ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 公認心理師試験

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◯ 公認心理師事例問題対策

心理職を行っている人間としては、前タラソフ判決で触れたようなジレンマに陥ることが度々あります。過去問に示されている課題はなかなか難しいです。

(架空事例)

危険な機械操作業務に従事している従業員Aが、企業で独自に行っているメンタルチェックテスト(厚生労働省のストレスチェックとは異なる)後に自ら会社の心理業務担当者に面接を申し入れてきました。

最近夜な夜な外出しては、帰宅してこなくなってきている妻との諍いが絶えず、顔を合わせる度に言い争いになります。そのためいつもイライラしているのです。

子どもは義務教育は終了しているが、思春期の娘があからさまに妻を嫌っています。家事は全てその社員がやっていて、交替勤務の上に残業もある業務と家庭内の問題の狭間で悩み、眠れない日々が続いているのです。

昼休みに休憩室で寝ていますが、昼休み後になっても目覚められないことが最近ではしばしばで、注意を要する機械操作をしている間も眠気を我慢しています。

心理業務担当者としてはサイコロジカルなところで彼の話を聞く、そして大変ですねえと話を聞くだけだったという回答は公認心理師試験では求められていません。

心理業務担当者は心理教育、というよりもケースワーク的な役割を期待されることもあるのです。このような場合に従業員Aから「どこかこういった夫婦の問題について相談するところはないですか?」と聞かれたら何と答えたらいいのでしょうか?

「悩みがあればいつでも私が話を聞きますよ」という回答は誤答でしょう。Aさんが求めているのは夫婦問題の解決です。

そのために適切な相談機関につなげるの(リファー)は、公認心理師の職責でしょう。仮にAさんがその心理業務担当者を頼りにして今後定期的に話を聞いてもらいたいと思ったとします。

Aさんが、心理業務担当者に相談をしたくなった際に、担当者が学会参加で長期不在、育休や介護休暇を心理業務担当者自身が取ることもあるでしょう。

担当者が不在だった時は「いつでも」という言葉は軽すぎる無責任な保証となってしまいます。夜中にヤケになったクライエントさんが死にたくなった、その際に心理業務担当者に連絡したくてもつながるチャンネルがない、どうしたらいいのでしょう。

クライエントが切羽詰まって会社の警備室に電話をしました。警備員が心理業務担当者の携帯に直接連絡をしたとしても疲れて寝ているから電話に出られないかもしれません。「いつでも」という言葉は重い責任があります。

大企業には直接従業員が相談できる窓口の24時間ホットラインダイヤルが用意されていることがあります。

EAP(従業員支援プログラム)が大企業にパッケージでこのサービスを提供していることは多いです。

自分でできないことはきちんと他機関につなぐことが心理担当者の職責としては期待されます。

そういったホットラインの存在を知らないクライエントもいます。夫婦の問題はどうしたらいいのでしょう。家裁では夫婦関係円満調整調停を行っています。

ただし、同居調停は一般的に極めて扱いが困難で、申し立てられた相手方妻が態度を硬化させる可能性は高いです。

弁護士は申立書作成はきちんと行うが心理調整はしません。「法的なことは弁護士の先生に」と着手金を払わせて解決に至らなかったとき、この心理担当者は責任を取れるのかというと取れません。

こういった事例の夫婦同席カウンセリングを実施して事を丸く収められる力量がある心理カウンセラーもそうそういないでしょう。

必ずどこかにリファーして解決させなければならないという決まりもありません。当事者同士でなければ自己決定もできないのです。

特にこういったドメスティックな問題はそうなります。問題は危険業務に従事しているAさんについてです。

こういった場合には公認心理師の守秘義務(法第41条)はどうなるのでしょうか。危険作業の性質上、事故になれば大惨事になります。

そこで考えなければならないのは労働契約法第5条安全配慮義務です。このようなジレンマに対してどのようにすればいいのか考なければならないかという問題はいかにも出題されそうです。

心理の現場、人が生活している環境は生き物のようなものなので、たった一つの絶対解というものはありません。

ただし、最善でなくても最良の選択をすることはできるでしょうか。Aさんに対し、自ら職場の上司に訴え、自分は危険業務に従事できるような精神状態にはないということを自己申告してもらうことが最良でしょう。

