カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 心理臨床学会

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心理臨床学会から帰宅してからのちみちゃんとの会話

千美梨「疲れたでしょ。はい、あなたが業務用スーパーで買ってきた格安インスタントコーヒーいれたわよ」

僕「ありがとう。今度はもっと安いコーヒー探してくるよ」

ちみ「・・・ご飯食べる?」

僕「いや、疲れたからあとでいい。今回の学会はすごかったなあ。北川先生の発表は前から聴きたかったし、児相とか福祉関係のシンポジウムは出たかったし、児相も養護施設もすごい人たちばかりなんだよ。児童福祉は大変な仕事してるけど暗くならない、明るい性格の人たちでね」

ちみ「うん」

僕「公認心理師制度導入初めての学会だからね、大卒ルートも大学院ルートも課題が山積していてね、それでもきちんと能力ある公認心理師を養成していこうっていう官側や大学、大学院側の意気込みは十分に伝わってきた」

ちみ「うん」

僕「ただね、僕も北川先生の発表で質問したんだけどね、主治の医師の指示とか公認心理師制度を円滑に運用していくための現場での戸惑いとか工夫も伝わってきたし」

ちみ「うん」

僕「いろんな現場の心理の人とも話したんだけどね、心理ってあんまり恵まれていないのかねえ、廊下で休憩してると3人集まると転職話」

ちみ「うん」

僕「ポスター発表も出版社の人たちと話したりして楽しかったよー。こころJOBさんと話ができてね、民間の側でもこの制度をきちんとしておかなきゃいかないってのはよくわかった」

ちみ「ね、あなたいつもそうなんだけど久しぶりに帰って来てお留守番してた私にお疲れさまとかねぎらいの言葉もないワケ?いつも自分のことばかり喋ってるじゃないの。日ごろからそうなんだけど。カウンセラーって人の話聞く仕事なんでしょ?」

僕「えと、あの、お疲れ様、大変だったでしょ」

ちみ「うん、ツイッター見たらあなた私に内緒で若い子とランチに行ったんだって?

僕「え、僕のツイッター読んでたの?」

ちみ「友だちがたまたま教えてくれたの。で、どうだったの?楽しかった?」

僕「いや、後輩だからさ、ほら、仕事の悩みとかあるかなあって聞いてたらいつのまにか説教されててね、僕の生き方はどうなの?ってとかね」

ちみ「ふーん、楽しかった?」

僕「いや、仕事がらみだしね」

ちみ「ほかに女の人とご飯食べたりした?」

僕「えっと、ほら、学会の会場だといろんな人に会うじゃない。久しぶりの人とかね、それでね、公認心理師試験難しかったなあとかさ、これからどうなっていくなかとかね」

ちみ「要するに他の女ともごはん行ったワケね。やっぱり女グセ悪い」

僕「・・・今回学会に単独で行ったからお金かかったなあ。行動費とか立て替えといたお金ちょうだい」

ちみ「で、夜は何してたの?」

僕「一人で串揚げ食べに行ったりとんこつラーメン食べたり、ほら、安くあげたいじゃん?」

ちみ「私も串揚げとかとんこつラーメン食べたかったなあ。美味しかったでしょ。」

僕「ほら、泊まったの場末のホテルだったからさ、下町だしそんな高級店じゃないしね」

ちみ「あなたこう、一人きりで自由にしてて楽しかったでしょ、いいなあ、私もエステとか行きたい」

僕「う、うん」

ちみ「格安エステだけで済むんだったら安いでしょ?それからね、出張から帰ったら、これからは自分の話をするだけじゃなくて寂しい思いしてお留守番してた私の話もよ・く・聞・く・こ・と」

※ ご飯もそこそこに寝てしまってこの日は終わったわけですが、心理臨床学会だけが加入学会ではないので参加の度にちみちゃんに寂しい思いをさせていることは事実です。

仕事が忙しければ深夜休日に及ぶこともあります。

以前は当直をともなう仕事をしていたこともありました。

仕事の都合でやむなく単身赴任している方もいるでしょう。

心理職は何かと採算に合わない仕事も多いです。

2回連続で書きましたが、児童福祉領域の心理・福祉職の人たちには頭が下がる思いでした。

大事なことなので3回目にも書いておきました。

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◯ 心理臨床学会、児童福祉関係公認心理師、臨床心理士らと懇談&札幌虐待事件への個人的考察

