ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: DSM-5

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◯ 物質関連障害と動機づけ面接MI及び嗜癖障害群・神経認知障害群

・覚せい剤などの精神刺激薬は使用障害(使用・濫用)と誘発性障害があります。

・DSM-5ではアルコール関連障害はアルコール依存症候群からアルコール使用障害に名称変更されていて、こちらも誘発性障害(中毒・離脱・精神病性障害)があります。

また、ウェルニッケ・コルサコフ症候群では作話症状が出ます。

物質関連障害群としてあげられるのは

このほか、抗不安薬過剰服用と鎮静薬、カフェイン、大麻(マリファナと合成カンナビノイド)、幻覚剤(LSD、フェンシクリジン、シロシビン)有機溶剤(塗料用シンナーや接着剤など)オピオイド(フェンタニル、モルヒネ、オキシコドンなど)中枢刺激薬(アンフェタミンやコカインなど)ニコチン

が対象となっています。

アルコールに関してはほぼ毎日飲酒している、飲酒により生活に支障があるか、飲み方に異常があるか、離脱症状があるか、γGTPやGPT、GOT、UA(尿酸値、アルコールで水分が体から足りなくてなると少なくなる)が高いかがポイントです。

アルコール使用障害の診断基準 (DSM-5)

※ 正確な診断基準は原典に当たってください。(著作権上)

アルコールの多量摂取

減らす努力に成功しない。

強い欲求、身体や社会性にに悪影響があっても続ける。

依存のため耐性がつき大量摂取を要する。

やめた際の離脱症状

とDSM-5ではあくまで「使用障害」に力点を置いて診断基準優先となっているので、依存症治療を考えるとアルコール依存症のICDの診断基準がふさわしいという見方もありそうです。

日本には80万人のアルコール使用障害者がいるとされています。

独立行政法人 国立病院機構 久里浜医療センター 木村 充

アルコール依存症への理解を深める
肝炎情報センター
http://www.kanen.ncgm.go.jp/study_download/20141205_03.pdf

アルコールスクリーニングテストCAGE、AUDITはアルコール依存症専門治療機関の国立久里浜威力センターのホームページから簡単にアクセスできます。

http://www.kurihama-med.jp/alcohol/

医師による診断と異なり簡単に自己診断やチェックができるというメリットがあります。

シアナマイドやノックビンのような抗酒剤が使われていることもあるのですが、

動機付け面接法
Motivational Interviewing (MI)や
個人・集団心理療法の中でも認知行動療法、コーピングスキルトレーニングが使われます。

今回ブループリントにも記載されていますので動機付け面接法の復習を兼ねて記載します。

MIはアルコール依存症に対する介入で有名で、周囲からいくら止めるように言っても本人の断酒意思がないと止められません。

野球の試合も勝ちたいと思って取り組まないと勝てないでしょう。

このような治療意欲に対する動機付けを高め、「自己動機付け発言」(チェンジトーク)を引き出すのが動機付け面接法です。

DARN-Cが動機付け面接法のポイントとなる頭文字です。

DはDesire(変化への希望)

AはAbility(変化できる能力、自信があるという楽観的な見通し)

RはReason(変化することの利点)で、いい結果がともなってくるという理由をあげているような発言です。

NはNeed(変化しないことへの心配,懸念)です。

このままでいたら困る、このままだと仕事がなくなる、など,ネガティブな理由です。CはCommitment(変化に必要な実際の行動の具体的な計画や考え)に関する発言です。

つまり、変化をしたいという動機のためにはポジティブな側面もネガティブな動機もあるのですが、それをクライエントが自覚して話せるようにならないといけないということです。

そこから続けて変わることができるという自己効力感(セルフエフィカシー)を高めていくわけです。


五つの原則

動機づけ面接には,五つの原則があります。

1.共感
2.矛盾を広げる
3.言い争いを避ける
4.抵抗を手玉に取る
5.セルフエフィカシー(自己効力感)を支持する

です。

1.共感

クライエントが言ったことが不健康なことでもそれを頭ごなしに否定はしません。
決めつけもしません。
相手が間違っているというというような価値判断をしないことです。

2.矛盾を広げる

このようにクライエントが自己中心的な主張をしていたとしてもそれを否定せず、話し続けてもらうことで、クライエント自身が矛盾に気づくということです。

3言い争いを避ける

カウンセラーがエキスパートで専門家なのだからとクライエントに対して一方的な価値観の押し付けや説教をしないようにします。

カウンセリングの主体はあくまでクライエントなのです。

4.抵抗を手玉に取る

変化しようとすると必ず抵抗も出てきます。それをカウンセラーは、でも、けれども、と否定的な構えで話を聞かず、抵抗があっても頑張り続けていることをプラスに評価します。

5.セルフエフィカシー(自己効力感を支持する)

結果としてうまくいっているところを支持します。

動機付け面接にはカウンセラーの具体的話し方がOARSとして示されています。

OARSは,

開かれた質問(Open Ended Question)

是認(Affirm)

聞き返し(Reflective Listening)

