ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:カウンセリング

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臨床心理士・公認心理師の服装について

カウンセリング時の服装について Twitter で話題に上っているので、どんな服を着て仕事をしているのか、僕の経験や周囲の様子から書いてみます。「望ましい」ドレスコードと実際の服装、クライエントさんに対して失礼がないように心理職は職場に応じて服を変えていると思います。

まず一番身近な僕。
現在の職場(産業一医療)就職1年目は白衣(白衣の方がそれっぽいのか?と思い)

メリット:なんだかわからないけれども偉そうに見える。例:夜遅くまで仕事をしていた時にゴホゴホ熱もあって風邪っぽい若い人がその部署の上司連れられて訪ねて来た(コロナ前)。医師が帰宅していたので市販薬を渡すことで対応。医務室の入り口でパプロンを渡す時に薬が合っているかどうか確認するため、天井の蛍光灯で薬を照らして、中に薬が入っているかどうか指で叩いて音を確認。

「はい、どうぞ。明日受診に来てくださいね」と渡すと「先生がそうおっしゃってるんだ、ありがたいと思え」と二人で深々と頭を下げる。「え?」なんか薬がえらく効いたみたいで翌日受診に来なかった…

(左:なんか偉そうに薬を渡すの図。右:いつも着ているワイシャツ)
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白衣のデメリット:洗濯が面倒、夏は暑い。売店に行くのに(うちは外に出るときにはなんとなく白衣禁止)脱ぎ着がめんどい。

今→白衣は暑いのでスーツ、カウンセリングの効果は白衣だろうがスーツだろうが変わらないということに気づいてから。カジュアルな長袖ワイシャツ(カラーシャツではない)、ネクタイなし。寒い時はスーツの上着を着る。ちなみにスーツはユニクロ。(先代はしまむら) アマプラで買ったスーツもあり交代で着まわす。スーツはオフィシャルに見えるように黒か濃い紺色。

くたびれたら即買い替え。なおワクチン接種受付などに駆り出されることあり。そういう時は被接種者と区別するために白衣。

メリット:暑くなくて快適。夏は熱中症対策でガンガンにクーラーが効いているのでむしろスーツ上衣が必要。冬は暑いのでワイシャツがちょうどよし。デメリットなし。

したい服装としている服装→したい服装は白Tシャツにスーツ上下(理由)清潔そうだから。
楽。襟なしで営業に出るのは不届きという声もあると思いますが、身近でカジュアルなメンタルヘルスを売り物にしたいので開業したら営業回りもTシャツでやってやろうと思います。

職場のドレスコードが襟なし禁止なので仕方なくワイシャツを着る。ほぼほぼボタンダウン。ボタンの色は黒、青、ピンク。ワイシャツの色は白。ピンク、黄色も可だけどカジュアル過ぎると思っているので着ない。縦縞ワイシャツはブルーストライプをよく着ている。

ポロシャツ禁止、チノパン、ブレザーを着ている人を見たことがない。かりゆし可だけれどもここは沖縄ではないので見たことがない。

信念:ネクタイをすると締め付けられるような感じがしてイヤ。上着を着るとそれなりにオフィシャルに見える。どうしても出なきゃいけない式典等(設立○周年)などはネクタイ着用、白ワイシャツネクタイ。講師をやる時もノータイです。安くてもいいので(といってもユニクロでも 2 万円ぐらい)体にフィットしたものを着るとサイズアウトした高級品よりもはるかにいい。スーツの色は黒 or 紺だとカジュアル過ぎなくていい。でもこんな色🟦も着てみたい)

うちの支所の仲間の心理職男性:圧倒的にスーツ多し。ネクタイ率 80 パーセントぐらい。

女性:悪いけどあまり見ていない。というか見ても覚えていないのが男の悪いところ。だけどそれなりに覚えているのを書くと…

Aさん:白衣に襟なしのシャツ。タートルネックもあり。

Bさん:パンツスーツ。白シャツに黒いスーツが格好いい、シックなワンピースもあり。

Cさん:カジュアル過ぎない色のリブニット。スーツジャケットの下は襟なしのシャツ。タイトミニも短か過ぎなければよし。

看護師の女性はつけま黒コン必須(?なのか?)ですが、心理職はつけまは誰もいません。
ちなみに男女ともにジーンズ不可。

詳しく教えてくれたDさん:

