カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 精神医学

※ ちみちゃんが自分の誕生日に自分で買ったお花
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◯ メンタルクリニック・病院選びのコツ

1.はじめに

精神科はほかの科よりも医師と患者さんとの相性が治療にダイレクトに影響します。

また、病院選びの際に大事なことですが、精神科医療も他の医療機関同様細分化している場合が多く、どの疾患ならどの医療機関にかかると効果的だというそれぞれの医療機関の売り物があります。

依存症、強迫性障害、PTSDに特化した医療機関はその疾患の治療が得意だということを売り物にしています。

なので「大阪のA病院では強迫性障害にすごく効き目がある治療やってるみたいだよー」という噂が患者さんたちの間で広まると東京−大阪間ぐらいまで通院する患者さんは多いです。

また、10年来診てもらっている馴染みの主治医に続けて診察してもらうため、引っ越しをした患者さんが関西から東京まで通院するというようなこともよく聞く話です。

つまりそれだけ精神科医療はコストをかけてでも治療を受ける価値があると患者さんがみなしているということになります。

2.ドクターショッピングは悪いことか?

さて、それではどこの医療機関がいいのか、ネットで調べても口コミは悪い噂は掲載できないので患者さんの本音はわかりません。

なので飛び込みで医療機関を探すと運が悪ければ最高に相性が悪いところに当たることもあります。

相性がいい先生や医療スタッフを探して7、8カ所の医療機関を探して転々とするという患者さんは実はザラにいます。

ドクターショッピングというと悪い響きになってしまうのですが、患者さんは切実な思いで医療機関を探しているのです。

なので僕はそういった患者さんや家族の行動を一概に否定することはできません。

3.情報源を探すコツ

どこの医療機関が自分には合っているか?

都道府県精神保健福祉センターや保健所は医療機関の名前を教えてくれますが、公務員という仕事をしている立場上、知っていてもどこがいい、悪いということは建前上言えません。

ところが保健所の精神保健福祉相談員さんや市区町村役場の精神保健福祉士さんに顔を合わせて「実は」と話すと親切に教えてくれることがあります。

もし患者さん仲間がいていい医療機関を教えてくれればそれはラッキーなことです。

4.よい病院だと思っても・・・

お医者さんの人柄がとても良くて、にこにこしていて話も長時間聞いてくれる、でも具合は良くならない。

ということがあります。

そういった医療機関に通院している患者さんの話を聞くと、とてつもない量の投薬を受けていることがあります。

昔ながらの投薬センスを持っている医師は昔の教科書に書かれているような対応で、Aという抗精神病薬を出して副作用でアカシジア(足がむずむず、突っ張るような感じで冷や汗が出る)、ジスキネジア(不随意運動、口がもごもごするなど)が出たらアキネトンなどの抗パーキンソン剤で副作用止めをします。

最近の教科書でも抗パーキンソン剤を使って副作用を制止するように書いてあるものもありますが、「薬に薬を重ねる処方はいけない」と最新の教科書には書いてあります。

A薬の副作用止めにB薬を出してさらにその副作用止めにC薬を出すような処方をされている患者さんもいます。

また、抗精神病薬の力価、CP換算値というものがありますが(検索するとCP換算値計算サイトが出てきます)、その値が500以上、600から800、1000を超えるようになると過鎮静といって全く起き上がることもできなくなり、一日中寝たきりになる人も多いです。

抗精神病薬を何種類も出されていないか?自分の飲む薬を医師任せにしないで自分で調べる、疑問点があれば医師に聞いてみることをお勧めします。

患者さんは自分の病気に出されている薬については
医師と対等に話せるぐらい調べるといいと思います

抗精神病薬は単剤処方が原則です。

複数の抗精神病薬が出ている場合にはその理由を医師に聞いてみましょう。

減薬、少ない薬で治療しようとする医師は一般的にはいい医師と言えます。

必ず減薬処方の医師は名医なのかというと、必要な薬までどんどん抜いてしまうとまずいです。

例えば双極性障害の人は維持療法として症状再燃予防のため、ムードスタビライザーや抗精神病薬を投与されていることが多いのですが、その必要な薬まで抜くと一気に躁転することがあります。

統合失調症と他院で診断されていて抗精神病薬で過鎮静(ちなみに過鎮静は薬物による人工的ロボトミーとも言われています)にされていても実は発達障害で、少量の薬と漢方で十分な場合もあります。

