ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:パーソナリティ障害

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私ひなたが無理やり語呂合わせをしてパーソナリティ障害分類の覚え方を作りました。

1.A群(統合失調症に関係あるもの)

⑴ 猜疑性/妄想性パーソナリティ障害・パートナーの不貞を根拠なく疑うなどとにかく疑い深い

⑵ シゾイドパーソナリティ障害
家族以外に知り合いがいないけど特に家族にも関心はない。

⑶ 統合失調症型パーソナリティ障害

関係念慮

えーさ、もう、知っとうや?

A群のパーソナリティ障害は猜疑性、妄想型のように猜疑性「さ」「も」があり、「シ」ゾイドパーソナリティ障害のようにまあ投げやりっぽいし、「とう=統」合失調型パーソナリティ障害のように関係念慮も持つので…

B群、⑴ 反社会性パーソナリティ障害は犯罪多々、境界性は不安定、⑵ 自己愛性、⑶ 演技性のように他者との関係性で他者に迷惑をかけることも多い障害です。

B、はんしゃきょう、演じ

(B判、写経演じ)院の成績や社会人の成績査定がB、B判定なので写経(B反社境)して演じて反省の意を見せてみる。迷惑をかけたつぐないをとりあえず演じてみるということです。(正常域で通常の社会生活を送っている人がたくさんいることも知っていますがあくまで「覚え方」です。異論は認めます。)

あとはC群パーソナリティ障害

⑴ 回避性…出世も断って苦しいですね。

⑵ 依存症パーソナリティ障害
あちこちに依存しないと不安です。

⑶ 強迫性パーソナリティ障害
これも苦しそうです。

C群パーソナリティ障害は自分が大変苦しい障害です。

C回避、依存期

とあるC(市)は会費が余っていても市民に依存して強迫的に集めちゃいます。

ひなた音声:
ひなたのパーソナリティ障害無理やり語呂合わせ暗記法

※ 耳で聴くとより覚えやすくなりますよ。(約7分)

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_


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◯ DSM-5徹底攻略/ パーソナリティ障害

パーソナリティ障害はA群からC群まで10つのパーソナリティ障害を3つのクラスターに分析します。

・A群 変わり者、奇妙な信念、風変わり。(覚え方:変わっててもA《ええ》じゃん)

A群に入るのは

猜疑性パーソナリティ障害
シゾイドパーソナリティ障害
統合失調型パーソナリティ障害

です。

B群:気が変わりやすい、情動の不安定さ、人に迷惑をかけてしまう。(覚え方:Bビっと《ビビッとしてる》B群のパーソナリティ障害は先鋭です。人に迷惑をかけるタイプだと口の悪い人は言います。

B群は

反社会性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害
演技性パーソナリティ障害
自己愛性パーソナリティ障害

です。

C群について

C群は

回避性パーソナリティ障害
依存性パーソナリティ障害
強迫性パーソナリティ障害

です。

覚え方としては(Cーっ、《シーっ、》僕の邪魔をしないでちょうだい)です。

C群パーソナリティ障害の人々は恐怖に怯えていてかつ依存的でもあります。

パーソナリティ障害は重複することもあります。

A群

1.猜疑性(or)妄想性パーソナリティ障害(paranoid personality disorder)

他者は必ず悪意を示す、他人は必ず自分を陥れようとしていると思うので、他者と親しい人間関係を築くことが困難です。

「どう?仕事の具合は?」と尋ねると仕事の進捗状況が遅いと責められていると感じます。

パートナーは必ず浮気をしていると思い込みます。

全ての他者の言動や行動を悪意のあるものととらえがちです。

2.シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害(schizoid personality disorder)

他者との交流を持ちたがらず孤立するという点が特徴です。対人不信感が根底にあります。

さまざまな活動をしていても全く楽しいとは思えず、褒められてもそれが嬉しいとは思えません。

性的関係を持つことについての興味もありません。

孤立的なパーソナリティ障害です。

3.統合失調症型パーソナリティ障害(schizotypal personality disorder)

