カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 児童福祉

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◯ 公認心理師上級資格と福祉新資格子ども家庭福祉士創設の動きについて考える

ヤフーニュース、福祉新聞で報じられていますが、相次ぐ児童虐待事件の対応のため、超党派議員連盟が「子ども家庭福祉士」の創設に向けて動いています。

また、厚生労働省でもその賛否をめぐってのワーキンググループが開催されていますが、意見は分かれている段階です。

児童の権利擁護、虐待防止そのものはとても大切なことですが、果たして新資格創設は児童福祉領域に役立つのか?

日本社会福祉士会会長はこの新資格創設について疑義を申し立てています。

現行制度で社会福祉士や精神保健福祉士で十分対応できるというのが西島会長の意見です。

現行制度でも児童相談所に社会福祉士は必置化されていません。

社会福祉士試験に児童虐待は1科目しかないということもこういった超党派議員連盟が資格創設をしようとする論拠になっていると考えられるとのことです。

また日本社会福祉士会は「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」制度を設置しており、これらが児童福祉に寄与するという論拠をあげています。

さて、公認心理師生徒との関係ですが、日本社会福祉士会は独自の認定資格を持っています。

認定社会福祉士、認定上級社会福祉士です。

認定社会福祉士になるには経験年数、ほか団体で定める一定の専門的経験及び団体の研修またはスーパーヴィジョンが必要になります。

社会福祉士22万6千465人に対して認定社会福祉士は667人です。

さらに認定上級社会福祉士になるには学術研究などのさらに高度な経験が必要なのですが、現在のところ有資格者は0人です。

実質的に機能しているとは言いがたい上級認定資格を創設したために、日本社会福祉士会は追い詰められることになってしまったというのはうがった見方でしょうか。

日本で児童・家庭分野の認定社会福祉士はわずか29人です。

この数がいるから日本の児童福祉行政は大丈夫だという主張は何の根拠にもならないでしょう。

公認心理師はどうなるのでしょう?

日本公認心理師会も高い組織率が望めない(グーグル先生で「公認心理師協会」を検索しても相当下位にならないと協会のホームページは相変わらず出てきませんし、僕の心理職の仲間は相変わらず加入意思なし、誰一人として僕の周囲には加入すると言っている人なし。)です。

そんな協会が厚生労働省と協働しても専門公認心理師資格創設で多くの人が資格を取得するとも思えないのです。

精神保健法指定医のように法的に指定医でなければできないことがあれば取得率も違うでしょう。

指定医でなければ雇わない病院あり、給与は変わります。

管理栄養士も栄養士とは違う職場、異なった対象者のより専門的な栄養指導ができて医療チームの一員にも加われます。



上級(専門)公認心理師資格は実効的で意味のあるものでなければ創設はムダどころか、害になりかねません。

上級公認心理師やら専門公認心理とか専門上級公認心理師とかいうわけのわからない資格を実体を伴わないまま創設したら社会福祉士が窮地に立たされている二の舞になりかねないということです。

公認心理師は元々5分野の領域をカバーできる試験となっているわけです。

上級資格を作らなければ専門性が担保できないと思うなら、試験の形式を変えればいいとも思います。

政治家はいつも夢、というか妄想を持ちます。

形を作れば解決すると思って耳ざわりが良くてマスコミ受けしそうな新制度を作る反面、今あるものを良くするという肝心の地道なテコ入れをしません。

だから児童行政はこんなにめちゃくちゃなのですし、人手も足りないままです。

上層部は新制度の屋台骨がまだぐらぐらしている現在、さらに屋上屋を重ねようとしています。

世間の公認心理師に対する認識、認知度がまだ低く、「公認心理師は雇いません」と言われるぐらいまだ信頼性もないうちに育てなければならない新資格を危険にさらさないで欲しいと思うのです。

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◯ 公認心理師は児童、成人PTSD連鎖構造にどう対処できる?