しかし本当に抗精神病薬が必要な統合失調症の人の薬を抜いてしまうと入院するまでに症状が悪化しかねません。

病院の噂の真偽をきちんと正確に調べて聞けるといいのになあと思います。

5.精神科医療に求めるべきニーズ

精神科医で長く話を聞いてくれる精神療法をする医師は稀有です。

良心的で少なくとも10分以上話を聞こうとする医師は1日で100人近い患者を診てヘトヘトですが、精神科医は基本的に精神生物学、精神薬理学の専門家です。

熱心に論文を書いている医師はそういった生物学的分野の研究をしている医師が多いです。

精神科医にカウンセラー役を求めるのは困難なことです。

夫婦関係の問題をどうやって解決したらいいか、学校、友人、仕事のストレスをどう解消したらいいか、お金持ちになりたいけどどうしたらいいか、医師に聞いてもそのための根本的解決をする薬はありません。

ただ、どうにもイライラする、うつになっているということは投薬治療の対象になるでしょう。

臨床心理学も勉強して臨床心理士、公認心理師を取得する医師は少なくとも精神療法が必要と考えている医師ですので頼りになりそうです。

だから必ず精神療法を上手に行ってくれるかどうかは、時間があるからその医師がカウンセリングを上手に行えるかによります。

心理職もカウンセリングを上手に行えない人も残念ながらいるので、それは同じことです。

6.心理職がいる医療機関を探す場合

心理職が勤務している医療機関だからといって必ずカウンセリングが受けられるわけではありません。

医師がカウンセリングの必要性を決めることが多いですのでカウンセリングを受ける優先順位が低いと思われるとカウンセリングが受けられない場合があります。

医師の当たり外れを上で書いていますが、心理職の当たり外れ、相性の合う合わないは大きな問題です。

無理に相性の合わないと思えるカウンセラーのカウンセリングを受ける必要は全くありません。

カウンセリングを受けたいと思えばそれ自体がニーズなので、別機関を探しても受けたいものです。

なるべく保険適用が効く範囲でカウンセリングを受けたいですね。

ただ、自営や有料のカウンセリングで流行っているところは、高額でもそれだけのお金を払ってカウンセリングを受けている価値はあるでしょう。

懐具合と相談して受けてみてもいいと思います。

また、無資格の心理カウンセラーでも腕がいい人がいるのも事実です。

7.その他

※ いい精神科医がいるのにカウンセラーがいなくて困っている場合

投薬センスがいい、人当たりがいい、短時間でもきちんと丁寧に対応してくれる名医のところには続けて通いたいものです。

でもカウンセラーとの相性が合わない、カウンセラーがいない、そういった場合には素直に医師に相談してみましょう。

医師がわからないと言うなら日本臨床心理士会で「臨床心理士に出会うには」というホームページがあります。

ですが臨床心理士の腕前を保証しているわけではなく、あくまで臨床心理士がいる相談機関を紹介しているだけです。

狙い目は大学のカウンセリングセンターです。

大学院生の教育のために門戸を一般人に開放している場合もあるので比較的安価でカウンセリングを受けられます。

ただし若い院生がカウンセリングを担当することもあり得ます。

それでも教授が院生のスーパーヴィジョン、指導をしているので質はある程度保証されたカウンセリングが受けられる可能性があります。

若すぎて経験不足というデメリットもありますし、慣れていないからこそ真剣勝負でカウンセリングをする優秀な人もいます。

8.まとめ

医療機関選択はとても難しいことです。

自分に合った医療機関を探すことが大切です。

心理カウンセリングを受ける際、カウンセラーとの相性は大切ですが医師の投薬内容を含めた病院全体のクオリティを考えて選んでみてください。

※ 臨床心理士の方々へ

僕のブログを通じて萩野谷博士の司法面接トレーニングに参加してくださった人が何人かいるようです。

ご協力大変ありがとうございます。

萩野谷先生も大変助かったと話しており、みなさまのご協力に感謝しています。

多くの臨床心理士の被験者を引き続き募集していますので今後ともよろしくお願いします。

再度アナウンスを繰り返しておきます。

追記:先日案内させていただきましたが、萩野谷俊平博士が司法面接トレーニング実験被験者をサンプル数収集のため、募集しています。臨床心理士の方は報酬付きで司法面接を詳細に学ぶことができます。興味のある方は是非萩野谷先生にご連絡してみてください。
実験参加者募集案内pdf(クリックすると案内が開きます)