ここ最近虐待のニュースが世間を騒がせていたこともあって、以前から興味があった児童福祉領域の心理職の人たちの自主シンポジウムに出ました。

と書いていたらまた札幌で事件があったとの報道がされています。

打ち上げをしますが、フロア参加者も興味のある方はお声かけくださいと主催者側のウェルカムな雰囲気もあって……

成人になって不適応を起こすおそれのある人たちを子どものうちにケアしているのは児童領域の人たちです。

僕の児童福祉に関する知識や経験はとても少ないので勉強になりました。

某自治体では心理職として児童施設に採用されても福祉職に回されることもある、でもそれはそれで心理の視点を持って福祉にかかわれるというとても前向きな人に会えました。

児童福祉というと女性が多いのかなと連想していたのですが、この日の夜会えたのはほぼほぼ男性です。

男性も女性もかなりやる気があるエネルギッシュな人たちで「こういう人たちが児童行政を支えているんだなあ」と思いました。

みなさん児童福祉に対する熱い思いがあります。

どうしたら目前の児童1人を救えるのかということを学会に来てシステマティックかつヒューマニスティックに考えています。

児童領域の人たちがこうやって学会にきて研究をして発表するということは大切なんだなあと思うのです。

所感です。

児童領域では本当に少ない人手で3人で野球をしているような状態です。

社会的養護施設(児童福祉のための入所施設)は里親制度を活用する、そして実親との家族再統合を目指しています。

行政が与えている予算や施策の制限がある中で最も日の当たりにくい職場で、子どもの命を守るために働いているのは頭が下がる思いでした。

さて、虐待の問題がマスコミでクローズアップされると児童相談所が非難の矢面に立ちます。

しかし児童福祉司一人当たり100件、自治体によっては児童心理司がそれをはるかに上回る事案を抱えています。

精神科医が抱えている患者数が勤務医でやはり医師1人につき100人ほど、3分診療のドリフターズ診察なので忙しくともアメリカの分析家精神科医よりもメンタルダメージを受けにくいのではないかという仮説を聞いたことがあります。

しかしながら100件の緻密な対応を一件一件行わなければならない児童案件を1人の児童福祉司が全て把握しておくことはムリです。

児童福祉司、児童心理司増員は始まったばかりです。

世間の児童福祉に対する目はお前ら怠けてるだろう、公務員だからと思って何手を抜いてやがるという論調をマスコミが加速させるのはいかがなものかと思います。

むしろ児童相談所への弁護士配置、警察力との共同強化、家裁家事部での親権停止のための迅速処理、地裁人身保護法請求仮処分の即応化など課題が山積しているにもかかわらず児相だけをターゲットにするのは納得がいかないと思うわけです。

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◯ 心理臨床学会翌日職務復帰、臨床心理士、公認心理師について思うこと

さて、僕は昨日学会から帰宅、ちみちゃんにろくにあいさつもせず手料理を久しぶりに食べて倒れるように寝ました。

今日から仕事が始まりました。

ホントは今日休みを取りたかったのですが、学会参加の間会えなかったクライエントさんとの面接が目白押し、明日は午前中メンタルヘルス講師と会議、準備しておかないと、ということで出動です。