要約する(Summarize)

の略語です。

開かれた質問(O)はどんな気持ちですか?どんな考えですか?どんなことがしたいですか?などクライエントがさまざまな答え方ができるような質問です。

答えにくければカウンセラーから具体性を持たせてクライエントが答えやすいようにしてみます。

是認(A)はクライエントの話す内容から、いいと思えるものを抽出、聞き返して確認していくことです。

本人ができる、やりたいということを話しているときに聞き返していくような場合は,是認の手法を使っています。

聞き返し(R)は動機づけ面接で最も使われています。

クライエントが使った言葉をそのまま聞き返したり、気持ちを聞き返す単純な聞き返し,相手の言っていることを増幅して聞き返したりすることがあります。

これらは自己動機づけ発言(チェンジトーク)を引き出すために用いられます。

要約(S)では,相手の話の中で使える部分を拾い上げていきます。

これは,花束をつくるという比喩で表現されることも多いです。

矛盾する発言や行動,それらに付随する態度や感情の中から役立ちそうなポジティブな点を注意深く聞いて、その中から花を選んでいきます。

花をまとめてクライエントに花束という成果物として提示するわけです。

コーピンスキルトレーニングCSTは、アルコールという誘惑に負けそうな時点でストレスにどうやって対処するかというスキルトレーニングのことです。

悶々として誘惑に負けそうになっているよりも、うまくストレスを逃がすスキルを獲得していれば心理的には楽なわけです。

◯ 神経認知障害群 DSM-5

記憶などの認知機能や生活機能が障害され、生活に支障があっても自立生活可能な状態を軽度認知障害MCI、自立生活困難な程度に低下していれば認知症とします。

軽度認知障害の厚労省の定義です。

「物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態。

軽度認知障害は正常と認知症の中間ともいえる状態です。その定義は、下記の通りです。

年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
本人または家族による物忘れの訴えがある。
全般的な認知機能は正常範囲である。
日常生活動作は自立している。
認知症ではない。
すなわち、記憶力に障害があって物忘れの自覚があるが、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても軽度のものである場合です。

しかし、軽度認知障害の人は年間で10~15%が認知症に移行するとされており、認知症の前段階と考えられています。

厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-033.html

軽度ではない認知症について、脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状が記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下など中核症状と呼ばれるものです。(厚労省定義)

中核症状が起きると周囲で起こっている出来事の現実を認識できなくなります。認知症の復習です。

・中核症状

複雑な注意、失行や学習障害、失認、失行(着替え)見当識障害(自分がどこにいるかわからない。

HDS-Rカットオフ値は20/30

服薬コンプライアンスができない、金銭管理ができない。

周辺症状BPSD Behavioral and Psychological Symptoms of Dementiaと呼ばれる「周辺症状」は

幻覚、幻聴、妄想(よく起きるのは物取られ妄想です。焦燥、攻撃性。
抑うつ・アパシー(無為症状)
不安・緊張・易刺激性、睡眠障害といった心理症状のほか、介護への抵抗、徘徊、異食、失禁、暴力などの行動異常も見受けられます。

認知症の薬物対応としては、暴れるのを鎮静化させるためにリスペリドン、不眠には睡眠導入剤、不安に抗不安剤が使われることがあります。

(程度はあくまで目安で、実際の病状とは一致しないことがあります。)

軽度〜中度認知症には認知機能伝達物質を補うアセチルコリン分解酵素アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、アリセプト、中度にはレミニール、イクセロン・リバスパッチ(同じくアセチルコリンエステラーゼ阻害薬)

重度にはメマリー(PTSDへの治験も行われているメマンチン)があります。

ただし、どの認知症薬も進行を遅らせることはできても根本治療薬はまだ開発されていません。

※うつ病の仮性認知症、薬物惹起性認知症は治ることがあります。

四大認知症はアルツハイマー、レビー小体型、前頭側頭型(ピック病他)、血管性認知症です。

以下厚労省資料です。

認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議資料
「厚生労働省の認知症施策等の概要について」厚生労働省老健局
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000031337.pdf


【アルツハイマー型認知症】
・ 中核症状として記憶障害(もの忘れ)が必ずあり、多くの場合、記憶障害から始まる。
・ 発症及び進行は緩やかで、記憶障害を含む複数の認知機能が持続的に低下し、段取りを立てられない、気候にあった服を選べない、薬の管理ができない等、日常生活において、以前でき ていたことが、できなくなってしまう。
・ 歩行障害は病期が進行しないと出現しない。
・ 行動・心理症状(BPSD)では、妄想、徘徊、せん妄等が多い。

【血管性認知症】
・ 脳血管障害が発生した脳の領域により出現する症状はさまざまだが、記憶障害、言語障害等 が出やすく、階段状に進行することが多い。
・ アルツハイマー型認知症と比べると比較的早期から歩行障害が出やすい。

【レビー小体型認知症】
・ 認知機能の激しい変動
・ なまなましい「幻視」
・ 筋肉のこわばり(パーキンソン症状 )