その際に心理担当者が組織の中でAさんの立場が悪くなり、変なスティグマ(烙印)を押されないように努める工夫をした方がいいわけです。

心理業務の担当者が各職種と連携することは、面接室の中だけで心理業務が全て完結することは決してないのです。

個人の心理状態を知る専門職が組織に働きかけて業務を遂行することが水温測定にも喩えられるのは「関与しながらの観察」Sullivan, H.S.がいい例えになると思います。

海水の温度を1本の温度計で測ればその場所の温度は正確に測定できるでしょう。しかし、マグカップのような小さな容器中に温度計を入れて温度を測定するのだったら、温度計の温度そのものが液体の温度を変えてしまうでしょう。

公認心理師に期待される職責を公認心理師法から考察すると多くの職域との連携が必要なことがわかります。

相談室でクライエントを待ち受け、カウンセリングを行い、そこで完結していただけの心理カウンセラーのイメージからの変化が起きていること、それを理解することも公認心理師事例問題正答のコツです。

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◯ 公認心理師法

出題比重がもっとも大きい公認心理師法について再度触れておきます。

大切な条文は暗記した方がいいでしょう。

法一条

この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の維持増進に寄与することを目的とする。

法ニ条

この法律において「公認心理師」とは第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保険医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。

一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること

ニ 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと

四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと

◯法ニ条では、公認心理師の職務対象領域は、要支援者だけでなく、国民全体にわたっていて心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報提供が必要なことが示されています。

現任者講習テキストにも記載がありますが、法ニ条の一は、要支援者の心理アセスメントに当たります。

この心理アセスメントに当たっては、公認心理師制度のキモとも言える生物心理社会(biopsycosocial model)が必要になります。

現認者講習テキスト事例にあるとおり、職場socialと心理に問題があると思っていたら脳腫瘍だったという生物学要因は大事です。

心理=認知、感情、ストレス

生物=脳、神経、遺伝、細胞

社会=ソーシャルサポート、組織、経済、文化です。

この心理アセスメントについては、要支援者のウェルビーイング、十分に満ちて創造的な人生を送る能力またはその状態、困難なことに対処できる能力が重要視されています。

ちなみに要心理支援者=クライエントなので、支援行為=心理面接、心理検査等です。

法ニ条のニ

支援によって要心理支援者が自己理解を深め、自己決定を促進できるように、公認心理師は対象のありのままの個人を尊重してエンパワーメントします。

支援に当たっては関係者への支援、多職種連携、地域連携が大切です。

法ニ条三

要心理支援者にとっては本人と環境が持つ要因の重さが改善全体の要因の4割を占めています。

したがって要心理支援者の心の健康を改善するためには、その環境要因である関係者の協力、要支援者への関係者の環境全体の改善が重要です。

関係者とは家族、知人です。

法ニ条四

公認心理師は求められたら心の健康に関する教育情報提供を行わなければなりません。

(信用失墜行為の禁止)
法四十条

公認心理師は、公認心理師の信用を傷つけるような行為をしてはならない

(秘密保持義務)
法四十一条

公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする。

この秘密保持義務が守られないことがある正当な理由とは、裁判、司法手続き、人命にかかわる非常事態(タラソフ判決参照)が考えられます。

僕の私見ですが、犯罪を犯したのを責任能力がないという診断が欲しくて病院に来た患者さんがいたとします。

患者さんが責任能力を盾にとって捜査に応じない、警察から電話がかかってきても、電話ではこちらはカウンセリング内容は伝えられないでしょう。

相手が警察かどうかも電話では確認できません。

捜査関係事項照会書でこの守秘義務を破るのはどうか、捜査関係事項照会書は刑事訴訟法197条2項に関する公文書で、個人情報保護法でも「法令に基づく場合」なので、開示可能と考えます。

法四十二条
(連携等)
公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保険医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない。