オフィスカジュアルだと思います。
秋から冬は(シャツ👕)の上にチョッキかセーターにスカート

夏はカットソー(襟のないTシャツみたいなものだけどフォーマル系)にスカート。パンツ(パンツ)は自分は似合わないのと、お尻がピチっとなることも相手に失礼と思うのと、頻尿なのでトイレに行くとき面倒なのではかない。

夏の上は、(シャツ)だと(チョッキガーディガンだとかえって胸元が強調されたり脇汗滲んでしまったりして下着が透けてしまったりするのでかえって襟なしでもカットソーのほうが対外的に失礼ではないと思いそうしてます…

スカートの丈は座った時でも膝下まで隠れるものです。

わたしも受付に駆り出される時だけ。

心理士としての「枠」は清潔でオーソドックスで相手に失礼のない服装のうえ発言、行動、態度という関係性を築く素地により十分保てると思うので相談業務に白衣は不適切であると自分は考えてます。

病院勤務のテスター中心の心理士なら白衣着用するのもありと思います。

職務としては職場全体なので白衣は不適切…と考えてる自分のポリシーです。

Aさんはいつも白衣を着てるって言って、その下が相当カジュアルでいつだったか白衣ポロシャツ研修来てて、職場から来た!というからビックリ!したんだけど(どうやって移動してきた?白衣持参?)

あの人その上に白衣着るからその下は個性?自分の素を出すんだな?と感じてなんとなくただそれだけであんまり心理士として信用できないなと思ったりしてる…

(本人了承転載)

※ 仲のいい後輩の女性に聞いてみました。
(医療)

スクラブ多し、オフィスカジュアルの私服。院内では白衣。カウンセリング時はジャケット着用。

まあ、いろいろと思い返すとその機関によって服は違うわけで、スクールカウンセラー時代は回りの先生たちに合わせていました。僕は夏はノータイ、冬はネクタイ着用。夏なんぞは先生たちもカジュアルな服装で出勤していたのでポロシャツもありましたが、どんな場合でもシャツはズボンにインです。子どもたちにそう指導しているので、ジャージで部活指導をしている先生も生徒もシャツはインでした。

就労継続支援施設ではジーンズでもチノパンでも可でしたが、指導員という立場上、あまり派手にしないようにしていました。ポロシャツ、カジュアルシャツ多し。福祉関係、児童関係の女性の後輩はトレーナー、ユニクロも多かったとのこと。スカートは無理でしょう。児童だけ相手にしていればかなりカジュアルでもいいと思いますが、保護者面接もあるのでそういう時はカジュアル過ぎると困るし・・・と福祉関係は悩みどころでしょう。

ちな、僕は司法対象だとぱちっとした格好を役所は好むのでネクタイ、スーツでした。

僕の考える望ましい服装は、安くてもいいのでとにかく体型にフィットしたもの。ユニクロでもカタログを見ると外人さんがとてもカッコよく着こなしていますが、それは体型に合っているからです。どんな高級なスーツでもサイズアウトしていたら×です。あと通常の社会人でもそうですが、ワイシャツの下の肌着はカラーシャツ(黒など)は×、みっともないです。

機関に合わせて TPO が大切、清潔、体にフィット、これが心理職の望ましい服装ではないでしょうか。なんか普通のサラリーマンと変わらないような…でも常識って大切かなあと思っています。

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どうしてカウンセラーが恋愛感情をクライエントに持っちゃいけないの?