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◯ How to 初めての精神科・心療内科へのかかり方

このブログを読んでくださっている方々には心理学に興味を持ちながら自分のメンタルヘルス状態を気にしていて「いつか精神科or心療内科にかからなくちゃ、でも敷居が高い、どうしよう?」

と悩んでいる人がいるかもしれません。

また、医療職場で働いていない心理職の方々はどうやってクライエントさんを病院、クリニックにスムーズにつなげるか、クライエントさんの心的抵抗があるので難しいこともありますのでご参考までに記してみます。

そこで「初めてのメンタルクリニック」当ブログ版を書いてみます。

1.事前に予約する

これはかなり大切です。

大抵のクリニック、病院は初診予約制です。

混んでいるからです。

受付で「来た」「当院は予約制なので」というやり取りを聞くことがあるのですが、主治医はとても忙しい中初診患者さんには時間をある程度かけて診察するようにしているので予約がないと診察を受けられない病院がほとんどです。

まず電話して予約しましょう

2.何を話したいか事前にメモをしておく

「困っていること」

初診の患者さんはふと自分について考えてみると困っていることだらけです。

気持ちが落ち込む、会社や学校に行けない、家族ともうまくいっていない、死にたい、眠れない、食欲がない。

なので何を診てもらいたいのか事前にメモ書きをしておくと便利です。

メモ書きをしておくと、それをお医者さんに見せなくても頭のなかが整理されて話しやすくなります。

ソワソワして頭の中でいろんな考えが競い合ってる、変な声が聞こえているなどの症状はご本人も困っているでしょうからきちんと話しましょう。

3.体のことも話す

お医者さんはメンタルを診るだけでなく心身全体の管理をします。

身体を虫がはいずっているような感じがして困っている、動悸がひどい、疲れやすいなどは診察を受ける時話すべき大事なポイントです。

女の人なら生理前後に精神症状が大きく変化する場合もあるのでそれも話しましょう。

4.お医者さんと話す前の事前の面接

ここで臨床心理士、公認心理師が親身そうに初診診察前に「どんなことが大変ですか?」と15分〜1時間ぐらい時間をかけて話を聞いてくれることがあります。

ただし、これはインテーク(初回、振り分けのための面接)なので、聞くポイントが決まっていて、ここで悩みを解決してもらおうとしてもなかなか難しいでしょう。

話を聞く人が心理専門のカウンセラーではなく、心身全体を観察するために看護師さんや、あるいはただの事務員さんが聞く場合もあります。

「この人、対応が変?」と思ってもその人はカウンセラーかどうかわかりません。

カウンセラーでも変な対応をする人はいるのですが、診察を受けるための通過儀礼と思ってまずはガマンしておきましょう。

5.心理テスト

簡単な筆記式の心理テストがあることもあります。

テストを渡されて内容が不愉快で答えたくないと思ったら素直に断ってください。

6.診察

精神科には患者さんとの初診の相性はどうしてもあります。

お医者さんが若過ぎて信用できない、親切さが感じられない、いきなり説教されてムカついたらそこの病院に見切りをつけてお薬だけもらって次の病院を探すという決断も大切です。

7.薬

精神科で出す薬は「これ、多分症状に効きそうだけどとりあえず処方してみっか」というアバウトなノリで出てきます。

なので初回から薬がぴったり患者さんにフィットするのは3割未満と思っておいていいでしょう。

名医でもそうなので、薬は毎回調整して3〜4回目の診察までにその時の症状に合う薬を探していくようになります。

なので薬が初回で合わないからと見切りをつけるのは早計です。

また、薬が合わないからと次回診察までに自己判断で薬を抜くと医師が判断できなくなって次回診察に支障が出る場合もあります。

まずは病院に電話して「薬を飲むと動けない、起きられない」など薬で困った際にはどうしたらいいのか聞いてみましょう。

8.心理カウンセラーを利用する

あなたが病院以外のところから初めてクリニックにかかる場合、心理の先生が「心理情報提供書」などの紹介状を書いてくれる場合があります。

あなたの悩みをコンパクトにA4一枚ぐらいにまとめて書いてくれますので、相談しながら文章を作ってもらいましょう。

気に入らないことが書かれていたら何回でも訂正してもらいます。

書いて欲しいことが書かれていなければそれもリクエストしましょう。

本当は病院に行きたくないのに無理やり病院にかかる羽目に陥っているのなら、その不満の気持ちも紹介状の中に書いてもらいましょう。

9.心理の方へ

初診でカウンセリングから医療機関に行く患者さんはもれなく緊張しています。

医療機関を紹介する場合には数多く候補を提示してクライエントさんにどこがいいか選んでもらいます。

紹介状は患者情報提供書、診療情報提供書というタイトルは医師から医師の紹介の場合にしか使えないので、心理面接情報提供書、としておくぐらいがいいと思います。

書き出しは「拝啓 ◯◯病院甲山乙男先生には日ごろから御高診いただきまして誠にありがとうございます。さて、初診患者なになにさんを紹介いたしますのでどうぞよろしくお願い致します。敬具」

