ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:カウンセリング

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○ 臨床心理士・公認心理師のカウンセリングには意味がない

1. 序

いつもカウンセラー目線でばかり書いているのですが、たまにはクライエントさん視点をまじえて書いてみたいと思います。これはクライエントさんの実際のクレームをそのまま、あるいはある程度改変して書いてあるものです。

2. 具体的に解決しない。

一番多いクレームはこれかもしれません。これは確かにそういうところがあります。カウンセリングに来て会社のパワハラが止まない、借金苦で大変なのが楽にならない。転職したくて仕方ないけれども次の仕事が見つからないので苦しい今の現状に甘んじている。そんなときにカウンセラーは「大変ですねえ」「よく今の状態に耐えていますね」と同調や共感はしてくれるけれども具体的な解決方法は示してくれない。

いたずらにカウンセラーがカウンセリングの回数を重ねていても何の役にも立ちません。

こういう時はカウンセラーは確かに当てになりません。労働基準監督署、弁護士司法書士、転職エージェントへの登録等が助けになると思います。

3. カウンセリングがつらい

(1) 話が長い

これも実はなかなか多いクレームです。さて、カウンセリングを始めます。最初、50 分の予定でカウンセリングを始めて、まあだいたい話せた。あるいは全部は話せなかったけれどもまあ次回でいいか、と思ったら、さっきの話を詳しく話してみてください、続きの話はどうなりましたか?と聞かれます。

これは大変疲れることです。50分の予定で、50分で今日は満足したのに気が付くと 120分、150 分と時間が経っています。「あの、時間が長くなりましたが」と聞くと「今日は時間がたまたま空いているのでサービスで大丈夫ですよ」とにこにこしながらカウンセラーが答えます。

こちらは疲れている、あと今日は買い物や家事があるから早く帰りたいなあと思ってもなかなか帰してもらえないという苦行が待っています。

このカウンセラーがたまたま流行っていないカウンセラーだったとしましょう。確かに親身になって話は聞いてくれる、適切な相槌を打ってくれる。共感性は抜群ですがなかなかの苦行です。

(2) 嫌なことを聞かれる

誰しも過去に嫌な体験をしたことがあるものです。そうすると、「これはトラウマかもしれない」と思ったカウンセラーが次から次へと質問をしてきます。誰だって嫌な過去の話をしていたらいい気持ちはしないものです。

昔交際していた相手とひどい別れ方をした話をしているうちにどんよりとした気持ちになります。原因についても根掘り葉掘り聞かれます。そうすると、交際には一方的に相手が悪かったというだけではないことも多いので、自分の欠点を思い出し、相手への罪悪感が増します。そのうち話はだんだん過去のことにさかのぼります。

子どものころいじめられていたこと、そしてどんないじめられかたをしていたのか、理由はなんだったのか、親からの育てられ方はどんな風だったのかについても聞かれます。

どの親も模範的ないい親ではありません。人間ですから完全ではないのです。それでも聞かれまくっていると「ああ、自分の親は悪い親だったのかもしれないなあ」と思ってそれを話すと今度は「親御さんも大変なところがあったのかもしれませんね」と一転して親のことをかばうような発言が出てきます。

あなたは自分がどっちの方を向いていいのか混乱する上に、嫌なことを話しているとずるずると関係のない嫌なことを思い出してしまいます。その結果として真っ暗な気持ちになってカウンセリングルームを高いお金を払って出ていくことになるわけです。さきほどの長時間カウンセリングと合わせ技で使用されると効果てきめんです。

(3) 決めつけられる

こちらは正直にあったことをそのまま素直に話し、感じたことをそのまま伝えるとカウンセラーに「それは認知のゆがみですね」と言われ、感じ方を変えるように強制されます。認知が変わると感情も変わって行動も変わる、とあげくの果てには行動まで変えるようにと言われます。

あるいは会社や学校でキライな人がいることを話すと「それは投影同一視と言って、あなた自身の嫌な部分をその人に投影しているだけで別にその人がキライなわけではないのです」と言われます。「いや本当に私はその人がキライなだけなんです。だって嫌なヤツですから」と言ってもこちらがそうだと認めるまではカウンセラーは許してくれません。

