ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 公認心理師

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◯ 若手臨床心理士・公認心理師の躍進・台頭

心理の新卒者がどんなところに就職するかというと、新卒心理公務員になる、裁判所総合職家庭裁判所調査官補や国家公務員人間関係科学区分ならば採用後みっちりとレベルが高い研修を受けて現場に出て行きます。

こういった司法関係の公務員は若手のうちは少年関係で働くことが多く、場合によっては「話をわかってくれるお兄さん、お姉さん」的な役割が取れることもあります。

つまり共感性が高いと見られるのでその若さが役立ち、子どもにとってはモデルになり得る、これは教育相談所やスクールカウンセラーでは大きなアドバンテージ、メリットになるでしょう。

以前も書きましたが
勉強をしないで地位にあぐらをかいている中堅以上の心理職>>>>>若手で勉強熱心な心理職

ということを各種研修に参加したり、連絡調整をして若手と話していると感じます。「負けた」(勝ち負けではないのですが)といろんな分野で感じることも多いのですが、新卒から数年経って現場経験を積みながら勉強している臨床家は最新の心理学の知識も豊富ならカウンセリングに対する見立ても鋭い人たちが多くなってきたと感じます。

さて、カウンセリングを利用するクライエントさんや患者さん、家族にとってはどうでしょう。これが他の科で研修医を終えて最新の知識を持つバリバリの若手医師ならば若くてもインフォームドコンセントをしっかりしていれば高い信頼が得られる事は往々にしてあり得ます。

ところが精神科医師、心理カウンセラーの若手はとても頭脳明晰でもクライエントさんからは敬遠される事があります。若手で知識が乏しければそれは当てにならないと思われても仕方ありません。患者さんは精神疾患については自分が服用している薬から心理的治療法に至るまで無茶苦茶詳しく調べている人も多くそういう人、それから年齢=キャリアと思う患者さんは若手を敬遠する傾向があるようです。

例えば50代、子育ても終わり子どもたちも巣立っていき就職、いわゆる「空の巣症候学」になり更年期も迎え精神的に不安定になりつつある女性に「A病院には20代と30歳のカウンセラーさんがいるらしいすけどどうします?」「いや、いいです」ということがあります。

実は歳を取って馬齢を重ねただけのようでも、威張り散らすわけでもなく、黙って話を聞いているだけのカウンセラーの方がなぜかクライエントさんに安心感を与えるということはあるようです。

精神科医も同じで、精神科医師は患者さんの病状を心身ともに把握、投薬治療をするのが仕事です。医師でも古い教育を受けていて知識の上書きバージョンアップをしていない医師だと、どんどん多剤大量処方をして患者さんを悪化させることもありますが、それでも患者さんは貫禄のありそうな年配の医師を選ぶ傾向があります(ほとんどのベテラン医師は多剤投与のリスクについて熟知していますので多剤投与はごくほんの一部だけで行われています)。

患者さんは「病状の正確な把握」という点で不安を抱くのでしょうか。だから年配者はベテラン医師やカウンセラーに望むのではないかと思います。

カウンセリングも「受容・傾聴」の時代から、認知行動療法のようなエビデンスがありシステマティックな流派もあり、EMDRやソマティック心理学など技術を要するものがあるので年齢なんかいいじゃないかと思う向きの心理職の人もいるかもしれません。若手で立派な研究業績があり治療研究者として優れている治療家は多いです。しかしクライエントさんにとってはそれを評価の対象にするわけではないのです。

はっきりとした年齢差による治療効果の統計研究結果を読んだわけではありませんが、まず患者さんが治療機関選択をする際に口コミやホームページで情報を集めているわけです。

心理職なんぞはある程度の年齢がいってから社会人で学部編入から始めて新卒で就職したのが40代、心理職経験が長い30代前半選手よりも患者さんがチョイスする可能性も高いわけです。人生経験というものもありますので、それが一概に悪いとは言えません。

若くて自信を持って最新の理論の知識があり、貪欲に学び続けようとする姿勢は素晴らしいと思うので、年齢よりも腕前重視で来るクライエントさんには若手心理職が最高のカウンセリングを提供できる可能性が高いです。

点数=実力ではありませんが、若くても公認心理師試験でかなりの好成績を上げて合格する人がいる一方で、中堅者以上で知識をバージョンアップしていないので残念な結果になってしまった人もいます。

中堅以上というとベテランで知識が豊富と想像するかもしれませんが、経験を積んでいると単に老獪に過ぎず、経験値でストーリーを読み解き、知らなかった事でもさも知っている風に理解して語る事に慣れているので、それで誤魔化してしまうこともできます。「ああこの人はとても信頼できるいい人だ」と思わせるのは実はそういった老獪さかもしれません。それを実力と呼ぶのは僕は抵抗があるのです。幾つになっても学び続ける熱心さが心理職の本旨と思っています。

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photographer sora

※ soraさんの撮る明るい空のような未来が心理職と患者様のみなさんに訪れますように。

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◯ 公認心理師・臨床心理士は数学ができないと給料が安い?