スキゾタイパルとも言われます。親密な関係となると不快になり風変わりな行動を取ります。

知覚的歪曲。関係念慮。疑い深い。

魔術的な思考様式があり、テレパシーや超能力の存在を信じます。

※ 上記3つのパーソナリティ障害は統合失調症スペクトラムとの鑑別診断が難しく、A群パーソナリティ障害から統合失調症スペクトラムに移行することもあります。

統合失調症スペクトラムの記述でも書けば良かったのですが、文化的、社会的に容認された、例えばシャーマンやエクソシストのような術者が受け入れられているのならばそれは疾患ではありません。

B群

1.反社会性パーソナリティ障害(antisocial personality disorder)

いわゆる犯罪者です。PSYCHO-PASSも含みます。他人の権利を侵害、社会規範を破ることに抵抗を感じない18歳以上の人がこれに当てはまりますが、素行症(非行)歴が15歳以前から起こっています。

非合法なことをする、道徳観念が欠如、攻撃的性格によって位置づけられます。

2.境界性パーソナリティ障害(borderline personality disorder=BPD)

これについて書き綴るとこのブログ記事10本ぐらいになってしまうぐらいの研究書や論文が書かれています。

ので概要だけ書きます。

このパーソナリティ障害の人は常に人生に空虚感を持っています。希死念慮を持つ人が多く、実施してリスカやODをする人もかなりの割合でいるのです。

自分が何者なのか常に同一性を探しているので、男性なのか女性なのか、どの仕事なのか、さすらえる漂泊の人と呼ばれています。

感情統制は難しく、この人たちは常に爆発、あるいは0か100かの思考を自らに課します。  

つまりこの上なく愛していて神格化していたパートナー、カウンセラーを崇めていたかと思うと一瞬で激しい陰性感情を示す憎しみに変わるのです。

いわゆる尊敬とこき下ろしです。  

そして強力なしがみつきを行います。

また、一過的な妄想状態に陥ることもあります。

かんしゃくを起こしても通常2〜3時間で治まることが多いですが絶対的ではありません。

従来精神病と神経症の中間概念として提唱されて疾患単位となったのですが
治療者と患者との間の境界の維持も難しいものとなります。

複数の教科書にありますが、こういった調節困難な感情ゆえに医療スタッフから敬遠されることも多いですが、比較的予後がいい患者さんも多いということを付け加えておきます。

3.演技性パーソナリティ障害(histrionic personality disorder、HPD)

過度に性的に誘惑的、そのような行動、態度、言動によって特徴づけられます。

それは自分が関心を抱いているわけではない相手に対しても誘惑的です。

つまり自分が話題の中心でないと気が済まない。そのためにはほんの少しだけ知り合った相手でもそれが著名人なら「親友だ」と吹聴します。

境界性パーソナリティ障害と違って特徴的なのは、この人の心理は境界性パーソナリティ障害のように苦痛に満ちているわけではなく、むしろ注目されていることに喜びを感じているということです。

4.自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic personality disorder ; NPD)

とてつもなく自分が賞賛に値すると思い、周囲から褒められることを期待します。それほど業績を上げていないにもかかわらず誇張してそれを表現します。

期待した称賛を得られないと過度に傷つく、つまりプライドの高さに比して実力がないので、自分を批判する人々は能力がないという認知をします。

他者への共感性が乏しく傲慢で尊大な態度で接するのです。

C群

1.回避性パーソナリティ障害(Avoidant personality disorder)

教科書の症例からは、おそらく小児期から始まる対人回避行動で、他者からきちんと認められていると確信できていはければ対人関係の輪の中に入っていくのを避けます。

これが統合失調症的な心性だと人と接しなくても気にならないのですが、このパーソナリティの人は心の中では人と接したいという欲求があるにもかかわらず、自分はうまくできない、きっと失敗するだろうという予期不安から固まってしまいます。

もし一度そういった失敗体験をするとますます自分の殻に閉じこもってしまいます。内向的。

2.依存性パーソナリティ障害(Dependent personality disorder)

