ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 公認心理師試験制度

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ᴄʟᴇᴀɴ ᴛʜᴇ ᴠɪᴇᴡғɪɴᴅᴇʀ.
無意識のうちに膨れた傲慢さを洗い流せるような。そんな瞬間が時には必要なんだと思う。

by女癖の悪い心理職・公認と臨床はポリアモリースピリッツで乗り切れ

1.序

最近仲のいい、りるみん(LINE的な意味で)のリクエストでポリアモリーの話を無理矢理書くことになりました。

昨日のなんだかセクシャリティに関するコンテンツの話の続きです。本当に話した内容はヤバたん過ぎて門外不出です。

まずポリアモリーというのは、複数の人と交際をしていてそれがどの交際しているパートナーにも許されている状態です。そしてこじつけると公認心理師試験と臨床のバラエティに富んだ出題傾向はまあポリアモリーだなあと無理矢理セクシャルな嗜癖の話しもしながら、りるみんにこのお題をおねだりされました。

2.会話

りるみん:なあひなぞうはホントに女癖悪いのか?

僕:え、よく女癖悪いってブログに書いとるやん。でもホントは違うで。ありゃキャラ立てのために書いとる。実は優しい人格者なだけや。女の人は大変やなと思ってPMSやPMDDの書評書いたことある。翻訳したその先生の事務所で働いとったからそこら辺の相談乗れるのは強みやな。仕事にも役立つ。

り:どんなん対応があるんや

僕:利尿作用で水分不足になるから禁コーヒー。肉は食え。肉の中のアミノ酸トリプトファンは日光でセロトニンになる。要するに健康的で普通の規則正しい生活をしろ。無茶なダイエットして野菜しか食わんと症状ひどくなるぞ。ジャンクフードもダメ。あとは病院行け。出された薬は飲め。身体冷やすな。腹巻きでもホッカイロでも使え。ぬる湯に使って身体の芯から温めて冷やすな

り:詳しいな

僕:女性だからPMSに詳しいわけじゃない。男でも研究しとったら詳しい

り:確かに男も○に詳しいわけじゃないわな。昔は女は生理中は小屋に閉じ込められたらしいな

僕:穢れの概念やな。実際にはPMDDで感情的に不安定になって閉じ込められたのかもしれん。今はSSRI出すねえ。狐憑きも日本独自の概念や。PTSDと思ってる

あくまで俺の仮説だけど狐憑きはPTSDだったんじゃないか?医者からそういう仮説聞いてエビデンス全然ないんだけど精神分析の端緒になったヒステリーもPTSDと思う

り:なんでや

僕:19世紀ウィーンは色街がなかった。だから弱い少女が性虐待に遭ってヒステリーという形で解離症状を示した。狐憑きも性被害の解離症状か短期精神病や。統合失調症スペクトラムに入っとるな

あと森田正馬の祈祷精神病、中井久夫が取り上げた宗教性憑依妄想症候群は本人が苦しんでいなくて文化の中に溶け込んでいれば疾患とはみなされない。これは教科書にも書いてある。中井久夫が示した天理教開祖の中山ミキがそうや。いきなり旦那子どもに手伝わせて持ちモノ全部捨てると言って家に縄をかけて引き倒した

り:すごみん

僕:シャーマンもその文化の中で受け入れられていれば統合失調症スペクトラムに入らない。中井久夫は大胆にも統合失調症を文化依存症候群の一種と定義づけようとした

り:文化依存症候群ってなんや?

僕:その国や文化圏にしかない特定の精神疾患な。日本の対人恐怖症、パリで暮らし始めた外国人の適応障害のパリ症候群、アイヌのイムimuという価値観の混乱で錯乱状態、マレーシアのアモックとかたくさんあるけどな

り:PTSDの性被害は大変そうやな。性被害受けた子が○っくす依存症になったり。どないするんやろか 

僕:それは経験の陳腐化やな。元のトラウマを薄めるようなもんや。性被害患者はソマティカルな、身体的な視点も取り入れた療法としてダンスやヨガや太極拳が勧められる。ただし体が動かなくて性行為をする時だけ身体が動く場合もある。だから○っクル依存になるという説もある

精神療法としてはゴールドスタンダードなEMDR、EMDR学会のホームページ にわかりやすく書いてある。そしてこのソマティックエクスペリエンス、持続エクスポージャー法、CPTもある。持続エクスポージャー法、PEは想像的にトラウマティックな場面を思い浮かべる。実際に似た現場に行かせるという暴露を行うけど戦場や本当に危険な場所はダメだ

あとPEはトラウマ場面を想起してカウンセリングをする。その録音データを毎日聞く

り:PTSDになったとしても持続エクスポージャー法、わては無理や。暴露とかこわすぎ
CPTってなんや?

