ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: Gルート

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〇ノー勉Gルート公認心理師受験生保健師Mさん

Mさんは僕の勤務先に非常勤で来ている保健師さんで、主務は他の企業の産業医室、とにかく忙しい生活をしているという人です(※ただし主務は週3回バイトし放題で年収ははっぴゃくまんえんあります。)。

今度第4回試験をGルートで受験するということで勉強の進捗状況について聞いてみました。

僕:Mさん第 2 回は会社の仕事が忙しくて受験しなかったんだったよね、渡した問題やってみてダメだったって言ってたけど何点足りなかったの?

Mさん:じゅ、じゅうすうてん

僕:第1回、第2回試験受けとけばよかったのに

Mさん:ほら、会社の仕事忙しくて、何にも勉強してなかったし

僕:第3回試験は?

Mさん:今度は家族の調子が悪くて受験できなくって

僕:第3回試験解いてみた?

Mさん: .…いやまだ 

僕:どう、過去問今までの解いてみて

Mさん...

僕:統計とかは?

Mさん:それは保健師って統計使うから大丈夫

僕:医学問題は?

Mさん:それはお手のもの

僕:何が難しいの?

Mさん:司法とか教育とか福祉とか、ほら、やったことないじゃない

僕:少年院種別わかる?

Mさん:わかんない

僕:産業、ストレスチェックとかはわかるよね

Mさん:それはわかる

僕:基礎心理、心理検査

Mさん:やったことないからわからない

僕:うーん、Mさん徹底的に基本書やってみて苦手分野だけでも克服した方がいいんじゃな
い?

Mさん:それが会社の仕事が忙しいのよお、大企業だからコロナ患者はいつも出ているからその行動履歴を追って保健所に提出したり、帰宅が夜11 時ごろ、平日は妹がやってるけど母の介護とかもあるし

僕:うーん、休日の介護はお金払ってでも有料サービス頼むとか?

Mさん:それが、母が知らない人家に入れるの嫌がるし

僕:うーん、そういう人いるよね

Mさん:もう泣きたいぐらい。ひなた君から借りたテキストも全然やってないし

僕:でもMさん今公認心理師取ってなくても今困ってないから別にいいんじゃ?(大事なことなので繰り返しますがMさんは年収はっぴゃくまんえんあります。)送ったブログの受験対策記事も読んでないみたいだし(おこ)

Mさん:いや、絶対に取る。今も会社の要請でメンタルヘルス研修ガンガンやってるし、きちんとした自分がやってることの根拠みたいなのが欲しいのよね

僕:Mさん真面目だからなあ。そんなんだったら第5回までの試験問題写させてよ

Mさん:ちょwひどい。ワタシ次の試験落ちる扱いされてる

僕:うーん、Mさんが来る月曜に毎回Mさんの試験勉強の稽古つけるかあ

Mさん:そう言って去年から2回しか来てないじゃん

僕:だってMさんも俺もその日は会議やら相談やらでお互いの予定合わないじゃん。うーんどうしようかなあ、Mさん時間外も忙しそうだからもっと遅くしようか?

Mさん:だってこの職場夜8時になると締め出し食らうじゃん

僕:じゃ、遅くまでやってるお店で。す◯家とか吉野◯とか

Mさん:それごはん

僕:いや冗談は顔だけにしとくわ。ふぁみれすが無難かなあ

Mさん:助かるわあ。ボランティアでそこまでやってくれるなんて

僕:え、ボランティアなの?

Mさん:ワタシが合格したら5千円、不合格だったらひなた君が50万円払うってことで

僕:ちょ、それひどすぎるw
とりまMさんが不得意そうな分野で絶対に出そうなのいっぱいあるから。Y-BOXとかVinland-Ⅱとか心理テスト必出だし

Mさん:わいぼっくす?ゔぁいんらんど?

僕:うーん、前途多難だなあ。裁判員裁判、ハーグ条約、司法面接、面会交流、成年後見制度とか

Mさん:なにそれこわい

僕:これさ、心理の資格試験じゃないっていう心構え必要なんだよね。「法律の条文に定められているものは何か?」とか平気で出るし

Mさん:なにそれコワイ。でもひなた君どうしてそこまでやってくれるの?

