カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 倫理

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◯ 「後ろから撃たれる」公認心理師

精神科医の先生方も多く公認心理師資格を取得されたと思います。

精神科医の仕事が「大変だな」と思うのは3分診療をせざるを得なくても患者さんは高い共感を求めているということです。

福祉担当者はクライエントさんにできる事とできない事をはっきりと伝えなければならないです。

教員公認心理師もカウンセリングだけでなく生徒指導、教科指導も大切な仕事です。

それは心理職にとっても同じことで、産業場面で働いてきた心理職に「転勤や配置転換させて」とクライエントさんが訴えてもどうにもならないことはあります。

医療場面の心理職でも「盗撮されていて自分の考えが全部周りに漏れているんです」という訴えに「わかります。そういうことはありますよね」とは言えません。

「そんな苦しみはとても辛いでしょう」と言っても納得してくれない人もいるわけです。

以上に述べたのは全てカウンセラーとクライエント側の信頼関係の問題です。

そして倫理面について考えてみます。

医療や福祉側がスタンドプレーを行うと大問題になる場合もあります。

「虐待や被害の事実を知ってください」と言われても医療機関は事実認定の場所ではないのですが、それが確固たる妄想に近い信念なのか、真実なのかわからない、「じゃ、関係者を呼んじゃえ」ということをクライエントさんの了解を得ないで行う専門家は実際にいます。

それがバレたらもちろん信頼関係はズタズタですが、その結果としてカウンセラーが職場の長、所属団体、所属学会全てにクレームを入れられてその団体の弁護士が調査に乗り出すこともあります。

また、実際に訴訟が提起される事もあります。

これらは全て実話です。

もし僕が同じ目に遭ったら仕事を辞めて所属団体全ても脱退してしまうのではないか?と思います。

患者さんやクライエントさんは医療者やカウンセラーの言うことを常にはいはいと聞いている無力な存在ではありません。

自分の病気を調べる、社会制度を調査するためならばインターネットやあらゆる相談機関を駆使して自分を守ろうとする当然の権利があります。

チーム学校による集団守秘義務を文部科学省で謳っていても「スクールカウンセラーの人にしか話していない自分の権利が守られてないじゃない?」と思う児童生徒保護者は当然出てくるでしょう。

守秘義務、信用失墜行為を公認心理師法で調べてくるクライエントさんも当然いるわけで、さて訴えられた際には誰が守ってくれるか、誰も守ってくれません。

タラソフ事件のようにカウンセラー側が敗訴する前、もしケースマネジメントに迷った場合に相談する機関はどこにもありません。

公認心理師に対する異議申し立て機関はどこなのか、そして事実の審査機関も判然としていません。

しかし罰則適用だけが厳しく行われる可能性があるとしたら、国家資格取得によって与えられる権限とデメリットはあまりにアンバランスではないかと思うのです。

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◯ 多重関係(私的関係)に公認心理師が対応できてないという事実

多重関係はあらゆる心理職の職場で昔から発生しています。

そして公認心理師が誕生してからも多重関係に関する倫理基準はあやふやなままです。

僕の同級生が以前大学の学生相談所所長兼任准教授をしていたのですが、ゼミの打ち上げではクライエントと差しつ差されつ飲むという、とても危ない状況に置かれていると泣きを入れていました。

産業場面で同僚やその家族のカウンセリングを行ってはいけないのは鉄則です。

ところが新規・中途採用になった試用期間中の心理職が「あ、せっかく採用になったんだから同じ課のうつ病の◯◯君のカウンセリングやっておいてね」と、とっても偉い人から言われて言葉に詰まった経験がある人はいないでしょうか?

とっても偉い人が「独身のカウンセラーだったら患者さんと交際するのも結婚するのも何かの縁ですから」と言うのを聞いたこともあります。

それを聞いていた一般の方々がどう思ったのでしょうか?

一般の人は多重関係ルールを知りません。

心理職の配偶者が外的要因でメンタルダウンしてしまうこともありますが、「患者さんだから知り合って結婚したのね」と看護師さんを含めた医療職、あと一般の方々が言うことがあります。

整形外科で骨折した以外はぴんぴんとしている患者さんと看護師さんが結婚するとかたまに聞くことがありますが別に何の制約も禁止もありません。

新公認心理師、週イチでカウンセリングをしていた職場のパワハラセクハラ相談総務課長、上司だから部下の勤務評定しながら相談に乗っちゃっていいの?

という状況は小中高校の児童生徒教員間でも同じことが起こり得ます。

病院や自治体職員なら大丈夫、と思っていても、職員のカウンセリングをすることを条件にして採用されている心理職もいます。

僻地や離島ではどうしたらいいのでしょうか?

人口1500人ぐらいの町だと多重関係禁止っていっても、全員知り合いじゃない?ということは下手をすると親類縁者苗字が土地内に3つしかないようなところでカウンセリングすることを余儀なくされるわけです。

村立、町立病院でカウンセリングをしたら家の裏に白菜や大根が置いてあるようなことがありそうですが、「こんなことされては困りますから」と毅然とした態度で断ろったり突き返したりするとその土地では浮き上がってしまうでしょう。

サイコロジカルファーストエイドPFAでは多重関係が生じても緊急介入をしなければならない場合もあるだろうと規定している学会もあります。

ただ、そこからの通常の関係への復帰が難しいことは容易に想像ができます。

あちらこちらで起きているだろう公認心理師の多重関係、私的関係のもつれを相談する機関もなければガイドラインもなく、厳しい倫理を守ることだけを求められているのが現状です。

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