【前頭側頭型認知症(ピック病他)】
・ わが道を行く行動(会話中に突然立ち去る、万引きなど) ・ 常同行動(同じ行為を繰り返す)
・ 感情・情動変化(多幸・不機嫌・情動鈍麻など)
・ 食行動異常(食欲・嗜好の変化など)

です。

血管性と呼ばれる認知症は脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう脳血管性認知症です。

血管性以外は、神経変性が一次的な主たる原因と考えられています。

多くの認知症性疾患では、その原因は不明です。しかし、脳血管性のものは比較的わかりやすく、アルツハイマー病についても、確定したわけではないものの深く研究されています。

脳血管性のうち、わが国に最も多いタイプに広範な梗塞・不全軟化があります。このタイプは、大脳深部の白質線維の連絡機能が断たれることで認知症症状が出現します。大脳の表面付近の梗塞に起因する例では、梗塞巣の容積が100mLを超えると認知症の発現頻度が増加します。

また海馬、視床、尾状核など重要な脳構造に梗塞を生じると、それが限局性であっても高次脳機能障害をきたすことがあります。

アルツハイマー病の病因は不明です。しかし、病理学的な特徴とされる老人斑を構成するアミロイドβ(Aβ)にその原因を求める考えが主流になっています。

つまりAβの切り出し、凝集に始まるプロセスに起因して神経原線維変化を生じ、さらに神経細胞死へと至るという考え方です。これをアミロイドカスケード説といいます。

このAβ中心説に対して、神経原線維変化を構成するリン酸化されたタウ蛋白質に注目する立場も有力です。

レビー小体型認知症と前頭側頭葉変性症については、鍵となる脳内構造物が明らかになりつつあります。

これによって原因解明が期待されています。

なお、スピロヘータ、ウイルス、プリオンなどの感染性因子により、神経細胞が傷害されて起こる認知症があります。たとえば脳梅毒ともいわれる進行麻痺、エイズ脳症です。

高血圧が原因となっているBinswanger病とアミロイドアンギオパチーは血管性ですが、神経変性を伴います。

アミロイドアンギオパチーも微小血管障害が神経変性につながっています。

・ アルツハイマーは海馬周辺が主病変で、大脳新皮質に移っていきます
側頭葉、頭頂葉の障害は記憶障害になりますが、運動機能障害にまではなりにくいです。

・ レビー小体型は幻覚やパーキソニスム、転倒しやすいという後頭葉の障害があります。

・前頭側頭型のpick病は前頭葉の障害のために理性が保てなくなり、犯罪を起こすことがあります。

側頭葉障害の場合は失語につながります。

認知症の基礎~正しい理解のために~厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/20170606_ninchisyotoha.pptx

論文では核磁気共鳴MRI
SPECT検査
単光子放射型断層撮影(single photon emission computed tomography; SPECT)検査
などの脳状態撮影検査が認知症診断に有効なことが示されています。
SPECTは静脈に薬剤を入れて脳血流の状態を撮影します。

PET検査
陽電子放射型断層撮影(positron emission tomography; PET)検査は,消滅放射線を生成する陽電子放出核種を標識した薬剤を使用しますが、正常脳と認知症の鑑別診断に有効です。

また、dat-scan検査では、脳内でドーパミンが異常低下した状態のレビー小体型を検査することができます。

また、社会的理解と援助のため、特定非営利法人地域ケアネットワークによって、全国認知症サポーターキャラバンメイトが組織され、サポーターの育成、認知症患者さんとその家族に対する社会的な支援を行っています。

http://www.caravanmate.com/

絵:千美梨画伯「果物のある2089年の風景」
タイトル:ひなたあきら

千美梨「あなたホンっとにテキトーなんだからこの記事の中のいろんなのに当てはまってるんじゃない?」

(おしまい)

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◯ DSM-5攻略/睡眠障害

現任者テキスト、各社模擬試験でもDSM-5とDSM-Ⅳ- TRの変更点は重視されているようです。

試験は覚えていることを書き出す再生してでなく、正当選択肢にチェックする再認を試されます。

読んで模試を解いて記憶に残った回数だけ得点は高まります。

試験直前だと合格率がきわめて低いのではないかという社会心理学的現象を地で行くような噂も飛び交いますが、頑張りましょう。

◯ 睡眠-覚醒障害群

哺乳類と蝶類にはレム睡眠、ノンレム睡眠があります。

睡眠は、レム睡眠が、75パーセント、ノンレム睡眠が25パーセントです。

レム睡眠時には急速眼球運動が起こり夢を見ます。(仮説:右大脳半球と左大脳半球間の海馬を経由して短期記憶を長期記憶に写す、不快な記憶処理も行われていると思われます)

