ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:オンライン

73F97E4E-E095-46B3-8A42-532C802F177A

速報・日本臨床心理士資格認定協会 オンライン研修にかかるガイドライン

というわけで本日
New 「オンライン研修にかかる運営要項(ガイドライン)」(令和4年度版)についてご案内します

が出ました。

これを是と評価するか否かについては読み手の心理士それぞれにかかって来るものと思いますが、かなり軟化したのでは?

とも取れますし、令和4年度から従来の方針に戻しちゃう!絶対!8ポイント対面必須!

という強硬な姿勢を示していないことから多少は評価してやってもいい(超上から目線)となったのでは、とも思えます。でも絶対撤回すると言い切っていないのはやっぱりメンツがあるのは仕方ないか、という感じです。

資格認定協会も「ま、オンライン認めてやってもいいよ?」的な文章に読めるのでそのガイドラインを明らかにしたということでしょうか。

で、ですね、とりわけ、「オンライン研修」に関して、「研修会等の主催団体および主催者は、それぞれの責任において、当該研修機会が臨床心理士の資格更新のために必要とされる内容を参加 者に担保しているかどうか、およびそのポイント数が適正に設定されているかどうか、主催 団体および主催者の判断に基づいて、研修企画ごとに検討し、決定してください(「オンライン研修」についての基本方針2)。」

とか書いちゃっているんですけれど「コレ、大丈夫なの?」と思う次第です。

いろいろ書いてあって、研修生全員が事前に把握されている、アクセス限定、守秘、資料取り扱いについて…など細かく定められています。

第2条⑷群の「その他の〜」と自主的な研修会がこのガイドラインに沿って双方向でのやり取りをしなければならないというのはまあわからないまでもないんじゃないのかなと思ってやってもまあ仕方なかろうと寛容な目で見てやる可能性もあるわけですが、学会参加はどうなんだろうなあと思った次第です。

身バレするかも(しても構わない)けれども前回のオンライン心理臨床学会で質問したけど無視されたじゃん、とも思ったわけですが「各団体」様諸学会様方に資格認定協会が居丈高な物言いをしちゃっていいのかなあ、と思いました。

なんなら僕から諸学会連合にお願いしておきましょうか?ライブ性を担保した学会にしておきなさいと言えばいいのかな?かな?

オンラインの難しさというのは確かに難しいもので、事例をオンラインで扱うのはかなり無理がありそうだし家庭を持ってる父ちゃん母ちゃんが家族をそっちのけにしてZoomを見ていたら「パパ、ママ、遊んでー!」という生活空間は絶対に避けられません。

まあ振り上げたこぶしの行き先に困っているのかなと邪推しながら読んでみたわけですが、まあそんなわけです。

令和8年までの経過措置といっても今もなおコロナ禍真っ最中、別途方針が決まったら伝えるというのは次回更新予定の心理士は不安で不安で仕方ないんじゃん、とも思っています。

「なお、令和 3 年度までに実施してきた更新ポイント対象の研修会やすでに次年度開催を策定済みの企画に関して、今回のガイドラインはその開催を制限あるいは研修会の形態、内容、およびポイントの設定の変更を要請するものではありません。」

とも記述がありますが、次年度について

しっかり要請してるじゃん

と思ったのはこの文意を理解しようと解読に努めた僕だけでしょうか?

まあまあ聞き分けが良くなって令和4年度も特別措置を考慮するというのは物わかりがそこそこいいかなとも思ってはいますが。

最初の「令和3年度の措置は終わりだよ!看板だから帰った帰った!」よりはまあマシになりました。

誰かと話し合っていたのですが「やっぱ対面だよなー、あちこちでやると全国の美味いもん食えるし」という昭和の発想はもうやめませんか?

オンラインはコロナ禍が急速させたとは言え、オンラインカウンセリングあり、オンライン学会、研修あり(心理学以外にも)と時代の趨勢でその良さはきちんと認めて欲しいなと思っています。

最後に僕からも資格認定協会の言葉をお借りして

臨床心理士すべてのご健勝とご健闘をお願い致します。という所存でございます。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

B8AD5AF1-3F5A-49BF-A0FF-48C8F5BA8BA3

日本臨床心理士資格認定協会の「暴走」

しばらく引越しのどたばたでブログ更新をサボっていたらいつのまにか大きな変革が…

日本臨床心理士資格認定協会がこのコロナ禍にもかかわらず、「コロナ大変ですね、でも更新ポイント15ポイントのうち半分(8ポイント以上)は対面研修じゃなきゃダメよ」と

New 本協会から「臨床心理士の皆様へ〈重要公告:令和4年度に臨んで〉」を掲載します



せめてこのオミクロン株が落ち着いて、それから会員の意見を聞いてからにしませんか?と思うのです。

僕はオンライン研修が臨床心理士資格更新として認められるのはとてもいい制度だと思ってきました。

私たち臨床心理士は人の中で生きていき、人の中で生活しています。

その中でまん延防止令が出ている今、何もこのタイミングに限って…と思うのです。人々の間を縫って研修に行くことが臨床心理士自らを感染源の爆弾にしかねません。クライエントさんの命を危険に晒すと言っても言い過ぎではないと思います。