昨日の記事の続きです。結論から言えば倫理的には持ってもギリギリ構わないかもしれませんがもうそれはカウンセリングではありません。クライエントさんに対していい結果を及ぼすことは何もありません。むしろ有害なカウンセリングになる可能性が高いでしょう。

誰かが昔ツイートしていましたが、経験の浅い心理職の男性がふわっとした華やかでニコニコ笑っているいい匂いのする 20代の美しいクライエントが目の前にやってきて、そのうち「私だけが知っている私の苦しさや私の秘密」をカウンセリングなので当然話し始める。

それがカウンセラーだけに縋り付いてきたらその男性は恋愛感情を持たずに済むでしょうか、というものです。

目の前にいるクライエントさんが生まれて初めて信頼できる人を見つけて、全身全霊をあげてカウンセラーにすがりついてきます。あなたはまるで白馬に乗った王子様のように見られています。そのクライエントさんはあなたのことを神格化していて、まるで教祖様のように信じ込んでいるわけで、あなたに気に入られるためならば何もかも投げ出したいと思っています。

たとえそれが自分の貞操であったとしてもです。ここでその男性カウンセラーが誘惑に負けて彼女を(心的にでも)好きになってしまったら、そこで真っ当な関係性は終わりです。

彼女はカウンセラーを翻弄したくて誘惑しているわけではないのです。今まで生きてきた不遇な環境、または彼女の病理性そのものがそうさせているとしたら?カウンセラーがそれに乗ってしまったらそれはカウンセラーとして失格です。

そのカウンセリングにおいて「キレイなクライエントだよね」ぐらい思うことはあるかもしれませんがそれを超えた感情を持ってしまうと、まともなカウンセリングにはもうなりません。

彼にとってはカウンセリングという行為そのものが彼女との間だけの密やかな愉しみになります。

彼はカウンセリングをしていない間、彼女のことばかり考えていて、とても胸が締め付けられるような思いをしています。あの子は大丈夫だろうか、苦しんでいないだろうか。こちらから連絡をしてみようか。

実際にしてみることもあり、その結果彼女が彼を好き好き大好きにならないと恨みさえ感じるようになります。

こうなったらまともなカウンセリング関係は終わりです。

この「告白命題」について駆け出しの心理職から「ひなたさんだったらどうするの?」と聞かれました。

1.自分がクライエントのことを好きになってしまったら?

カウンセリングを他の人に交替してもらいます。

2.自分がスーパーバイザー(指導者)でスーパーバイジー(被指導者)が「好きになってしまった」と言われたら?

そこは正直さを買うでしょう。ただしケース担当は交替してもらいます。カウンセラーとクライエントさんを守るためです。

3.自分ががもう告白してしまったら?

心理職を辞めます。世の中には心理以外にも生きていく方法はたくさんあります。心理の仕事をやる資格はないと考えます。その結果がフラれたとしてもです。

4.「告白した」とスーパーバイジーから言われたら?

ここは冷たく「心理の仕事はやめなさい。君には心理の仕事をする資格はない」と言います。見放す、ではなく見捨てます。

追い詰められたクライエントさんはカウンセラーに何もかもを与えようとします。もし彼がそのまま心理職を続けたとします。彼はまた素敵な人が目の前に現れてまた彼を神格化したら好きになってしまうのでしょうか?なるかもしれませんね。彼にとって倫理というものは紙のように軽いのですから。

理想化の次にクライエントさんが行うのは激しい価値下げです。彼はカウンセリングをしていない時は普通の人間です。完璧ではありません。彼女はカウンセリングルームにいる時のような完全体の彼を求めているのです。

彼女からの激しいこき下ろしが始まります。(例え境界性パーソナリティ障害の患者さんでなくともそのようにカウンセラーから追い込まれてしまった)この理想化とこき下ろしは境界性パーソナリティ障害を持つ人に起こりやすいのですが、カウンセリングのやり方によっては全てのクライエントさんが境界例的になり、持たなくてもいい病理性を現出させることになってしまいます。そうやって彼は彼女の病態を悪化させてしまうわけです。

彼はやがて見捨てられ、彼女は他の男のところに行く可能性もあります。その時にはきっと向いていない心理職は辞める、辞めさせられていてマイナスの資産しか残っていないことになるでしょう。