僕:認知療法の一種や。トラウマに引っかかってるスタックポイントからクライエントを自由にする。これもホームページが詳しい。

CPTSDやPTSD患者と境界性パーソナリティ障害BPDは症状がよく似てる。併存している場合もある

だから弁証法的行動療法をやる。以前 B群パーソナリティ障害・境界性パーソナリティ障害の治療 の記事にも書いたけどな。氷を握る。10円玉を縦に立てる。現実感覚を取り戻す。集中して全てを忘れる

あと対人関係療法IPTもPTSDを扱う。かなり多くの精神療法がPTSD治療に適している

り:ひなぞう質問があるんや。教育相談所でバイトしてた時抜毛症がひどくていつも帽子かぶってた女の子おった。あれはなんや?

僕:自傷行為ともとらえられるけどチックの可能性もあるなハロペリドールHaloperidolが使われて好転することもある

り:ほう、チックか

僕:薬理学はたくさん記事にしたけどムードスタビライザーmood stabilizer、主に双極性障害、躁うつ病に使われるけど他の感情不安定な患者さんにも使われる。

り:むーどすたびらいざー?

僕:気分安定剤、抗てんかん薬が多いな。ラモトリギンLamotrigineはスティーブンジョンソン症候群という湿疹から皮膚の壊死の副作用、まあ滅多に出ないけれど湿疹が出たらすぐ中止、ラモトリギンが今では双極性障害のゴールドスタンダード、ほぼほぼ双極性障害だけにしか使われない炭酸リチウムLithium carbonate、同じく抗てんかん剤バルプロ酸ナトリウムSodium valproate、カルバマゼピンCarbamazepineなんかがそうだね

り:ふむり。まだ質問あるぬ。今回のコロナで医療者が受ける影響について知りたいぬ

僕:ほい。ノルウェーの英語論文 このabstractに載ってる。

カウンセラーも13.7パーセントのPTSDノルウェー版チェックリストに引っかかってる。

り:おお、でもPTSDって直接見聞きしたものじゃないと診断できないんじゃないっけ?

僕:ノルウェー版は違うねえ。フツーは職業で聞いただけだとPTSDと定義されない。DSMだと近親者か親友からずっとトラウマティックな話を聞かされたのはPTSDの診断おけまる

DSM-5は警察みたいに職業的に遺体や虐待場面に暴露されるのが加わったのに注意してね

2次受傷はカウンセラーにもあるよ

り:なんかひなぞう頭いい人のように思えたぞ

僕:いや、あの

(おまけ)

僕:りるみんは今日のタイトルに戻って一途なのか?

りるみん:わてフツーやん

僕:乙女の暴走で赤ボールペンでラブレター1晩20枚書いたり、曲がり角で待ち受けてパンくわえながら遅刻しそうになりながら意中の男とぶつかって倒したり男の家の隣に住んで2階から毎朝起こしに行ったり、お弁当間違って1個作り過ぎて男に渡したりせんのか?

り:それフツーちゃうで。それよりひなたみんのブログ読んでると女癖悪いように思えるぞ

僕:いや俺は優しいだけだよ。ひたすら優しい。そしてアグレッシブだから仲良い女の子守るためなら負けても負けても全力で戦う。負けて倒れたら起き上がって大事な人を守るためにまた戦う。ただそれだけだ。理由がわからん

り:…あんたそりゃ感謝されて普通の人でも全てを投げ出してすがりついて来るぞ。ひなぞうはメンヘラメーカーやな

僕:そうか…気づかんかったわ

り:ひなぞう何年その仕事やっとるんや?ちゃんと断ってるんか?

