ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:ピアジェ

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◯ 精神物理学・発達心理学・ピアジェ

・Weber–Fechner law
ヴェーバー・フェヒナーの法則

・Weber,E.H.
Weber,E.H.は刺激の弁別閾(丁度価値差異)は基礎刺激の強度に比例する事を発見しました。

50の刺激が60になればその閾値が弁別できるようならば、100の刺激は120になればわかる、という具合に刺激量は比例するというものです。

・フェヒナーの法則
フェヒナーの法則は、
刺激量の強度Rが変化する時、これに対する感覚の量Eは

E=ClogR

で、感覚量は刺激量の対数に比例するというものです。
100の刺激が200になる時と200の刺激が400になる時の感覚は等しいというものです。

・Wundt.W
Wundt.Wの構成主義は実験心理学の祖と言われています。
感覚生理学的な心理学を提唱しています。
意識が何の要素から構成されているか問うという考え方を要素主義とも言います。
人間心理の複雑な様相を自ら内観する内観法という手段も取りました。

・ James.Wは機能主義の立場を取りました。
意識は心的要素でなく、どんな機能があり、どんな心的作用をするのかに注目したものです。
その結果として客観的手法、実験法に重きを置くようになりました。

・Watson,J.B
構成主義と機能主義がそれぞれ心的機能を構成、機能を対象にしたのに対して、Watsonは行動を研究の対象にしました。

◯ 発達心理学

Piaget,J.は

1.感覚運動期(0〜2歳)
(sensori-motor period)

2.前操作期(2〜7歳)
(preoperational period)

3.具体的操作期(7〜12歳)
(concrete operational period)

4.形式的操作期(12歳以降)


に発達段階が分かれると定義しました。

1.感覚運動は、自分と物との関係を通じて自己と事物の区別をするようになる時期です。

・第1段階
0〜1カ月
反射期、外界の刺激に反射のみを
行います。

・第2段階
1〜3カ月
自分の身体に関心を持って繰り返
し、自分のゆびをずっとしゃぶっ
ているという第1次循環反応を示し
ます。

・第3段階
3〜8カ月
ボールを壁にぶつけて跳ね返った
りするという反応を繰り返して、
事物、世界のありようを認識しよ
うとします。
第2次循環反応です。

・第4段階
8~12カ月
で、具体的に自分がしたい事があ
った時に目的と手段を理解して実
行することができるようになりま
す。

を指します。
この時期は,具体的な目的-手段関係を理解して使用するようになります。
自分がしたいことと結果の因果関係が理解できるようになります。

対象の永続性
(object permanennce)を獲得します。(後年、フランス精神分析学者Lacan,Jが鏡像段階理論として、ハトが鏡を見て自己像と認知することができるようになるのを人間の精神活動になぞらえて描いたのがこの時期です。)

簡単に言うと「いないいないばあ」の時期です。

目に見えないものでも存在してあるということがわかります。

・第5段階
12~18カ月
試行錯誤を繰り返してうまくいく
結果となるような手段は何かとい
うことを調べることができます。
第3次循環反応と言われています。

・ 第6段階
18~24カ月
目的と手段のつながりをある程度
複雑な過程でも手段を組み合わせ
ることができます。

2.前操作期(2〜7歳)
(preoperational period)
操作はまだできない段階です。

4歳ごろに出てくる概念が前概念的思考段階です。

対象の真似をする「ごっこ遊び」としておままごとができるようになります。

ごっこ遊びは象徴機能(symbolic function)が可能になったということで、発達の中では大きなことです。

特定された対象ならば象徴機能を働かせることが可能です。

ただし、道にバッタがいて、歩いていくとまた別のバッタがいるのを発見すると「またあのバッタだ」と思います。

イメージだけで思考をしますので象徴化は難しく、遊びに行った先にいる猫と外を歩いている猫を同じ猫というくくりでは見られません。

いったん「ネコちゃん」と単語を覚えると歩いていて犬を見ても車を見ても「ネコちゃん」と言います。

直感的思考段階

この時期は量の保存の概念がありません。
ペットボトルの水を洗面器に空けたら、高さが減ったので、「水の量が減った」と認識します。
ただし、どんどん水の量が広がっていくようなら、最初の考えを修正できるようになるのは,脱中心化(decentering)という概念が関係しています。

