

もし医師団体の専門認定資格ではなく、本当に医師団体が公認心理師上位資格を創設してしまったら「師会」も「の会」もいい気はしないでしょうし、何よりも現場の公認心理師が困惑することになるのは自明の理でしょう。

思うにこの辺りの上位資格問題については以前から注目していた人たちはともかくとして、師会が上位資格を創設した時、何も知らない公認心理師からは「新しい資格ができたからまた取らなくちゃならないのかなあ、またお金がかかるなあ」との相談を受けたこともあります。

僕はすかさず「その必要はないよ」と言ったわけですが、厚生労働省が新設された公認心理師制度の普及に必死になっている時にあたかもドヤ顔で「どうだ、専門性を高めてやったぜ」というような職能団体2つの動きにはげんなりした気分でその動きを見ています。

僕は開業心理師としてあちこちの法人を営業回りをしているのですが、だいたいにおいて臨床心理士も公認心理師も産業カウンセラーも知名度が低く、誰も資格そのものを知らず一般人にとっては「ナニソレ?」状態で、相当に心理学に理解を深めようとしている人しか知りません。

福祉職で公認心理師を取得している人も多いのですが、福祉職が働く現場でも公認心理師のことは誰も知らないことは多いです。

クライエントさんに至っては長年の歴史がある「臨床心理士」の方が有名で公認心理師の名称は知らないことが多いでしょう。

そこで僕も面倒になって、公認心理師の名称を冠したこんなやくたいもないブログを書いているわけですが、自己紹介をする時には面倒になって「臨床心理士です。」と言うことが多く、それでも知らない人たちがかなりの割合でいます。

そこでなお上位資格を作り上げて「○○公認心理師です」と鼻の穴を膨らませるように言ったとしても意味はありません。まず誰もが知らない公認心理師名称と専門性があることを広めていかないとどうにもならないというのが初手だと思います。

「師会」も「の会」も勝手なことばかりをしているという印象を僕は受けているのですが、もしこの上医師団体が公認心理師上位資格にしても専門認定資格にしても作り上げてしまったら、なお現場の公認心理師は混乱するばかりだと思います。

僕はもちろんこの辺りの動きの中枢にはいないのですが、医師団体と心理団体がお互いに牽制し合っているように感じられるような動きは素人ながら肌で感じています。ここでくんずほぐれずしてさらに何かの資格を創設してしまったら悪い意味での三国志にならざるを得ないと思うのです。

さて、市井の一介の心理職としてはこのように感じるのですが、資格ホルダーのみなさんとしてはどのように感じるのでしょうか。

資格商法がひとつまた増えただけでワープア心理職からまた上納金をみかじめ料として支払わせるという意図に取られてしまうのではないかと危惧する次第です。
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公認心理師「の会」ついに上位資格設立へ

「の会」が従前から提唱しているきた上位資格創設構想がついに実現の運びとなるようです。

「の会」ホームページ

「専門公認心理師制度」と言うようで公認心理師協会(師会)の「認定専門公認心理師」と実に紛らわしい。

これはお互いにお互いを意識し合っているとしか思えない。推測ですがこれには公認心理師制度創設推進役だった日本精神科病院も厚生労働省も呆れているのではないかと思います。

職能団体統一どこ吹く風、お互いに上位資格構想をぶち上げたらますます亀裂が大きくなるばかりでしょう。

「の会」については設立当時からその動きに危惧していたわけで、倫理綱領もなければ、師会は社団法人の中で正会員=社員なのに対して「の会」はごく少数の幹部のみが重要事項を決定できる(まあもちろん話し合いはあるでしょうが形式的に)というものです。

元々師会は日本臨床心理士会がなし崩しになって設立されたものです。また、これもどうかと思うのですが、「の会」は認知行動療法オンリーワン、確かにエビデンスは大切ですし僕も認知行動療法を否定するわけでは決してないし認知行動療法家で尊敬できる先生方もいます。

ですが、他学派に対してとてもアグレッシブな姿勢はいただけない。

「の会」の原田さんなんぞは公認心理師試験に認知行動療法以外の領域が出るとクレーム物申す、描画をやらせるようなカウンセラーの所に通うのは辞めてしまえとかなり過激です。