AERAの3.23号が手元にあるのですが「入試でも仕事でも数学は捨てるな」というタイトルの特集記事があります。

早稲田政経入試が数学を必須科目にしたこと、メガバンクや大手生保が理数系出身者が増えてきている事が取り上げられています。確かに生保会社は東大ほか有名大学数学科から保険数理人(アクチュアリー)を採用しています。

アクチュアリーの仕事は高等数学を駆使するもので、加入者の掛け金、各疾病の発生率、企業としての経営が成り立つ数値を緻密に計算して他社よりも魅力的かつ保障が充実していると顧客が満足できる保険商品を設計しなければなりません。

数学科学部卒のアクチュアリーはかなり以前から採用されています。東大、京大、早稲田理工等有名大学出身者しか採用されていないのですが、各企業は建前として、学歴でアクチュアリー採用試験をしているわけではなく、数学の入社試験を課してたまたま優秀な成績を取った学生が有名大出身と言っています。

AERAでは将来的に、MARCH以上の大学でも数学必須となる可能性についてを指摘しています。考えてみれば、経営、経済、商学部は数理を使う近代経済学や統計、簿記等を扱うわけで、私立文系だからといって数学と無縁でいられるわけではありません。

さて、公認心理師、臨床心理士試験は統計科目が必須です。現在出題パーセンテージはそれほど高くありません。公認心理師法は研究を業務として規定していないにもかかわらず、試験問題を見ると自力で研究活動ができる基礎的知識取得を要求しています。

心理系大学院の修士論文では、国文科や英米文学科ではないので、読みました、こうでした、という文献研究のみの研究論文はまず認められません。院試で研究計画を出させる大学院も多いのですが、筆記試験がいくらできてもきちんとした研究計画が出さないと合格できない大学院は多いです。

さて、前述AERAでは数学受験で経験した人はそうでない人と比べて90万円年収が高いという結果を掲載しています(数学が必要な大学は難関だから就職がいいかもしれないというだけの話かなと思いながら読んだのですが)。

心理職がカウンセリングをする、心理検査をする上では心理検査の計算はしますが、それは数学ではありません。心理職は「科学者ー実践家モデル」だと現任者講習でも叩き込まれます。統計数理的な研究でないと研究として受け入れられませんし、論文を提出しようとしても偉い先生方の査読で撥ねられます。

文献研究でも全くダメということはないのですが、例えば文献データベースを利用してあらゆる心理学の論文の中に例えば「倫理」がどの程度重視されていて倫理のどんな側面が強調されているかを統計処理します。

量的研究と対比される質的研究TEM手法もありますが、かなりしっかりとした研究設計をしてコーティングを行うというレベルの高さが要求されます。

さて、心理学の研究を極めて次は博士号を取ろうとした際に、臨床心理学、医学博士、教育学博士を取る人もいますがどれもレベルが高い統計処理研究が必要と思われます。

大学教員になれれば確かに収入はアップしますが、そのためには独自の着眼点と研究業績の積み重ねが必要です。

医療の現場で働いているから関係ないや、と考えていると大病院では医師、看護師と共同研究することもあり「なんで心理の先生は統計ができないの?」と思われてしまいます。下手をすると採用されないかもしれません。

また、保健師はデータの集積をアウトプットしていくので統計には強いです。大企業で産業医と働く保健師は健康に関するデータを使って健康教育をしますが、心理職はできません、だと対内外的にあまりよろしくない可能性があります。

EAP従業員支援プログラムを各企業にプレゼンする際、弊社のメンタルヘルスプログラムを導入した結果、これだけの数の企業でこれだけのメンタルダウンする社員が減り、企業にとってはコストパフォーマンスが高いです、というパワーポイントを使った説明にも数的処理は必要です。