アニミズムと言って、生命がない事物に生命が宿ると思い込むのもこの前操作期の特徴です。

前操作期の特徴はその自己中心性にあります。

前操作期を示しているものに3つ山課題の実験があります。

角度が違うと立体的な山の模型は、別の視点から見る人は別に見るのですが、前操作の子どもはそれを理解することができません。

ウェルナーWerner,H.は、相貌的知覚を(physiognomic perception)を持ちやすく、「車がにらんでる」「壁のシミが笑ってる」とこの時期には感じると言いました。

3.具体的操作期

5個の積み木をバラバラにすると数が増えます。まとめておいても数は同じですがひとかたまりです。

どちらも同じで5個の積み木から成り立っているという認識を獲得します。

これを保存性の概念と言います。

アニミズム汎心論:ainmismの概念も変化してきます。

生命は全てにある→自分で動かすことができたら生命→自律的に動くものが生命です。

自己中心化⇄脱中心化です。

思考の可逆性(reversibility)も具体的操作期の特徴です。

海辺の砂で山を作れる、崩せばそれはただの砂で、また作れば砂の山になる、という具合です。

保存(conservation)の概念も備わってきます。

3つの山課題も解決可能になります。

4. 形式的操作期
(formal operational period)
論理的な思考が可能になります。

◯ 仮説演繹的思考、命題論理が可能となります。

言語によって問いかけられても答えられます。

「赤い玉は白い玉より大きい。青い玉は白い玉より大きい。どの玉が一番大きいですか?」という疑問に答えられます。

◯ 組み合わせ思考

何かと何かを組み合わせる際に、試行錯誤的に全てを試すのではなく、考えながら試すようになります。

水の入ったビーカーいくつかが並べてあって1リットルを組み合わせて作るのに、300ミリリットルと700ミリリットルでどうだろうかと考えてることができるようになります。

形式的操作期が進むと計量的比例概念といって、事物の変化はまた別の変化につながることか理解してできるようになります。

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読むだけ簡単復習・ピアジェ、ヴィゴツキー、共同注意 公認心理師試験

◯ ピアジェの発生的認識論

ピアジェは知的発達について子どもが外界認識するための心的枠組みとしてシェマ(認知的枠組み)の存在を規定しました。

シェマはあらゆる領域の環境との相互作用であり、思考法の源泉です。

シェマは「同化」「調節」「均衡化」の3つに分類されます。

・同化

外界から入ってきた情報をシェマに合わせて変化させること

・調節

同化がうまくいかない場合、思考法の方を変化させる

(同化と調節を繰り返すことによって、周囲の環境に子どもは自分を「適応」させていき内的に「体制化」を全部の発達段階で行う)

・均衡化

同化と調節の双方を含む。

シェマの新しい経験との均衡状態を作り上げる。

ピアジェの知的発達の4段階

1.感覚運動期

2.前操作期

3.具体的操作期

4.形式的操作期

⑴ 感覚運動期

0〜2歳

世界を自分が作り上げる刺激によって構成されると認識(おもちゃ遊びは主体的に行った結果、世界を作り上げる)

ア 「対象の永続性」を獲得

ア ぬいぐるみを箱に入れて布をかける

イ 子どもは布をめくってぬいぐるみを取り出そうとする

・生後1年ぐらいからこれが可能になる

→表象能力/目の前になくても事物が存在しているということを認知する

ウ「循環反応」をする。

(ア)第一次循環反応
乳首ではなくて自分の指を吸
うことを代償にする。

(イ) 第二次循環反応
事物の関係性を理解
おもちゃを取るのにおもちゃ
についているヒモを取ればい
い。

何度も布に触ったり、面白いと思ったことを繰り返す

エ 模倣期(〜8カ月)

