ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:クラファン

E6EEE59B-0EF6-4D61-9A1D-9563B2BA6F7F

melt クラファン返礼品「初回カウンセリング無料チケット」とは?

※ 今回の記事は謎の天才ブレーンS女史の全面的寄稿で、僕は全く手を入れていません。以下寄稿文

(S女史)

カウンセリングを受けたい人とカウンセラーをつなぐ、マッチングプラットフォームmeltがクラウドファンディングで運用資金を集めています。

meltの説明によれば、サービスとしてはあくまで「マッチング」。「カウンセリング」を提供するものではないとのことです。
しかし、クラウドファンディングの返礼品には「初回カウンセリング無料チケット」なるものが。

(【自分用】は購入受付を停止していますが、【紹介用】はまだ受付けているようです)

自サービスで「カウンセリング」を提供しないのに、「カウンセリング無料」とはどういう事でしょうか?
従来のカウンセリング提供サービスだと
クライエントは「カウンセリング料」をサービス提供事業者に支払い、サービス提供事業者が「カウンセリング料」収入の何割かを担当カウンセラーに支払います。
そして担当カウンセラーが「カウンセリング」をクライエントに提供します。

melt本来のサービスは
クライエントが登録カウンセラーを自由に選び、クライエントが登録カウンセラーとの間で「カウンセリング契約」を結びます。
クライエントは「カウンセリング料」をカウンセラーに払い、カウンセラーはクライエントに「カウンセリング」を提供します。
meltはクライエントとカウンセラーが「出会う場」を提供するだけです。

ではmeltのクラファンはどうなのか
出資者は、meltの運営を支援するために寄附を行います。
その寄附への返礼品(リターン)の一部に「初回カウンセリング無料チケット」があります。
カウンセリングは、クライエントとカウンセラーの二者間契約なので、第三者であるmeltが無料にしますという権利はないはずです。
実際にmeltが行うことは、クライエントの「カウンセリング料支払い」という債務をmeltが肩代わりする、という仕組みだと思います。

「カウンセリング無料」でカウンセラーを安く買い叩くのではなく、クライエントが支払うはずの「カウンセリング料」をmeltが代わりに支払うということですね。

なので、「カウンセリング」が無料になるわけではなく、クライエントが「カウンセリング料」を負担しないで済む。ということです。

「カウンセリング無料」というのは、クライエントの立場であればそう見えるのですが、ちょっと誤解を招く表現の仕方だと思います。

(以上)

※ S女史にmeltのシステムについて改めて考察してもらいました。というわけでカウンセラーがサービスで無料でカウンセリングを行うというわけではない、ということです。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

90D5FC9B-26E9-42C0-90FD-2B431AD1F600

海外移住の臨床心理士のさとうさん・クラファンは許されるのか?

まず、臨床心理士のさとうさんが
海外移住
するそうです。

佐野氏はクラウドファンディング(クラファン、寄付による運営)について同社エンジニアの佐野氏が以下のように語っています。つまり佐野氏が全ての責任があると語っています。

このツイートではエンジニアの佐野氏が全ての責任を取る、返礼品としてカウンセリングチケットを渡すことについて多重関係に当たるのではないかという指摘にしたがって「寄付」としてクラファンを行うことにする、佐野氏の全責任としてを行っていると記載されていますが、本当にそれだけでいいのか?

という疑問が残ります。というのも
meltのクラファンのページ
には当然ながら「初めまして、melt運営者の佐野(エンジニア)と、さとう(臨床心理士)です。」の記載があります。
meltは、カウンセラー(臨床心理士)と相談者を繋ぐプラットフォームを運営しております。」とあり、臨床心理士のさとう氏(以下、「さとう氏」という。)も当たり前ですがカウンセリングアプリmeltのクラファンにリツイートもしていて、「知らなかった」では済まされないからです。

やはり、と思われる指摘があったことですが、クラファンによる返礼品としてのカウンセリング無料チケットは寄付=カウンセリングを無料で受けられる、という多重関係に当たります。

そこでエンジニア佐野氏が全ての責任は自分にあると言明しているわけですが、さとう氏は臨床心理士であり公認心理師、カウンセリングにおける多重関係について知らなかったでは済まされません。

「ちょっとうちのカウンセリング事務所、経営が大変なんだけど、寄付してもらうと助かるなあ」
「しょうがないなあ、じゃあ5,000円渡すよ」
「ありがとう!じゃあカウンセリング一回無料でやるよ」

…とどう見ても多重関係に当たるとしか思えません。

しかも当のさとう氏は来年から海外に移住する、ということをTwitterで明言しているのですが、これは海外逃亡?と見られても仕方ないことでしょう。

というのもこのカウンセリングアプリmelt、そして
さくらこころのカウンセリングルーム

の両代表でもあります。心理職にはクライエントを「見捨てない」という原則があるのですが、ここまでの私事都合でクライエント-カウンセラー関係を打ち切るというのはあまりにも身勝手過ぎるのではないか、やはりこのクラファンが理由で海外移住を決めたのではないかという印象を与えるばかりです。

さとう氏のプロフィール写真を見ると若いのでしょうけれども、心理職に限って、若いから倫理を甘くしてもいい、若いから多重関係ビジネスに加担してもいい、ということは決してありません。

資格を取得した途端に年齢関係なく、プロはプロとして活動しなければならないからです。

クラファンをやらざるを得ない、それでは経営的な裏付けはどうなっているのか?

初回2千円のカウンセリング、気にいるまでカウンセラーを転々として2千円だけ払い続けてもいい。これで採算は取れるのか?

ここは多くの人々が疑問に思うところでしょう。見ている僕にも「わからない」としか言いようがありません。

カウンセリングプラットフォームはほかにも数多くありますが、割とありきたり(言い過ぎかもしれませんが)のこのプラットフォームはどうやって他のエージェントと差別化を試み、どういったメリットがある、そのためにクライエントさんがお金を出していく、そのプロセスがわかりませんが格安販売には疑問があります。
少なくとも僕はそういった印象を受けます。

臨床心理士には臨床心理士資格認定協会の厳しい倫理綱領があります。倫理に反していると判断されたら最も重い処分として登録抹消もあるほどです。

今回のさとう氏が(軽々しく)クラファンに加担or主催したのか、それは決して許されないことだと思うのです。

エンジニア佐野氏に全てをかぶせる形を取って、残ったmeltとカウンセリングルームは代表を務めていながら放置、自分は海外移住、というのはあまりにも無責任と思われるのですがいかがでしょうか。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

↑このページのトップヘ