僕:うん、2割ぐらいは

り:ひなぞう、りるみんが心理職ダメダメ選手権私生活部門日本一認定するわ

(了)

健康な人も有酸素運動になるので踊りましょう

【まなこ】Make you happy 踊ってみた

 


公認心理師試験対策


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selected the photo &lyric by sora (@Skylit_Blue)
┈❆┈┈┈┈┈┈┈┈┈
⋆˖ 𝗠𝗲𝗹𝗼𝗱𝘆 ˖⋆
┈┈┈┈┈┈┈┈┈❆┈
なにを携え
なにを成す

それ自体に
意味はない

大切なのは

こころが 生きる喜び 奏でること♾


◯ 東大教授下山晴彦さん公認心理師試験について大いに語る

1.序

僕は公認心理師関係者の認知行動療法療法家3天皇として公認心理師の会会長にして東京大学名誉教授丹野義彦さん、筑波大学享受の原田隆之さんとそして勝手にこの下山晴彦さんを認定しています。

これまで
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本ブログで取り上げた丹野義彦さんの記事 ⬆️

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そして原田隆之さんの記事 ⬆️
を書いてきてGoogle先生にも認められるという栄誉を与えられてきたのですが(検索結果はGoogle先生の判断で日々刻々変わりますので変動があるかもしれません。)
「公認心理師 丹野義彦」「公認心理師 原田隆之」で検索した場合⬇️

Google先生による丹野義彦さんの検索結果
同Google先生による検索結果原田隆之さん

ここで下山晴彦さんの記事を書かなければ大変不公平ではないか?
と思い本記事を書き起こす次第です。

※ 注:ただし僕は大変気が弱いのであまり批判的なことは書けないかもしれません。

2.下山晴彦さん、公認心理師試験について大いに語る(ひなたも語る)

下山さんは東大を学部から博士課程まで終了、教育学博士、オックスフォード大学、シェフィールド大学留学を経て現在東京大学教授という大変立派な経歴をお持ちの方です。

その下山さんが今回noteで公認心理師試験制度について大いに批判を述べていらっしゃいます。

これでよいのか!公認心理師試験

この記事については僕は大いに同感するところがあり、第3回公認心理師試験が重箱の隅をハンマーで殴って叩き壊すような「クイズ王決定戦」だったこと、公認心理師試験は本来臨床心理学としての知識の大元を見るものであって、木を見て森を見ず、ではなくて「木の下の葉っぱの葉脈をじっと観察する」ような難問奇問が多かったということです。

下山さんは第2回公認心理師試験で資格を取得した方ですが、あまりの試験のその難しさに元々弱かった奥歯を噛み締めて奥歯が折れてしまったという大変気の毒な経験をされたとも聞いております。

確かに認知行動療法オンリーのCBTプロパーとしては第2回試験、心理学史で精神分析を大きな精神療法の潮流として認めたり、フォーカシングのようなイメージ重視の精神療法についての問題はなかなか耐え難かったかもしれません。

このあたりは描画、箱庭のような精神療法をさせるようなカウンセラーはエビデンスに欠けるので他のカウンセラーを選びなさいという原田隆之さんの主張をなんとなく頭の中で結びつけてしまいました。

真面目な話、僕自身の本棚ににも下山晴彦先生の編著書籍があるわけで、特に「公認心理師必携精神医療・臨床心理の知識と技法」は医療分野がかなり網羅されている名著だとも思っています。

そしてこれはいろんな公認心理師受験対策講座の講師に共通していることですが、教える立場にあって公認心理師試験対策講座を行っている人が試験問題で高得点を取れるとは限らないということで、これも下山さんが自分自身ももし第3回試験を受験しても合格できなかったと思うと述べていらっしゃったことです。

確かに公認心理師試験の範囲は広くて細かい、しかし特定の学派をdisってはいけない、というのが僕の考え方です。下山さんは博識でいらっしゃるのだから認知行動療法だけでなく臨床心理学各学派を紹介できていたらもっと得点を取れて受験対策講座を受ける受験生のためにもなるかもしれないと思いました。

下山さんは「公認心理師の、その先へ」をスローガンにしています。

そして修士の段階から5領域について
「医療公認心理師」
「教育公認心理師」
「カウンセリング公認心理師」(福祉分野)
「産業公認心理師」
「司法公認心理師」
に分轄して試験制度もそれに合わせるべきだという主張を持っていらっしゃいます。

そこで僕が思ったのは「ちょっと待て、臨床心理5領域をワープアフニーター心理士としてふらふらしてきた僕に限らず、若い心理職が教育領域に就職して、スクールカウンセラーとして活躍しながらクリニックでバイトして医学的知識を教育現場に還元するということはよくあることだぞ」ということです。