などと書きます。

盛り込む内容は希死念慮、睡眠、抑うつ状態、幻覚妄想、主訴、薬物アレルギー、既往、家族歴、生育歴、現在の適応状態などです。心理カウンセラーの印象を一言添えてもいいでしょう。

非医療機関勤務の心理の人はこういった書式には慣れていないことが多いのですが、ついでに封筒の宛名書きや本文に御侍史、御机下をどうやって使い分けて書くかをネットなどで調べておくと後々の勉強になります。

職場や学校の上司、先生が心配して病院について行ってくれたらクライエントさんはとても心強いことも多いでしょう。

しかしそういった人々は法的には何の権限もありません。

仲があまり良くなくても家族に同行してもらいましょう。(虐待が認められる場合は注意が必要です。)

少なくとも来てもらえるよう連絡しておきましょう。

家族との連携は大切です。

守秘義務との兼ね合いがありますが、家族との連携は職場の上司や学校の先生からしてもらう方が望ましいのでクライエントさんの了解を取ります。

心理が何でもかんでも引き受けようとしても、心理職の権限は限られているので無責任な結果になりやすいです。

心理職がクライエントさんの初診に同行する場合もあり得ますが、それはいいことなのかどうなのか組織内での心理職の立場をよく考えて吟味してから結論を出す方がいいと思います。

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◯ 精神薬理学と公認心理師試験

精神薬理学は公認心理師試験に割と数多く出ていましたし、薬理学そのもののの知識がなくても「薬で治療しないとダメですよ」という選択肢が正解、と精神科医師の治療領域、知識に踏み込まないと回答できない問題が多かったような気がします。

出題委員に医師が多ければ多いほど医学知識問題が出るような気もします。

大脳生理学はリハビリテーション分野の心理職なら知識が必要なのはわかりますが、教育福祉産業司法領域の人の多くは「関係ないじゃん」と思うかもしれませんが、試験は試験です。

それを言ったらきりがないです。

さて、精神薬理学は平成30年1月31日に厚労省と文科省から出ている「公認心理師法第 42 条第2項に係る主治の医師の指示に関する運用基準について」p4

5.その他留意すべき事項
(1) 公認心理師は、主治の医師からの指示の有無にかかわらず、診療及び服薬指導をすることはできない。

とあるので、医療機関にいる心理師が

患者さん「私、診察では薬飲んでるって言ったけど薬でマインドコントロールされるのヤダから全部捨てて一回も飲んでません。お医者さんには内緒にしてね はーと」

と言われたら

心理「さぞそれは迷われたでしょう、大変ですね」と流すことはできないですし、服薬指導もできないのでもう一度診察室に患者さんを戻して服薬コンプライアンスは医師が指導することになります。

他機関に勤めている心理職のところでクライエントさんがそう言ったら「あなたが通院している主治医にチクります」と運用基準上は言わなければならないわけです。

黙って主治医に言いつけて知らんぷりをしていてもいいですが、バレたらクライエントさんとの信頼関係はズタズタです。

さて、機関によりますが、医療現場以外では結構これまで医師との関係はかなり自由にやらせてもらっていました。

主治医が遠くの病院にいて診察中で捕まらない、クライエントは僕の面接が終わったら長期出張、病院にも行かない薬も飲まない患者さん、医師の指示を求めている時間がなければ「治す気ないの?」と厳しく言うときもたまにありました。(メッセージは「病院行ってね」)