2 公認心理師は、その業務を行うに当たっては心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。

四十ニ条は「ならない」と記されているので、公認心理師の法的義務です。

地域連携はひごろから深めておかなければならないですし、2では、主治医からの指示を受けなければならないという意味です。

しかし、要支援者がかたくなに医師との連携を拒否した場合には支援のあり方の適切さを考えなければならないでしょう。

信用失墜行為については他の国家資格と同じです。

職場では通常に仕事をしていたとしても刑法典に触れる犯罪を犯せば信用失墜行為になります。

法四十三条

公認心理師は、国民の心の健康を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、第2条各号に掲げる行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。

研修、多職種研修などをさします。

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◯ 公認心理師試験Gルート受験者合格のための3つの法則

公認心理師試験Gルート、特に臨床心理士を取得していなかった方々には強味と弱み、両方があります。

それらを理解して約5カ月の間、効率よく勉強していけば合格を入手できる可能性が高まります。

1.基礎心理学・社会心理学・臨床心理学暗記科目はみっちりとやること

Gルート受験者の方は臨床心理士非保持者他職種(教員、看護師、言語聴覚士、作業療法士、精神保健福祉士、社会福祉士etc)からの参入+臨床心理士か読み替え不可能な大学・大学院卒の方々で構成されています。

他職種の方々は面食らうような問題ばかりで特に第2回試験過去問を見て困難だと感じたでしょう。

この試験は他職種の方々は他資格を取った時のことをよーく思い出して欲しいのですが、試験に通れば一人前で一人立ちしてやっていける実力を身につけるための試験ではありません。

むしろ試験点数を1点1点積み重ねて取るための試験なので、1点問題の知識問題は118問、事例問題38問×3=114点、「じゃ、事例問題を長年のプロのセンスで解き切ればいいじゃない?」と思いがちですが、それは間違っています。

とある予備校の統計によれば第2回試験は知識問題よりも事例問題が足を引っ張って受験者の点数を引き下げていた、事例問題の正答率は知識問題よりも低かったと言われていますが、これには僕も納得です。

ですから他職種からの受験者、そして臨床心理士でも科目読み替え不能だった人や現任者ともならない、臨床経験値長い人は正答率が低く出る事例問題よりも知識問題の1点の積み重ねを重視しするべきだと思います。

センスがよくて114点事例問題満点、知識問題118点は偶然四択で正解できれば30点、144点、合格かな?ということは絶対あり得ません。

何しろ事例問題が難しいですし、事例問題や地雷問題には知識なしで国語力オンリーで絶対の解を求めるのは難しいです。事例問題も高度な知識を要しています。心理学基礎知識を身につけましょう。

ここでGルート受験者の強味は、「ほぼ初学者なので」「知識が古いか何らかの理由で欠けているところがある」のでイチから初心で勉強できることです。

ヴントから始まる心理学史、ガレノスやクレッチマーの類型論、性格心理学のビッグ5。

記憶、認知、学習、社会心理学、統計という臨床能力とは関係なさそうな学習領域は踏み絵です。

どれだけ心理学徒として大学院レベルの基礎心理を身につけているかを問うているので、知識問題で6割以上は取れないと総合合格点には届かないことがあり得るのです。

第2回試験では事例問題の中に知識問題を混ぜ込んで「事例問題は国語力を問うものと思ってたのに知らない単語ばかり。ナニソレ?」状態だった人が多かったと聞きます。

そう考えたら小手先だけのテクニックで事例問題を解き切ることを考えるのではなく、心理学1年生として基礎心理学を徹底的に学ぶという白紙の状態(タブラ・ラサ)で知識は網羅して学ぶことが有効です。

2.Gルートの弱味とは?経験が邪魔をする。

他職種の方々も経験が長い臨床心理士Gルートの方々も共通して言えることですが、採用面接ならば経験値が高いことはウェルカムです。

ところがこの試験は、特に経験値が高いことが得点を下げる可能性が高いです。

他領域職種の方々も心理職も例えば少しストレッチをしたりウォーキングをするのがメンタル面にもいい影響を与えることを知っています。

また、現実的なケースワークが必要なことも事実です。

これまで試験には出ていない事態を想定します。例えば虚偽性障害(詐病)の場合は心配して慌てている学校や企業の上司に対してすぐ連絡しないとならないのですが、この試験はあくまでも面接室の中で完結するやり方が正解になることが多いので時間をかけて共感するのが正解では?と思うのです。

しかもこれはケースバイケースで、児童虐待やスクールカウンセラーの場合には一刻も早く通報したり、情報共有を組織内で行わなければならないという気まぐれな出題で過去問をやってみて理解に苦しんだ人も多いのではないでしょうか?

