カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 公認心理師

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◯ 公認心理師大卒実務経験ルートは超難関

公認心理師法第7条第2号では、大卒後2年間の実務経験を経ることで公認心理師受験が可能とされています。

これまでのところ認定施設は

1.法務省矯正局(採用年間100名程度)

法務省矯正局で毎年行っている矯正心理専門職(心理)は倍率2〜3倍程度ですが、近年では臨床心理士資格取得者が多く、決して簡単な試験ではありません。

また、国家公務員総合職(人間科学)は年間15人程度の採用です。

2.裁判所職員総合研修所及び家庭裁判所(採用年間60人程度)

これは家庭裁判所調査官補のための教育課程で、裁判所は総合職の調査官補のために全国から著名な心理学者、精神科医を招いて講義を行ったり、関係施設の見学(医療など)にも行くことができる大変養成にコストがかかる試験です。

倍率は8倍程度ですがかなり難易度が高く、旧帝大院試や臨床心理士試験よりはるかに難易度は高いです。

法務省も裁判所の総合職試験も学歴不問となっていますが、国立旧帝やその他国公立、私立でも早慶上智、GMARCH、KKDRレベル以上の受験生がしのぎを削って受験しています。

3.病院の実習施設

※ 一般財団法人愛成会 弘前愛成会病院

この病院の田崎院長は公認心理師大卒ルートの実習に大変意欲的な方です。

公認心理師カリキュラム検討委員会会員を経て、第38回心理臨床学会の公認心理師実習プログラムにもシンポジストとして参加されている、公認心理師養成に関して大変意識が高く理解ある先生です。

この愛成会病院の公認心理師養成実習は年間2名を採用しています。

公認心理師大卒ルート養成については、大学院ルートと同様のかなり細かい規定が定められています。

実習生に実習を行わせるほか、大学院レベルの教育、実習も行います。

働きながらの実習なので大卒実務経験ルートは3年間を基本年限と厚生労働省では考えています。

また、実務ルートなので、この間に実習生にきちんとした労働条件の下、給与や賞与を支給して休暇も与えながら実習を行わなければならないので実習生は労働者としての側面も持ちます。

これらの条件を全てクリアすることは実習施設にとってはかなりハードルが高いものになります。

愛成会弘前病院の実習生2名、さっぽろ駅前クリニックの募集は2020年度に4名、メンタルクリニックダダは2019度4名、2020年度5名です。

賃金を払いながらこれだけの実習を含む教育を行うということは施設にとっては並大抵のことではありません。

病院、クリニックは単に施設内実習をするというだけでなく、グループホーム、作業所や幼保施設、老人施設やデイケアなどサテライト機能がないとこれだけの実習を行わせるキャパシティはないでしょう。

施設側にとってメリットは?

というと金銭的なものよりも高い理念が必要になります。

それでも大卒ルートを担保するための試みは非常に貴重なものなので実習施設側には頑張って欲しいものです。

4.総論

大卒後実務経験を積めば簡単に公認心理師になれますよ?という大学や専門学校は軽々しい謳い文句の割には無策です。

これだけの少数の実習を獲得できる難関をそう簡単にはくぐり抜けられるようには思えません。

受験生の方々はよく考えてから進路を決めて欲しいものです。

心理職国家資格論議の中で臨床心理士(院卒)と医療心理師(大卒)2ルートの資格が過去、提唱されたことがありましたが、実習施設側に高い要件を厚生労働省はもうけました。

医療心理師案の際には医師団体が「国家資格を持つ心理職は大卒で十分」と考えていたのが皮肉にも大卒者区分B(2024年度誕生)あるいは区分Fは受験者に非常に高いハードルが課せられることによって高度な専門性が担保されることになりました。

ここ5年間の現任者Gルートが公認心理師施行令5条に定められている施設勤務経験があれば受験OKということで玉石混交、心理職採用側が公認心理師の採用に躊躇しているということを以前記事にしました。

これから(これまで合格した人たちも)どんどん実力を発揮して公認心理師の専門性の高さを現場示していくことが期待されます。

Gルート合格者で心理職プロパーでなかった方々が公認心理師資格をどう活用していくかも今後の課題ですし、その実情も今後の資格のあり方の見直しに大いに影響があるでしょう。