(4) なかなかやめさせてくれない

さて、あなたがなかなかいいカウンセラーに当たった(と思い込んで)ひととおり話したいことも話して満足したとしましょう。それは 1 回目のカウンセリングでそういう気持ちになるかもしれません。ところがカウンセラーは「それでは次回は幼少期のころのあなたの問題についてお聞きしますね」と言います。

お世話になったカウンセラーの先生ですからなかなか断りにくくなってしまいます。しかもキャンセル料も発生するのであなたは仕事や学校の予定をやりくりしてなんとかまたカウンセリングに行きます。「それでは1カ月後のことについて考えてみましょうか」「3カ月後はどうですか?」「1年後あなたはどういう生活をしているでしょうか?」と次から次へと話題が出てきます。

「なりたい自分」について 100個の自分を書いてくるように言われます。あなたはもうカウンセリングに行きたくないと思ってもカウンセリングに 1 回来たからには全部すっきりさせなければならないのだろうか、でもこんなに苦しい思いをしなくてはならないのだろうかと疑問に思ってもそれを口に出して言うことはできません。

4.結語

さて、このブログを読んでくれている読者には患者さん、これから臨床心理士・公認心理師を目指している中高生も多く、一番読んでくれているのはそれらの資格の受験生や、もうすでにプロとして活躍している心理職の人たちです。

以上、読了してどのように感じたでしょうか。僕も忘れているだけで上と同じカウンセリングをしていた時期もあるかもしれません。プロの心理職として活躍を始めることができた喜びからなかなか終わらない、根掘り葉掘り聞くようなカウンセリングをしていたかもしれないなあと自戒を込めて思う次第です。

また、これはカウンセリングがなかなか続かなくてすぐに終わってしまうことが多いという僕のカウンセリングの言い訳をするために書いているわけではないということを最後にひとこと付け加えておきます。

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○ 役に立たない臨床心理士・公認心理師のカウンセリング

1. 序
というタイトルで記事を書くよと言ったらLちゃんが「耳が痛一い」と言ったので、「なぜ?」と聞いたら心理テストをやるのはやってる感、充実感があるけれど、所見を1日中まとめていると「何か役に立ってないような気がする」と言うので「いやそりゃ違うよ、所見書かないと保険点数にならないじゃん」と言ったら「あ、そうか」と納得した様子。

Lちゃんのような真面目な人はとても多いです。心理職は高いか低いかわからない屈折したプライドの中で自分のことを「役立たず」と自責的になる傾向があります。どんな時に心理職は自分を「役立たず」と思うのでしょうか。

2. 燃え尽きてしまう

(1) PTSD、CPTSD

かなりこれは深刻な問題として報告されています。DSM-5 では職業的にトラウマの話をずっと聞き続けることは実際に見たのとは違うので、PTSD とは診断されないのですが、PTSD 治療者、医師、心理、看護師等およそ数年ですり切れてしまうという報告もあります。

僕自身は PTSD の精神療法家という自負をずっと持ちながらこの疾患が多い職場に勤務しているのですが、ずっと PTSD に触れているわけでもなく、他疾患や、疾患を持っていないクライエントさんにも対応しています。だから持っているのでしょう。

専門機関や多忙を極める児相で働く心理福祉の人々は大変だと思います。安定した公務員の職を投げうって別の職場に若い時に転職してしまうという話も聞いています。

PTSD の大家、杉山登志郎先生を始めとした多くの PTSD 治療実践・研究家の先生方はすごいなあと思ってしまいます。

PTSD の人は内奥にとても大きな秘められた怒りを持っています。その怒りは爆発的で何もかも破壊し尽すような感情です。この感情に相対した時にきちんと受け止められて対処できるカウンセラーがどれほどいるでしょうか。

全ての記憶を解離させて叫びのたうちまわる徐反応をうまく収められる精神療法家がどれほどいるのだろうかと思うわけです。

(2) BPD(境界性パーソナリティ障害)

PTSD と BPD はある意味似ています。というのも症状として発現するのは自己同一感の揺れ、果てしない空虚感、希死念慮、治療者を神格化したかと思うと激しい怒りからのこき下ろしという極端な感情の揺れ動きです。

境界性人格障害は「操作性がある」と言われますが、この人たちは意識して行っているわけではありません。真剣に対人関係を築こうとして数多の失敗を繰り返しています。治療者の介入がうまく行かないとリストカット、OD を繰り返す行為は時として医療サイドの負の感情すら生み出します。