開業心理職は数字との戦いでもあり、事務所の家賃、人を雇うこと、損益分岐点を計算するのは勘だけではなく簿記の知識があった方が便利なわけで、確定申告の度に会計士や税理士にお願いしていたらそれだけ支払いが大変になります。成功率数パーセントのベンチャー起業は課題が山のようにあります。こういった課題の解決ができたら開業領域には相当役立つでしょう。

AERAの特集にも書いてありましたが、これからはビッグデータ分析、AI化はどんど?企業内で進んでいきますし、そうした手法を身につけていかないと企業人は生き残れなさそうです。医学は膨大な症例をビッグデータ化しようとしています。情報集積は精神医学でも臨床心理学でもデータベースの構築が可能になります。コクラン共同計画(現在COVID-19により世界中の論文購読絶賛無料大解放中)のようなエビデンスデータベース集積の日本版も可能になります。

カウンセリングはひたすら対面で相手の話を聞いて満足をしてもらうもの、それは確かにそうです。ただ、認知行動療法はほぼ全て統計的エビデンス、証拠に基づいて研究を進めているのでアメリカでも日本でも保険点数化は早かったです。

河合隼雄先生ご存命だったころはエビデンスだけでない、心の世界が今よりは重視されていたような気がします。これまで統計化されにくかったナラティブ、物語的な(社会構成主義)心理療法は統計的検証が行われていくと次第にその効果の有益性が認められていくかもしれません。

心理職の世界は「あの人は良くなってよかったね」で終わることが多いのですが、なぜうまく行ったのか、どんなアプローチが有効だったのか説明することができればなお良いと思います。あまりそれを好まない謙虚な人も多いでしょうけれども、ある心理検査の科学性、例えばEMDRのようにエビデンスが確立しているものだけでなく、心理職の存在意義を説得力のある科学性で説明することができる人は能力があると見られるでしょう。

発展しつつある膨大な量の数理的データ処理、仮説検定、AI戦略は臨床心理学に対しても新たな側面を提供する可能性があり、そこに馴染んでいくことがこれからの心理職の能力として試される可能性があります。心理職という人種は有益だという認知が広がれば待遇もより良いものになる可能性があるということです。

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◯ 公認心理師・臨床心理士は「先生」なのか?

心理の仕事をしていると「先生」と呼ばれることがあります。患者さんにとっては、自分の話を専門家が聞いてくれる相手は「先生」なのでしょう。医療関係者で「先生」と呼ばれるのは、医師、心理士(師)、理学療法士、作業療法士、あんま針灸マッサージ師です。小さなクリニックだと院長の性格にもよるのですが、心理職を先生扱いする(からといって給料が高いとは限らない)医師もいれば、医師のみが先生なんだという態度で接してくる医師もいます。

医療現場だと心理職は精神保健福祉士や社会福祉司と同じぐらいの待遇のことが多いですが、精神保険福祉士は「先生」と呼ばれると「いいえ、違います」と言います。デイケア心理職は患者さんと同じ目線でないと難しいので心理職もさん付けでしょう。

ちなみに薬剤師は医療ヒエラルキーの上では第3位、医師>>歯科医師>>>>薬剤師ぐらい?の感じです。薬剤師は高い専門性と長時間労働に耐えて勉強を欠かさず、笑顔で接客?しています。新卒の若い人でもすごいなあと思います。

薬剤師は調剤薬局だと年収700万〜800万、理系で医学部と同科目で受験しているので医学部崩れの屈折した人も中にはいますが、憧れの薬剤師を最初から目指していた人は誇りを持って仕事をしています。薬剤師は勉強が欠かせませんし、患者さんにとってもそうでないと困る非常に専門性が高い仕事です。研究会、勉強会では薬剤師はお互いを「先生」と呼んでいます。

教育現場だと子どもにとっては大人は誰でも先生なので、給食のおばちゃんも用務員さんも「先生」で、実際そういった現業職の方が子どもの心をつかんでいることもあります。僕はスクールカウンセラーとして働き始めた時に「先生」と呼ばれてびっくりしました。

司法関係だと家裁調査官は庁内ではお互いにさん付け、少年保護者、家事当事者からもさん付けです。少年院経験者の少年や保護者は「先生」と呼ぶことが多いです。鑑別技官、法務教官を先生と呼んでいるからでしょうか。家裁調査官はお互いを「先生」と呼び合うことは決してありません。主任調査官まではさん付け、次席からは役職で呼びます。