「◯◯公認心理師」としての名称しか名乗れなくなってしまったら病院では「医療公認心理師募集」となってしまい、横断的な働き方をする心理職としての実情に合わなくなってますます就職先はなくなってしまうでしょう。

僕は「公認心理師試験の、その先へ」が大切だと思っています。

僕は公認心理師は「公認」という名の元で5領域を網羅した汎用性のある資格となっていると考えています。

僕自身の考えとしては共通問題は全員必須の基礎心理学中心のものとして、5領域の中で2科目をそれぞれ選択制で、例えば受験の際に「医療・産業」を選ぶという、それぞれ自分が得意として経験、もしくは力を入れて学んできた領域を受験できるようになるといいなと思っています。

「試験が難しい難しい」という多くの人たちが言う事は本当です。

そうならば「この先の試験制度をどのようにしていくか?」が大切で、特定のある学派が「この学派の問題だけを出すべきだ」というのは間違った主張のような気がします。

だから職能団体が特定学派に偏ることも危険だと考えていて、その結果として職能団体がまとまらないようであれば公認心理師制度は恐ろしく迷走してしまうことになってしまうでしょう。

3.下山晴彦さんの、その先へ

下山さんも下山さんなりに公認心理師試験制度について考えている人の一人であることは間違いありません。

新しいビジネスモデルとしてのカウンセリングについても提唱している、そういった意味では優秀な人です。特定学派が別の学派をdisるとdisられた学派はdisり返します。

医学看護でこれをやられたら開腹手術中に論争をするわけにはいかないのですから、学問を学びつつ実践の徒である心理職、そのオピニオンリーダーである大学教員は多様性を認める文化素地が大切です。

学派の多様性を認めることができない心理学者はクライエントさんの多様性を認めることもできないというのが僕の意見です。

下山さんは物柔らかな言い方ですが「何か」の違和感を感じます。箱庭療法や描画をやってきた人たちが認知行動療法にスライディングするべきだという彼の論調にも危険性を感じてしまうのは僕だけでしょうか。

(しもやまみんのご尊顔を以下お楽しみください) 



※ アナウンス

従来の「公認心理師試験」カテゴリを
公認心理師試験対策

公認心理師試験制度 に分割しました。


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photo & lyric are by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
ᴀ ɴᴀᴍᴇʟᴇss sᴋʏ.
時の速さは変わるらしい。鼓動のそれに添うように。黄昏時は、かくも刻がまどろむもの哉。

◯ 公認心理師試験合格者数/受験者数=合格率

1.序

第3回公認心理師試験の採点結果がそろそろ各人終了したところで、敢えてまた合格率について考えてみます。なぜ合格率を考えるかというと、この試験は大学院卒心理専攻者をモデルとしたレベルにきちんと適しているか、という点を考察してみたいからです。

公認心理師カリキュラム検討委員会では心理専業の心理職が当時5万人~6万人ぐらいではないだろうかと推定していました。となるとその数がゴールで、ゴールの数を推定した上で、試験の適切度を示す難易度→合格率→ゴール数、になるのではないかと考えたからです。

IPSA 心理学大学院予備校代表浅井伸彦先生は第2回の試験合格率が第5回の試験まで続くだろうと予想しています。そして受験者数は第2回~第5回までやはり 1,7000 人程度と予測しています。さて、実際にはどうなのでしょうか?

2.受験者数は?

今回の受験者数はどのぐらいの人数、そしてどの程度の質だったのかということに合格率は依存します。各現任者講習の参加人数を合計すると第3回、第4回の受講者数は推定8千人~9千人程度でした。

どんな人たちが現任者講習を受けたのか考えてみますけれども、「仕事や家庭が忙しすぎてこの回しか受けられなかった」「やっと勤務歴が5年に達した」「人が取っているのを見てうらやましくなった」など理由は様々でしょう。

第2回の受験者総数は推定 16,948 人(合格者数÷合格率 46.4 パーセント)でした。
第3回試験のカギをある意味で握っていると考えられる第2回試験Gルート受験者数は 11,311 人、合格率41.8パーセント、合格者 4,728人、不合格者は6,583人でした。7万円の受講料を払ってなお28,700円の受験料を払った不合格者が果たして再チャレンジするかどうかです。

あまりに試験が難しかったので再チャレンジは諦めたという人もいると思います。

僕は D ルート(1,2とも)に再受験をするものと見ています。彼らは心理専業者です。この資格を取らないと生死にもかかわりかねません。
不合格者は再度受験するでしょう。