僕:…(格好のブログネタになるし)いや、俺いつも一生懸命なMさん好きだし自分の勉強にもなるし

Mさん:ひなた君その本音ひとりごとっぽく声に出すクセやめた方がいいと思うの

僕:あ、わりい、なんとしても今回はMさんに受かって欲しいし

Mさん:そう言いながらひなた君どんどんワタシにケース回して来るじゃん

僕:だって心身相関で言うと保健相談ばっかりじゃん

Mさん:えと、ひなた君が得意なはずの遺産分割相談とか親権者変更とかは?

僕:えと、それほら、本人が悩んで心身の不調をきたしていたらメンタルと健康問題ってことで

Mさん:やっぱひなた君ひどいわあ

僕:うん、人は簡単に変わらないんだよ。人を変えるより自分を変える方が早いんだよね

Mさん:(もっともらしいこと言って…)

僕:Mさん本音言葉に出てる

Mさん:わざとよ。ねえひなた君前から疑問に思ってたんだけど暇つぶしのブログ書いててもし自分が問題解いて合格取れなかったらどうするのよ

僕:え?ブログやめるよ。だって合格点取れないブロガーに資格ないじゃん

Mさん:そうあなたは真剣に考えていらっしゃるのですね

僕:とにかく勉強時間っつーか勉強時間作る方法考えなきゃな

Mさん:うん、ワタシもいじわるなひなた君見返すために頑張る

※ ということでなんとか旧知のMさんのために?なりたいと考えているのですがMさんが合格できたら(して欲しい)ぜひ記事にしたいと思います。ご健闘を祈りながらMさんが泣きを入れるようなビシバシとスパルタ教育をしてみたいと思う次第です。

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○ 他職種 Gルート公認心理師&心理職のスキルアップ

1.はじめに

臨床心理士資格を所持して心理職のみをしている人々、また、これから臨床心理士・公認心理師 W 受験を考えている学生さんにとっては「現任者ということで心理の勉強もしてこなかったのに資格をなぜ取る。勲章やバッジのつもりなのか」という気持ちがあります(もちろん全員ではありませんが)。

また、そういった感情を抱かれていることは G ルート他職種の人たちもわかっていることです。

ただし、この試験は臨床心理学専攻大学院卒レベルの試験、他職種 G ルート合格者は血のにじむような思いをしてなんとか 138 点スレスレで合格した人が多数です。1回は落ちてその後自分の持てる時間のほとんどを勉強に費やした。僕は G ルートの人たちは受講者+今までの不合格滞留者がほとんど受けるものと思っていたのですが、計算すると 3 分の1は受験をしていないようです。

昨今のコロナ情勢でその対応に追われていたり、長距離移動ができなかったりという事情もあるのかもしれませんが、相当に困難なハードルと思い、戦わずに敗退している人たちも多いのかと推測してしまいます。

基礎心理学知識・医学知識・各種法律知識や制度論をよく知っているからといっていいカウンセリングができるという証明にはなりません。どの資格でも言われていることですが、資格というのは取得したらすぐに使いものになるというわけではなく、それをどのように役立てていくかはその人次第です。

2. 産業公認心理師 Y先生

以前から懇意にさせてもらっている、株式会社 A 社を経営し、カウンセリング・メンタルヘルス教育のパッケージを各企業に提供している、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントです。第2回試験で公認心理師を取得した Y 先生は経験10年のベテランですが、朝4時起きで勉強、通勤の電車、バスの中でも勉強、土日祝日は空き時間を全て公認心理師に向けて勉強し、それでも結果的に 138点+数点というきわどい合格点だったということでした。

Y先生とついさきほどまで話していたのですが「公認心理師を取得して変わったことは?」と聞いたところ「何もないわねえ」ということでした。

それではなぜ公認心理師を取得したかというと、彼女はかなり勉強熱心な人で、同じ産業カウンセラー、ほかの臨床心理士も入っているカウンセラー仲間との勉強会にもよく参加していて、それまで解決思考アプローチ、家族療法、動機付け面接の勉強会に出ていて僕が彼女の勉強の邪魔をしに行った時には ABA(応用行動分析)の本を手にしていました。

要するに彼女は臨床心理士こそ持っていなかったものの、心理の仕事をしているという立派な矜持があり、新入社員向け、中堅・管理職向けメンタルヘルス講義を行ったり、最近ではハラスメント対策講義を行ったりと八面六臂の活躍で、常に EAP、従業員支援プログラムのカウンセラーとして活躍してきたという誇りを裏付けたかったのだろうと思ったのです。