このタイプの人はしがみつきが特徴です。いわゆる「共依存」のDV被害者もこれに当たります。

相手の世話をしているようで、実際にはその相手を必要としているのです。

通常人相手でもこのしがみつきは行われ、これが故に相手に敬遠されることがあります。

依存対象な相手は複数ではなく限られた人に限るのが特徴で、その人の指示や同調が得られないと次に何をすればいいのか決められません。

3.強迫性パーソナリティ障害(
Anankastic personality disorder
Obsessive-compulsive personality disorder)

強迫観念に際限なくとらわれて強迫行為を行う強迫症とは異なります、強迫症の強迫観念は、自分でもこれは強迫観念だと思っていて、実際に手洗いをずっとしているなどの強迫行為を行います。

強迫性パーソナリティ障害は、自他に対して強迫的で、あまりに細かすぎて自分でも目的を達成することができない。パートナーにもそれを要求しますのでうまくいかなくなります。

これがゆえに本人も苦しむことが多いのですが、強迫症のような不合理でも行わなければならないという観念は強くありません。

だからといって本人は相当に苦しい思いをしているはずです。

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◯ パーソナリティ障害に公認心理師が向かう時

「公認心理師試験のカウンセリング能力検出精度は?」

で中西美穂様のコメントに触発されて今回の記事を書こうと思いました。

中西美穂様が触れているクライエントさんの「個別性」を重視しながらきちんとエビデンスも考えていかなければなりません。

カウンセラーの「カウンセリング能力」には限界があります。

そして境界性人格障害(bordeline personality disorder=BPD) へのかかわりは最も医療者にとっては難しい対応を迫られる局面が存在しています。

中西美穂様に提示していただいた認知症患者さんへのリーダー研修教材「24時間シート」

http://www.tojinkai.or.jp/chofukaen/especially/images/24sheet_sample.pdf

は患者さんの個別性にきめ細やかに対応する内容となっていて、かなり感心させられました。

ところでパーソナリティ障害への個別対応は心理職に限らず医療者全体にとって大きな問題です。

厚生労働省の自死未遂患者への対応マニュアルでは、救命を生業としている未遂者に対し、医療者は嫌悪する気持ちが生じることがあり、その感情と対峙しなければならない旨の記述があります。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/manual1.html

また、境界性パーソナリティ障害〈日本版治療ガイドライン〉(金剛出版)牛島定信編 では患者さんと治療者との境界侵犯が起こりやすく、しばしば治療者-患者間での性的逸脱が起こりやすい、そしてそれが起こり得ることを前提としたガイドラインが策定されています。

公認心理師の多重関係、信用失墜行為は資格剥奪につながりますが、こういった難事例にはどう接したらいいのでしょうか。

手首が傷だらけの心理学者、マーシャ・リネハンによって創始された弁証法的行動療法(DBT)はパーソナリティ障害やその他の疾患治療に際し、多くの知見をもたらしました。

元々バリント.Mから境界例は幼少期の親との信頼関係の欠如、基底欠損の存在を指摘され、カーンバーグ.O等の精神分析家によってもたらされた研究業績も今なおパーソナリティ障害治療に大いに役立っています。

実際、横浜で精神分析オフィスKを私設開業されていらっしゃる北川清一郎先生のパーソナリティ障害への理解と接し方の理解は極めて優れています。

さて、「パーソナリティ障害への対応は難しい」多軸診断システムを取っていたDSM-Ⅳに代わってスペクトラム、グラデーション的概念で診断体系を構築しました。

それでもパーソナリティ障害とPTSDや統合失調症、双極性障害、うつ病が多軸的に併存することはあります。

とても接触困難と言われているパーソナリティ障害の人たちは「わざと治療スタッフを苦しめている」「操作しようとしている」と受け取られがちです。

しかしご本人は苦しくて仕方なくそういった対処しかできなかったということを理解しておく必要があります。

信頼関係がきちんと醸成された時、心理専門スタッフでなくとも、心理的理解をしようとしている公認心理師と患者さんとの関係性は格段に改善されていくと思うのです。

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