これから資料作りをするという泥縄式デスマーチに入り込みそうなのはいつものことですが困っています。

机の上にほかの仕事が山のように仕事がたまっています。

研究発表の準備が何もできていないのを思い出します。

休憩しながら学会でもらってきた出版社のカタログを見てピックアップ、別の学会から学会誌が来ていたので目を通します。

こうやって現場に戻ってくると忙しくてもホッとします。

心理職は日々の仕事をコツコツと地道にやるしかない、公認心理師でも臨床心理士でもそれは同じことでしょう。

なかなか良くならないと言いながら毎回くるクライエントさんも多くいます。

カウンセリングの何をもってアトラクティブ、魅力的と思わせているのでしょうか。

誰にも話せない空間をここでだけ保障していることは大切なのでしょう。

前回会った時よりも悪くなったという人とも多く会います。

そこはコンプリメント(賞賛)をして「よくそんな中でも頑張ってきましたね、生き延びて来られましたね」という人もいます。

セオリー通りに進まないのが心理療法ですし、そこが醍醐味でもあります。

学会参加をしていると僕の知らない学派、流派や他領域の心理職の人たちの発表が多いです。

そういうところに参加するのもいつも馴染んでいる人たちの発表に参加するのもどちらも意義があります。

あまりにも心理臨床の世界は広くて深く、多分僕があと3回ぐらい人生を繰り返してもその片鱗にしか触れることはできないでしょう。

いつもそう思うのですが、学会に参加して思うのは他学派の人々も心理療法を行う上で最大限クライエントさんの人格を尊重しているということです。

他学派、流派、職域職種の人々の立場を尊重できることは、クライエントさんの人権、人格、多様性を尊敬することにもつながると思います。

そして今回の学会は新制度公認心理師が誕生してから初めての学会でした。

公認心理師とは何か、その職責と社会からの期待は何か、今後公認心理師を養成していく上でのさまざまな課題やそれに対する養成側の高い意識が必要でしょう。

臨床心理士の理念、倫理、公認心理師のそれらを改めて考えることは「自分とは何者か?なぜ自分はここでカウンセリングという行為をしているのか?」という根源的な疑問や心理職の存在意義にもつながります。

まだまだこれから僕も学び続けなければなりません。

目前の仕事をしながら、クライエントさんから何を求められているのか、そのために何ができるのか考えます。

そして自分は何者なのかと自己のアイデンティティを探り、自問自答しながら仕事を続けていくことになるでしょう。

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◯心理臨床学会最終日に思う・公認心理師、臨床心理士の今後の世界

これから最終日発表を聞きに行きます。

さまざまな発表に参加してみて、心理職の中で臨床心理士と公認心理師が混在している今、その意義について十分に考察えていかなければならないと思いました。

以下、学会の発表で出た各先生方からの意見ではなく、あくまで僕の私見です。

僕もクライエントさんに会っていて思うのですが、クライエントさんにとっては僕が臨床心理士だろうが公認心理師だろうがどうでもいいのです。

付き合いの長いクライエントさんに「いや、僕実は国家資格を取りましてね」という話を切り出してもクライエントさんは聞いて?となるだけです。

クライエントさんにはカウンセラーが何の資格を持っているか、それはカウンセリングの本質には関係のない話です。

クライエントさんには勉強熱心な人もいるのでカウンセラーの資格を気にする人もいるのですが、ごく少数です。

目の前にいる白衣を着た心理の先生は自分の悩みを解決してくれるだろうか、優しく丁寧に接してくれるだろうか、どんなカウンセリングをしてくれるだろうかということがクライエントさんの最大の関心事です。

ただ、クライエントさんの期待に応えられるためにさまざまな知見を広め、こういった大規模学会、小規模でも専門学会への参加は心理職が研鑽を高めるためには大事です。

ワークショップや各地でやっている自主的研究会への参加も大切です。

専門書を読む、論文を読む、研究をする、これらはどれも必要なことで「科学者-実践家モデル」には必須の視点です。

日々の臨床に追われる、自分の生活もあり研究にまで手が簡単に回らない、金銭的制限もある、そういった心理職の人々が多いのは知っているので「なんでやらないの?」と超上から目線では言えないのですが、少なくとも関心は持ち続けて欲しいということです。

目前のクライエントさんに知識や技法を還元するのは、クライエントさんのエンパワーメントにつながります。

公認心理師時代を迎えて徐々にですが公認心理師でないとできないことが増えてきました。

さて、その要望に応えられるだけの能力があるか否かということも社会や国民から問われているということです。

そして臨床心理士制度についてです。

31年間の歴史を持つこの資格は大学院卒の基礎教育を経てさらに難易度の高い試験を受験しなければ取れない専門資格です。

今公認心理師シフトが進む中で臨床心理士の高い専門性を要求している職場も多く、まだまだ臨床心理士の役割は大きく期待されています。

今回学会発表に参加していても臨床心理士制度が各個人や団体の高い学術的な活動を広めて来たという感があります。

以下に書くのは私見ですが、多分各地方の都道府県公認心理師協会も要望していることです。

日本臨床心理士資格認定協会は各地方で行われている単独研修を第2類の研修参加として臨床心理士資格更新のハードルを下げて欲しいと思います。

資格認定協会に対して公認心理師制度創設当初から辛辣な批判があることも聞いています。

さらにこの期に及んで頑な姿勢だと臨床心理士制度存続という根幹にかかわることになります。

次です。

日本臨床心理士会がそのまま日本公認心理師協会に移行できなかったのは理事会議決で規定の3分の2を満たしていなかったので手続き的には問題はありません。

ただし、多くの一般会員から日本臨床心理士会と日本公認心理師協会の双方団体に入らなければならないのか、そして公認心理師の会も設立されているのでどうしたらいいのか一般の心理職は混乱しています。