BPD に有効と言われる弁証法的行動療法を行える日本の治療機関はきわめて少ないです。

どこにも当てはまらない疾患の診断を BPD としてきた、いわゆる「ゴミ箱診断」に対するのは誰もが投げ出して来た患者で、チームで当たるのが望ましいと言われている BPD に対して一人の心理職だけが対応しなければならない場面が多々あり、その結果として患者の自殺や激しい感情の動きに翻弄されたら、上記 PTSD とともに投げ出したくなるのも無理はない、例えば新卒の心理職がこの双方の疾患にまともに対処できるのでしょうか。

上記は治療者が逃げ出したがる疾患のごく一部です。統合失調症患者も双極性障害の患者にも妄想幻覚が生まれることがあります。治療者が見張っている、盗聴している等の妄想が生まれることもあります。

負の感情を思い切り向けられた心理療法家はそれをうまく乗り越えることができるのか。

自己臭妄想や強迫性障害はあまりの苦しさに自殺率が高いことも知られています。発達障害の人とコミュニケーションを取るのも難しいことで、重度知的障害の人たち、特に強度行動障害の人たちと接する心理職も福祉職も投げ出したくなるかもしれません。そうやって心理職は自らの心を守るために行き場を探して他の職場に放浪の旅に出ることになるのです。「ちっとも役に立てなかった」という傷だけを自らの胸に残しながら。

3.イルツラ

東畑開人先生の「居るのはつらいよ」「イルツラ」は僕も就労継続支援施設で味わったことがありますが、朝から午後までひたすら内職やアクセサリー作りの手作業を行うだけ。長くいる利用者さんの方がはるかに上手で「ひなたさん何やってんのよ」と言われることが不器用な僕には多々ありました。「スタッフとしているだけ」は彼らの心にどれだけ残ったのかなあと思います。

問題があれば介入、悩みがあればカウンセリングと多重関係ありより、もちろん利用者さんは僕のことを見て聞いているので、軽口の冗談を言えば傷つく人もいるし、かといって真面目一筋だと面白味のない奴だと言われる。確かに東畑先生が書いておられるとおり僕も「これまで学んだ臨床心理学、カウンセリング、精神分析学は何の意味があるのだろう。自分が何の役に立っているのか?」と思いながらフロアにいました。

入ってくるスタッフがあまり長続きしないで去っていくのを覚えています。デイケアも同じようなところがあり、患者さんの方がスタッフの入れ替わりをずっと見ていることは多いです。

4.イルツラ2

作業所やデイケアでなくとも小規模産業場面では「いるだけ」でカウンセリングを待っていることがあります。各部署を回って「ご用命があればカウンセリングを」と御用聞きをすることもありますが、毎日回ることもできません。

元々平和であるのが何よりで、自殺も未遂も事故も精神疾患患者も少ない方がいいわけです。「君は『いる』ということが大切で、何かあった場合に動けばいいんだよ」と言われるのはまあ職場環境がいい証拠かもしれません。

これが教育場面だとスクールカウンセラーが相談室に引きこもっている(ように言われる学校もある)と、児童生徒に顔を覚えてもらう機会もなく、ただ漫然と時を過ごすばかりになってしまいます。何もすることがない。これもひとつの「イルツラ」です。

5.イルツラ3

なんだか「イルツラ」の話ばかりになってしまいましたが、「心理職あるある」の話では、ドクターと家族がいろいろと話をして話がついている「じゃ、家族とよく話し合ってね」といきなり家族支援を放り投げられて患者さん、家族との間に入ることが時としてあります。

ドクターは忙しい。だからじっくりと話を聞くことができる心理を呼んだわけですが、こちらは何がなんだかわからないしドクターと本人、家族の間でどんな話がついているのかもわからない。これこそ究極の「イルツラ」かもしれません。

とんちんかんな対応をするのもなんですし、家族の思惑と本人の思惑が違っていれば何をどう調整していいのかもわからない。こんな場面に立ち会ったことはないでしょうか。

「○○と心理は使いよう」なので、心理職をうまく使って欲しいと泣きたくなってしまいます。企業でも同様の調整を放り投げられて人事部長から営業課長と社員と家族の話し合いに立ち会わされたら何がなんだかわからないうちに専門家としての意見を求められることになります。