チーム学校、チーム医療、守秘義務と安全配慮義務の拮抗をどう解釈するかはセンスの問題というよりも知識問題の可能性が高いです。

各種通達、法律はよく目を通しておきましょう。

自分が置かれてきた現場ルールには縛られず、この試験だけ通用する正答を選んでください。

僕も試験を解いていて「自分だったら必ずこうする」と思ってもそれはひっかけ問題なのでその選択肢は選びません。

マークシート相手にプライドと自己の仕事の姿勢に対する矜恃があるからと自説を主張しても合格が遠のくばかりです。

そして自分の専門分野と思われる部分についてこそ、イチから勉強し直すことが大切です。

持っている知識はもう古くなっていて、あるいはその領域でプロとして活躍しているからこそ感覚と経験で仕事をしている自負があります。

それらを全てさらっと忘れて特に専門分野については初心に帰って勉強し直しましょう。

制度も法律も時間が経てば変わっています。現場感覚で行っていることは公認心理師試験では誤答とされる事が多いアンサーです。

いろいろな事に精通して詳しいのだと思っている人ほど基礎の基礎から学び直すべきではないでしょうか?

3.Gルートの強味

Gルートの強味は心理学の専門家でない方も多い、あるいはブランクがあったり経験が長い方も多いので、知らない事が多い、あるい昔過ぎて忘れている知識が多い。

ということです。

したがって割り切ってしまえば「知らない事だらけだから初心に立ち戻ってやってみよう」

という謙虚になれる人たちが多く、講義を受けに行ったりネットでの情報をうまく活用して知らないことをどんどん勉強して吸収していきます。

確かにそういう人たちが「試験は試験」として多く合格しています。

Gルートの中で合格を勝ちうる人たちを見ていると専門家として過剰に自信を持って臨むのではなく、無知の知として心理学最新分野、基礎心理の基礎、各法律制度や通達はわからないことだらけという自覚を持てる能力がある人たちです。

なんでも目を通して試験のために自分のものとして知識を身につけることが必要かと思えるのです。

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◯ 精神物理学・発達心理学・ピアジェ

・Weber–Fechner law
ヴェーバー・フェヒナーの法則

・Weber,E.H.
Weber,E.H.は刺激の弁別閾(丁度価値差異)は基礎刺激の強度に比例する事を発見しました。

50の刺激が60になればその閾値が弁別できるようならば、100の刺激は120になればわかる、という具合に刺激量は比例するというものです。

・フェヒナーの法則
フェヒナーの法則は、
刺激量の強度Rが変化する時、これに対する感覚の量Eは

E=ClogR

で、感覚量は刺激量の対数に比例するというものです。
100の刺激が200になる時と200の刺激が400になる時の感覚は等しいというものです。

・Wundt.W
Wundt.Wの構成主義は実験心理学の祖と言われています。
感覚生理学的な心理学を提唱しています。
意識が何の要素から構成されているか問うという考え方を要素主義とも言います。
人間心理の複雑な様相を自ら内観する内観法という手段も取りました。

・ James.Wは機能主義の立場を取りました。
意識は心的要素でなく、どんな機能があり、どんな心的作用をするのかに注目したものです。
その結果として客観的手法、実験法に重きを置くようになりました。

・Watson,J.B
構成主義と機能主義がそれぞれ心的機能を構成、機能を対象にしたのに対して、Watsonは行動を研究の対象にしました。

◯ 発達心理学

Piaget,J.は

1.感覚運動期(0〜2歳)
(sensori-motor period)

2.前操作期(2〜7歳)
(preoperational period)

3.具体的操作期(7〜12歳)
(concrete operational period)

4.形式的操作期(12歳以降)