考えてもみてください。この彼の前に座ってにこにことしている可愛らしいクライエントの女性はいわばかなり経験を積んで虐げられた過去を持っていたり、病気に苦しめられていた人で、それは彼のカウンセリングの経験年数をはるかに超えています。

そこで彼が真正面から勝手に翻弄されて「好き」になってしまったら彼女に凌牙されてしまうだけです。

例えば境界性パーソナリティ障害の人は他人を操作することに長けている、だから気をつけなければいけない、とまるで患者さんを悪者にするかのような言説がありますが、患者さんは自分を守るためにそうしたスタイルのコミュニケーションスタイルを必死になって身につけざるを得なかっただけです。

なんにせよ恋愛感情を持ち、それを口にして実行すること、そこで行われてきた営みはもうすでにカウンセリングではなかったでしょう。

この「告白命題」は多くの人がこんなことはあり得ないということを言っています。それは心理職の人でなくてもです。心理職が一線を踏み越えてしまう事は他の心理職が連綿として築き上げてきた臨床心理の倫理と専門性を踏みにじる行為だということも知っておいて欲しいのです。

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「私が必ずあなたを救います!」占い師>公認心理師・臨床心理士の図式

1 はじめに

どこにでも困っている人はいます。夫がアルコール依存で働かない、子どもの不登校、自分の身体的・精神的な病気、悩みを抱えていてそれを具体的に解決して欲しい人は世の中に必ずいます。こんな時に教育を受けたプロのカウンセラーなら、その人の話を傾聴しながら相手の態度変容を引き出すためにクライエントさんが何をしたらいいのか、病気という悩みと共存してやっていくためにはどういった心情で過ごすかを一緒になって模索するでしょう。

そして治療契約の際にも「それが目的なので」とはっきりと説明するでしょう。ところが「あ
らゆる悩み事を『解決します』と看板を掲げてある占い師が「私があなたの○○という悩みを解決してあげましょう」と断言したら、来談者は、わらにもすがりたい気持ちでやってきたのですから、はらはらと涙を流しながら土下座して「お願いします」ということがあるかもしれません。(考えてみればきちんと教育を受けたプロは絶対にそういうことを言わないのですから、初めてそういうことを言われて感動する人がいても一向におかしくありません。

占い師が「面接」の中で行う内容は何でもいいのです。タロットカードを引いて「まだ機が熟していないからあと1カ月待ちましょう。ただしその間はここに毎週来てください」「玄関先に猫の置物を置いてください」でも、時間をかけて相手の悩みを聞いた後にそんなことを言えばいいのです。

2. 占いや無資格カウンセラーの実態

残念ながら僕は占いを受けたことがありませんので実は想像だけです。しかしながら相手を受容、傾聴する態度は似ているかもしれません。ただし、受容、傾聴をしない占いも多いかもしれません。故・新宿の母をテレビで見たことがあるのですが来談者を disって「それは無理」「やめときなさい」と言う。

これはこれで一つのあり方だと思います。不倫を成就させたい、復縁したい等は現実にはとても難しい課題です。下に挙げるカウンセラー入門の本を読んでいたら「恋愛カウンセリング」という看板を掲げるよりも「復縁カウンセリング」の方が売れる、なぜならばニッチなところで人々の多いニーズを開拓できるから、ということが書いていました。

常識的に考えたら一方が相手を嫌になって別れたわけですから、通常の恋愛をするよりも難しい、しかしながらネットで調べると復縁カウンセリングの多いこと。

もし僕が開業して「復縁カウンセリング」を看板に掲げたら倫理規定が厳しい臨床心理士資格認定協会からたちどころに資格抹消されそうなのですが(「復縁カウンセリング」-別れた人とのコミュニケーション再構築)だったらアウト?セーフ?あるいは「不倫成就カウンセリング」…(なんか言い訳が思いつかない)「別れさせ祈願」(どう考えてもアウト)世の中のニッチで需要が多い分野というのは、上記のものだけで難しいものです。