6.結語

上記に書いたこの辺りの問題は心理職が置かれている宙ぶらりんの状態を描いたものです。組織のトップに立つことは決してなく、それでも高い専門性だけは求められて誤ったことを言うのを決して許されない。これはなかなか苦しいことです。

心理職は「とりあえず放り込んでおけば役立つだろう」確かに役立つこともあるかもしれませんが、かなりのベテランになって、知識よりも動物的なカンだけで話を合わせられることができるツラの皮の厚い人だけです。そういう人が本当の意味で「役に立っている」かどうかはわかりませんが「役に立っている」ように見えることは確かでしょう。

院卒まもない新人が 1 人で立ち向かうには修羅場のような上記の場面を支援できるようなチームや、また心理職同士の助け合いがあるといいなと思いながらこの課題は大変難しいことだということを僕も知っています。

心理職のカウンセリングを実効性のあるものにするには「役立つ」工夫は僕らは最大限にします。ですから使う側も「役立たず」と思う前に「役立てよう」という意図を持って欲しいなと僕は本日6件目の胃が痛むような「役立てただろうか?」と自問自答するカウンセリングを終えて思ったわけです。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

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◯ COVID-19と戦う公認心理師&臨床心理士ねりちゃん

※ この記事には新型コロナ、COVID-19の記述が出てきます。心理的抵抗がある方は以下の分を読むことなくこのページを閉じることをおすすめします。

以前の研究会の知り合いで旧帝大→旧帝大院卒、教育学博士号を持つ才媛のねりさん(仮名)と久しぶりに話す機会がありました。

科研費(ぶっちゃけ言えばとってもステータスにもなって自分にも役立つ公費研究)経験者でもあり、このまま大学教員間違いなしと思われ、行政アドバイザーなどもやっていたのですが、ある時「ひなた君、ワタシやめるわ」と言って某超エリート医師の大学教授とサクッと結婚して遠距離に行き、今は心理フリーターをやっています。

ねりさんは5時までカウンセリング、5時から行政事務や研究をやっていたので、当時はすげー大変だったろうなあと思っていたのですが、今は結構リラックスして仕事をしているそうです。

ねりさんの職場はEAP(従業員支援プログラム)のコンサルティング&個人カウンセリングで、クライエント企業も一流企業、オフィスにクライエントさんがカウンセリングに来たりzoomでカウンセリングしたりということで、COVID-19が始まるまではほぼほぼ対面カウンセリングをしていたのが様変わりしたということです。

僕「ねりちゃんどう?前は出張したりクライエントさんが来たりEAP事務所もそれなりに流行ってたみたいだけど、クライエントさんとか減ってないの?給料下がったりクビになったりしないの?」

(仲が良ければ相手が偉くてもタメ口)

ねり「それがひなた君さあー、わざわざウチの会社に来たりこっちから出向くとね、キャンセルできないけどみんな手軽に予約入れて来るから結構忙しくなった」 

僕「商売繁盛なんだ。でもオンラインだとマスクなしでも会話できるからいいよね」

ねり「いや、みんなマスクしてる。室内でもマスクするように言われてるみたいで。だからワタシもマスクしてオンラインカウンセリングやってる」

僕「…なんか大変だね。」

ねり「こっちも向こうも表情わからないけどカウンセラーにも表情読まれたくない、っつー人にはいいみたい。あと前からのクライエントさんは自分の問題+コロナ+会社の業績の不安+家族の不安を抱えて重くなってるみたいな感じ」