就寝するとすぐノンレム睡眠に入ります。

ノンレム睡眠は脳の休息状態、神経細胞ニューロンの働きも低下してしまいます。

ノンレム睡眠の間にはニューロンの修復、ニューロン結合の再構築など、神経細胞の自然治癒が行われているのではないかと考えられています。

レム睡眠は骨格筋緊張を抑制、運動器を休めます。

レム睡眠とノンレム睡眠は90分単位で繰り返されます。

人の睡眠は一晩に数回、短い覚醒が起きますが意識していません。

睡眠後半になると眠りは浅くなり、徐々に脳が活性化して目覚めます。

加齢で睡眠時間は短縮、10年で10分間短くなり、中途覚醒時間は10分ずつ増加します。

入眠までの時間には加齢の影響は出にくいです。

深いレム睡眠とノンレム睡眠は短縮、睡眠効率が低下して就床時間も起床時間も早まります。

現任者講習テキストを中心に記載しているのですが、

睡眠障害が
1.入眠困難
2.中途覚醒、睡眠維持困難
3.早朝覚醒

の場合、心理職であれば要医療の睡眠障害だということを検討するでしょう。

成人20パーセントがなんらかの不眠の訴えを持っていますが、メンタルな理由に起因するものは6パーセントです。

不眠の5P分類として

身体疾患に伴う不眠(Physical)
中枢神経系疾患(Parkinson病など),脳器質性疾患(脳梗塞など),循環器疾患(不整脈など),呼吸器疾患(気管支喘息など),消化器疾患(逆流性食道炎など),皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など),など

生理学的不眠(Physiologic)
時差ボケ,入院,交代勤務,不適切な睡眠環境,など

心理学的不眠(Psychologic)
精神的ストレス,恐怖体験,死別などの喪失体験,など

精神疾患にともなう不眠(Psychiatric)
うつ病,統合失調症,など

薬理学的な不眠(Pharmacologic)
アルコール,向精神薬,インターフェロン,降圧薬,など

があります。

医学書院

●内科医が知っておきたいメンタルヘルスプロブレムへの対応
http://www.igaku-shoin.co.jp/misc/medicina/mental4402/index.html

DSM-5の不眠障害も(不眠=インソムニア)

入眠困難

中途覚醒、睡眠維持困難(中途覚醒後にどの程度の時間起きていた後に再び入眠できるかも聞きます)

早朝覚醒

のいずれか、または組み合わせが1週間に3回以上、3カ月以上続くことで判断します。

DSM-5の不眠障害は非器質的、薬物でない要因によるものを規定しています。

CBT-i不眠療法は入眠時間を遅くしても構わないので、だらだらと布団に入ってから眠れないと悶々としているよりも、眠くなったら眠る、遅くなっても遅寝早起きをして起床時間を一定にさせるという調整法です。

日光を浴びると14〜16時間後にメラトニンの影響で眠くなるという現象を利用しています。

ほか、睡眠障害としてはうつから来るとも考えられる過眠障害があります。

睡眠中に動き回ってしまう睡眠随伴症、パラソムニアは睡眠中や入眠時、覚醒時に泣き叫んだり暴れ回ったりする睡眠障害です。

ノンレム睡眠時に起きるノンレム・パラソムニアは錯乱性覚醒、睡眠時遊行症(重度の寝ぼけ)があります。

睡眠時遊行症だと起き出して冷蔵庫の中の物を食べ散らかしたり(若い女性に出現しやすいノンレム・パラソムニアの睡眠関連摂食障害)性的な行動に出ることもあり(ノンレム睡眠時に理性が眠っている状態で起きるあ睡眠時性行動症、セクソムニア)周囲は驚きます。

睡眠時驚愕症では激しいパニックを起こして暴れます。

いずれも睡眠時に起きているもので、本人の記憶はありません。

反復孤発性睡眠麻痺はいわゆる金縛りです。

レム・パラソニアは男性に多く、睡眠時の異常行動を記憶しています。

レム・パラソムニアはレビー小体型認知症やアルツハイマーへの移行に、パーキンソン病などとの関連が指摘されています。

抗うつ剤などの薬物でもレム・パラソムニアは発生します。


・ナルコレプシー

約4000人に1人の割合で発生、日中の強い眠気に耐えられず、昼寝をしてしまうことが多いです。

この病気の診断のポイントとなるのは情動脱力発作(カタレプキシー)と言って、みんなで談笑して笑ったりしていて、感情が刺激されるとがくんと脱力してしまい、そのまま眠ってしまうということです。

入眠直後からレム睡眠が始まるので入眠時幻覚が発生、金縛りも起きます。

治療法は薬物療法で、従前はリタリンが使われていたのですが、違法売買されて社会的問題となったことと、効き目がそれほど長時間でないことから、現在の薬物療法は持続時間が12時間と長いペモリンと、ペモリンよりも肝臓への負担が軽く、持続時間も12時間と長いモダフィニルが主流です。

夜間の睡眠を確保するための睡眠導入剤がナルコレプシーに併用されることもあります。

健康な睡眠のための指針です。

厚生労働省 睡眠12箇条 健康づくりのための睡眠指針2014
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