D1 ルート総数 3,505 人、合格率 53.6 パーセント、不合格者 1,626 人、

D2 ルート総数人 2,131 人、合格率58.8パーセント、不合格者878人、

Dルートは不合格者総計 2,504 人です。

第2回試験にも第1回試験不合格者は含まれていました。第3回試験にも同じことが言えます。しかしあくまで第2回試験についてしかわ
かりません。

第3回公認心理師試験第2回試験不合格者9,085 人はかなりの割合で第3回を受験していたものと思います。現任者講習修了者 8,000 人程度はそのまま受験します。そして新規受験者は臨床心理士に相似すると仮定すると
2,000 人程度でしょう。(日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士」資格取得者の推移)。浅井先生は第5回まで受験者数 17,000 人は変わらないだろうと予測しています。僕も同意見です。

3.合格率
さて、ここからが僕の見解となるのですが、様々な団体の総意として、心理を専業にしている人たち、人たちが合格して欲しい、そしてその合格率は 6割程度になって欲しいと思っているのではないかという印象を受けています。

合格率は前回不合格者がどの程度合格するかにかかっています。第3回試験は第2回試験とは趣が違った難易度が高い試験で、記念受験していた人の合格はおぼつかなかったでしょう。

国家試験で言えば一番わかりやすいのは医師国家試験のモデルです。新卒者既卒者合格率がはっきりと出ているからです。2020 年新卒者合格率94.9 パーセント、既卒合格率 69.2パーセントでした。医師国家試験でも旧司法試験でも、受験回数が増えれば増えるほど国家試験受験者は合格率が低くなる傾向があります。

「時間がない」「病気だから」という通常ならば「いやそれは大変ですね」という理屈はどの試験にも通じません。シビアなところです。また、勉強の勘どころや受験テクニック、絶対的勉強量、意欲など多数の要因が合格を妨げます。

一般的に一回不合格だった受験者の合格率は6割になるとも言われていますがこの試験はどうなのでしょう?(捲土重来を期してものすごく勉強して合格した人もいるので、個別ではきちんと合格している人はいます。そして新規G ルートの内訳はどんな人たちなのか?

やはりデータ足らずではっきりとした数字は出せないのですが、今回の試験の難易度、試験の質の変化、新卒受験生の話を聞いて、厳しい結果、そして合格率、合格者数を考えると、心理師の不足にならないかということを憂うのです。



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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
生んでくれて
あ り が と う

今ここにある

私という名の

未来と奇跡を


◯ 出題側の意図とは(第3回公認心理師試験)