に発達段階が分かれると定義しました。

1.感覚運動は、自分と物との関係を通じて自己と事物の区別をするようになる時期です。

・第1段階
0〜1カ月
反射期、外界の刺激に反射のみを
行います。

・第2段階
1〜3カ月
自分の身体に関心を持って繰り返
し、自分のゆびをずっとしゃぶっ
ているという第1次循環反応を示し
ます。

・第3段階
3〜8カ月
ボールを壁にぶつけて跳ね返った
りするという反応を繰り返して、
事物、世界のありようを認識しよ
うとします。
第2次循環反応です。

・第4段階
8~12カ月
で、具体的に自分がしたい事があ
った時に目的と手段を理解して実
行することができるようになりま
す。

を指します。
この時期は,具体的な目的-手段関係を理解して使用するようになります。
自分がしたいことと結果の因果関係が理解できるようになります。

対象の永続性
(object permanennce)を獲得します。(後年、フランス精神分析学者Lacan,Jが鏡像段階理論として、ハトが鏡を見て自己像と認知することができるようになるのを人間の精神活動になぞらえて描いたのがこの時期です。)

簡単に言うと「いないいないばあ」の時期です。

目に見えないものでも存在してあるということがわかります。

・第5段階
12~18カ月
試行錯誤を繰り返してうまくいく
結果となるような手段は何かとい
うことを調べることができます。
第3次循環反応と言われています。

・ 第6段階
18~24カ月
目的と手段のつながりをある程度
複雑な過程でも手段を組み合わせ
ることができます。

2.前操作期(2〜7歳)
(preoperational period)
操作はまだできない段階です。

4歳ごろに出てくる概念が前概念的思考段階です。

対象の真似をする「ごっこ遊び」としておままごとができるようになります。

ごっこ遊びは象徴機能(symbolic function)が可能になったということで、発達の中では大きなことです。

特定された対象ならば象徴機能を働かせることが可能です。

ただし、道にバッタがいて、歩いていくとまた別のバッタがいるのを発見すると「またあのバッタだ」と思います。

イメージだけで思考をしますので象徴化は難しく、遊びに行った先にいる猫と外を歩いている猫を同じ猫というくくりでは見られません。

いったん「ネコちゃん」と単語を覚えると歩いていて犬を見ても車を見ても「ネコちゃん」と言います。

直感的思考段階

この時期は量の保存の概念がありません。
ペットボトルの水を洗面器に空けたら、高さが減ったので、「水の量が減った」と認識します。
ただし、どんどん水の量が広がっていくようなら、最初の考えを修正できるようになるのは,脱中心化(decentering)という概念が関係しています。

アニミズムと言って、生命がない事物に生命が宿ると思い込むのもこの前操作期の特徴です。

前操作期の特徴はその自己中心性にあります。

前操作期を示しているものに3つ山課題の実験があります。

角度が違うと立体的な山の模型は、別の視点から見る人は別に見るのですが、前操作の子どもはそれを理解することができません。

ウェルナーWerner,H.は、相貌的知覚を(physiognomic perception)を持ちやすく、「車がにらんでる」「壁のシミが笑ってる」とこの時期には感じると言いました。

3.具体的操作期

5個の積み木をバラバラにすると数が増えます。まとめておいても数は同じですがひとかたまりです。

どちらも同じで5個の積み木から成り立っているという認識を獲得します。

これを保存性の概念と言います。

アニミズム汎心論:ainmismの概念も変化してきます。

生命は全てにある→自分で動かすことができたら生命→自律的に動くものが生命です。

自己中心化⇄脱中心化です。

思考の可逆性(reversibility)も具体的操作期の特徴です。

海辺の砂で山を作れる、崩せばそれはただの砂で、また作れば砂の山になる、という具合です。

保存(conservation)の概念も備わってきます。

3つの山課題も解決可能になります。

4. 形式的操作期
(formal operational period)
論理的な思考が可能になります。

◯ 仮説演繹的思考、命題論理が可能となります。

言語によって問いかけられても答えられます。

「赤い玉は白い玉より大きい。青い玉は白い玉より大きい。どの玉が一番大きいですか?」という疑問に答えられます。

◯ 組み合わせ思考

何かと何かを組み合わせる際に、試行錯誤的に全てを試すのではなく、考えながら試すようになります。

水の入ったビーカーいくつかが並べてあって1リットルを組み合わせて作るのに、300ミリリットルと700ミリリットルでどうだろうかと考えてることができるようになります。