まあ僕が言ったところで無為に終わりそうですが「の会」も精神分析にだってエビデンスは認められているし、そもそも境界例概念も精神分析なしには成立しなかったわけですからお互いの職能団体を尊重して統一に向かって欲しいです。

厚労省も公認心理師制度をまずは定着させようと必死なわけですし、勝手に上位資格を作らないで欲しいし、職能団体が統一されていなければ官=厚労省、民=職能団体の官民での話し合いもままならないでしょう。

また、師会の上位資格にしても「の会」の上位資格にしても資格ホルダーの大勢からすればとても冷ややかな目でしか見られていないということを知っておく必要があり、単なる上納金マシーンと職能団体がなった「資格商法」としか見られていないことを受け止めて欲しいと思います。

公認心理師が成立するまで実に60年近い抗争や紛糾がかかったわけですからお前ら今度はまた100年戦争でもやるんかいと僕も呆れています。

百害あって一利なしの上位資格でさらに職能団体に亀裂を入れるよりは歩み寄って「公認心理師会の会の会」師会の会」どんな名称でもいいから統一に向かって欲しいと思っているわけです。
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「の会」の公認心理師上位資格制度構想を見直してみる

公認心理師の会(以下「の会」という。)も上位専門資格(ただいま絶賛準備中)によるスキルアップとキャリアアップを検討している団体です。

というかスキルアップとキャリアアップという
のは何ものなのか、それを上位専門資格と関係させるということは何だろう、と思うわけです。スキルアップしてキャリアアップしたら給料が2倍になるなら喜んで入会したいものではありますが…

「の会」の主体となっているのは認知行動療法家たちが主流ですが「の会」には倫理綱領が存在しない。これが大きく日本公認心理師協会(以下「師会」という。)と異なるところです。別に職能団体に倫理綱領がなくてもいいと言えばいいわけですが(諸外国には倫理綱領が存在しない職能団体もあり)、分裂職能団体がそれぞれ我こそは職能団体と主張して心理職 50 年の争いをまたやり直し「ああまた心理職は一人前とはみなされないんだなあ」と悲しい思いをいつもしています。

アメリカ心理学会(APA) の Ethic Code (倫理綱領)は実に立派なものであり、和文翻訳をしたら(自動翻訳ソフトDeep L さんによる)実に 30 ページに上るものだったのですが、なかなかに厳しい内容となっていました。APA はかなり大きな団体であり、臨床心理士として活動するには APA の会員でなければならない。

ということで実験結果をねつ造してあたかもAという。心理療法がとても効果があるかのように宣伝して顧客を引き付けたら資格を剥奪されたりと、当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、なかなかにきつい倫理となっています。

そんなことを言ったらエビデンス(証拠・証明力)がない心理療法を行ったら全て資格剥奪になるのかというとそういうわけでもなく、アメリカでは保険点数化されていなくても境界性パーソナリティに関する精神分析療法はエビデンスが認められているわけですし、精神分析と愛着理論を駆使したメンタライゼーションも盛んです。

日本で認知行動療法家というよりも原田療法の創始者、原田隆之君が言っているような「絵を描かせたり箱庭をやらせたりするようなセラピストがいたらインチキだと思ってほかのカウンセラーを探せ」とか下山晴彦さんが言っているような「遊戯療法をやっていた人は学んだことを生かして認知行動療法をやってみよう」と言葉巧みに他流派を disっているように思えるわけです。

心理療法家の人たちは、ぽつりぽつりとしかしゃべらない言語表現が苦手な子たちの遊戯療法をやったり、箱庭療法をやったりして目をキラキラと輝かせて帰っていく、そしてまた遊戯療法を楽しみにしてやってくる子どもたちを見てとても「ああ、これは効果があるんだなあ」と実感している、これはクライエントさんが一番満足しているからこういった現象が起こるわけでしょう。

それを頭ごなしに否定されてしまうと精神分析に始まる遊戯療法やその理論を学んできた学者やその弟子たちは頭を抱えてしまうかただ単に無視するだけです。

前置き、というか「いつも話が脱線してしまうのが悪い癖なのですが」(とパワポで作った資料を見事に全て無視しながら話して今日メンタルヘルス講義中に言ったらウケを取れた)「の会」が作る上位資格構想というのは当然認知行動療法オンリーになってしまうのだろうし、そうすると他流派は認められないだろうと思うわけです。