「飲んだら気持ち悪くなるから薬抜いちゃいました」と言われるとクライエントさんに「自分で判断しないで病院に電話するかすぐ診察受けてね」と言っています。

1.医師と薬について話すとお役立ち情報が拾える

医療機関勤務なら「この患者さんはどういう治療方針で投薬してるんですか?」と聞くと優しい医師は丁寧に教えてくれるかもしれませんが丸投げ的な質問はどうかと思います。

僕はドクターと話すとき薬のことをよく聞きます。

なぜかというと、投薬内容から医師の診断と治療方針が見えてくるからです。

僕「先生、ラモトリギン200mg/day出てますけどこの患者さんって双極性障害なんですか?パーソナリティ障害と思ってました。」

医師「あ、ラモトリギンは情緒安定させるためね、双極性障害だけに使うんじゃないよ」

僕「エビリファイ前の病院で出てましたけどバルネチールになってますね」

医師「エビリファイはセロトニン受容体にも働くからこの患者さん元気出すぎて躁転するかもしれないなあ」

などポイントを絞って薬のことを聞くとなかなかいい情報が取れます。

心理は患者さんには薬の話はしませんが、臨床像を理解してカウンセリング方針を立てるのには役立ちます。

2.副作用情報

「副作用がない薬には作用はない」ので、副作用が起きていてそれを医師が知っているかいないか、まず患者さんが話す「副作用」が病状によるものなのかひょっとしたら重篤な副作用の前駆症状なのか聞いてみて医師に報告することは心理の仕事のうちと思います。

これからも錐体外路症状、アカシジア(足のつっぱり)ジスキネジア(口唇などの不随意運動)抗コリン作用(口渇感、便秘)抗プロラクチン血症(乳汁、性的障害)賦活症候群(希死念慮)などなど公認心理師試験対策では必修と思います。

高血糖や代謝障害、傾眠もよくある副作用で糖尿病禁忌薬も多いです。

ベンアゼピン系の精神安定剤だと例えばデパス(エチゾラム)のように依存性が高い薬剤もあり、各病院を転々としてあっちでデパス、こっちでデパスと処方してもらっている通称デパ中の患者さんもいます。

ということでデパスは2016年、ほかの強い向精神薬と同様麻薬と並ぶ扱いになりました。

病院のデイケアの喫煙室で

ヒロシ「俺、デパス飲み過ぎて足りなくなっちゃうんだよね」

はるな「あ、私デパスたまってるから分けてあげる」

ヒロシ「悪いね、じゃ、缶コーヒーおごる」

はるな「ガチガチプリンとやわらかポテチも食べたい」

ヒロシ「しょうがねえなあ」

※ この場合はるなは営利目的の麻薬及び向精神薬取締法違反譲渡で5年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。

ベンアゼピン系薬剤はその多くが依存を生じさせます。

依存性を生じている、そういう患者さんの話を聞いたらきちんと医師には伝えないとならないでしょう。

適正使用せずに過服薬(OD)するとどんな薬にどんな危険性があるのかということはネットの世界なので記しませんが受験生の方々は知っておくと実務的にも役立つと思います。

3.薬物情報

試験にも出るかもしれませんし、出ないかもしれません。医療機関でなくても心理職は向精神薬は知っておいた方がいいことは多くあります。

統合失調症と躁病に効く薬は多く共通しています。

もともと躁病も統合失調症も近縁の疾患だとDSM-5でも規定されるようになっています。

家族内に統合失調症と双極性障害患者さんがいる場合もあります。

◯ 非定型精神病薬(セロトニン受容体とドーパミンを遮断するSDAが多いです。多元受容体として脳のあちこちに働きかけるMARTAも多いのが特徴です。)

非定型精神病薬は定型精神病薬よりも副作用が少ないです。

・オランザピン(商品名ジプレキサ)
統合失調症、抗躁薬、脳内興奮作用物質ドーパミンを抑えます。
太るので嫌がる患者さんも多いのですが

・クエチアピン(商品名セロクエル)

統合失調症薬です。

BSPD(認知症周辺症状)や躁病に使用。

うつ病やパーソナリティ障害の気分安定化にも使用されます。

クエチアピン徐放剤(腸内で穏やかにだんだん溶けていく)はビプレッソと言います。

・アセナピン(商品名シクレスト)

2016年日本発売が認可された比較的新薬です。

舌下錠で比較的早く効き目があるのが特徴です。

・リスペリドン(リスパダール)統合失調症薬、鎮静剤の役割もあり、認知症患者さんに使われることあり、また注射で比較的長期間薬効が現れることもあります。

頓服の液体もあります。

・アリピプラゾール(エビリファイ)