裁判所は調停委員のみが堂々と「先生」の地位を獲得していて、
調停に調査官が立会すると調停委員から先生と呼ばれることはあります。

裁判所は法曹がスター、どんなに小さな裁判所支部の簡易裁判所裁判官(カンパン)でも赤じゅうたん、調査官は総合職といっても異質の人文科学職なので先生扱いをお互いにしたり、あるいはそういう現場を見られたら書記官、事務官から猛反発されます。裁判官は割と大らかな裁判官も多く「調査官の先生の試験観察を受けてね」と少年審判で言う場合も多いです。

また、保護観察官は保護司の「先生」たちを束ねているので、そういった意味では「スーパー先生」です。

福祉現場だと児童福祉司は相談にいろいろと乗ることが多いので児童保護者から先生と呼ばれます。社会養護施設でも先生、小さな施設だとさん付け、老人施設だとさん付け、就労支援施設も利用者さんとスタッフを大きく差別化したらお互いに気まずいでしょう。だから「さん」付けです。

これから公認心理師を目指す大学生、高校生のみなさんにはぜひ知っておいていただきたいところですが、精神科医の成田善弘先生が書いておられたように「先生がいるおかげで僕は生きていられます」と言われて鼻高々な思いをしたらとても危ないことです。

なぜならば「先生がいなくなったら死んでやる」という裏のメッセージを含んでいるからです。心理職の仕事では「今日は話を聞いてもらって全てすっかり良くなりました。助けていただいてありがとうございます」と言われることはまずありません。

そんな風に言えるような心にゆとりがある患者さんはいませんし、もしいたとしたらその人は初めからカウンセリングを必要としない、とても健康度が高い人かもしれません。

心理職は泊まり勤務がある看護師よりも給与は安いです。医療職ヒエラルキーの中で診療放射線技師と臨床検査技師と心理職のどちらの方が高い地位なのか聞かれても僕にはわかりません。

先生と呼ばれたいから心理職になる、これは違うような気がします。院卒なので努力してきたことはよくわかりますし、医学博士や教育学博士を持っていて大学で非常勤で教えている人もいますがそれはクライエントさんには関係ないことです。

心理職はきちんと人の話が聞けて、その人が得意としている流派で検査やカウンセリングができればそれで十分だと僕は思ってしまいます。

クライエントさんは自分のことで必死です。心理職のプライドにかかずらわっている心の余裕はありません。それが当然です。

僕なんぞはただの匿名ブロガーで、時たま読者の方から先生と言われると、とても違う気がします。実はアルバイトをクビになり毎日スーツで出勤している振りをして公園で泣きながらWikipediaと◯ちゃんねるで心理学の知識を調べながら毎日どうでもいいことを書き連ねている人です。だから花の写真が多く撮れるのです。と言ったら毎日読んでいただいている総読者12人の9割方の人、10.8人が「ああそうか、だからこいつはどうでもいい文章ばかりかいているんだな。もうやめよう。」「か可哀想だからまあ読んでやるか」と納得してくれるかもしれません。

毎日毎日クライエントさんの苦しい話を聞いて身を削りながら仕事をして、コメントやメッセージをいただくこともある心理職の方々に対して頭が下がる思いでいます。患者様にも高校生大学生さんも僕の拙い文章を読んでいただいていつも感謝しています。この場を借りてお礼をさせていただきます。

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◯ 「公認心理師取得見込可」の求人

結論:何も考えずに「見込」としている事業所の場合は条件をよく確認してから応募した方がいいと思います。

従来から「臨床心理士資格取得見込み可」の求人はあります。公認心理師制度発足までは、大学院によっては実習を院生のころから始めて「ま、資格取れるでしょ」と仮採用、実習に打ち込み過ぎて肝心の臨床心理士資格試験の勉強がおざなりになり不合格、それでも実習先の病院が「なかなか熱心だから来年資格を取ればいいから」という大らかな時代(今でもあるかもしれないので「場合」)がありました。

今ずらっと並んだ民間の求人情報を見ていたのですが「資格取得見込可」の求人が公認心理師、臨床心理士とも多いです。最新の臨床心理士試験はは合格発表が2019年12月下旬で2020年4月から正式に資格取得できるので、これは資格取得できたとわかります。

しかしながら「公認心理師資格取得見込」とは何を意味するのか、第2回公認心理師試験は2018年8.4に実施され、2019.9.13に発表になりました。登録待ちならば「資格取得見込」と胸を張って言えます。

しかしながらもし第3回公認心理師試験受験をこれから行い「資格取得見込」とするならば、前回46.4パーセント合格率だった試験で、本年度どの程度の合格率なのかわからないのに受験者を「資格取得見込」として募集している可能性もあります。

「新卒だからまあ試験には合格するだろう」ということで確かに第2回試験は58.8パーセントと6割近い合格率なのでそれはそこそこ通じそうなのですが、臨床心理士も合格率6割、果たして不合格かもしれないのに内定を出してしまっていいのか?