そこに「の会」の上位資格構想について危惧を覚えるわけで、400 あまりあると言われている心理療法のうち認知行動療法を含むほんの一部だけが心理療法として認められてあとは全部 dis られてしまったらワンチャンやってみる価値もないと他心理療法家ががっくりと肩を落としてしまうという結果になってしまうというのではないでしょうか。

そこに「の会」が作ろうとしている「上位資格」の危うさがあるわけで「師会」が作り上げてしまった専門認定なんちゃらという上位資格も勝手に作られてしまったので知人の S君から「ねえ、あの上位資格取らなくちゃいけないのかなあ?」と聞かれて「その必要は全くないよ」と言ってしまいました。

迷える子羊を一匹救い出したような気持ちになりました。あっちで専門資格を作り、こっちで専門資格を作り、とさらに医師団体側でも学会認定専門公認心理師資格を作ろうという動きもあるのですから、もうこうなると百花繚乱で、彷徨える子羊のような推定平均年収 300万円の心理職にとってはどの団体に加入したらいいのか、どの資格を取ったら有利になるのかということを考える羽目になるわけです。

最終的には 6~7 万人程度になるだろうと見込まれる公認心理師ですが、「師会」の出した結果によると約2000 人の会員数、時が経ったのできっと 3000 人行くか行かないかの組織率で言えば青息吐息(とても失礼)な職能団体、そして「の会」もきっと組織率は低い、こんな風に分裂していたら一体どこがどうなっているのかわからないでしょう。

しかも臨床心理士と公認心理師のダブルホルダーも多いので、日本臨床心理士会、「師会」
「の会」今度は「師会」とはゆるやかな結びつきはあるものの上下関係がない独立団体の地方公認心理師協会もあるということで、一般公認心理師は混乱するばかりです。「の会」と「師会」の関係をはっきりとさせておかないとそれぞれが勝手に上位資格を作って反発を買うだけだと思うのですが・・・

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○ ちょw穴空きずぶ濡れ破れ障子紙専門認定公認心理師規程

1.はじめに

今回、一般社団法人日本公認心理師協会専門認定に関する規程(長い)に感してワタクシがふぁんである橋口誠志郎先生のバターロール動画 にも述べられていたように、「この文章、書いた人大変だね、お疲れ様」というのは本当なのでしょうが、すみません、規程の内容が国家資格公認心理師ウルトラ上位資格を作るのにはあまりにもお粗末で穴だらけでした。

ということでこの規程の破れ穴を次々とカッコよく華麗に指摘しつつ疑問の数々についてもあげていこうと思います。

2.疑問

⑴ あの、地方公認心理師団体と協同してるの?(自職種内連携)

これは「規程」ではなくてHPに書いてあったのですが、地方公認心理師協会と①導入研修、②専門研修I、④専門研修IIについて、本協会が主催するものの他、「各地域公認心理師協会などが主催する」とあったので、普段は恐れ多いのですが某地方公認心理師地方団体のエライ人に聞いてみました。

僕:かくかくしかじか
えらい人:え、なにそれ聞いてない
僕:え、だって書いてあるし
え:だってそもそもウチと師会と上下関係ない独立団体だし。ナニソレひどい。うちやらんよ。義理ないし

ちょw規程作る前に自分のとこの足元固めとけよw

と思ってしまった次第です。

⑵ そもそも導入研修っての、必要?

この専門認定公認心理師(長いので以下「専門」)、導入研修については「基本的な倫理や職責法制度知識…」を身につけさせるとありましたが、ちょ、これって試験範囲内容になってますよね?それから養成課程でも習っているんじゃ…と思った次第で、ひょっとしたら、しなくても受験生や養成大学院から

うちらが勉強してきたこととか必死で教えてきたこと、レベル低いとか、ムダっていうこと?