また、「子育てカウンセリング」は難しい、「不登校カウンセリング」は需要がある、と「3ヶ月でクライエントが途切れないカウンセラーになる法」(北林絵美里、同文舘出版)には書いてありました。

確かに開業というものは大変難しい領域でかつて僕も試みようとしてリサーチ段階で諦めたことが過去ありました。

3 専門家のカウンセリングや占いとの違い

専門家のアドバンテージ(優位性)は専門教育を受け、開業する前に多くの心理カウンセラーは専門機関で働いてきてプロとしての腕を磨いてきたということです。これらは立派な経歴として書くことができます。クライエントさんも昨今はよく見ているので「臨床心理士・公認心理師」の資格は強みがあるのですが「初回無料」など魅力があるフレーズに負けます。

どうやら占い師や無資格カウンセラーの特徴としては「クライエントさんが言われたいと望んでいることをそのまま言う」という特徴があるようです。言われたいと思うことがあればそれはとても耳ざわりがいいでしょう。

新宿の母などは有名になったのでリピーターを考えずに「ダメなものはダメ」とはっきりと言えるのですが、占い師が「あなたの運命は今大きく変わりつつある。一週間後にまた来るように」などと言えばこれはもう「治療契約」ならぬ「占い契約」になりそうです。

4おわりに

なぜつらつらと今日はこんなことを書いているかというと、困りごと、悩み事を抱えた人たちはこの世に数多くいて、心理相談が業務独占となっているドイツでも占いは特に業務独占とも名称独占ともなっていません。先進諸国でもヒーリング(レイキ)が代替医療のひとつとして保険適用されている国も多いものです。

「将来的に公認心理師・臨床心理士のカウンセリングには人が集まってくるか?」というは、もはや今現在「専門家のカウンセリング人気があるか?」というところにもかかわってきていると思います。誰もが一度は憧れる(かもしれない)領域の私設開業ですが、かなりの努力と苦労がそのバックボーンにあることは間違いないような気がするのです。

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○ 臨床心理士・公認心理師のカウンセリングには意味がない

1. 序

いつもカウンセラー目線でばかり書いているのですが、たまにはクライエントさん視点をまじえて書いてみたいと思います。これはクライエントさんの実際のクレームをそのまま、あるいはある程度改変して書いてあるものです。

2. 具体的に解決しない。

一番多いクレームはこれかもしれません。これは確かにそういうところがあります。カウンセリングに来て会社のパワハラが止まない、借金苦で大変なのが楽にならない。転職したくて仕方ないけれども次の仕事が見つからないので苦しい今の現状に甘んじている。そんなときにカウンセラーは「大変ですねえ」「よく今の状態に耐えていますね」と同調や共感はしてくれるけれども具体的な解決方法は示してくれない。

いたずらにカウンセラーがカウンセリングの回数を重ねていても何の役にも立ちません。

こういう時はカウンセラーは確かに当てになりません。労働基準監督署、弁護士司法書士、転職エージェントへの登録等が助けになると思います。

3. カウンセリングがつらい

(1) 話が長い

これも実はなかなか多いクレームです。さて、カウンセリングを始めます。最初、50 分の予定でカウンセリングを始めて、まあだいたい話せた。あるいは全部は話せなかったけれどもまあ次回でいいか、と思ったら、さっきの話を詳しく話してみてください、続きの話はどうなりましたか?と聞かれます。

これは大変疲れることです。50分の予定で、50分で今日は満足したのに気が付くと 120分、150 分と時間が経っています。「あの、時間が長くなりましたが」と聞くと「今日は時間がたまたま空いているのでサービスで大丈夫ですよ」とにこにこしながらカウンセラーが答えます。

こちらは疲れている、あと今日は買い物や家事があるから早く帰りたいなあと思ってもなかなか帰してもらえないという苦行が待っています。

このカウンセラーがたまたま流行っていないカウンセラーだったとしましょう。確かに親身になって話は聞いてくれる、適切な相槌を打ってくれる。共感性は抜群ですがなかなかの苦行です。