統合失調症薬、舌下錠もあれば錠剤もあり、躁病への保険適用が認められています。

パーシャルアゴニストと言われる種類の薬です。

統合失調症のドーパミン過剰放出には効き目があります。

脳内で異変がないときはじっと何の働きもしない優れた薬と言われています。

※ ここでいったん注記しておきますが、統合失調症薬が出ているからといって統合失調症というわけではありません。

発達障害やパーソナリティ障害、PTSDの人の情緒安定にも処方されます。

・クロザピン

難治性、薬が効きにくい統合失調症に使われますが無顆粒血症という重篤な副作用があるので定期的な血液検査が欠かせません。

結構そういう意味では面倒かもしれません。

◯ その他の精神病薬

ゾテピン(商品名ロドピン抗躁剤)は日本で開発された日本だけの非定型精神病薬、パリペリドン(商品名インヴェガ)、ルーラン(商品名ペロスピロン)ブロナンセリン(商品名ロナセン)ピモジド(商品名オーラップ、セネストパチー、身体を虫が這うなど異常感覚に使うことあり)
バルネチール、ハロペリドール(セレネース、ケセラン、チック症を抑える)、クロルプロマジン(コントミン)、ペルフェナジン(PZC)、レボルプロマジン(レボトミン、ヒルナミン)などなどがあります。

どの非定型、定型精神病薬にも力価という作用の強さがあり、クロルプロマジンに力価を換算したCP換算値があり、この数式に当てはめて相当量を超えていると患者さんは過鎮静になって動けなくなることがあります。

患者さんが「もっと薬ください」と言うのに唯々諾々としたがって投与していると副作用、失禁などがおこるので医師は注意しています。

抗精神病薬はある程度以上の力価が出ているのに一気に抜くと横紋筋融解(筋肉壊死、腎不全)という、場合によっては命の危険がある副作用が出ることがあるので服薬量と体質を勘案し、断薬減薬は1年ぐらいかけて徐々に行うことがあります。

もちろんCP換算値だけで抗精神病薬を見ることはできず、それぞれの薬の作用機序がありますし交互作用(飲み合わせ)も見なければいけません。

◯ 抗うつ剤

SSRI、SNRI投与でいきなり希死念慮を抱く、情緒不安定になって境界性パーソナリティ障害と思われる、という副作用が出ることがあります。

慎重投与対象/双極性障害、統合失調症、情緒不安定、若年者(若年者には一時投与禁止にしていたこともあります)

セロトニン症候群、悪性症候群は昏迷状態に陥ることもあります。

抗うつ剤は三環系抗うつ剤でも脳内セロトニン量が増えてストレス低下、うつに効果を認めます。

・三環系抗うつ剤(TCA)

アミトリプチン(商品名トリプタノール)、インプラミン(商品名イミドール、トフラニール )、クロミプラミン(商品名アナフラニール、点滴薬あり)、ノリトリプチリン(商品名ノリトレン)

※ アナフラニール、トフラニール 、トリプタノールは夜尿の薬として処方されることがあります。

三環系抗うつ剤は副作用がSSRIやSNRIと比べて強目です。

三環系抗うつ剤には抗ヒスタミン効果を持つ薬剤があります。

抗ヒスタミン効果は、花粉症の薬などにあり、飲むと眠くなるのですが、それを利用して睡眠導入剤として処方することもあります。

・ 四環系抗うつ剤

※ こちらも抗ヒスタミン効果を認めます。

ミアンセリン(商品名テトラミド)、セチプチリン(商品名テシプール)、マプロチリン(商品名ルジオミール)

・SSRI、SNRI

SSRIは選択的セロトニン再取り込み阻害薬、セロトニンが脳内に吸収されるのを防いで脳内セロトニン受容体にフタをすると簡単には説明できます。SNRIはそれにストレス低減物質ノルアドレナリンが加わったものです。

吐気は公認心理師出題にもあった副作用です。

SSRI、SNRIは特に初期に開発されたものはそういう傾向がありますが、初めちょっと気分が良くなったとしても数カ月服薬し続ける必要があります。

理由は、ストレス解消のための脳内シナプスの生成にそのぐらいの時間がかかるからです。

ちなみにSSRIやSNRIはパニック障害PDや強迫性障害OCD治療薬でもあります。

・SSRI

パロキセチン(商品名パキシル、PTSDの第1選択薬でもあります。なかなか減薬や断薬が難しいとも言われています。)セルトラリン(商品名ジェイゾロフト、性欲抑制副作用を逆手に性犯罪者に使用することもあります。)、フルボキサミン(商品名デプロメール、ルボックス)、エスシタプラム(商品名レクサプロ)