「先生、それだけいろんなことができるんだったら経営コンサルタントもできるんじゃないですか?」と何回か問いかけたことがあるのですが「いえ、私はあくまでカウンセラーですから」と答えられたことがあり、この仕事に高いプライドを持っている彼女に結構失礼なことを何度も言っていたのだなあと反省することしきりです。

Y先生は元々臨床心理士を持っていなかったというだけで、やっている仕事は個別のカウンセリングもしながら集団を対象に立派に心理の仕事をしてメンタルヘルスの知識・技能を磨くべく外部での勉強会にも積極的行くという志の高いものです。他職種 G ルートの人も「心理の研修会に出る」というだけでなく(WAIS-IVや Vineland- II の講座に出る人もいますが)自分のフィールドで公認心理師としての技能を磨くこともできるのではないかと思います。

3.他職種ホルダー公認心理師のスキルアップと連携

他職種といってもどれも対人援助職であることから、例えば福祉職も守秘義務があり、他人を傷つけてはならない、多職種連携をする、自己研鑽を積むなどの倫理があり、経験を経るごとに職能の成長を遂げていく、コンピテンシーのあり方も心理職も他職種でも同じです。

むしろ他職種公認心理師ホルダーがいて心理学に理解を示してくれることで、また、心理職も公認心理師ホルダーと共通言語を持ちうることによって協働協業をしてお互いに高め合っていくという、自分で書いていて大変きれい事だと思うのですが、そういった世界は不可能なのかなあと思ってしまいます。

4.心理職が信頼を得るために

最近下山晴彦さんが自分の「note」に心理職は仲間割れしている場合ではないと書いていました。

17-1.Stop the“仲間割れ”!

これは実に的を得た言です。心理職同士で争っていてどうして多職種連携なんぞができるのかというもので

「おまゆう」

という批判の矢が雨あられだとは思うのですが、正鵠を射たものです。

「スキルアップとキャリアアップ」は内輪もめをしている間には外部から信頼されにくいでしょう。多職種連携ができるのだろうかという信頼も主治の医師の指示の遵守にしても、心理職同士で争っていたら自分たちの不利益になるばかりだと思うのですがいかがでしょうか。

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Gルート審査落ちを避けるために

私設開業領域や企業勤務の心理職の場合、Gルートで受験資格があるかどうかの審査はかなり厳しいと毎年聞きます。

ということでとにかく考えられる疎明資料一式を書き出してみました。受験の手引きに掲載されているものは除きます。

なおこの件については日本心理研修センターに電話して問い合わせようとしたのですがこの時期ですので電話が混み合っていたため、真剣な受験生の邪魔になると思い電話問合わせはやめました。

日本心理研修センターはとにかく公的なものを好むようです。

開業届、登記簿謄本、課税証明書等は必須としてもその他の書類だけで業として心理的支援を行なっていたのを証明するのは困難な場合もあります。

私設開業領域で個人事業主の場合、他の先生方が提出していたようにカウンセリング事務所のパンフレット、ホームページのコピー、あるいは事務所のブログ、Facebook、Twitterのタイムライン、著作、学会発表履歴、臨床心理士資格証明書、心理テスト等発注書、納品書、事務所内や屋外の写真、賃貸契約書、所属学会の領収書、研修証明書、勤務割表、とかくありとあらゆる疎明資料があった方が良さそうな気がします。

私設開業領域で働いていた人ならば雇用契約書の中にカウンセリングや心理テストを委嘱すると書いてあればいいのですが「◯事務所のカウンセラー紹介・毎週月、水、金曜午前中)と書いてある何かがあるといいと思います。就業規則も有効かもしれません。

心理職として働いていて給料をもらっていたならば給与明細、源泉徴収票も疎明資料のひとつになりえます。

企業等の産業領域で働いていた場合、会社の登記簿謄本、定款、雇用契約書を求められる場合もあります。

その会社は本当に存在しているのかというそもそもの成り立ちから証明しないとなりません。

あまり想像力が働かないのでこれぐらいしか思いつかないのですが、902その他の領域で働いていたのを証明して日本心理研修センターに認めてもらうのには高いハードルが存在することは確かです。