形式的操作期が進むと計量的比例概念といって、事物の変化はまた別の変化につながることか理解してできるようになります。

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◯ 公認心理師試験に投影された学派間論争

結論:公認心理師試験は学派の派閥争いに巻き込まれて試験問題が作られていると思います。

理由:認知行動療法学派の人たちはアグレッシブ過ぎて弾がなくてもなんとか空包を調達して銃撃戦を試みる。ので巻き添えになったのが公認心理師試験

1.心理療法学派概括

さて、臨床心理の世界では学派、流派が数多く(400ぐらい)あります。

学派間の論争、というか批判は常に行われてきたわけで、それはお互いの学派の信頼性を高めるため、批判に耐えうる理論構築という意味では切磋琢磨するのが悪い事ばかりとは思いません。

ただし、公認心理師試験はエビデンス主義、evidence-based medicine:EBMに偏りがちなのではないか?

という批判は当然出て来るでしょう。

現在の医療保険制度も認知行動療法に対して点数を付与することが中心で、他学派の精神療法に関しての保険診療を大々的に認めてはいません。

しかし例えば、小児に対する20分以上のカウンセリングを公認心理師が行ったら200点(2千円)と今回初めて保険診療化されました。

何の流派のカウンセリングか?ということが問われていないのが心理師にとっての自由度なのかもしれません。

EBMと言えば真っ先に思い付くのがイギリスで有名なコクラン共同計画(Cochrane Collaboration:CC)で、全てのエビデンスある研究にシステマティックなレビューをして医療情報を利用できるようにしたものです。

認知行動療法は全て画一化されたものというわけでもなく、アーロン・ベックAaron Temkin Beckによる認知行動療法、マイヤーMeyerによる強迫性障害への曝露反応妨害法ERP(expo- sure and response prevention)エドナ・フォアEdna B. Foaによる持続エクスポージャー法PE(prolonged exposure)

第3世代としてのマインドフルネス、Steven C. Hayesによるアクセプタンス・コミットメント・セラピー ACT(acceptance and commitment therapy)(アクト)

マーシャ・リネハンMarsha M. Linehanによる弁証法的行動療法DBT(diactical behavior therapy)等々で認知行動療法の中でも学派が分かれています。

フロイトの精神分析、職業指導カウンセリングから始まったロジャーズの来談者中心療法(後にジェンドリンのフォーカシングに発展)、この辺りの学派はひととおり受験生の方々は調べておく必要があると思います。

Albert Ellisによる合理情動療法 RET(rational-emotive therapy)、
ジョセフ・ウォルピWolpe, J.による系統的脱感作法 systemic Desensiti desensitizatinn in-vivo Exposure. 、
自立訓練法、バイオフィードバック、

トラウマ情報処理に特化したフランシーン・シャビロShapiro,Francine創始のEMDR(eye movement desensitization and reprocessing)神経症治療のために編み出された森田療法、吉本伊信による内観法、この辺りは試験に既出なので勉強しないとならないと思います。

試験対策としては現象学、ゲシュタルト療法などさまざまな学派を覚えなければならないでしょう。

僕が挙げたのはほんの一部かもしれませんし内容はあまり説明していません。

さて、これら学派あまた数ある中で異なる学派であっても日本ではあまり学派間の論争は盛んではなかったような気がします。

アメリカでは行動主義心理学者ジョン・ワトソン(John Broadus Watson)が精神分析学を論破するためにフロイトの全著作を精細に読破しました。

こういう勢いのある話は納得ができるのですが、基礎心理学者たちは心理学を科学としてとらえていたので、昔から臨床心理学を非科学的なものとして異分子扱いしていた(いる)ことは間違いありません。  

2.日本の臨床心理学隆盛期

ユング心理学者の河合隼雄先生が御存命のころは無意識世界や精神分析はかなり人気があり、結果として多数派ともなっていたのです。

医師故小此木啓吾先生が正統派精神分析学者として慶應大学で教鞭を取られていたのにも一時代を感じます。

故霜山徳治先生は哲学と実存心理学者として「夜と霧」Viktor Emil Frank(ナチス強制収容所から生還した精神科医)の友人でもあり、実存心理学を含めて臨床家としても臨床心理学者としても一時代を築きました。