父親が捕まった、千葉県野田市の心愛ちゃん(享年10歳)の事案は安倍総理が児童福祉行政に全力を尽くし再発防止をしていくと記者会見をしています。

児童相談所に対する批判が報道されています。

そして児童相談所が悲鳴を上げるほどの児童福祉司1人当たりの担当件数の多さや児童福祉司が限界を感じる状態に追い込まれていることも同時に報道されています。

報道、個人ブログやツイッターを見ているとそのオピニオンは様々で、行政や学校批判に終始しているもの、警察権力などの強制力介入を早期に行うべきだったという意見も出ています。

心理職はいったいどの時点でこういった事案や、その後の子どもの人生にかかわっていけるのでしょうか。

1.兆候を発見した心理職の動き

公認心理師試験で出題されていた「通告ゲーム」問題、あらゆる段階で児童の福祉、心身が害されていると認めるときには通報しなければならないというのが公認心理師試験出題者の意図です。

医療機関、学校で発見したら子どもの福祉を考えて真っ先に主治医、チーム学校であれば管理職に報告するというのは正答するためのセオリーです。

しかし現実はどうでしょうか。

実は児童にかかわる現場では今回の事案のようなことがらは数多く起きています。

手の回らない児童相談所が「報告ありがとうございます」と電話口で対応、当該児童福祉司もどの児童に緊急に対応するのか優先順位を決めかねてしまうほど児童相談所の現場は多忙を極めています。

通告を受理する、動かなければならない、保護しなければならないという法的に定められている事柄が当たり前にはスムーズに動かないわけです。

地域児童家庭支援センターで相談に当たる相談員の公認心理師も今後多くなると思いますが、児童相談所の全てを補完することは不可能でしょう。

2.発見者が迷う場合

確かにこういった事案のリスクは貧困、再婚の連れ子や子どもが持つ障害など親と子どもが抱えているあらゆる心理、身体、社会的な問題と密接にかかわっています。

療育相談に当たっている心理職なら「育てにくい」「どうしても手が出てしまう」という親からの相談に乗ることは多いでしょう。

救命しなければならない子どもの命がある一方で、親の心理相談に乗りながらサポートする、家庭に子どもを戻す家族再統合で円満に解決させる、施設内で子どもを社会的養護を行う、障害を持つ子どもであればその療育も考えなければならないわけです。

複雑なさまざまな要因が絡まり合う中でどうやってもつれた糸をほぐすか考えているうちに事案は起きてしまうこともあります。

社会的養護の現状を考えると家族再統合で平和に片付けばそれが一番です。

3.事案が発生

心愛ちゃんの身体にもアザが見えたという報道があります。

こうなるともう事案は日常的に連続的に起きていたわけで、緊急性は確かに高かったわけです。

弱い立場の子どもがいくら苦しんでいても、警察力は非常に入りにくい部分があり、10年子どもを閉じ込めていた、手ひどい扱いをしていたとしても親が何ら責任を追及されないことも多いです。

子どもは幼くしてすでに重篤なCPTSD複雑性慢性型PTSDを発症、こういった親が絶対に子どもを手放したがらないことはよく知られています。

親は子どもが可愛いから手放したくないわけではなく、支配する対象がなくなることへの抵抗を示している場合が多いです。

4.心理職の役割

厚生労働省発表で20代〜30代前半で有病率3.1パーセントから4.0パーセント、かなり莫大なPTSDの患者さんがいますが、治療できる機関はかなり限られています。

何年も(数十年の場合もあります)与えられ続けた心的外傷の精神療法は相当な困難を伴います。

行政は発見段階での対応のまずさに今回かなり強い批判を浴びせ続けられていますが、心理職は発見段階から始まって、社会的養護施設内で、自立してもう親の呪縛を逃れたCPTSDのクライエントさんの精神療法も担当します。

ある心理職の前にそういった患者さんが来たとします。

「私の話を聞いてください。助けてください。救ってください。生き延びたいのです。」

さまざまな事案が連続して発生し、行政、福祉だけでなく新国家資格公認心理師は相当に強くて重い期待がかかるでしょう。

「カウンセラーには何もできません」と言えないわけです。

もちろん日々心的外傷を受けている人々に接している僕自身もそうなのですが、心理職の人たちは相当の覚悟であらゆる段階で傷を負うクライエントさんに持てる技術と専門性の限りを尽くして対応して欲しいと思います。

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