というネガティブな感想やクレームや反発や怒りや不満や不興や大顰蹙を買うかもしれません。高坂先生もおっしゃっていましたね。

⑶ 専門研修Ⅱは野放し規定

この「専門」資格が必要ならば偉い人々が言うので必要という可能性もラクダ🐪が針の穴を通る程度の高確率で必要かもしれません。ということは、専門研修IIは卒後3年だと、「専門取る前に3年間は好きなことやっとけ、オレたち何が起こっても知らん」という大変面倒見がいい資格のようです。

看護師さんは卒後3年で上長となって職場の中で新人指導しているというのに…

⑷ スーパーバイザー(SV)制度がいつもながら曖昧

これ、この規程読んだらSV制度については手もつけないし研修でやらんでしょ、っつーかヤル気ないでしょ。そりゃそうだよね。だって心理職が一番ニーズが高いのに一番触れたくないとこだもんね。

地方だとSV受けられる場所限られてるし下手すると自前の学校の教授からSV受けるとか、多重関係どうすんの?論文指導ビシバシ受けながらヨシヨシしてもらうの?

(※ 読者の方からSVは「ヨシヨシ」だけではない、厳しい場面もある、と聞いて「そのとおり」とも思ったのですがそれはそうです。臨床の教員は通常複数いるはずなので…と多重関係の危険性が薄いことも指摘されたのですが、司法領域から始まった選択の余地ないSVから始まった僕に現状を詳しく教えていただけると助かります。あとSVに際して金銭授受の大切さを指摘されましたがそのとおりです。金銭授受のプロセスの大切さはSVの間に学んでおくべきと。この辺りはやはり師会は考えていないか、「え、それ俺たちの仕事を?」的な考え方をしているのではないかと思います。)

他機関に自前ケース持ち出していいの?クライエントの許可は?

何かバイザーのせいで起こったら(せいでなくても)バイザーも責任取るんだよね、訴えられたらやめさせられちゃうかもね。

などなど面倒なことを考えるのは師会もイヤだったのでしょう。えいやと抜いてしまった様子が推察されます。

⑸ 実は公認心理師のことなんてどうでもいいと思ってる

これな、相当やばたんな姿勢です。新卒ABが2024年から出てくるのですが、この人たちがどんな教育を受けてこれから何が必要かということについてまず把握してないです。

理想論では立派なわけのわからない看板を掲げられるけれども議論もないし実態も明かされていないし、そもそもどんな議論があったのかは誰も知りません。

橋口先生指摘のとおり、文章書く人はきっとイヤイヤ書いていたでしょう。僕だったらバターロール🧈ではなくハンバーガー🍔片手ぐらいでもやつぱりキツいのでプロのライターとしても断ると思います。

まあ新卒者のことや公認心理師全体のことなんてどうでもいいやと思っているんでしょう。重要なのは師会の利益やメンツだけですから。

⑹ 俺たちはエライ、俺様制度

誰かがツイートしていましたが、Gルートの扱いってどうなんでしょ。心理職の中には心理と近縁の福祉や教育の仕事もたくさんありますよね。産業もそうです。司法の線引きも曖昧でした。さあそこで「どこまでが心理でどこまでが心理じゃないか、俺たちが審査して認めてやんよ、認めてやらないかもしれないけどな」という資格です。

経過措置「心理専門職としての臨床実務経験を持つと本協会が認めた者」

はい、ごめんなさい。認めるのはやっぱり師会ですね。

⑺ 資格取得のための情報ナッシングでもいいの?

あの、公認心理師資格登録証にはナニルートで受けてどの経験があるのかとか書いていないんです。しかもナニルートで受けたか「忘れた。だってもう資格取ったから関係ないし」という人たちも相当います。

これ、資格取得志願者の情報正確に取ろうとしたら日本心理研修センターから情報取らないといけないですね。

守秘義務のことは知らんけど。あともし経験がそれだけあるかどうかを知ろうとしたら勤務先から職務経歴証明書取らないと。

だって専門資格なんですから。自己申告だといけないと思います。だって上位資格なんですから。ということで橋口先生が言うような人間不信モデルMisanthropy model(メサントロピーモデル・試験には出ないので覚えないでください。)に基づいていますね。

⑻ 開業はカヤの外

5領域5領域と開業の先生方は公認心理師資格を取得するのにも心理研修センターと面倒なやり取りをしていたのですが、おお、ここでもか、と思ってしまいます。   


3.おわりに

かのような水に濡れた破れ障子紙のような穴だらけの規程なのですが、これ、作る前に誰か弁護士さんと相談して穴がないようにしなかったのは火を見るよりも明らかです。

というずぶ濡れ規程に基づいた資格を取りたい方はどうぞお好きにしてみたらとも思いました。食べ歩き番組に出てくる「お好きな人にはたまらないでしょうね」という感想は「豆腐にソースと納豆とジャムかけたこんなもん、相当な好きモノしか食わねえwww」というコメントと意味が同じだということをなんとなく思い出してしまった次第です。