※ 言動破れ傘のS女史、今日はクリスマスイブ明日は仕事早く寝かせてというのを振り切って深夜に電話でインタビューしました。

僕:今回の試験はなんや?出題意図がいまいちわからん
S女史:そうねえ、今公認心理師の集計結果まとめてるじゃん?
僕:うん
S女史:あれとは関係ないと思うのよね
僕:関係ないんかい!それじゃ言う必要ないやんけ
S女史:まあ待ちなよ、順序追って説明するから。まずGルートね、これ導入した時から無制限無資格経験ほぼほぼなんでもいい要件
僕:そら言い過ぎや
S女史:だからここだけ話だって。いい?ブログに書くなよ?
僕:お、おう
S女史:で、Gルートタンス資格にする連中、まさかこんなにGルート他職種受けると思わなかったんじゃね?だから試験難しくしてGルート潰しっつー考え方もある。第2回でもGふるい落とそうとしたのよ。第1回で大量G生産しちゃったから
僕:なんでGふるい落とすのさ
S女史:二資格一法案の時に医療心理師大卒資格にしようとしたら臨床心理士猛反対して医者側は心理士側で横断資格勝手に作れよって動きだったよね
僕:うん
S女史:今回の第5回までの試験はもうテキトーで学歴とかホンマになにやってた人間が受験したかわからなくなる。カリキュラム委員会もこんなに他職種Gルート来るとは思わんかったから受験資格甘い要件にした。元々心理プロパー、せいぜいせい精神保健福祉士が取るもんと思ってたらどこからでも何でもどんな連中でも受験した。
僕:せやな
S女史:で、第2回でふるい落とそうとして難しくしてもっと落とそうとしたんじゃね?
僕:いや、俺思うんだけどあの試験は申込書に職印乗ってたら別に誰が受けてもいいんちゃうか?
S女史:あんた相変わらずニブいのね、現任者はなんでも不問ルートなのよ
僕:そうなんか?
S女史:ひなたお前Gルートが怒るって言わんと立場上まずたんたん
僕:あ、言い間違い
S女史:医師と心理士の取引やね、5回目までは心理大卒ですらなくても受かる資格にしとく。これ医師側視点
僕:お前医師会の医者か?
S女史:ちゃうわ。貧乏赤貧アライさんや。で、2024年からはもう純粋培養中心に。これは心理側視点。でもさすがにヤバかろう医師側もあんまり簡単な資格にすると現場では使えない心理職生産することになる。でも今回のEとD2は6割合格者取らせたかった。Gはふるいにかける。でもそれやる方法ないから結局試験を難化させる。誰にも解けなさそうな問題多くして、確実に拾える問題を絶対に落とさない人間だけを合格させる。合格点は6割ジャストでいい
僕:まあそんな見方もあるな
S女史:ひなたから送ってもらった試験問題見ると確かにあれGルート潰し。心理検査なんかやったことなきゃ取れないだろ。MMSEとか。認知症身体疾患多し。病院でバイトしてる受験生多いやろ
僕:まあ確かになあ。したら看護師多くなるんじゃね?
S女史:新卒は統計や基礎心理もやっとる。受かりやすい
僕:そうでもないぞ。新卒受験生Kちゃんクイズ雑学王じゃなきゃ解けないって泣いてた
S女史:それな!新卒者の質色々や。統計わからん基礎心理忘れとる医学わからん法律わからん習っとらん。これ新卒が6割このルートで届かなかったら出題側頭抱えるわ。新卒は2024年のモデルルートだし
僕:ところでGルートでもむちゃくちゃ勉強してた医療系とか福祉系今回大丈夫だったぞ
S女史:ルートにかかわらず勉強量の問題。Gルートでも勉強してりゃ職種何だって受かる。大変だったのは現役教員。ただ教員元々頭いいし努力家だからな。ところで今回も第4回もGルート現任者講習会1万人ぐらい受けてるじゃん
僕:うん
S女史:なんで第3回も第4回も1万人も講習受けてるのか謎だってアンタ言ってたじゃん
僕:そうそう
S女史:ワタシも謎だわ
僕:本来この試験で一番有利だったのは?
S女史:身体疾患も扱う医療現場でバリバリ働いてる油の乗った経験者現役心理職。でもそういう連中はたいていもう資格持ってるよね。だから等しくみんな不利w
僕:この前さ、全体の合格率◯パーセントだろうって話したよね
S女史:おう、内訳はEがxパーセント、D1がyパーセント、D2がzパーセント、Gはφパーセントかな
僕:お、おう。数字って説得力あるな
S女史:というわけで尼ギフ5千円送っといてな。paypayでもいいけど。
僕:え、ナニソレ
S女史:取材料とワタシへのクリスマスプレゼント
僕:えと
S女史:出世払い禁止ってことで
僕:お、おう

(おまけ)
僕:というわけでリストカットする女の子の話試験に出たんだよね。すごく心理って感じの良問だった。Nちゃんならどうする?
看護師Nちゃん:まず切創が縫合必要かどうか見るかな。で必要だったらドクターに縫ってもらう。縫合必要じゃなくもきちんと切創は消毒してから保護する
僕:Nちゃん公認心理師持ってるよね
Nちゃん:試験には現場感覚持ち込むなっていつもひなたさん言ってるじゃん。それな!
僕:お、おう


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きょうも
やさしい世界を創りに ໒꒱⋆゚


公認心理師Gルートとはそもそもそも何か?