(2) 嫌なことを聞かれる

誰しも過去に嫌な体験をしたことがあるものです。そうすると、「これはトラウマかもしれない」と思ったカウンセラーが次から次へと質問をしてきます。誰だって嫌な過去の話をしていたらいい気持ちはしないものです。

昔交際していた相手とひどい別れ方をした話をしているうちにどんよりとした気持ちになります。原因についても根掘り葉掘り聞かれます。そうすると、交際には一方的に相手が悪かったというだけではないことも多いので、自分の欠点を思い出し、相手への罪悪感が増します。そのうち話はだんだん過去のことにさかのぼります。

子どものころいじめられていたこと、そしてどんないじめられかたをしていたのか、理由はなんだったのか、親からの育てられ方はどんな風だったのかについても聞かれます。

どの親も模範的ないい親ではありません。人間ですから完全ではないのです。それでも聞かれまくっていると「ああ、自分の親は悪い親だったのかもしれないなあ」と思ってそれを話すと今度は「親御さんも大変なところがあったのかもしれませんね」と一転して親のことをかばうような発言が出てきます。

あなたは自分がどっちの方を向いていいのか混乱する上に、嫌なことを話しているとずるずると関係のない嫌なことを思い出してしまいます。その結果として真っ暗な気持ちになってカウンセリングルームを高いお金を払って出ていくことになるわけです。さきほどの長時間カウンセリングと合わせ技で使用されると効果てきめんです。

(3) 決めつけられる

こちらは正直にあったことをそのまま素直に話し、感じたことをそのまま伝えるとカウンセラーに「それは認知のゆがみですね」と言われ、感じ方を変えるように強制されます。認知が変わると感情も変わって行動も変わる、とあげくの果てには行動まで変えるようにと言われます。

あるいは会社や学校でキライな人がいることを話すと「それは投影同一視と言って、あなた自身の嫌な部分をその人に投影しているだけで別にその人がキライなわけではないのです」と言われます。「いや本当に私はその人がキライなだけなんです。だって嫌なヤツですから」と言ってもこちらがそうだと認めるまではカウンセラーは許してくれません。

(4) なかなかやめさせてくれない

さて、あなたがなかなかいいカウンセラーに当たった(と思い込んで)ひととおり話したいことも話して満足したとしましょう。それは 1 回目のカウンセリングでそういう気持ちになるかもしれません。ところがカウンセラーは「それでは次回は幼少期のころのあなたの問題についてお聞きしますね」と言います。

お世話になったカウンセラーの先生ですからなかなか断りにくくなってしまいます。しかもキャンセル料も発生するのであなたは仕事や学校の予定をやりくりしてなんとかまたカウンセリングに行きます。「それでは1カ月後のことについて考えてみましょうか」「3カ月後はどうですか?」「1年後あなたはどういう生活をしているでしょうか?」と次から次へと話題が出てきます。

「なりたい自分」について 100個の自分を書いてくるように言われます。あなたはもうカウンセリングに行きたくないと思ってもカウンセリングに 1 回来たからには全部すっきりさせなければならないのだろうか、でもこんなに苦しい思いをしなくてはならないのだろうかと疑問に思ってもそれを口に出して言うことはできません。

4.結語

さて、このブログを読んでくれている読者には患者さん、これから臨床心理士・公認心理師を目指している中高生も多く、一番読んでくれているのはそれらの資格の受験生や、もうすでにプロとして活躍している心理職の人たちです。

以上、読了してどのように感じたでしょうか。僕も忘れているだけで上と同じカウンセリングをしていた時期もあるかもしれません。プロの心理職として活躍を始めることができた喜びからなかなか終わらない、根掘り葉掘り聞くようなカウンセリングをしていたかもしれないなあと自戒を込めて思う次第です。

また、これはカウンセリングがなかなか続かなくてすぐに終わってしまうことが多いという僕のカウンセリングの言い訳をするために書いているわけではないということを最後にひとこと付け加えておきます。