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◯ 高坂康雅先生、公認心理師上位資格反対について大いに語る

2021.8.3に公認心理師上位資格構想を公認心理師協会が発表したことについて、かなり多くの反対意見が出ていることについて和光大学の高坂康雅先生も大反対の意をYouTubeで表明しています。

タイトルは「公認心理師協会が専門資格を始動−上位資格は必要か−」というものです。

高坂先生の論点はいくつかあるのですが、整理すると以下のとおりです。

認定専門心理師の目的と目指すところは公認心理師と変わらないのではないか?

これはもっともな論理で認定公認心理師は

「認定専門公認心理師:臨床実務に関する基本的な教養を身に付け、分断横断的な視点を有し、広く国民の心の健康の増進に貢献できる専門性を有した者として認定するものです。」とあります。

しかしこれは公認心理師第二条の

「この法律において『公認心理師』とは第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称をもって、次に掲げる行為をすることを生業とする者をいう。」

※ 注
第二十八条 登録
次に掲げる行為(抄)
一 心理支援を要する者の観察、分析
二 心理相談
三 関係者の相談対応

確かにこれは高坂先生が言うとおりで、公認心理師という国家資格ができたのにそれと全く同様の目的を持つ上位資格を作ることに何か意味があるのか?というもので、これに対して僕は全面的に賛成します。

かなり多くの研修を受けなければこの専門認定公認心理師資格を取得できないことについても高坂先生は問題視しています。

・導入研修(研修時間不明)
・専門研修Ⅰ(研修時間不明)
・テーマ別研修(20単位)
(資格更新時25単位)
・専門研修II

なのですが、この資格は5年ごとの更新性資格です。

公認心理師試験対策講座を主催している高坂先生が問題視しているのはさまざまな観点がありますが、きっとこの研修は無料ではなく、多分多額の金員を支払わなければならないということ、それから5年以上の経験を持つ、ということで認定公認心理師は分野別だと転職に有利になる可能性があると話していました。

また、さらに1段階上の認定専門指導公認心理師になるとエキスパート研修が必要、結局なにがしたいのか?

高坂先生の主張(推測)では自己研鑽を行う(自己研鑽は他のところでもできるだろう)、自慢したい、職場内の評価が上がる?(ワケがないと高坂先生も言ってました。)、転職に便利(…)な訳ないだろう。(僕が採用面接官なら、この資格を持ってるとドヤ顔で志望者が来たら即落とします。)

高坂先生は現段階で実務的なメリットは今のところない。また、「実習演習担当教員」、「実習指導者」になるための厚労・文科大臣の指定する講習会を受講しなければならない事になっている(今は経過措置で認められている)のに
こういった制度とは関係なく「指導者」の資格を創設するのはいかがなものかと話していました。

中央研修だけだと地方の人は交通費もかかるから負担が増える、臨床心理士のダブルホルダーは経済的負担に耐えかねて臨床心理士を捨ててしまうだろうとも述べておられたのですが、なにより「何が何だかわからないから分裂団体に両方入らない」という人が多いだろう。

また

まず先にやるべきなのは分裂職能団体の統一じゃね?

と言われていたことに僕も大いに賛同します。

そして結局こういったわけのわからない制度を作っても要支援者のクライエントさんたちが混乱するだけ(大いに賛成)とも主張していました。

思えば僕自身も臨床心理士をしていて臨床心理士資格に愛着を持っています。心理臨床学会にも所属していますし、日本臨床心理士会にも加入していて、立派な先生方がおられてお世話になったこともあります。

それなのにこれらの団体と縁が深いと思われる日本公認心理師協会の暴挙に対して「ナニソレ?」ということを強く感じている次第、高坂先生の意見に全面的に賛成する次第です。

付記:高坂先生の動画でも紹介されていましたが、さらにスーパーバイザーを指導者の上に作ろうという構想があるようです。公認心理師そのものが国家資格なのにその上に資格を3階建てで作ろうとするのは暴挙としか思えません。


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