臨床心理士は全国各地にいます。僻地にも離島にもいます。今公認心理師制度がこれだけ敷衍してきたタイミングで臨床心理士の更新制度を厳しくすることは「共存共栄」ではなく、自爆テロのように思えます。

臨床心理士資格更新を間近に控えている人たちの救済措置はあるのか?とも思います。

臨床心理士資格認定協会はまた次の案を出していくつもりなので暗澹たる気持ちで次のお知らせを読もう考えています。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

78A631EA-8438-4D11-9E0B-C54814DA892F

photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
おつかれTwitter

掴めるはずの未来があるのなら
きっと手を伸ばすべきなんだよね ☪︎⋆


◯ オンラインでカウンセリングも学会も新規事業立上げも何でもできる

1.序

オンラインカウンセリング、オンライン学会、オンライン研修と新型コロナ開催以降世の中オンライン化の波が押し寄せています。さて、政府は自由に都道府県を行き来していいよと言っているものの、実際には医療関係者は自分が感染するのも患者さんに感染させるのもコワイ、患者さんもコワイということでは安全なカウンセリングはできません。

さて、そこでオンラインの今後の可能性について考えてみました。

2.オンラインカウンセリング

コロナが流行する前からオンラインカウンセリングや電話カウンセリングは存在、結構な利用者はいました。

「それでいいの?非言語的なコミュニケーションはどうなの?」とカウンセラー側は思います。確かにオンライン、Zoomだと細かなニュアンスが伝わりにくい、誰か(誰かか失礼ながら忘れましたが)カウンセリングにおいて大事なのは「匂い」や「雰囲気」の事があります。

1カ月お風呂に入っていない人、酔ってる人、ぼろぼろのよれよれになっていて、Zoomの画面には映らない部分が大切なのかもしれません。

ただし、クライエントさんからすれば「なんでもいいから助けて欲しい」という要望は強く、電話で話を十分聞いてもらったと満足するという事は多いです。

逆にZoomだと部屋の中が見えてしまう、すっぴん見せるのヤダ、カウンセラーに転移している人は自分の姿を見られたくないという人ももいるかもしれないです。

オンラインカウンセリングの限界はあります。芸術療法、心理検査や催眠やEMDRはできません。クライエントさんの満足につなげることが大切です。

遠隔地でもカウンセリングが受けられるのが魅力です。取りっぱぐれかないようにカウンセラーは前もって銀行振込みやクレジット払いにしないとならないでしょうか。

3.オンライン学会・研修・ワークショップ

オンライン学会の難しいところは、心理学の中でも基礎研究にかかわる分野はよしとして、臨床研究だと事例にかかわる発表やケース検討会はできないということです。

また、独自の視点から研究をしました、口頭発表はいいけれどオーディエンスに記録を残されたら困るという場合も難しいです。

ポスター発表も画像を保存される可能性があります。

外に出しても大丈夫ですよという内容の純粋な理論・調査研究なら可能かもしれません。

実技をともなうような臨床動作法のワークショップは不向きと思います。

4.ビジネスと研究

カウンセリングも多様化しつつあります。オンラインだと全国(海外も)含めたさまざまな事業形態が考えられます。この辺りの立ち上げをどうするか、カウンセリングをビジネスとして(もちろん社会的貢献活動はしますが)始めてインターネットビジネスコンテンツを作る、面談やオンラインカウンセリング、グループワークをやるなどいわば臨床心理学のコングロマリットという形態も十分考えられます。

5.結語

新型コロナウイルスの影響は私たちの生活を不便にして不安に陥れています。これはカウンセリングという、対面の営みにはかなりの制約がつくことになりますが、ピンチを勝機に変えるチャンスとも言えます。オンラインカウンセリング、セミナーなどは開業心理士(師)の北川清一郎先生(心理オフィスK)ホームページ にも詳しく、参考にしてみてはいかがとも思います。

047B3530-B79D-4B75-960F-487F92BABF74

◯ オンライン・日本心理学会もカウンセリングも公認心理師予備校も飲み会もオンライン

以前、「オンラインカウンセリングってどう?無料or and有料カウンセリングはどっちがいいの?その可能性と利用法」という記事を書いたことがあるのですが、
http://hinata.website/archives/23725026.html
その当時は2020.2.28ということで、まだ新型コロナがここまで流行して社会的ダメージが大きくなるという予測をしていないでのほほんとしていたのですが(阿呆)オンラインは小学校でも使われているぐらいですので、学会もサクサクとオンライン化したようです。ちなみに自分の予定表を見ても2020.1月が心理職の最終研修で、今後は顔合わせでやるべきじゃないなあ、と言っていたのを思い出します。

