ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: Gルート

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◯ Gルート現任者不正受験者排除への厳格な処置

日本心理研修センターから以前出ていたGルート実務経験証明書には記載がなかった文言が第3回実務経験証明書には記載されています。

第1回実務経験証明書

https://www.jacdpcs.org/jitusho.pdf

第3回実務経験証明書


http://shinri-kenshu.jp/wp-content/uploads/2017/10/certificate_work_experience_201912.pdf

何が違うかというと



注1 法第2条

第1号 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。

第2号 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

第3号 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

注2 本証明書の内容に虚偽又は不正の事実があった場合、公認心理師の登録は取り消されます。

【参考】
法第32条第1項
文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を取り消さなければならない。

第2号 虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合


この注意書きが新しく付け加えられました。

これについて日本心理研修センターに問い合わせをしてみました。

Q「今年から新しく警告文のようなものが付け加えられたのですが、何か理由はありますか?」

A「第1回、第2回と試験を実施、心理業務をしていたというにはふさわしくない受験者が一部いたということで、手引きそのものを改訂する時にあわせて変えました」

Q「『心理業務』というと、例えば会社の係長がいつも部下の仕事や家庭の相談に乗っていて、時には飲みに連れ出したりして面倒見がよく、資格マニアだし公認心理師を取りたい、と言われたら許可できるんでしょうか。」

A「うーん、話を聞いているとどうも難しそうですね。大学、大学院で心理学を学んだ人を想定している試験なので。法に定められている施設外だと『受験したい』ということでも資格審査で追加書類の提出を求めることがあります。そういう方に受験資格を認めたら日本全国の中間管理職の人たちに受験資格を与えることになってしまいます。公認心理師法をよく読んで確認してください。」

※ 実際のところ、不適格者でなくともこれから新しく心理職を他職種他領域から移って来てキャリアチェンジ、ジョブチェンジしようとしたとしても、Gルート合格者はかなりの困難を伴うでしょう。

例えば僕が全く未経験で危険物取扱主任者と大型特殊運転免許の資格を取得したとしても、「じゃ、明日からガソリンや有機溶剤のタンクローリー運転してね」

とは普通はならないです。

不正登録者ならなおさら採用されません。

中途採用は即戦力です。

総合病院に採用されたその次の日から強迫性障害、PTSDの患者さんのカウンセリングをやり、緩和ケアチームメンバーになり、新患さんのインテーク面接をして身体疾患か心因か原因究明のためにテストバッテリーを自分で組んで医師に納期までに報告書を提出しなければなりません。

そういった意味からは初学者、未経験者はかなり高いハードルが存在していますので、実質的にそこで排除されてしまいます。

僕が質問の中で例示した不正な資格マニアの人たちは実在しているようです。

どんなルール違反でもそうですが、不正行為だと思うと他人はひどく簡単に他人の告げ口をします。

公的年金受給、脱税、保険金受領など不正があれば誰が当局に連絡するかわからないわけです。

個人的うらみや金銭的ねたみがあればなおさらですが、なくても通告します。

そこには正義感、義務感や心理職を名乗って欲しくないから、などさまざまな動機が介入するでしょう。

きちんと教員をやりながら、また、看護、福祉をやりながら心理相談をしていたということなら資格取得には何の問題もないです。

ただ、心理専門職に採用されるにまで漕ぎ着けるのは困難かもしれません。

開業はその点縛りがないので、カウンセリングの力量と経営の才覚があればかなり自由にやれそうです。

第4回公認心理師カリキュラム検討委員会で石隈構成員が週1回の経験があれば、という意見を述べて、それがそのまま現任者要件になりました。

条件がゆるいということでGルート合格者がかなり厳しい目で見られることは間違いないと思います。

ひよっとしたら心理職を採用したことがない事業所はわからないままに採用の門戸を開くかもしれません。

しかし昨今、人事は資格職採用の上でかなり細かく審査を行います。

たとえ専門の学部、院を卒業した臨床心理士兼公認心理師でも、必要な所定の科目を勉強していないでGルート公認心理師になったのかと思われることもあり得ます。

排除という点では司法経験オンリーの心理職が300床以上の総合病院ですぐ働けるかというとそれもまた難しいわけです。

せっかく国家資格公認心理師がスタートしたばかりなのでヒエラルキーをお互いに作るのはやめましょうといつも思っているのですが、経験者優遇というのはどうにもならないところだと思います。

「みなさん、新規登録者の方はどのルートで合格したとしてもお互いに高め合い経験を分かち合って頑張っていきましょう」と綺麗事を書いて〆るのは簡単ですが実際にはそういかないことは僕も百も承知です。

5回目の試験まで、またその後の試験でどんな風にこの試験、基準、制度が固まって行くかは多分暗中模索しながら進んで行くでしょう。

その中をいろんな思惑を持った人たちがそれぞれの勝手な意向で動きます。

そして国家資格だからいつの時代に取った人でも同レベル、同水準ということはどんな資格でもあり得ません。

かつては自営中古自動車販売店のオーナーが車両名義書き換えのためにごく簡単に行政書士資格を取っていました。

今は行政書士は合格率15パーセントに満たない、法学部卒でもおいそれとは受からない難関資格となっています。

資格は難易度も制度も長い時代を経て変遷していきます。

次回の試験で大変革があるとは思っていないのですが、徐々に、そして確実に国家制度は変化していくのではと今回の対応を見ていて思いました。

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◯ 心理テストが取れないGルート現任者公認心理師

上記のような批判が現任者について多いのですが、これは適切なのか?