僕「うーん」

ねり「うちの社長がさ、オンラインもできますって全国に電話営業かけてパワポ資料(営業ツール)送信してんのよ。あいつは強気だね」

僕「ねりちゃん過労になんない?」

ねり「大丈夫。ワタシも在宅テレワークにして通勤時間削れるからその分カウンセリング枠増やして給料上げさせた。」

僕「相変わらずタフだなあ。看護学校でも教えてなかったっけ?」

ねり「入学延期とかはあるわね」

僕「授業中止だと手取り減るね」

ねり「それもオンラインだから大丈夫」

僕「なんか様変わりしたなあ。ほぼほぼオンラインなの?」

ねり「いや、対面もやってるけどまだこっちは寒いから窓全開でやってるとカウンセリング早く終わる」

僕「いいのか悪いのか」

ねり「でも前に総合病院にもいたからどっからかぎつけたのかわかんないけど自治体のCOVID-19委員会に引っ張り出されたり」

僕「ま、ねりちゃん優秀だし。引っ張りだこと思うよ」

ねり「でさ、聞いて聞いて、その自治体の対策委員会の会議場が議員も来てるのに人ぎゅう詰めで三密なワケよ。まずワタシつかつかって入って行って窓全開にしたよ」

僕「ねりちゃん大胆だなあ。そういうつかみが大事だよね。僕は気弱だからなあ」

ねり「あら、ひなた君の弱気なのは昔からじゃない。」

僕「ま、ねりちゃんにはかなわないよ。」

ねり「学校関係でも会社でもとにかく攻めの姿勢ね、オンラインで不安な子はとにかくこういう時だからいつでもオープンにしてる、いつでも相談できるっていう安心感が大事なのよ」

(以上)
※ ねりちゃんは勉強家なので感染症に関する知識は相当にあります。雑談しながら文献も内外のものを紹介してもらいました。外国のものは読むのが面倒なので全部翻訳してくれと言ったら怒られました。ねりちゃんの働いている職場は、産業、教育とCOVID-19に対峙している医療の最前線ではないかもしれません。しかし、僕も経験しているCOVID-19に対するクライエントさんの不安感が増していることは彼女も肌で感じているようです。そういう意味では不安を抱いている人々に常に接している彼女の職場もまたCOVID-19の前線なのだと思いました。

photo by sora

おはようTwitter

なにができるか よりも
なにがしたいか かもね ໒꒱⋆゚



◯ 双極性障害、この残酷な病に公認心理師、臨床心理師はどのように対峙するか。公認心理師受験者に知っておいて欲しい事

公認心理師試験には双極性障害の

以前書いた「双極性障害、うつの意外な常識・公認心理師はどこまで踏み込めるか」
http://hinata.website/archives/15241655.html

の続編記事と

「公認心理師・臨床心理士は新型うつに対処できるか?」http://hinata.website/archives/22591014.html

公認心理師に精神薬理学が必要な理由
http://hinata.website/archives/16414478.html

に関連しています。

僕は「今年は双極性障害、来年は境界性人格障害」とテーマを毎年決めて書籍や論文を読んできました。

以前Kay Redfield Jamison,の「ケイ・レッドフィールド ジャミソン 他2名著
躁うつ病を生きる―わたしはこの残酷で魅惑的な病気を愛せるか?」新曜社紹介記事を書きました。 

がうっかり消してしまいました。

この著作はアメリカではベストセラーになったものです。

公認心理師ブログで書評はやめておこうと思い削除してしまったのですが実に惜しい事をしました。

ジョンズ・ホプキンズ大学医学部精神科教授の彼女は臨床心理士で非医師です。

アメリカの臨床心理士は博士号取得後試験合格率50パーセントの大変厳しい関門を通らなければなりません。

臨床心理士の地位は高く、ジャミソンもUCLA感情障害クリニック所長を務めていた事もあります。

凄いのは無茶苦茶多くの論文を書いている彼女自身が双極性障害という事です。

彼女の人生が綴られたこの圧巻される著書はこれまで僕が出会った愛すべき双極性障害の人々を思い出ささます。

双極性障害の自死率は25パーセントという大変高い数値の研究結果もあります。

生き方は破天荒、教科書を読むと男性は夜の蝶の女性に全財産だけでなく借金をしてもつぎ込む、女性は出会い系でワンナイトラブを繰り返しだれの子かわからない妊娠をする等壮絶です。

このあたりは拙ブログを読んで下さっていている方々で通院している方の方が自己体験でその苦しみが僕よりも体感的にわかるのでないかと思います。

治らない、だけどきちんと維持療法で安定した生活を送る事も可能です。

⭐︎ 治療

※ 以下治療と薬剤名、副作用を正式名称英語、日本語、商品名順に記載します。

衒学的な理由からではなく、公認心理師試験は英語表記で出やすいからです。

また、治療法は双極性障害の患者さんにも心理職にも受験生にも知っておいて欲しいです。

副作用は何か?ただの気のせいなのか?それとも別の症状か?「湿疹が出てかゆいなあ」とラモトリギン服薬患者さんが 話したら急いで患者さんに対して医師に連絡してもらわないとならないです。

知ることは力となります。

さて、双極性障害薬剤知識と副作用です。

mood stabilizer ムードスタビライザー(気分安定薬)は古くから使われているLithium carbonate炭酸リチウムがあります。腎機能に影響を与える場合があるので定期的に血中濃度測定をします。