・SNRI

ミルナシプラン(商品名トレドミン)、デュロキセチン(商品名サインバルタ)、ベンラファキシン(商品名イフェクサー)

・NaSSA

ミルタザピン(商品名レメロン、リフレックス)

うつに奏功を呈するまでに短時間で済むというメリットがありますが、体重増加の副作用が強いです。抗ヒスタミン効果もあります。

・トラゾドン(レスリン、デジレル)

この薬剤は独立させておきました。

睡眠導入剤代わりに使われます。

古めの薬で抗うつ効果がありますが塩基構造や作用が他のの薬とは異なっています。

◯ ほか

ベンアゼピン系は抗不安薬や睡眠導入剤に多いです。

GABAの働きを強めるのでストレスを減らします。

ジアゼパム(商品名セルシン、ホリゾン)、ロラゼパム(商品名ワイパックス、いらつきを収めます)、クロルジアゼポキシド(商品名コントール、バランス)、メダゼパム(商品名レスミット、クロラゼプ酸二カリウム(商品名メンドン)、ブロマゼパム(商品名セニラン、レキソタン)、クホパザム(商品名マイスタン)、アルプラゾラム(商品名コンスタン、ソラナックス)フルジアゼパム(商品名エリスパン)、ロフラゼプ酸エチル(商品名メイラックス)エチゾラム(商品名デパス、睡眠導入剤として内科で出される場合もありますが医師によっては睡眠導入剤として使用するのは好ましくないとすることもあります。)

・睡眠導入剤

ベンゾジアゼピン系が主流、長期型、中期型、短期、超短期型などに別れています。

ロゼレムのようにメラトニンの働きを整えて眠りを良くする非ベンアゼピン系睡眠導入剤もあります。

ベンアゼピン系睡眠導入剤は催奇形性から妊婦への処方は禁忌になるでしょう。

スボレキサント(ベルソムラ)は脳を過剰に覚醒させるオレキシン受容体に働きかけて催眠を促す新薬です。

・発達障害

ADHDには中枢神経刺激薬としてコンサータやストラテラが使われます。

抗不安薬や微量な抗精神病薬が気分安定化につながる場合があります。


・ ムードスタビライザー

てんかんの薬は双極性障害やパーソナリティ障害の気分安定剤(ムードスタビライザー)として使われていて、カルバマゼピン(テグレトール)、ラモトリギン、バルプロ酸ナトリウム(デパケン)などです。

双極性障害の気分安定化は炭酸リチウム(リーマス)がよく使われます。

・プレガバリン(リリカ)

全身疼痛、線維筋痛症に使用されますが、他の精神薬との交差耐性が多いです。


※ 精神薬理学は大変奥が深く、僕も一部しかわからないし書けません。

薄い最新の教科書を買って読んでおくと心理の人はこれから公認心理師を受ける人、もう現場で心理職として働いている人も役立つでしょう。

ちなみに患者さんにはとても勉強熱心で僕よりも精神薬理学にもっともっと詳しい人はたくさんいます。 理系だと塩基構造まで研究している患者さんもいます。

患者さんが薬について聞かれても答えるのは原則心理の仕事ではないのですが、患者さんが何を話しているのか、何にこだわっているのかを理解するためにも薬物療法の知識が必要になる時があります。

精神科なんて連れて来られてなんて目に遭わせるんだと最初言ってて薬なんかイヤだイヤだと言っていた患者さんがいつの間にかだんだん薬の勉強を熱心にして詳しくなって「先生あの薬を処方してくれませんか?今飲んでる薬を増やしてください」と言うようになるのを見ることがあります。

そして僕に「◯◯先生はケチだから薬を増やしてくれない」とか言うわけですが、薬というのは医師からの贈り物、プレゼントなんだなあと分析的な意味合いを見て取れるので感心します。

(これは誰か精神科医も書いていたような気がしますが、忘れてしまいましたので誰かわかれば教えてください。)

薬は人間心理とも結構深いつながりがあるのだなあと思っています。

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きっと今から書く戯言は公認心理師試験の試験範囲に入っているから、多分このあたりの知識も出るんだろうなあと思って書き連ねてみます。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)治療研究はEBM(証拠に基づいたメソッド)とNBM(ナラティブ、物語による自然流派の治療法)とに拮抗していて、最近ではどうもどんどん進んでいたNBMに対し、EBMがその論証をするという形でどうもNBMの巻き返しが激しくなっている感じがします。