自分と相手の発声、動きを模倣できる

オ 顔の模倣(8カ月〜12カ月)

自分の表情は見られないけれども相手の顔の模倣をすることができる

カ 延滞模倣期(18カ月〜)

相手が不在の時でも記憶していてあとから動作の真似をすることができる

⑵ 前操作期

生後2歳〜7歳

1歳半から2歳で獲得した「象徴機能」(「言葉」「ふり」「物事を別のものに見立てる」=「おままごと」「ごっこ遊び」)を使えるが、思考がまだ論理的に組み上がっていない。

ただし、象徴的思考期(2歳〜4歳)では事物がそこになくても後から思い出して絵に描くことが可能

直感的思考期(4歳〜7歳)

未体験の出来事でも正しい判断を直感的に行うことが可能に。

× 家が地面から生えてきた

◯ 家は人が組み立てた

ア 中心化

目立つところにだけ注目する→コップの水をより高いコップに入れると水の体積が増えたと錯覚(保存課題)

・知覚的操作ができないので「前操作期」という。

イ 実念論

自分の認識が実現されることが当然、想像が実現されると思い込む

ウ 人工論

人間を含めた全ては人工的に作られたと思い込む

エ アニミズム

事物、無機物(鉄、石など)にこころがあると信じ込む

⑶ 具体的操作期(7歳〜11歳)

抽象思考はまだできないで、目の前の「イス」、「りんご」には思考が及ぶ段階。

ア 第一段階(7歳〜8歳)

「保存概念」が備わり、水をある容器から別の容器に移しても量は同じということがわかる。

イ 第二段階(9〜10歳)

(ア)交差概念

異なる2つのグループの共通項
を抽出できる

(イ)観念の供応

山の模型を見て、別の角度か
ら見た状態を推測できる。

ウ 思考の可逆性

重なったブロックをバラバラにし
ても同じもの。また元の形に組み立てることもできるようになる。

⑷ 形式的操作期

ア 仮説的演繹思考

三段論法の使用が可能になる

「10センチの定規は20センチの定規より短い」

「20センチの定規は30センチの定規より短い」

を提示されて

「10センチの定規は30センチの定規より短い」

という演繹が可能になります。

イ 組み合わせ的思考

ものの組み合わせを順序立てて行うことによって正解を導き出すことができる。

積み木模様を作成するのに適当にランダムで行うのでなく、順序立てて考える。

ウ 計量的比例概念

ある変化がほかの変化にも影響を及ぼすことを理解

◯ ヴィゴツキーの発達理論

ピアジェは子どもが環境に働きかけることによって発達するという理論を打ち立てました。

ヴィゴツキーは、文化・歴史を構築する他者が子どもの発達に影響を与えると考えています。

・発達の再近接領域

1.子どもが1人でできる行動

2.援助を大人がすればできる行為

※ 1.2.の間の発達途上の領域のことを最近接領域と言います。

他者が子どもに働きかけることによって最近接領域から1人でできる行為に発達させます。

3.道具概念

ヴィゴツキーにとっては、「道具」概念が注目されています。

道具は工具の他言語もコミュニケーションの道具です。

◯ 共同注意

3〜4カ月から始まり12カ月ぐらいからより発達していく。

指差し行動に示されるように大人に自分の注目点に気づいて欲しい、大人と同じ場所を見る。

大人の評価をその表情から参照する。

物-大人-自分

の三項関係が成立する。

大人-自分

であれば二項関係

他者の感情を参照しようとする社会的参照が発生。

他者理解が発展することによって「心の理論」成立が可能になる。(他者は当然に自分のことをわかっているわけではなく、説明が必要)

命令的共同注意は遠くにある食べ物を取って欲しいという注意の形式

叙述的共同注意は自分が注目しているものを他者に注意して欲しい、例えば外の車を見る。という行為。

※ 公認心理師試験はゼロから書かせる試験ではなく、見覚えのある単語を選択する再認試験です。最後まで諦めずに読み続けるだけで合格に近づけると思います。

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