リチウムの血中濃度治療域は0.6〜1.2Eq/Lです。

ちなみに状態が安定していれば治療域から外れていても大丈夫と医師は判断しています。軽躁か躁状態になっている人は「オレ、すっかり大丈夫っすから」と言いつつだいじょばない人も多いです。

Lamotrigineラモトリギン(ラミクタール)
Carbamazepineカルバマゼピン
Sodium valproate、VPAバルプロ酸ナトリウム(デパケン)もムードスタビライザーとして使用される抗てんかん薬です。

定型精神病薬としてはChlorpromazine hydrochlorideクロルプロマジン炭酸塩(商品名コントミンなので昏倒眠と言われるような沈静作用があります。)

非定型抵抗精神病としては保険適用範囲としてパーシャルアゴニストのAripiprazoleアリピプラゾール及びOlanzapinオランザピン(ジプレキサ)が保険適用です。

アリピプラゾール(商品名エビリファイ)は

双極性障害の人がSSRIなどの抗うつ剤を服薬すると躁転することがあります。

また上記定型非定型精神病薬は錐体外路症状(ジスキネジア、口や舌が不随意運動をする、akathisiaアカシジアは足がむずむずして気持ち悪くなるレストレッグス症候群にも似ています。)は大変苦しいものです。

「低目安定の気持ちになれるといいですね」

と医師も心理士(師)も言いますが、この人たちにとって低目安定というのはとても難しいことです。折れ線グラフ📈📉を見ているようです。

基底的な気分はイライラしやすく焦燥感を持っている、躁転すると自分は万能で幸せだと思っているので叱られると例え新入社員でも社長に食ってかかることがあります。

躁転した人は幸せで万能なので邪魔が入るともの凄い勢いで怒る、治療アドヒアランス(意欲)がない。

ところが医師が患者さんに対して(病識が薄いので医療保護入院で無理やり入院させられたと思っていることもありますが)抗精神病薬を処方すると今度は過鎮静になって動けなくなることもあります。

薬剤のせいでなくともうつ転して死にたいと思うこともあります。

酒の席で上司に大酒飲んで絡んだ、うつ転してもうダメだと思いシクシク泣きながらずっと過ごす。

双極性障害あるあるです。

さて、こんなに苦しい生物学的疾患に対して心理職が何もできないかというと、そういうわけではありません。

苦しくて仕方ないという気持ちを聞いて受容するのは心理職の仕事です。

躁転している人が危ないと思っているのはとても貴重な自覚です。

褒めるべきです。

双極性障害の人たちは非常に多才で、教科書だと「あちこち手を出して何も完成させられない」と書いてあることも多いですが、達成して大量の論文を描いたケイジャミソンがいます。

作家で医師の故北杜夫は躁転している時に軽妙なタッチで人を面白がらせる「ドクトルマンボウ航海記」うつの時には「楡家の人々」を書いていたのは有名な話です。

双極性障害でアルコール依存症の故中島らもは素晴らしいセンスを持っていました。

統合失調症、双極性障害、発達障害は致死遺伝子ではなく(致死遺伝子は出生まもなく死に至ることがあります。)人類はこれらの遺伝子がなければ絶滅していたと思います。

統合失調症は神のメッセージを民に伝えて不安で縋り付きたい人々を教え導きます。

※(DSM-5)ではこのような宗教精神科憑依症候郡、祈祷精神病が実際に宗教活動等をして適応している場合は統合失調症の診断から外しました。

双極性障害は天災が起こった際、率先して恐怖に怯える人々を不眠不休で安全な場所に避難させるために心身をフル回転させます。

事態が収束した際には力も命も尽きてしまうかもしれませんが大いなる偉人として語り継がれます。

発達障害は誰もが持ち得なかった特殊な才能を発揮、ビルゲイツもスティーブ・ジョブズも発達障害と言われています。発達障害者なしには人類は文明を築けませんでした。

双極性障害の人たちは苦しくて辛い、でも達成できる事は多くそれをしようとすると中途半端になるのがイヤで医師にもカウンセラーにも内緒で課題にチャレンジし続けている人たちがいます。

(その結果倒れてまた周囲から怒られたりするわけですが。) 

双極性障害について書くことはまだまだあります。

ジャミソンのように僕はこの人々は愛すべき戦慄の病と共存しているのだと思っています。E756B687-BACB-434D-B736-B4E44A20305A

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◯ カウンセリングはキライ

※ クライエントさんから聞いた話など

1.気持ち悪いテストやらされる。

あんな気持ちの悪い色がいろいろついていてグロテスクなカード見せられるのイヤ

2.時間がかかる面倒なたくさん書くテストやらされた。

しかも聞かれたくないことばかり。

私の母は・・・とか父は・・・とか何で聞かれなきゃいけないの?