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○ 役に立たない臨床心理士・公認心理師のカウンセリング

1. 序
というタイトルで記事を書くよと言ったらLちゃんが「耳が痛一い」と言ったので、「なぜ?」と聞いたら心理テストをやるのはやってる感、充実感があるけれど、所見を1日中まとめていると「何か役に立ってないような気がする」と言うので「いやそりゃ違うよ、所見書かないと保険点数にならないじゃん」と言ったら「あ、そうか」と納得した様子。

Lちゃんのような真面目な人はとても多いです。心理職は高いか低いかわからない屈折したプライドの中で自分のことを「役立たず」と自責的になる傾向があります。どんな時に心理職は自分を「役立たず」と思うのでしょうか。

2. 燃え尽きてしまう

(1) PTSD、CPTSD

かなりこれは深刻な問題として報告されています。DSM-5 では職業的にトラウマの話をずっと聞き続けることは実際に見たのとは違うので、PTSD とは診断されないのですが、PTSD 治療者、医師、心理、看護師等およそ数年ですり切れてしまうという報告もあります。

僕自身は PTSD の精神療法家という自負をずっと持ちながらこの疾患が多い職場に勤務しているのですが、ずっと PTSD に触れているわけでもなく、他疾患や、疾患を持っていないクライエントさんにも対応しています。だから持っているのでしょう。

専門機関や多忙を極める児相で働く心理福祉の人々は大変だと思います。安定した公務員の職を投げうって別の職場に若い時に転職してしまうという話も聞いています。

PTSD の大家、杉山登志郎先生を始めとした多くの PTSD 治療実践・研究家の先生方はすごいなあと思ってしまいます。

PTSD の人は内奥にとても大きな秘められた怒りを持っています。その怒りは爆発的で何もかも破壊し尽すような感情です。この感情に相対した時にきちんと受け止められて対処できるカウンセラーがどれほどいるでしょうか。

全ての記憶を解離させて叫びのたうちまわる徐反応をうまく収められる精神療法家がどれほどいるのだろうかと思うわけです。

(2) BPD(境界性パーソナリティ障害)

PTSD と BPD はある意味似ています。というのも症状として発現するのは自己同一感の揺れ、果てしない空虚感、希死念慮、治療者を神格化したかと思うと激しい怒りからのこき下ろしという極端な感情の揺れ動きです。

境界性人格障害は「操作性がある」と言われますが、この人たちは意識して行っているわけではありません。真剣に対人関係を築こうとして数多の失敗を繰り返しています。治療者の介入がうまく行かないとリストカット、OD を繰り返す行為は時として医療サイドの負の感情すら生み出します。

BPD に有効と言われる弁証法的行動療法を行える日本の治療機関はきわめて少ないです。

どこにも当てはまらない疾患の診断を BPD としてきた、いわゆる「ゴミ箱診断」に対するのは誰もが投げ出して来た患者で、チームで当たるのが望ましいと言われている BPD に対して一人の心理職だけが対応しなければならない場面が多々あり、その結果として患者の自殺や激しい感情の動きに翻弄されたら、上記 PTSD とともに投げ出したくなるのも無理はない、例えば新卒の心理職がこの双方の疾患にまともに対処できるのでしょうか。

上記は治療者が逃げ出したがる疾患のごく一部です。統合失調症患者も双極性障害の患者にも妄想幻覚が生まれることがあります。治療者が見張っている、盗聴している等の妄想が生まれることもあります。

負の感情を思い切り向けられた心理療法家はそれをうまく乗り越えることができるのか。

自己臭妄想や強迫性障害はあまりの苦しさに自殺率が高いことも知られています。発達障害の人とコミュニケーションを取るのも難しいことで、重度知的障害の人たち、特に強度行動障害の人たちと接する心理職も福祉職も投げ出したくなるかもしれません。そうやって心理職は自らの心を守るために行き場を探して他の職場に放浪の旅に出ることになるのです。「ちっとも役に立てなかった」という傷だけを自らの胸に残しながら。