・睡眠時無呼吸症候群SAS(サス)は、睡眠時に繰り返し起こる呼吸停止です。

睡眠が浅くなるため日中の眠気が強くなります。

肥満による影響も指摘されていますが、人によっては痩せていても扁桃腺の距離が狭くて起きる、上向きで寝ていると起こりやすく、大きないびきをかくことがあります。

終夜睡眠ポリグラフで無呼吸回数時間を測定、SASの軽度、中度、重度の判定をします。

SASは循環器系に大きな負担を与え、心臓にも影響があるので、重度の場合には経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)が使用されます。

軽度でも、気道を確保してSASが起こりにくくするため、呼吸器科から口腔外科、歯科に依頼して個人用のマウスピースを作成、気道を広げることがあります。

(おまけ)

千美梨:ねえ、アナタこういう受験対策ブログにワタシたちの愛に飢えた冷たい会話は要らないと思うの。
僕:ほら、ちょっと関連づけた内容っぽいのを書けばいいんじゃない?「
ちみちゃん昨日はまた睡眠時遊行症、早く言えば夢遊病で包丁持って僕の寝てる上にいたからびっくりしたよ。
千:ううん、はっきり毎日覚えてるわ。

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◯ DSM徹底攻略・神経発達症群・神経発達障害群およびペアレントトレーニング

・神経発達障害Neurodevelopment Disorders
参考:「時々息子を扱い切れない」
   「私の赤ちゃんは変わってると
    思う」

※ DSM-5スタディガイドから引用

DSM-Ⅳ-TRから DSM-5では診断分類が組み替えられました。

「全般性発達遅延、社会的(語用論的)コミュニケーション症のような新たな診断も含まれている」ようになりました。

(上掲書)

1.知的能力障害ID: Intellectual Disability)は

以前は「精神遅滞」と呼ばれていた診断名が知的能力障害(知的発達症)と呼ばれるようになりました。

従来は知能指数で測定していましたが、生活能力でその重症度を決めています。

2.自閉症スペクトラム障害Autism Spectrum Dlsorder

アスペルガー症候群、広汎性発達障害NOS(PDD-NOS Pervasive Developmental Disorder Not Otherwise Specified )「どこにも特定できない広汎性発達障害」という診断基準もわからない曖昧な概念やレット障害、小児崩壊性障害概念は全てASDに内包されています。

ASDは自閉症スペクトラム症、Autism Spectram Disorder概念はDSM-5で初めて取り入れられたものです。

ASDにおける基準Aは社会・情緒的相互関係ができるかどうか、例えば会話の際に常に同じ言語を繰り返していたり、非言語的コミュニケーションの理解ができない、外界の刺激に弱いなどです。

身振りによるコミュニケーションや比喩は通じにくいこと。

そして基準Aの社会的相互関係が保てないということです。

すなわち対人関係への重大な障害があるということです。

基準Aはこの3つを全て満たしていることが必要です。

基準Bは反復的発語、運動の独特の癖、
物の使用、特定の興味、儀式、日常行動における柔軟性のなさのうち2つを示しています。

触感における過敏さ、特定の光景や音への強迫症状も含まれます。

ASDは、発達早期に存在しなければならない(基準D)。

(以上基準について上掲書から引用)

また、サヴァン症候群として、数字の記憶、計算などに特異な才能を持つ人もいます。

3.注意欠陥障害、注意欠陥多動障害

Atention-deficit disorder,ADD

Atention-deficit hyperactivity disorder,ADHD

不注意優勢型、衝動型と分かれています。ASDと輻輳している場合もあります。

なお、 DSM-5から少し外れるのですが、療育・環境調整方法としては合理的配慮による環境調整、ソーシャルスキルトレーニング(幼児期に早期発見されると言語聴覚士の話し方教室に通
うことも有効です。

また、ペアレントトレーニングで、子どもにして欲しい行動を増やして強化する、して欲しくない行動についてはそのまま放置しておくという方法を親教育の中で学んでもらいます。

あまり反応が激しい時にはクールダウンさせるためにしばらく落ち着くまで1人にさせておくという方法があります。叱られると構ってもらえるという誤った学習をしている場合に有効です。

身体疾患でも、ぜん息の子どもが発作を起こしている時にだけ背中をさすったり優しく接していると子どもは無意識のうちに発作を起こす回数が多くなります。

親が吸引器を使って発作を収めさせ、そして何もないときに「◯◯君、発作も起きないし落ち着いているから◯◯君の笑顔見ると安心だわ」とほめるやり方は有効です。

ペアレントトレーニングの基本はうまくいっている時には正の強化子を与えるということです。何も制止したい行動がない時もほめます。その時間が連続していればほめます。

また、悪化してしまった時も無条件で叱るのではなく、まずはきちんと話を聞きます。

そうするともっと悪化した行動を起こそうとしてこの程度で収まっていたという場合もあるので、そこはほめてもいいところでしょう。

正の強化子として高価なおもちゃを与えなくてもよく、人間はほめるということが十分な強化子になります。

あまり高価な正の強化子を与えると問題行動を起こしてやめるとおもちゃを買ってもらえると思い、逆効果になります。

また、罰を与えても構いませんが、問題行動に見合った罰にしないといけません。

ゲームを1日1時間と決めているのに2時間やる→おやつ抜き

これは問題行動と罰が調和していません。

ゲームを2時間やった。→次の日はゲーム禁止

これならば問題行動と与える罰が調和しています。

重過ぎる罰もいけません。食事抜き、ゲーム機を叩き壊すなどの過激な罰は虐待ととらえられるでしょう。

・薬物療法
ADD、ADHDは中枢神経刺激薬でかなり楽になります。

Methylphenidate hydrochlorideメチルフェニデート(商品名コンサータ:腸内で徐々に溶ける徐放剤で、同じメチルフェニデートのRitalinリタリンよりも持続時間が長いです。)