親のことイヤなのに親に見られるの?書くのすごくイヤだった。

3.知能テストやったけど無茶苦茶時間かかってわけわかんなかった。

算数テストみたいなの「えっ?」て聞き返したけど「繰り返しできません」って言われてカウンセラーはドSだと思った。

数字を逆から言うとかもうムリ。

4.毎日日記みたいなの書かされる。

これ書いているうちに「学校に行けるといいね」

って言われてるけど、日記書くことと学校行くことと全然関係ないから。

いつも毎日毎時間何してるか見張られてるみたいでイヤ。

5.うちの外に出たくないって言ってるのに毎日少しでも出るように宿題出される。

人が必死にコンビニ行ったら「その先のスーパー行けるように次は頑張りましょうね」と言われる。

頑張ってそれで限界なのにもうイヤ。

6.「ここだけの話」って言ったのに医者に筒抜け。

医者にだけは話したくないって言ったのに。

7.絵が下手で苦痛なのに絵を描かされる。

だからイヤだって言ってるのに「上手い下手を見るものじゃないですから」と言ってやらされる。

しかも「こう描いているのはこういう意味ですね。」って考えてもないこと勝手に決めつけられる。

8.「何か昔イヤなことあったでしょ?」こっちは「ない」って言ってるのに。

いじめられなかったか、親からギャクタイされなかったのか根掘り葉掘り聞き過ぎ。

何もないっつーの。

しつこい。

9.汚いのはイヤだっつーのに服のまま、土足でみんなが歩くカウンセリングルーム転がれって言われてやらされた。

すごくイヤだったから今日は汚れてもいいジャージにトイレで着替えたら「着替える前の格好で来なさい」

って言われてまた床転げさせられた。

気持ち悪い。

もう行かない。

10.スクールカウンセラーに話したこと、何で校長に筒抜けなの?

秘密守るって言ったあのカウンセラーには2度と喋らない。

11.昔あったイヤなこと、「すみませんね、これからイヤなこと聞かなくちゃいけないので」と言われてずーっと聞かれた。

1時間たっても終わんない。

「イヤだったら途中で止めてもいいんですよ」と言われたけどそう簡単にダメって言えないじゃん。

向こうも必死そうだから。

気持ち悪くなりながら話したよ。

11.なんかのプリントの穴埋めやった。

結構ウザい。

最初に「その時の気持ちは◯◯という気持ちが何パーセント?」

考えるのに大変。

「その時に自動的に浮かんできた気持ち」

何も浮かんで来ないけど無理やり書いた。

「もしあなたの親しい友人が同じ目に遭ったらどう言いますか?」

どうにもならないじゃん・・・

「今考えて将来一番ありそうな事は?」

変わらないよ。

「今の気持ちは?」

つまんないことばかり聞かれてイヤーな気持ち。

そう答えたらまた最初から言い方変えておんなじこと聞かれた。

もうこのカウンセラーゼッタイ許してくれなさそうって思って、「けっこうスッキリしました。80パーセントぐらい」

って答えたらニコニコしながら「そうでしょうそうでしょう」

だってさ。

もう行かない。

※ カウンセラーはクライエントさんのためを思って自分が学んだ特定の技法を使ったり、要請に応じて心理テストを取りますが、それはクライエントさんにとっては侵襲的(害がある)と取られることも多いものです。

どんなに気をつけてもクライエントさんとの相性もあり、そういう事態は避けられません。

僕のところにやってくるクライエントさんが他のカウンセラーのことをそう言うのを聞くことがあります。

僕のところにやって来なくなったクライエントさんがやはり僕のことをほかのカウンセラーにそう言っていることもあるのだろうなあと思います。

自分に自信を持ち過ぎたり、要らないプライドで接することでクライエントさんに負担をかけたくないなと日ごろから思っています。

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