まあ回答は得られないだろうと思いつつ聞いてみました。

Q「第2回公認心理師試験の出題数、配点は教えてもらえますか?」

A「事前に公表していません」

Q「試験時間だけですかね」

A「そうです」

※ 第1回目試験が9月9日実施、11月30日発表、北海道追試は12月16日実施、1月31日発表でした。

そして第2回試験は8月4日実施、9月13日発表とどんどん発表までの速度が早まっています。

これは昨日書いた記事のように昨年どおり配点は「総得点 230 点に対し、得点 138 点以上の者(総得点の 60%程度を基準とし、問
題の難易度で補正した。配点は一般問題が1問1点、事例問題が1問3点である。) 」がかっちりと固まっているからかなあと思ったのは僕の邪推でしょうか。

第1回目試験の際には何人合格者が出たかで一般問題と事例問題との得点を補正しました。

僕にとって意外なことは、まだ公認心理師未登録者が4000人いるということです。

姓が変わるまで待つという例もあるでしょうけれども急いで登録する必要性がない人たちがこれだけいることを示していると思います。

ひょっとすると、ですが未登録者のうちかなりの人数が未登録のままに終わると考えてその分を第2回目試験人数に上乗せするような問題内容になるか?

と思いつつ、北海道追試レベルを堅持していくかもしれないことを考えると予断はできないなと思いました。

やがてこの試験の方法がかっちりと定まってくればこの辺りも例年通りとして公表されることになると思います。

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公認心理師試験・配点比率の謎

今さらながらという気がするのですが公認心理師試験第1回目で

総得点 230 点に対し、得点 138 点以上の者(総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正した。配点は一般問題が1問1点、事例問題が1問3点である。)」pdf

という記述があります。

いろんな読み方ができるのですが、官側で公認心理師の一定数を必要とした、合格率を高めるために事例問題の配点を高くした。

と読めます。

つまり第1回目公認心理師試験では一定数以上の合格率を高めなければならない、公認心理師数を確保しなければならないということから「難易度で補正した」と読み取れます。

僕が以前第1回目試験について合格発表前に得た情報で「合格のための正答率は6割と決まっているわけではない

ということを載せました。

公認心理師カリキュラム検討委員会報告書pdfのp30では

「3.合格基準
全体の正答率は 60%程度以上を基準とする。基本的能力を主題とする問題の正答率は、試験の実施状況を踏まえ、将来的に基準となる正答率を定める。」

第1回目試験では「何も決まっていないし公認心理師カリキュラム検討委員会の答申結果はあくまで答申結果」と言われる中で正答率60パーセントのみの合格は堅持されました。

そして 基本的能力を主題とする問題の正答率は、試験の実施状況を踏まえ、将来的に基準となる正答率を定めるとあるこの日本語らしからぬ文言をどのように解釈するかがポイントです。

公的見解としては「何も定まっていない」ということに尽きるのでしょうけれども、基本的能力を主題とする問題の正答率はある一定程度の正答率でないと合格させないという文言に読み取れます。

つまり、第1回目の傾斜配分は元より想定されていたことで、その中で基本的能力を主題とする問題、つまり基礎知識問題の正答率が一定よりも低ければ全体の正答率が60パーセントに達していたとしても将来的には不合格とする、という意味にも読めます。

したがって第2回試験では第1回目試験と同様な基準で、問題の難易度だけを第1回目→追試分としたようにハードルを上げてくるのか、新たな基準をもうけたり、基礎問題とケース問題配点を変えてくることも考えられます。

第1回目公認心理師試験受験者の方々は受験時に「何の資格を持っていますか?」というアンケートがあったのをご存知でしょう。

そして現段階で公認心理師合格者2万8千人のうち未登録者が4千人いるとのことです。

ペーパー公認心理師も多いということです。

実は解き方のコツを覚えてしまえば基礎問題、ケース問題ともに難しくはなく、第1回目試験と北海道追試の差はなかったのですが(正答選択のコツ)、官側ではまだまだ公認心理師の全体数を必要としているように感じています。

ペーパー公認心理師は多いですし、国家資格創設化の中で実習を行う側と施設の双方で公認心理師はまだ足りないでしょう。

一昔前臨床バブルでどんどん臨床心理養成大学と教員を算出したのとはもう時代が違います。

他職種から公認心理師を受け入れることもありますが、実際に働いてくれる心理職としての公認心理師を求めています。

結論として、第1回目北海道追試レベルの問題が出てくるでしょう。

無茶苦茶難しいわけでもなく簡単すぎもしないという試験です。

合格率はさまざまな事情を勘案して「第2回公認心理師試験受験者総数・合格率予想 改訂版) 」にも書いたのですが、6割程度、あるいは5割を超える程度というのが僕の見解です。