ドーパミン、ノルアドレナリンを増加させ、注意力を高めます。

また同様の効果を持つAtomoxetine hydrochlorideアトモキセチン塩酸塩
商品名ストラテラカプセル25mg
があります。

(おまけ)
千美梨:これ、読んで思ったんだけどまんまASDとかADHDってアナタのことじゃない。
僕:社会的に適応していると発達障害と共存しているという考え方があってね。
千:どうしてあなたはああ言えばこう言うって理屈ばっかりこね回すのかしら。口から生まれてきたんでしょ。
僕:コミュニケーション能力はこの仕事には大切でね。
ち:アナタみたいなコミュ障が心理の仕事してるのが驚きなんだけど。

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◯ DSM-5徹底攻略/ パーソナリティ障害

パーソナリティ障害はA群からC群まで10つのパーソナリティ障害を3つのクラスターに分析します。

・A群 変わり者、奇妙な信念、風変わり。(覚え方:変わっててもA《ええ》じゃん)

A群に入るのは

猜疑性パーソナリティ障害
シゾイドパーソナリティ障害
統合失調型パーソナリティ障害

です。

B群:気が変わりやすい、情動の不安定さ、人に迷惑をかけてしまう。(覚え方:Bビっと《ビビッとしてる》B群のパーソナリティ障害は先鋭です。人に迷惑をかけるタイプだと口の悪い人は言います。

B群は

反社会性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害
演技性パーソナリティ障害
自己愛性パーソナリティ障害

です。

C群について

C群は

回避性パーソナリティ障害
依存性パーソナリティ障害
強迫性パーソナリティ障害

です。

覚え方としては(Cーっ、《シーっ、》僕の邪魔をしないでちょうだい)です。

C群パーソナリティ障害の人々は恐怖に怯えていてかつ依存的でもあります。

パーソナリティ障害は重複することもあります。

A群

1.猜疑性(or)妄想性パーソナリティ障害(paranoid personality disorder)

他者は必ず悪意を示す、他人は必ず自分を陥れようとしていると思うので、他者と親しい人間関係を築くことが困難です。

「どう?仕事の具合は?」と尋ねると仕事の進捗状況が遅いと責められていると感じます。

パートナーは必ず浮気をしていると思い込みます。

全ての他者の言動や行動を悪意のあるものととらえがちです。

2.シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害(schizoid personality disorder)

他者との交流を持ちたがらず孤立するという点が特徴です。対人不信感が根底にあります。

さまざまな活動をしていても全く楽しいとは思えず、褒められてもそれが嬉しいとは思えません。

性的関係を持つことについての興味もありません。

孤立的なパーソナリティ障害です。

3.統合失調症型パーソナリティ障害(schizotypal personality disorder)

スキゾタイパルとも言われます。親密な関係となると不快になり風変わりな行動を取ります。

知覚的歪曲。関係念慮。疑い深い。

魔術的な思考様式があり、テレパシーや超能力の存在を信じます。

※ 上記3つのパーソナリティ障害は統合失調症スペクトラムとの鑑別診断が難しく、A群パーソナリティ障害から統合失調症スペクトラムに移行することもあります。

統合失調症スペクトラムの記述でも書けば良かったのですが、文化的、社会的に容認された、例えばシャーマンやエクソシストのような術者が受け入れられているのならばそれは疾患ではありません。

B群

1.反社会性パーソナリティ障害(antisocial personality disorder)

いわゆる犯罪者です。PSYCHO-PASSも含みます。他人の権利を侵害、社会規範を破ることに抵抗を感じない18歳以上の人がこれに当てはまりますが、素行症(非行)歴が15歳以前から起こっています。

非合法なことをする、道徳観念が欠如、攻撃的性格によって位置づけられます。

2.境界性パーソナリティ障害(borderline personality disorder=BPD)

これについて書き綴るとこのブログ記事10本ぐらいになってしまうぐらいの研究書や論文が書かれています。

ので概要だけ書きます。

このパーソナリティ障害の人は常に人生に空虚感を持っています。希死念慮を持つ人が多く、実施してリスカやODをする人もかなりの割合でいるのです。

自分が何者なのか常に同一性を探しているので、男性なのか女性なのか、どの仕事なのか、さすらえる漂泊の人と呼ばれています。

感情統制は難しく、この人たちは常に爆発、あるいは0か100かの思考を自らに課します。  

つまりこの上なく愛していて神格化していたパートナー、カウンセラーを崇めていたかと思うと一瞬で激しい陰性感情を示す憎しみに変わるのです。

いわゆる尊敬とこき下ろしです。  

そして強力なしがみつきを行います。

また、一過的な妄想状態に陥ることもあります。

かんしゃくを起こしても通常2〜3時間で治まることが多いですが絶対的ではありません。

従来精神病と神経症の中間概念として提唱されて疾患単位となったのですが
治療者と患者との間の境界の維持も難しいものとなります。

複数の教科書にありますが、こういった調節困難な感情ゆえに医療スタッフから敬遠されることも多いですが、比較的予後がいい患者さんも多いということを付け加えておきます。