3.イルツラ

東畑開人先生の「居るのはつらいよ」「イルツラ」は僕も就労継続支援施設で味わったことがありますが、朝から午後までひたすら内職やアクセサリー作りの手作業を行うだけ。長くいる利用者さんの方がはるかに上手で「ひなたさん何やってんのよ」と言われることが不器用な僕には多々ありました。「スタッフとしているだけ」は彼らの心にどれだけ残ったのかなあと思います。

問題があれば介入、悩みがあればカウンセリングと多重関係ありより、もちろん利用者さんは僕のことを見て聞いているので、軽口の冗談を言えば傷つく人もいるし、かといって真面目一筋だと面白味のない奴だと言われる。確かに東畑先生が書いておられるとおり僕も「これまで学んだ臨床心理学、カウンセリング、精神分析学は何の意味があるのだろう。自分が何の役に立っているのか?」と思いながらフロアにいました。

入ってくるスタッフがあまり長続きしないで去っていくのを覚えています。デイケアも同じようなところがあり、患者さんの方がスタッフの入れ替わりをずっと見ていることは多いです。

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作業所やデイケアでなくとも小規模産業場面では「いるだけ」でカウンセリングを待っていることがあります。各部署を回って「ご用命があればカウンセリングを」と御用聞きをすることもありますが、毎日回ることもできません。

元々平和であるのが何よりで、自殺も未遂も事故も精神疾患患者も少ない方がいいわけです。「君は『いる』ということが大切で、何かあった場合に動けばいいんだよ」と言われるのはまあ職場環境がいい証拠かもしれません。

これが教育場面だとスクールカウンセラーが相談室に引きこもっている(ように言われる学校もある)と、児童生徒に顔を覚えてもらう機会もなく、ただ漫然と時を過ごすばかりになってしまいます。何もすることがない。これもひとつの「イルツラ」です。

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なんだか「イルツラ」の話ばかりになってしまいましたが、「心理職あるある」の話では、ドクターと家族がいろいろと話をして話がついている「じゃ、家族とよく話し合ってね」といきなり家族支援を放り投げられて患者さん、家族との間に入ることが時としてあります。

ドクターは忙しい。だからじっくりと話を聞くことができる心理を呼んだわけですが、こちらは何がなんだかわからないしドクターと本人、家族の間でどんな話がついているのかもわからない。これこそ究極の「イルツラ」かもしれません。

とんちんかんな対応をするのもなんですし、家族の思惑と本人の思惑が違っていれば何をどう調整していいのかもわからない。こんな場面に立ち会ったことはないでしょうか。

「○○と心理は使いよう」なので、心理職をうまく使って欲しいと泣きたくなってしまいます。企業でも同様の調整を放り投げられて人事部長から営業課長と社員と家族の話し合いに立ち会わされたら何がなんだかわからないうちに専門家としての意見を求められることになります。

6.結語

上記に書いたこの辺りの問題は心理職が置かれている宙ぶらりんの状態を描いたものです。組織のトップに立つことは決してなく、それでも高い専門性だけは求められて誤ったことを言うのを決して許されない。これはなかなか苦しいことです。

心理職は「とりあえず放り込んでおけば役立つだろう」確かに役立つこともあるかもしれませんが、かなりのベテランになって、知識よりも動物的なカンだけで話を合わせられることができるツラの皮の厚い人だけです。そういう人が本当の意味で「役に立っている」かどうかはわかりませんが「役に立っている」ように見えることは確かでしょう。

院卒まもない新人が 1 人で立ち向かうには修羅場のような上記の場面を支援できるようなチームや、また心理職同士の助け合いがあるといいなと思いながらこの課題は大変難しいことだということを僕も知っています。

心理職のカウンセリングを実効性のあるものにするには「役立つ」工夫は僕らは最大限にします。ですから使う側も「役立たず」と思う前に「役立てよう」という意図を持って欲しいなと僕は本日6件目の胃が痛むような「役立てただろうか?」と自問自答するカウンセリングを終えて思ったわけです。
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