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◯ 心理臨床学会翌日職務復帰、臨床心理士、公認心理師について思うこと

さて、僕は昨日学会から帰宅、ちみちゃんにろくにあいさつもせず手料理を久しぶりに食べて倒れるように寝ました。

今日から仕事が始まりました。

ホントは今日休みを取りたかったのですが、学会参加の間会えなかったクライエントさんとの面接が目白押し、明日は午前中メンタルヘルス講師と会議、準備しておかないと、ということで出動です。

これから資料作りをするという泥縄式デスマーチに入り込みそうなのはいつものことですが困っています。

机の上にほかの仕事が山のように仕事がたまっています。

研究発表の準備が何もできていないのを思い出します。

休憩しながら学会でもらってきた出版社のカタログを見てピックアップ、別の学会から学会誌が来ていたので目を通します。

こうやって現場に戻ってくると忙しくてもホッとします。

心理職は日々の仕事をコツコツと地道にやるしかない、公認心理師でも臨床心理士でもそれは同じことでしょう。

なかなか良くならないと言いながら毎回くるクライエントさんも多くいます。

カウンセリングの何をもってアトラクティブ、魅力的と思わせているのでしょうか。

誰にも話せない空間をここでだけ保障していることは大切なのでしょう。

前回会った時よりも悪くなったという人とも多く会います。

そこはコンプリメント(賞賛)をして「よくそんな中でも頑張ってきましたね、生き延びて来られましたね」という人もいます。

セオリー通りに進まないのが心理療法ですし、そこが醍醐味でもあります。

学会参加をしていると僕の知らない学派、流派や他領域の心理職の人たちの発表が多いです。

そういうところに参加するのもいつも馴染んでいる人たちの発表に参加するのもどちらも意義があります。

あまりにも心理臨床の世界は広くて深く、多分僕があと3回ぐらい人生を繰り返してもその片鱗にしか触れることはできないでしょう。

いつもそう思うのですが、学会に参加して思うのは他学派の人々も心理療法を行う上で最大限クライエントさんの人格を尊重しているということです。

他学派、流派、職域職種の人々の立場を尊重できることは、クライエントさんの人権、人格、多様性を尊敬することにもつながると思います。

そして今回の学会は新制度公認心理師が誕生してから初めての学会でした。

公認心理師とは何か、その職責と社会からの期待は何か、今後公認心理師を養成していく上でのさまざまな課題やそれに対する養成側の高い意識が必要でしょう。

臨床心理士の理念、倫理、公認心理師のそれらを改めて考えることは「自分とは何者か?なぜ自分はここでカウンセリングという行為をしているのか?」という根源的な疑問や心理職の存在意義にもつながります。

まだまだこれから僕も学び続けなければなりません。

目前の仕事をしながら、クライエントさんから何を求められているのか、そのために何ができるのか考えます。

そして自分は何者なのかと自己のアイデンティティを探り、自問自答しながら仕事を続けていくことになるでしょう。

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日本心理臨床学会の後にこころJOBさんと公認心理師談義

こころJOBさん(メディカ出版)の中の人となんだか意気投合した勢いで約1時間半ほどお話する機会がありました。

中の人はこの公認心理師制度の行く先にかなり注視していて、前のめりに進んでいく熱意を感じさせる人でした。

中の人と話してみて僕が感じたのはこの制度全般と今後について考えるためにかなりの量の勉強をしていて、関心が薄い心理職よりもはるかに制度や心理職の生き様にも詳しくてサクサク話ができました。

こころJOBさんは公認心理師の今後の活躍の場について真剣に考えていて、人材紹介のサービスを進めています。「今後も求人情報があればどんどん載せますよ」という利用者(公認心理師や、これから公認心理師を目指す学生さんなど)中心の観点です。

こころJOBのWEBサイトでは公認心理師の職場や仕事内容について取材して掲載されているのですが、これからも公認心理師の活躍の舞台を紹介したいので、現職の公認心理師の方で職場のことをぜひ知ってもらいたいという方に、どんどん応募して欲しいとのことでした。

僕の感想ではきちんと閲覧者のことを考えてよくできているサイトだと思います。

情報があれば随時更新していくのでよろしくとのことでした。

※ こころJOBさんから一銭ももらっていないのですが、中の人の熱意に圧倒されて記事にしてみました。

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