また、新団体に次々と入らなければならないのかという不満を抱いている人々が多いのは事実です。

内部に近い人から日本公認心理師協会の登録者数が少ないとも聞いています。

心理職はクライエントさんに相対することが仕事の最も基本ですので、各心理団体の軋轢には巻き込まれたくないはずです。

臨床心理士と公認心理師の共存共栄が臨床心理士団体側では謳われています。

この過渡期だからこそ臨床心理士の持つ役割は軽視できないわけです。

そのための方策を資格認定協会と日本臨床心理士会、地方公認心理師協会との間で協議のテーブルについてきちんと見直して欲しいと思いました。

今回の学会はレベルの高いものだという印象を受けていますので、なおさら心理職の活動に期待していきたいと思うのです。




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◯ 心理臨床学会3日目・公認心理師制度について

この日は一般公開されている公演に出ました。

学会企画シンポジウム

「公認心理師養成における「心理実践実習」と「心理実習」の実際 -養成機関と関係団体、心理臨床現場とのコラボレーション-」に出ました。

その内容は許可を受けていないので掲載しませんが、ただ、僕が以前から思っていたことなどをこの一般公演や学会全体に出てインスパイアされた自由連想的な思いや考えをを書いてみます。

今後心理職の方が公認心理師として働いて行くのに精神神経医学会の提出した「公認心理師法第 42 条第 2 項に係る主治の医師の指示に関する運用基準についての見解」です。

公認心理師が行う支援行為と医行為との峻別はしがたい、これは精神神経学会の指摘のとおりだと思います。

ただ、公認心理師の支援行為が全て独占的医行為に含まれるとすると心理師は何もできなくなってしまうでしょう。

ケースワークもカウンセリングも心理社会的行為ですし、確かにそれは医師が行う行為でもあるからです。

さて、次ですが、今後大卒または専門学校卒+実務経験ルートが制度上可能だとして、公認心理師法(以下、「法」という。)第7条第2号に規定されている実習施設はあまりにも狭き門です。

これから実習施設は増えるかもしれませんがかなりハードルが高い厚生労働省側の要件があり、このルートは特殊ルートになっていくのだろうと思います。

以前ダダメンタルクリニックのホームページを見た感想でも書きましたが養成施設側のかなりの熱意を必要とします。

病院がコストパフォーマンスに合うかどうか、それは大学、大学院実習施設でも同じことが言えるのですが、それだけの高いコストを大学、大学院、実習施設に求めてさて、どうなっていくのか、大学院教育はかなり高いレベルの実習経験を求めています。

大学病院は比較的患者さんも診察に陪席されることに慣れています。

しかし患者さんにとってはかなり微妙で当該病院の医師や心理職にしか知られたくない内容を患者さんが聞かれるのに耐えられるのか?

昔僕も大学病院実習では診察に陪席して「なんだか申し訳ないなあ」と他の実習生5人ぐらいがいて持った感想です。

院生がケースを持てば実習では必ず終わりの時が来ます。

守秘義務も多重関係の禁止があってもそれは双方にとって耐えられることなのか?

僕も7〜8年以上かかわっているケースを何例も持っていますが、心理療法はクライエントさんにとって果てしなくそしていつ終わるともわからない苦難をカウンセラーと共にする道程です。

次です。

法7条第2号ばかりでなく、これから5領域ルートを追求するに当たって司法はかなり難しい、警察署に「実習させて下さい」ということもこれから可能になるとは思います。

ただハードルは高いでしょう。

あと多忙な教育領域でどこまで実習が可能なのかとも思います。

福祉領域でも「じゃ、学生君、せっかくだから重い物持ってね」という簡単な世界ではないです。

つらつらと考えることは多々あります。

大学指導教官への講習をどうするのか、学生の実習記録ノートと評価基準です。

災害派遣やストレスチェック制度では今後公認心理師と精神保健福祉士と看護師がほぼほぼ同等となるでしょう。

医学知識を考えると看護師や保健師がふさわしいことも多々あるでしょう。

公認心理師の立ち位置は活動領域が広がるほど難しい問題を内包しています。

連携が重視される資格で連携連携また連携としている間に守秘義務との兼ね合いがあり、そして他職種との境界侵犯も起こりうることに危惧を抱いています。

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