受験資格なしという書類が届いたら、結果的にやり取りをして認められたとしても非常に心臓に悪い上にモチベーションだだ下がりなのでこの曖昧とされる領域の基準の間口をもう少し広げてもいいと思います(本当に怪しげなところを認めるべきという主張ではありません。)。

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Gルート審査落ち再考

1.序

施設コード902、私設開業領域についてのGルート審査は当初から大きな話題となっていましたが、これまでの受験者のツイートから「何が審査落ち・書類不備・足りない理由になるのか?」について再考してみました。

まず日本心理研修センターの「受験の手引き」施設コード902について必要書類を引用してみます。

実務経験を客観的に証明する書類等

※ 原則として、公的な機関が発行したもの等(証拠能力を有するもの)を提出し
てください(写しでも可)。

※ 要件が確認できるものをすべて提出してください。

(例)
ア 会社・法人登記簿謄本
イ 税務署の受付印のある開業届の控え
ウ 自治体又は他法人等との事業委託書や契約書
工 法人税・事業税、所得税確定申告書
オ雇用契約書や委嘱状
カ 公的機関が発行した登録証又は認定証
キ 定款(原本証明や公印による組織での承認があったもの)
ク 年金の記録に関する書類
ケ雇用保険の記録に関する書類
コ その他「実務経験の確認に必要な内容」が確認できる書類


要するに「公的書類」とそれに付随する疎明資料があればいいわけですが、登記簿謄本の記載が問題になることもあったようです。

ここで第1回試験でGルート審査落ちになったマリンさんのツイートを貼ります。


慌てている様子がよくわかるのですが、ひとつには登記簿謄本に「経営」の2文字が入っていたことが原因かとマリンさんは考えていました。


マリンさんのツイートには伊藤絵美先生の引用ツイートもあって、あの大家!の伊藤先生が最初の段階で棄却されたというのも驚きです。

伊藤絵美先生の八面六臂の活躍がなかったらいまだ私設開業領域の先生方の中には苦しんでいた人がいるかもしれません。

伊藤先生も名刺やホームページのコピーやありとあらゆる資料をかき集めたとあります。

4月6日から公認心理師試験の受付けが始まるのですが、一度「資格なし」という通知が来たら相当にショックで勉強どころではなくなってしまうかもしれません。

コード902で受験される方は不吉な通知を受け取る前に伊藤先生が行ったような登記簿謄本の書き換えという手段もあるかもしれません。

また、受験の手21ページ目に必要書類について書いてありますがどうも施設(施設代表者)の職印はかなり重視されるようです。いくら立派な私印でもダメです。「職印」がわからない方はググってみましょう。ただし、個人事業主以外の人は
絶対に勝手に職印を作ってはいけません。

かなりの重罪です。

私設開業領域の先生方は名刺、パンフレット、著作、論文を含めてかなり大掛かりな資料を集めておく必要がありそうです。

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ᴀғᴛᴇʀ ᴀ ᴅᴀʏ.
写真とは、取り繕われたものじゃなく偶然を装った必然が並べた特別なもので作られた在りふれた日常を切り撮ったもの。僕にとっては。


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公認心理師現任者講習者はなぜ1万人いるの?

1. 序

第1回現任者講習の受講者数はその際正確にカウントしていないので定かではありませんが、推定受験者数1万7千人強からすると、大体 2万人ぐらいは現任者講習会を受けていたものと思われます。

第2回、第3回、第4回の現任者講習もだいたい受講者は1万人程度でした。ここで疑問に思うのは「本気で公認心理師になりたいと思っていたなら、Gルートでも初回で申し込んで受験していたのではないか?」ということです。

このように各回現任者講習を受けている層の人数は何を示しているのか?ということは大変不思議に思うところでした。そこで考えられる要因を挙げていきます。

2. 要因

⑴ 実務経験の5年をようやく満たした。

こういう人もいるかと思いますが、数は多くはないでしょう。

⑵ 役所は資格が好き

実際、こういう理由で公認心理師を受けさせられている人もいます。

行政官庁でソーシャルワーカーとして働いている人も受験資格はあるので「それじゃ公認心理師って資格ができたんだから受けて資格取って
ね」と言われている人、こういう人たちは実は相当数いると思いますし、実際そういう話も聞いたことがあります。合格する人もいれば不合格になる人もいます。動機付けは低いのですが、精神保健福祉士や社会福祉士など近縁の資格を取っていれば受験に要する知識が身についていて、しかも現場で法律にも詳しいので受かりやすいのかもしれません。