3.演技性パーソナリティ障害(histrionic personality disorder、HPD)

過度に性的に誘惑的、そのような行動、態度、言動によって特徴づけられます。

それは自分が関心を抱いているわけではない相手に対しても誘惑的です。

つまり自分が話題の中心でないと気が済まない。そのためにはほんの少しだけ知り合った相手でもそれが著名人なら「親友だ」と吹聴します。

境界性パーソナリティ障害と違って特徴的なのは、この人の心理は境界性パーソナリティ障害のように苦痛に満ちているわけではなく、むしろ注目されていることに喜びを感じているということです。

4.自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic personality disorder ; NPD)

とてつもなく自分が賞賛に値すると思い、周囲から褒められることを期待します。それほど業績を上げていないにもかかわらず誇張してそれを表現します。

期待した称賛を得られないと過度に傷つく、つまりプライドの高さに比して実力がないので、自分を批判する人々は能力がないという認知をします。

他者への共感性が乏しく傲慢で尊大な態度で接するのです。

C群

1.回避性パーソナリティ障害(Avoidant personality disorder)

教科書の症例からは、おそらく小児期から始まる対人回避行動で、他者からきちんと認められていると確信できていはければ対人関係の輪の中に入っていくのを避けます。

これが統合失調症的な心性だと人と接しなくても気にならないのですが、このパーソナリティの人は心の中では人と接したいという欲求があるにもかかわらず、自分はうまくできない、きっと失敗するだろうという予期不安から固まってしまいます。

もし一度そういった失敗体験をするとますます自分の殻に閉じこもってしまいます。内向的。

2.依存性パーソナリティ障害(Dependent personality disorder)

このタイプの人はしがみつきが特徴です。いわゆる「共依存」のDV被害者もこれに当たります。

相手の世話をしているようで、実際にはその相手を必要としているのです。

通常人相手でもこのしがみつきは行われ、これが故に相手に敬遠されることがあります。

依存対象な相手は複数ではなく限られた人に限るのが特徴で、その人の指示や同調が得られないと次に何をすればいいのか決められません。

3.強迫性パーソナリティ障害(
Anankastic personality disorder
Obsessive-compulsive personality disorder)

強迫観念に際限なくとらわれて強迫行為を行う強迫症とは異なります、強迫症の強迫観念は、自分でもこれは強迫観念だと思っていて、実際に手洗いをずっとしているなどの強迫行為を行います。

強迫性パーソナリティ障害は、自他に対して強迫的で、あまりに細かすぎて自分でも目的を達成することができない。パートナーにもそれを要求しますのでうまくいかなくなります。

これがゆえに本人も苦しむことが多いのですが、強迫症のような不合理でも行わなければならないという観念は強くありません。

だからといって本人は相当に苦しい思いをしているはずです。

(おまけ)

千美梨:アキラ、アンタはなんだかいろんなの混じってるみたい。
僕:そうだよ、ちみちゃん。それがこのディメンションシステムなんだよ。君は僕と一緒になったことでいろんな知識を獲得して大きなアドバンテージを得たね。
千:ま、それはいいとしてもっとまともな人と暮らしたいわあ。
僕:僕への依存性パーソナリティ障害になる薬飲む?

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◯ DSM-5攻略/その概要と統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群

DSM-5についてはか過去お勉強ブログ編で記載したことがあったのですが、
「公認心理師試験直前5点up!DSM-5
2019/07/16 12:56」

http://hinata.website/archives/19823869.html

DSM-5は2013年に更新されました。それまでローマ数字だったのが数字になったのは、今後の更新を考えてでしょう。DSM-5ではDSM-Ⅳ-TRのような多軸診断システムを取っていません。

多時間診断システムの代わりにディメンションシステムを使用しています。

ディメンションシステムはグラデーションのようで、スペクトラムとして疾患や障害を評価、「この疾患の重さは30パーセントだね」とパーセンテージとして疾患の重さを評価できるようになりました。

それが最もわかりやすく提示されているのは統合失調症スペクトラムでしょう。

ちなみに以前使われていた、DSM-Ⅳ-TRの多軸診断システムは以下のとおりでした。

第I軸として精神疾患
例:I 軸 双極性障害
第Ⅱ軸
精神遅滞(知的障害)
とパーソナリティ障害(人格障害)
例:Ⅱ軸境界性人格障害
第Ⅲ軸 身体疾患
例:Ⅲ 軸クローン病
第Ⅳ軸 環境的問題(心理社会的問題)
例:失業
第Ⅴ軸 機能の全体的な適応評価(GAF:Global Assessment of Functioning)

