◯ 精神物理学・発達心理学・ピアジェ
・Weber–Fechner law
ヴェーバー・フェヒナーの法則
・Weber,E.H.
Weber,E.H.は刺激の弁別閾(丁度価値差異)は基礎刺激の強度に比例する事を発見しました。
50の刺激が60になればその閾値が弁別できるようならば、100の刺激は120になればわかる、という具合に刺激量は比例するというものです。
・フェヒナーの法則
フェヒナーの法則は、
刺激量の強度Rが変化する時、これに対する感覚の量Eは
E=ClogR
で、感覚量は刺激量の対数に比例するというものです。
100の刺激が200になる時と200の刺激が400になる時の感覚は等しいというものです。
・Wundt.W
Wundt.Wの構成主義は実験心理学の祖と言われています。
感覚生理学的な心理学を提唱しています。
意識が何の要素から構成されているか問うという考え方を要素主義とも言います。
人間心理の複雑な様相を自ら内観する内観法という手段も取りました。
・ James.Wは機能主義の立場を取りました。
意識は心的要素でなく、どんな機能があり、どんな心的作用をするのかに注目したものです。
その結果として客観的手法、実験法に重きを置くようになりました。
・Watson,J.B
構成主義と機能主義がそれぞれ心的機能を構成、機能を対象にしたのに対して、Watsonは行動を研究の対象にしました。
◯ 発達心理学
Piaget,J.は
1.感覚運動期(0〜2歳)
(sensori-motor period)
2.前操作期(2〜7歳)
(preoperational period)
3.具体的操作期(7〜12歳)
(concrete operational period)
4.形式的操作期(12歳以降)
に発達段階が分かれると定義しました。
1.感覚運動は、自分と物との関係を通じて自己と事物の区別をするようになる時期です。
・第1段階
0〜1カ月
反射期、外界の刺激に反射のみを
行います。
・第2段階
1〜3カ月
自分の身体に関心を持って繰り返
し、自分のゆびをずっとしゃぶっ
ているという第1次循環反応を示し
ます。
・第3段階
3〜8カ月
ボールを壁にぶつけて跳ね返った
りするという反応を繰り返して、
事物、世界のありようを認識しよ
うとします。
第2次循環反応です。
・第4段階
8~12カ月
で、具体的に自分がしたい事があ
った時に目的と手段を理解して実
行することができるようになりま
す。
を指します。
この時期は,具体的な目的-手段関係を理解して使用するようになります。
自分がしたいことと結果の因果関係が理解できるようになります。
対象の永続性
(object permanennce)を獲得します。(後年、フランス精神分析学者Lacan,Jが鏡像段階理論として、ハトが鏡を見て自己像と認知することができるようになるのを人間の精神活動になぞらえて描いたのがこの時期です。)
簡単に言うと「いないいないばあ」の時期です。
目に見えないものでも存在してあるということがわかります。
・第5段階
12~18カ月
試行錯誤を繰り返してうまくいく
結果となるような手段は何かとい
うことを調べることができます。
第3次循環反応と言われています。
・ 第6段階
18~24カ月
目的と手段のつながりをある程度
複雑な過程でも手段を組み合わせ
ることができます。
2.前操作期(2〜7歳)
(preoperational period)
操作はまだできない段階です。
4歳ごろに出てくる概念が前概念的思考段階です。
対象の真似をする「ごっこ遊び」としておままごとができるようになります。
ごっこ遊びは象徴機能(symbolic function)が可能になったということで、発達の中では大きなことです。
特定された対象ならば象徴機能を働かせることが可能です。
ただし、道にバッタがいて、歩いていくとまた別のバッタがいるのを発見すると「またあのバッタだ」と思います。
イメージだけで思考をしますので象徴化は難しく、遊びに行った先にいる猫と外を歩いている猫を同じ猫というくくりでは見られません。
いったん「ネコちゃん」と単語を覚えると歩いていて犬を見ても車を見ても「ネコちゃん」と言います。
直感的思考段階
この時期は量の保存の概念がありません。
ペットボトルの水を洗面器に空けたら、高さが減ったので、「水の量が減った」と認識します。
ただし、どんどん水の量が広がっていくようなら、最初の考えを修正できるようになるのは,脱中心化(decentering)という概念が関係しています。
アニミズムと言って、生命がない事物に生命が宿ると思い込むのもこの前操作期の特徴です。
前操作期の特徴はその自己中心性にあります。
前操作期を示しているものに3つ山課題の実験があります。
角度が違うと立体的な山の模型は、別の視点から見る人は別に見るのですが、前操作の子どもはそれを理解することができません。
ウェルナーWerner,H.は、相貌的知覚を(physiognomic perception)を持ちやすく、「車がにらんでる」「壁のシミが笑ってる」とこの時期には感じると言いました。
3.具体的操作期
5個の積み木をバラバラにすると数が増えます。まとめておいても数は同じですがひとかたまりです。
どちらも同じで5個の積み木から成り立っているという認識を獲得します。
これを保存性の概念と言います。
アニミズム汎心論:ainmismの概念も変化してきます。
生命は全てにある→自分で動かすことができたら生命→自律的に動くものが生命です。
自己中心化⇄脱中心化です。
思考の可逆性(reversibility)も具体的操作期の特徴です。
海辺の砂で山を作れる、崩せばそれはただの砂で、また作れば砂の山になる、という具合です。
保存(conservation)の概念も備わってきます。
3つの山課題も解決可能になります。
4. 形式的操作期
(formal operational period)
論理的な思考が可能になります。
◯ 仮説演繹的思考、命題論理が可能となります。
言語によって問いかけられても答えられます。
「赤い玉は白い玉より大きい。青い玉は白い玉より大きい。どの玉が一番大きいですか?」という疑問に答えられます。
◯ 組み合わせ思考
何かと何かを組み合わせる際に、試行錯誤的に全てを試すのではなく、考えながら試すようになります。
水の入ったビーカーいくつかが並べてあって1リットルを組み合わせて作るのに、300ミリリットルと700ミリリットルでどうだろうかと考えてることができるようになります。
形式的操作期が進むと計量的比例概念といって、事物の変化はまた別の変化につながることか理解してできるようになります。