という問題が出て来ます。

これが医師、看護師だったらどうでしょう?実際、この2つの試験は9割程度の合格率ですし、絶対的に人手不足なので受験後内定を出すことはままあります。

ところが「医師見込」「看護師見込」では国試に不合格だった場合には注射1本打てません。

医師、看護師の場合、国試に落ちて来年また受験する経済的・時間的余裕がない場合や多浪して全く受かる見込みがなければ一般就職という道もあります。

実際、医学部、看護学部、看護学校卒業生でも全く違う仕事をしている人はいます。親の跡取りで実業家になったり、また、医学知識を生かして医療機器メーカーや製薬会社に就職する人もいます。

医療関連の会社はなかなかお給料もいいですし(企業によっては医師を超えるぐらい)MR(医薬情報提供者・営業)ならばかなり歩合がつく場合もあります。

語学が得意なら新薬や農薬を日本で発売するための許認可を受けるための翻訳業務(外注の翻訳者がいたり翻訳会社エージェントもあるので必ずしも自分で翻訳しなくてもよい)、和英、英和と活躍の場は多くあり、厚生労働省の認可がないと製品発売もできないので製薬会社は必死です。つまり高給が保証されています。治験エージェントの道もあります。

さて、心理職の場合はどうでしょうか?公務員は臨床心理士や公認心理師の資格を不要としている場合も多くあります。しかしもし公認心理師資格必須なら採用内定取消しになる可能性が高いというかとです。公認心理師資格取得見込、と書いてあり、新卒者だから資格はまあ運転免許のように誰でも取れるだろうと考えて募集をかけている事業体はおそらく何も考えていないのだと思います。

臨床心理士試験も7、8回連続で落ちる人もいて、多忙な公務員や施設職員は別にそれでも気にせずに試験を受け続けたり受けるのを止める場合もあります。

他資格からGルートに参入して来る人は公認心理師資格が取れなかったからといって元の職場を奪われるわけではありません(熱心に勉強している方には失礼ですが)。

困るのは現任者で心理職プロパーとして働いていて、チャンスを逃すと今後資格を取れなくなる場合や、表題のように新卒資格取得見込みで内定が取消しになる可能性がある場合です。現任者はある程度の年齢的なキャリアがあればそのまま臨床心理技術者として働ける可能性は高いです。

医学部、看護学部卒業など医療職を目指していた人は医学知識を生かし、不本意でしょうけれども関連した一般就職ができます。心理院卒者は研究生として大学院に残って再起を狙うもよし、比較的就職しやすい穴場の公務員になってからまた受験して、「見込」ではなく、堂々と公認心理師として就職してもいいと思うのです。

現在公認心理師の「見込」は過渡期にあります。臨床心理士に落ち続けた人にもいろんな理由があり、時間がない、または元々それほど心理職になりたいわけでもなく、勉強はしないで今度は地球物理学を専攻してみたりという彷徨える高等遊民のような人もいます。

国家資格というかとで加熱ブームになりつつある、しかも取得が非常に難しくなりつつある公認心理師を「見込」としてしまうのがいいのかどうかは過去臨床心理士を採用してきた事業所はある程度慣れているかもしれません。

非常に熱意を持ってこの試験にチャレンジ、リチャレンジしている真面目な方々を知っています。いろんな手段、ツールを選んで勉強したい方は、後悔を残さないため、ぜひそうしてみたらいいのではないかと思います。次回受験者(が何人なのかはわかりませんが)この試験は極端に言えば138点受験者が全員取れたなら、全員合格できる試験なのです。

過去臨床心理士になりたいがために学部編入から始めた先達も多く、本気ならば6年かける、それも長い人生を考えて本当にやりたい仕事ならありだと思います。

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◯ 公認心理師・心理職が本当に取るべきお役立ち資格とは?