⑶ やはり取りたくなった

この層が一番多いのではないかと思っています。噂に聞くところによるとGルート受験者の中では教員が多いのではないかとのことです。

ア 小中高校教員

小中高校教員の先生方は大変勉強好きです。そしてそれにもかかわらず多忙な生活をしています。教員にもいろんな方がいます。部活指導がない特別支援学級や特別支援学校に勤務している先生方も多いわけです。特別支援学級の先生方とはスクールカウンセラー時代によく話しましたし、僕も教育支援を行ったこともあるのですが、発達障害や知的障害に通暁しているという高い自負を持っています。

にもかかわらず裏付けがない。学校によっては普通学級には適応できない先生を特別支援学級に配置することもありますが、使命感を持って特別支援にかかわっている先生もいて、そのモチベーションは千差万別です。公認心理師試験を取った仲間がいると聞いて自分が取りたくなったとしてもそれは自然なことのような気がします。

あと養護教諭の先生は毎日のように身体の様子も見ながらカウンセリングもやっているようなものだと思うことがありました。

イ 3福祉士・作業療法士・言語聴覚士

この人たちは比較的心理に近い仕事をしています。厚生労働省公認心理師カリキュラム検討委員会では精神保健福祉士のみを想定したような発言がありましたが、実際のところ、社会福祉士も介護福祉士も当事者・利用者さんの心情を理解していなければならないわけですし、作業療法士もただたんに運動能力を教えて手作業を対象者にさせるわけではなく、生活水準を上げるためには手段的日常生活動作、IADLと呼ばれる高次な機能のトレーニングも担当し、発達障害児者へのリハビリテーション訓練も行う専門性が高く、メンタルにも関係している仕事です。

言語聴覚士も同様で、吃音に対するにしても心理的背景を理解しなければならないでしょうし、発達障害児者の話し方を教えていることもあります。

こういった人々が、やはり自分たちが行っている仕事は心理学というバックボーンも欲しい、そのために公認心理師を取得したくなったとしてもおかしくはないでしょう。

ウ.その他

雑にひっくるめて「その他」にしてしまいますが、保健師も健康相談に乗る、その中にはメンタルに関する相談も含まれているわけで、精神科でなくとも看護師は様々な科で疾病による不安な患者さんや、その家族、遺族にも対応しています。この営みは心理相談室で働いている心理職よりもかなり高度な対応能力が必要になることもあります。

日本全国20万人の看護職の中で、向学心の高い人でやはり元々カウンセリング的な勉強をしたいと思っていた人も多いと思います。

また、産業カウンセラー然りです。産業カウンセラーはその資格を持っているからといって実際に日常的にカウンセリング業務を行っている人は少なく、高卒や大学他学部卒で企業で福利厚生業務のかたわら復職支援に当たっていることもあります。

産業カウンセラーが公認心理師資格を取得した例も知っていますが、彼女は相当気合を入れて勉強していました。ただ、ストレスチェックを行う資格を取れたということは相当自信を持てることになったようです。

⑷ タイミングが合うまで待っていた

こういう人は多いのではないでしょうか。まず特異事項としてコロナの影響が考えられます。医療関係者ならば、コロナ感染をおそれて都市部で行われる現任者講習に参加しなかった、職場から禁じられた、職場の休みとちょうどタイミングが合ったなどさまざまな要因が考えられます。

これは外的要因ですが、内的要因も考えられます。それはなかなか勉強の時間が取れなかったし、過去問をやってみても点数が取れない。今年こそは時間を取って勉強して公認心理師試験を受けようという人たちです。

3.結語

僕はこういった様々な人たちがさまざまな制約がある中で、第3回試験では50パーセントの合格率を上げたというのは心理院卒者が当たり前のレベルの試験で、相当健闘しているものだと思います。

この試験の心理学に対する検出力は大きく変わるとは思っていません。そういった中で基礎心理学や関係法規を含めた様々な分野を学習してきたGルートの人たちの合格というものは尊い
価値があると考えています。

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