例えば自己をひどく傷つける致死的行為が連続していれば1〜10、自死的な思考、強迫儀式、ひどく孤立、仕事が続かない。50程度、症状は何もない、が100になります。

この上の例では30程度、仕事も家庭もなく症状に振り回されているとの診断だったかもしれません。

ところがこのGAFはDSM-5では廃止されました。

あまりに主観的な評価基準だったからでしょう。

本人の申告と家族、学校や会社からの評価とは違う可能性もあります。

この多軸診断システムからスペクトラムに変化したことによって、疾患、障害、症状、人格障害の概念の移行が可能になったのです。

ですので統合失調症Schizophreniaは「統合スペクトラム障害」の中の重症な病態として定義されています。

DSM-5では妄想、幻聴など陽性症状がないと統合失調症の診断をしません。

緊張病型のカタトニーCatatonia、単に陰性症状のみでうつ病と判別困難な陰性症状のみでは統合失調症の診断はできなくなりました。

従来統合失調症は、妄想型、解体型、破瓜型、残遺型というタイプがあったのですが、現在ではできなくなりました。

妄想、幻覚、まとまりのない発語(例:頻繁な脱線または滅裂)
ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動、陰性症状(すなわち感情の平板化、意欲欠如)が基準Aとして扱われていて、そのうち2つ以上の存在がなければ統合失調症とは診断されないということです。

基準Aが1カ月以上存在することが必須です。

統合失調症は5〜6パーセント自ら命を絶ちます。命令的幻聴は自分あるいは他者の命を奪うよう命じます。その他にもさまざまな機能低下が合併していて、肥満や糖尿があり、平均値余命は短いです。

この病気の有病率は人口の0.3パーセントから0.7パーセント程度と言われています。

発症は10代後半から20代半ばが主ですが30歳後半ということもあります。

統合失調症スペクトラムの中で統合失調症の次に来るのが短期精神病性障害Brlef Psychotic Dlsorder、再発率は高いものの、I日〜1カ月程度で症状は消滅します。

例えば宗教性憑依症候群、狐付きは日本でもありましたがお払いをするとスーッと快癒、中南米の悪魔憑きの少女がエクソシストによって治療されたという例が紹介されていました。

宗教的でなくとも幻覚や非現実的妄想が一過型であればそれは短期精神病障害となるでしょう。

短期精神病障害がなぜ短期間なのに統合失調症の次に来ているかというかとその症状の激しさ、致死率の高さからくるのではないかと思います。

3番目が妄想性障害Delusional Disorderです。かなり知的に高い人も罹患していてもおかしくなく、誰かに悪意を持たれて常に陥れられている、パートナーの不貞を常に疑っている(猜疑心が強すぎてパートナーを作れない場合も多いでしょう)。

超常現象が常に起こっているという信念もまた妄想性障害の一種です。

妄想性障害、Scizoaffectlve Disorderは統合失調症スペクトラムの中に位置づけられています。

MSDプロフェッショナル版(医学情報サイト)では妄想性,演技性,自己愛性,統合失調型,境界性パーソナリティ障害は妄想性障害の素因となると記載されています。
(パーソナリティ障害はこの統合失調症スペクトラムとは全く別物です。)

ネガティブな感情ばかりでなく、エロトマニアErotomaniaは、妄想性障害で自分が相手に愛されているものだと妄想を持っています。

次に統合失調症感情障害Scizoaffectlve Disorder統合失調症の基準Aをひとつ以上満たしていて、他の疾患と重複していることも多く(うつや双極性障害も含みます)統合失調症のようなひどいまとまりのなさはないのです。
  
持続性うつ病=気分変調症Persistent Depresslve Disordev(Dysthmia)との併発は多いです。

ディメンションシステムでは他の病気が60パーセント、統合失調感情障害が残りという診断もすることができます。

統合失調感情障害の患者さんはひどい苦しみを味わうことになります。

統合失調症スペクトラムはDSM-5の中でも最もその特徴が明らかになっていると思い記しました。

なお、この「統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群)はパーソナリティ障害A群(奇妙で変わっている)猜疑性パーソナリティ障害(paranoid personality disorder)、シゾイドパーソナリティ障害(schizoid personality disorder)、
統合失調型パーソナリティ障害(schizotypal personality disorder)とは定義が異なっているということに注意が必要です。

※ 参考文献
DSM-5 マニュアル 医学書院
DSM-5スタディガイド 医学書院
DSM-5診断トレーニングブック 医学書院
DSM-5鑑別診断ハンドブック 医学書院
DSM-5ケースファイル 医学書院

(おまけ)
僕:ちみちゃん今日の記事読んだ?
ち:難しいって言うか面倒っつーかアンタ相変わらず変態。医学書買い物依存症で家計が火の車
僕:じゃあ明日か明後日読んで感想お願いね。
ち:粘着質障害か脅迫性障害

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