以前衛生管理者が役立つのではないか(産業領域の人なら抜群にお役立ちです。)他にはお役立ち資格はないかな?と思って見ていたらふと目についた資格がありました。

それは「認知症ケア専門士」「認知症ケア准専門士」です。認知症ケア専門士は認知症介護施設の教育、就労経験、研究3年以上の人が受験資格があります。

2005年から始まった資格で、2018年までの受験者は認知症ケア専門士に限って言えば累計受験者10万3,098人、合格者5万3,452人と合格率51.8パーセントとなかなかの難関資格と言えます。

合格者内訳を見ると介護福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター、社会福祉士、作業療法士、理学療法士、精神保健福祉士etcが多く、医師の有資格者もいます。

一般社団法人認知症ケア学会が設立している資格です。認知症ケア専門士について老人福祉施設やリハビリテーション病院などで聞いたことがあり、有資格者が誇りを持って働いているということを聞いて、早速認知症ケア専門士認定事務局に電話取材を試みました。

僕:認知症ケア専門士という資格があり、ほかにさまざまな有資格者がこの資格を持って働いているようですが。
事:はい、主に介護の資格ですが、民間資格なので一般教養的なもので、取ったからといってすぐ何かに結びつくというものではないのですが。
僕:公認心理師とか心理職のブログを書いている者ですが、心理の仕事をしている人でこの資格を取得している人はいますか?
事:あまりいないのが実情ですね。でも学会の要職には心理の先生もいらっしゃいます。
僕:認知症ケアを行う施設には心理職も多く勤めていると思います。心理職が認知症の知識を深めるためにこの資格を取るのはいいことだ、と思いまして、ブログに書かせていただきたいのですが。
事:それはぜひお願いします。事務局のXと申します。

以下、事務局のホームページからの引用です。この試験に必要なのは
筆記試験では

認知症ケアの基礎
認知症ケアの実際I:総論
認知症ケアの実際II:各論
認知症ケアにおける社会資源

となります。試験はケアの理念、医学、心理、社会、関係法令と多岐にわたっていますので確かに相当な難易度を持つ試験だと思います。

さて、職場としての老人福祉施設・病院ですが、近年幼稚園、保育園に老人ホームが隣接していて子どもにも老人にもいい影響を与えるから、ということでなかなか明るい雰囲気です。

病院でも特別養護老人ホームでも、ヘルパー資格を取得したての元気な若者が生き生きと働いていて、重い物を動かす力持ちの男性は重宝されています。

老人施設で働く心理職は心理テストとして長谷川式知能検査HDS-RやMMSEは成年後見制度との絡みで必ず取れなければいけないのですが、認知症の程度を見てケアプランに役立てるためにCDT、ADAS、WAIS-Ⅳ、前頭側頭葉アセスメントバッテリー(FAB)、高齢者うつスケール(GDS)、脳波測定記録を読めることが採用条件となっている、大変ハードルが高そうな施設もあります。

アセスメントのほか、個人療法としての回想法、認知症の中核症状だけでなく、怒りっぽくなったり感情の障害が出てきたり、施設から離脱したがる認知症周辺症状BPSD Behavioral and Psychological Symptoms of Dementiaへの対処、集団デイケアや家族へのかかわりや研修会などやることは目白押しです。

最近明るい雰囲気の老人施設が増えて来たとは言え、通常の人よりもハンディのある人たちを預かる施設ですから職員は重労働で、介護、看護職員は交代で宿直勤務をしています。

また、施設内で亡くなられる入所者さんや患者さんが多いことも事実です。児童を扱う施設は虐待経験がある子どもたちを扱いつつ、宿直勤務をしながら重労働に直面している心理職が多くいます。

それでは老人施設、病院はどうかというと、認知機能が低下した老人であっても人間としての尊厳があることを忘れず、その人の人格を尊重しながらかかわりを持っていくという、大変やりがいのある仕事だと思います。

そこで僕の持論なのですが、厚生労働省も全く認めていないのに専門公認心理師やら専門◯◯公認心理師を作ろうとする日本公認心理師協会はおかしくないかい?

参考;
https://www.jacpp.or.jp/pdf/jacpp20190426.pdf
(日本公認心理師協会が 実施する生涯研修について (暫定版)2019/4/10
生涯研修委員会)

と思うのです。福祉公認心理師制度を作るとして、福祉といってもリハビリ分野、高次脳機能障害、認知症、児童、知的障害、発達障害、老人、児童、就労支援施設など一口に福祉といっても実に幅広い領域があります。せっかく心理職が各分野で働いているのですからひっかき回してごちゃ混ぜにするような上級資格は不要です。

むしろほかの資格を取得して自己研鑽、周囲からも一目置かれる知識を身につけて自らの専門性を高めることが足元固めになると思うのです。

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