3.認知行動療法学派の台頭前後の状況

さて、アメリカでは認知行動療法のみが保険適用、精神分析はエビデンス(証拠)がないとして保険化されることはなかったのでその影響もあったのでしょうか。

河合隼雄先生御逝去と時を一にしてか、たまたまなのか認知行動療法が他学派のエビデンス欠如を俎上に乗せてアグレッシブに自学派のみの正統性を主張し始めました。

現日本心理研修センター理事長にして日本臨床心理士会長だったこともある村瀬嘉代子先生はカウンセリング世界の天才としての尊敬を集め、現在の地位にいるのですが、どう感じていらっしゃるのでしょうか。


村瀬嘉代子先生はいわば統合的心理療法学派からも学派を超えた稀代のスーパー臨床心理学者としてこの臨床心理世界を見渡す地位にあります。

河合隼雄先生に次ぐ臨床心理の第2の始祖とも言えますし(異論は認めます)彼女の活躍なくしては公認心理師制度も実現しなかったかもしれません。

ちなみに村瀬嘉代子先生の夫、故村瀬孝雄先生は東大教授にして生粋のロジャリアン、そこからフォーカシングにも発展した研究実践を行っていて、アクスラインの遊戯療法にも大きな意義を認めていた方です。

村瀬孝雄先生は67歳という若さにして亡くなられました。面倒見が悪い、というかその時代は心理の就職は万年氷河期で村瀬孝雄先生も学生の就職の世話をしなかったと言われています。

「村瀬先生、これからは英語とパソコンができなければ臨床家としてやっていけまさんよね」

という学生に対して「カウンセリングは机と椅子があればできる!」と喝破したという逸話があります。(村瀬孝雄先生はアメリカ留学歴があります。)

4.認知行動療法学者たちの現在

次々と臨床心理学の重鎮達が去っていく中で認知行動療法は現在臨床心理学の世界を席巻しようと躍起になっています。

認知行動療法家が自説に則った活動をするのを構わないのですが、科学性を主張するあまり、ナラティブな精神療法、精神分析学や投影的心理テストを全否定するのはいかがなものかと思います。  

箱庭療法のようなクライエントさんが心地よさを感じる精神療法、そして面談に来て満足して帰っていくクライエントさんはエビデンスを追求しなくとも多くの心理職がその手応えを感じているでしょう。

実際fMRIのような最新測定機器でも精神療法後のクライエントさんの脳血流が良くなったという研究報告もあります。

ところが認知行動療法家の筑波大学原田隆之氏はバウムテストや中井久夫先生の風景構成法、ひいてはロールシャッハテストも否定しそうな勢いです。

公認心理師試験委員会副委員長小川俊樹先生はエクスナーによる包括的ロールシャッハシステムを日本に適用させた第一人者ですが、エクスナーが実験に実験を重ねてロールシャッハ法を科学の領域まで高めたことまで否定されてしまうのでしょうか?

そして認知行動療法学者たちは他学派を否定するだけでなく、自分以外の認知行動療法家のありように対してもアグレッシブです。

T京大学のT野教授とS山教授が互いに険悪、少なくとも無視し合っているという噂を聞くとげんなりしてしまうのは僕だけなのでしょうか?

これでは認知行動療法学派ではなく自己認知至上主義療法ではありませんか。先生方認知は歪んでいませんか?

5.結語

僕の持論ですが、ナラティブな精神療法はやがて科学の発展の裏付けでEBMになっていきます。

認知行動療法が大々的に非言語的なノンヴァーバルコミュニケーションを重視していた研究は寡聞にして知りません。

認知行動療法家は自分主義でなく他学派の否定もせず、ダイナミックな心理の世界をお互いに尊重して欲しいと思います。

とても物柔らかで、この人はクライエントさんの信頼を得られるだろうという穏やかな認知行動療法家も多数いるのでなおさらそう思うのです。

日本心理学会がこの始まったばかりの制度の混乱をうまくくぐり抜けてシラバス(教育課程)を作り他学派を排斥しようとしている動きは誰にも見えてしまいます。

絵:千美梨画伯

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