京都大学でも箱庭療法をしてfMRIで脳内を観察、PTSDに箱庭療法というNBMが有効という研究の成果を証明しつつあります。

最近ではグラント博士がブレインスポッティング (BSP)という何の統計にも基づいていない技法を開発しました。

くるっと患者さんの目の前で棒を回してマイナスイメージ、プラスイメージを語らせながら、プラスイメージに対する認知の編み込みを行ってPTSD治療を実施して成果を上げています。

元々グラント博士はEMDR(眼球運動による脱感作)というPTSD治療技法の第一人者だったから思うところがあったのでしょう。

PTSD治療は認知行動療法家がEBMとして、持続エクスポージャー法(PEという暴露法)が有効だと主張しています。

カウンセリングセッションの中でトラウマ記憶を語らせる、その1時間程度の録音を毎日家で聞いて刺激に暴露法して汎化させるという技法なのだけれども、想像するだけで相当苦しい技法だと思います。

僕もPEをやり通したことはありますが、かなり患者さんはきつかった様子でしたし、認知行動療法では脱落例をきちんと統計化した上でPEの有効性を検証したのだろうかという疑問も持ちました。

僕も心理カウンセラーの端くれとしてPTSD治療技法はいくつか習得していますが、全技法は普通の人間では無理でしょう。

EBMの最前線としては、内閣府imPACTが行っているPTSDに関する革新的研究開発推進プログラム脳科学研究があって、トラウマティックな刺激を与えた後に緩和刺激を与えてストレスを低減させるというDecNef技法が千葉俊周研究員らで試みられています。

日米共同研究で、日本の大学も20ぐらい入っているらしいので相当気合いが入った研究になっていると思います。

ただし、プレスリリースによると健常者への17例の施行で効果があったという発表がされているが、実際のPTSD患者さんにはどれほどの治療効果があるのだろうかと今後の展開を期待したいものです。

https://www.nict.go.jp/press/2016/11/22-1.html

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO27766540W8A300C1000000

また、防衛医科大学校では人工的にPTSD刺激を与えたラットについて、BDNF(脳由来神経栄養因子)が症状を和らげることや、EE(環境富化処置)が影響しているという研究が科研費で行われています。

元々PTSDの疾患単位としての確立がベトナム戦争後の1980年、米軍帰還兵団体からの強い働きかけでDSM-Ⅲ(精神障害の診断と統計マニュアル)に取り入れられるようになったので、各国軍がその対策に力を入れているのは当然だと思います。

特にベトナム戦争では徴兵されて無理やり戦場に駆り出された18、19の青年が帰国すると時は反戦ヒッピーの全盛期、国賊扱いされてなお傷つきました。

防衛医大によるとシャトル箱に入れたPTSDラットは母子分離、刺激前の環境悪化で症状が悪くなります。

ランニングホイール、からからと回るラットがくるくる回れる遊具や玩具で好転する、ただしあまりにEEが高い環境からPTSDになると回復が遅れるという中途結果が出ています。

防衛医大も軍事精神医学研究を行っているので、十分な兵站というBDNFを与え、あまり高過ぎるEEでなく、日ごろからある程度の訓練負荷をかけた方がPTSDにはいいという結果を出しています。

さて、戦争とPTSD研究の関係は深く、EMDR技法創始者のフランシーン・シャピロの教科書に掲載されていた症例は悲惨極まりないものでした。

ベトナム戦争に従軍し、同胞が隣で爆死して手足ばらばらになったのを見た兵士の中で何かが壊れて村の少年を含む民間人を銃を乱射して殺害、レイプを行ったというもので、帰国してから弁護士になったこの男性は20年来のPTSDに苦しむことになりました。

日本でPTSD概念が一般化したのは阪神大震災からで、このような重篤な精神疾患があるということが流布されました。

PTSDにかかると解離といって、その当時の記憶を忘れる、覚醒亢進状態が起きて、不眠になるということが示されています。

PTSD患者は、いつなんどきまた命を奪われるような恐怖に晒されるかわからないので、交感神経が刺激された状態に常になっています。

したがっていつも心身ともに戦闘態勢にあるわけです。

解離も激しく、ひどくなると記憶が3年間ぐらい飛んでしまうこともあります。

昔はカウンセリングで解離記憶を呼び覚ますような治療をして患者が悪化、自殺例もあったが、今では解離記憶を思い起こさせ、パンドラの箱を開けるのは禁忌とされています。

回避は、その当時の記憶に似た状況を避けること。(続く)

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