僕らの研究会はまあやらなくても大変なことにはならないので、むしろ広域移動を伴うことを考えるとそっちの方が好ましくないと思って電話でCOVID-19のことなど情報交換しています。

オンライン学会の走りとしては、3月2日〜3月4日までは電子情報通信学会、情報処理学会、日本データベース学会という3学会がオンライン学会を開催、流石この道のプロフェッショナルだけあって大成功を収めました。学会という形式で行うに際し、質問者が複数いた場合にどうするか、などさまざまな問題をクリアして実施したようです。

ただし、こうした情報処理関係学会についても人の顔を直接見られない、演者や質問者のオンラインだけでない顔が見られないというデメリットはあったようです。

さまざまな学会のこれまでの成功のノウハウを集められたからでしょうか。日本心理学会は2020.9.8〜9.10までの大会を基本的にオンライン化することに決めたそうです。日本心理学会といえば、認知心理学、実験心理学、情報処理関係科学、人間工学等のエキスパート揃いなので、これは流石だなと感心しています。

日本心理臨床学会は6月上旬までに、場合によっては実施、中止を決めるそうですが、もしも折衷的にオンライン実施としてもあれだけ大規模な学会をオンラインで行うのはかなりの困難が伴うでしょう。シンポジウムなど活発に多数の人が意見交換を行う場合の統制は誰がどうするの?

と思うわけです。ポスター発表などはpdfで見られるでしょう。こういう学会発表やポスター発表を保存されてしまったらどうなるのでしょうか?日本心理臨床学会はポスター発表も含めてカメラや録音といった電子媒体記録を禁じています。しかしオンラインだとそれが容易になってしまいます。プライバシーや研究倫理にかかわる問題など、様々な課題をクリアしていかなければならないでしょう。

さて、次にオンラインカウンセリングについてです。カウンセリングは確かに対面に勝るカウンセリングはありません。相手の口調や細かいニュアンスはわからないです。それではオンラインカウンセリングは意味がないのか?というと、これまでカウンセラーと緊密なラポールを築いてきたクライエントさんにとっては「誰かとつながっていたい、それだけでいいから」という渇望に近い気持ちがあります。

新規のクライエントさんについても同じことが言えます。何かにすがりたいほど困っている人はオンラインだろうが電話だろうがメールだろうが救われたいものです。だからオンラインが絶対悪い、とは言えません。むしろ臨床心理学もオンラインの新しい試みにどう適応できるかが迫られているわけです。

開業心理の北川清一郎先生はいち早くカウンセリングをオンライン化してさらにオンラインカウンセリングのやり方をオンライン講義で広めるという、迅速な対応をしていたのでいたく感心しました。

次に教育です。オンラインによる教育は英会話でも以前からありますが、オンライン教育の良さは何よりもその安さにあります。

IPSA(イプサ)心理学大学院予備校の電話取材もしましたが、ここもオンラインでの授業をやっています。youtubeで無料公認心理師動画を配信しているプロロゴスさんもオンライン授業を提供しています。セカンダリー でWEB模擬試験を行い、またこころJOB(メディカ出版)でもWEB動画視聴プラン税込9000円と破格の安さで講義を提供しています。試験日程が延期になり、在宅ワークや在宅学習が中心となった方々は格安の投資で質の高い授業が得られるのでおすすめです。

さて、(僕には友だちがいないのでよくわかりませんが)zoomオンライン飲み会も流行っています。厚生労働省も遠隔飲み会を勧めていますが、これには大きな罠があります。

zoomはグルチャと同じで、インしたければどこまでもインし続けて、フェイドアウトしたくない人はどこまでもい続けることができます。つまり飲んだくれても特に止める人もいないし、直接絡まれるわけでもないので酔っ払っても朝酒から深夜まで飲み続けることができるという、実にヤバいシステムなのです。

人と人のつながりが空疎化していると言われるのでSNSが流行りましたと昔から言われています。SNSで恋人を作る、結婚する人たちも多々いるわけです。SNSやオンラインだとその人は自分のいい面だけ見せることも可能です。ハマりやすい人はハマりやすいだろうなあと思います。アルコール依存についても心配になりますが、医師や心理職もなかなかzoom飲みにハマって飲んだくれているのを聞くと心配になります。

以上オンラインと臨床にまつわることをつらつらと書いてみましたが、外出自粛の今、オンラインとの上手な付き合い方について考えてみました。今日のテーマにふさわしく、含蓄が深い
soraさんの文で締めくくります。

photo&lyric by 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚

私たちが普段かざしている価値観や言葉は、この世界のどこかで見たり聞いたりしたものが元になっていて、ゼロから生まれ出るものではないはず。世を駆ける数多の想いが自分の血となり肉となり、私という魂を介して再び世界を駆け巡る。世界は互いに影響し合い、共鳴し合い、循環しているんだろうね。

↑このページのトップヘ