そしてこれについて何らかの対応を考えた方がいいのか?について考えてみます。

臨床心理士から公認心理師になった人たちからGルート他職種に対しての批判があります。

また、心理職を採用する側としてもGルート現任者採用について不安に思い、ためらわせている理由の中に「心理プロパーじゃない他職種の人たちは心理テストができないじゃない?」というものがあります。

これはさまざまな視点から賛同する意見があり、またこの見方に対する反論もあります。

確かに病院勤務の心理職にとっては心理テストができる能力は必須です。

簡単な記述式の心理テストだけでなく、複雑な手続きを経て解釈を要するものもあります。

ただ、こういった心理テスト能力を臨床心理士が学部、大学院で全て身につけられたかというと、必ずしもそういうわけではありません。

親切な大学院だと教員がボランティアで時間外に心理テスト教育をしてくれることもあります。

ただ、臨床心理士で手間のかかる複雑な心理テストを実施できる人たちは自分でお金を出してワークショップや勉強会に出てその技能を学んできた人たちが大半です。

また、心理職プロパーでなくとも心理テストを取れる人たちは従来からいました。

特別支援担当教員は昔から個別式知能検査や発達検査をやっていました。

そういった方々が年間に取るテストの数はかなり多く、心理職をはるかに超えるほどです。

そして心理テスト研修の機会がどんな職種に与えられるのかネットで確認してみましたが、臨床心理士に限っているわけではなく、公認心理師もどんどん含まれてきています。

心理テストに限らず、心理臨床学会は心理実務経験者をきちんと入会させてきていたわけですし、さまざまな学会が臨床心理士だけでなく、公認心理師有資格者を入会させる傾向にあります。

また、以前から守秘義務を持つ対人援助職なら心理テスト研修を受けられるので研修を受けられる間口は広いです。

つまり

1.臨床心理士も自前で研鑽を積まないと心理テストは取れない。

したがって臨床心理士が心理テストを取れるのは職業能力への向上心と自助努力の賜物だった。

2.心理プロパーでない近縁職も自前で学べばいくらでも心理テスト研修の機会はある。

現任者他職種Gルート公認心理師も心理テストを学んでいけばどんどん心理現場での対応能力を高めることができる。

ということです。

こころJOB さんのインタビューにもある通り、他職種で心理を学びたい人が公認心理師資格を取得することについて厚生労働省公認心理師推進室長は現在何ら否定的な見解を出していません。

臨床心理士資格者を優遇して公認心理師資格を与えるわけではない、ただし心理知識はきちんと問うわけです。

実際、公認心理師試験は何十種類もの心理テストが出題されていて、心理テストのやり方や目的がわからないと回答できない問題がほとんどです。

ただ、制度というものは生き物で、実情や現状に応じて変転していく可能性があります。

制度発足5年後の見直しの時にGルート他職種公認心理師が心理職としてでなくとも、心理の素養がある有資格者としてどの程度の力量を発揮しているのかによって今後の評価が定まっていくものと思います。

昔から精神保健福祉士を取得して臨床心理士資格と双方を生かしながらさまざまな機関で働いている心理・福祉職もいます。

心理専門プロパー、そして心理知識がある他領域専門家がこの資格を十分に活用して欲しいと思っています。

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◯ 公認心理師試験現任者Gルートの黒い噂-2

〜僕の職場に不定期で来る保健師のE先生と打合わせ〜

僕「ということでまた先生にこのクライエントさんのカウンセリングお願いしますね」

E先生「ひなた君は自分でカウンセリングするより私に仕事振るのが上手ねえ」

僕「いや、かくかくしかじかの理由で」

E先生「まあ仕方ないわねえ。ところでね、私◯◯カウンセラー協会(民間ながらそこそこ権威ある資格団体)にいるじゃない」

僕「はい」

E先生「そこの協会の指導者資格取ろうとしてるA君って人がいるのよ」

僕「ええ」

E先生「指導者資格取るには半年ぐらいカウンセリングの実習があるんだけどね」

僕「はい」

E先生「とにかく彼、センスなくてダメダメなのよ。教えてる私たちもなんとか資格取らせたいから頑張って教えてるんだけど、全然無理」

僕「ふうん、そうなんですね」

E先生「うーん、彼ね、ずっと司法試験の勉強して、司法試験は受からなかったのよ」

僕「はい」

E先生「でね、小さな会社の総務課でバイトしてたりね」

僕「はい」

E先生「あとハローワークで何かのバイトしてたり」

僕「はあ」

E先生「どこで在職証明のハンコもらったのかわからないけど、公認心理師受かって取っちゃったのよ」

僕「えっ」

E先生「40歳過ぎだけどほとんど社会経験ない人なのよねえ」

僕「ハローワークで相談員長くやってたとか?」

E先生「いや、すぐやめてる。」

僕「総務でセクハラパワハラ相談員みたいなのずっとやってたとか?」

E先生「ううん、蛍光灯取り替えたり文房具の発注してた」

僕「えー」

E先生「どこで証明書もらったか謎なのよねえ」

僕「うーん」

E先生「ペーパーテストとか頭はいい人なのよ、いい大学の法学部出てるし勉強はできるわね」

僕「まずいじゃないの」

E先生「そうよねえ」

※ Gルート現任者受験者はきちんと心理相談業務の経験を積んだ人がもちろんほとんどでしょう。

ただ、審査はザルなのでこういった人も時々出てくるわけです。

むしろ仕事をしていない、家庭もない、ペーパーテストの勉強を一生懸命できる時間がある人は有利かもしれません。

試験は難しく心理専修者以外には相当の勉強をしないと合格はできないでしょう。

そこでふるいにかけているわけですが、それだけでは経験値不足者を発見することはできないわけです。

第1回試験から第5回までの「Gルート現任者は怪しい」となり、公認心理師の有資格者の中でも評価の格差が出て、この資格の価値が世間から認められないようになってしまうことに危惧を感じます。

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