公認心理師Gルート資格については、厚生労働省主催、公認心理師カリキュラム委員会で議論の上、受験資格として認容されたものです。

厚生労働省カリキュラム委員会が目指していたGルート創設の意図は何か?現状の運用はどうなっているのか?そして今後の展望は?
これらについて考察を加えたいと思います。

1.公認心理師カリキュラム委員会

カリキュラム委員会ではGルート公認心理師受験資格を実務経験5年以上としました。この時の委員の発言の要旨としては、心理職として働いていても週一程度働いている、という人もいるだろう。そういう人たちにも受験資格を与えるべきだというものでした。

当初は週3回ぐらいと常勤に近い形態を現任者として認める方針だったのが、カリキュラム委員会の中でも秋1回と変転、日本研修センターホームページを見ると経験5年間、週1度心理業務をボランティアであっても短時間行っていれば現任者と認められます。

「大学院卒程度の知識」が求められているものの、公認心理師受験時に提出するアンケート結果 には他資格として、臨床心理士のほかに教員免状、精神保健福祉士、看護師などが記されています。

これもカリキュラム検討委員会で議論された結果を反映しています。その当時の現状で、臨床心理士と精神保健福祉士のダブルホルダーが多いことに言及していました。だからダブルホルダーは問題なかろうと。

大学教員は教えているだけなのだから受験資格はあるのか?という質問に対してカリキュラム委員会はOKを出していました。

そして何度もこの検討委員会で日本臨床心理士資格認定協会は臨床心理士に特段の配慮を求めるように主張していましたがことごとく却下されています。

試験実施機関日本心理研修センターがアンケートを提出させる時点で、Gルートの中にも心理専業でない他職種がいる。公認心理師を取らなくても食い詰めることがない層が多いことは想定内だったと思います。

2.Gルート受験者の実態

Gルートは、科目読み替え不可能な大学院卒業者、学部卒心理職(含司法矯正・児童福祉司など)も相当いたものと思いますが、確かに僕の身の回りでも教員、看護師、3福祉士は多いという印象を受けています。

カリキュラム検討委員会はこういった状態になることは十分に想定しつつ、試験を実施したものと思います。

精神保健福祉士、大学教員にかかわる議論はめくらましで、心理専業者からの反発逃れだったような気がします。

確かに学校教員は児童生徒の相談に乗ります。教科を教えて宿題を出して部活の指導をして、ということだときわめて多重関係的です。

以前日本心理研修センターに電話で問い合わせた時には公認心理師法施行規則に掲載されている26の施設で施設職印と施設長印があればノーマークで受験できる、しかし私設開業、産業領域はきちんと審査をしてそのやり取りには1カ月ぐらい書類のやり取りで時間がかかるとのことでした。

3.Gルート他職種受験をなぜ第1回から第5回まで認めたのか?

ここには2005年の二資格一法案廃案を彷彿とさせるものがあります。当時の「医療心理師」は大学学部卒を想定したものでした。臨床心理士側が大学院卒程度を主張、表向き医師団体が二資格だと現場が混乱することを理由に反対してこの法案が廃案になったことになったのですが「大卒程度」の学歴に切り下げようとしたことには臨床心理士側の反対がありました。

医師側では6年制の医学部卒業者と院卒者の心理国家資格者が限りなく医師と対等になるのではないかと危惧したのではないか、というのはあくまでも僕の邪推です。

2018年から2022年まで認められるGルートはぶっちゃけ学歴不問です。

二資格一法案の時と同様、D1、D2ルート院卒者は臨床心理士、医療心理師は心理系大卒、よりもさらに切り下げてGルートを入れた、というのが僕の印象です。

3.勝手な推測

医師団体は二資格一法案の時のように心理職の価値を引き下げたかった。

しかし医師団体も引き下げばかりだと自分たちが将来苦しむ。心理団体は相変わらず純粋臨床心理大学院を求めている。この綱引きの結果がGルート、2022年までに限って現任職を認めるという結果になったのではないでしょうか?
つまりGルートは双方駆け引きの末の鬼っ子だったのかもしれません。

4.誤解を避けるために

僕はGルート他職種参戦者をdisるつもりはありません。むしろ心理院卒者ですら全員合格することができないこの試験に仕事をしながらメンブレずに合格するパワーメンタル、パワメンかつ鋼のメンタル術師の方々は尊敬に値します。心理専業者の頑張りと努力を評価して協働して欲しいと思います。

学んだ臨床心理スピリットを生かして本業に取り組んで欲しいと思います。

D、Eルートの方がGルート合格者に対して面白くない気持ちを持っているということも知っています。ただ、公認心理師合格はただひとつのステップに過ぎないということも知っておいて欲しいと思います。公認心理師試験ではさまざまな心理検査を区別することが求められていますが心理職は実施する能力を求められています。

精神分析は患者さんたちの心性を理解するのにこの上なく役立ちます。メンタライゼーションもそうです。EMDR、トラウマケアのための各種技法も覚えて活躍して欲しいと思います。

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