カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 発達障害

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◯ 公認心理師試験に発達障害者協会から疑義

発達障害者当事者協会から第1回公認心理師試験、発達障害に関する問題について疑義がでました。

問91

問91 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)の基本的な特徴として、
最も適切なものを1つ選べ。

(1) 場面緘黙
(2) ひきこもり
(3) ディスレクシア
(4) 言葉の発達の遅れ
(5) 通常の会話のやりとりの困難

で、厚生労働省から出ていた正解は

(5) 通常の会話のやりとりの困難

となっていたわけで、

発達障害者当事者協会の主張を要約すると発達障害者は意思疎通の困難なカナー型(知的遅れをともなう)だけではない。

清明に意志が通じる発達障害者がほとんど、そうでなければ発達障害者と支援者の意思疎通はできない。

協会は当事者と支援者と十分に意思疎通をしながら活動を行っているのにどういうことなの?

というものでした。

これは確かに発達障害者協会の方に理があります。

元々ASDは自閉症スペクトラム障害なのであくまでスペクトラムです。

だからいろんな人がいるわけなので、心理職の人も現場で見ているし、当事者の人たちも「困難」な人の集団が発達障害当事者というわけではないのです。

僕の感想では発達障害の人たちは少なからずGIFTED、天賦の才に恵まれた人たちが実に多いという印象を受けています。

ツイッタラー当事者の人たちが作った発達障害に関する資料は実に精緻なもので、その知識と研究の深さは

凡百な心理職は負けます。

GIFTEDの中で有名(確定診断を受けているかどうかはわかりませんが、ビルゲイツやApple社を創設した故スティーブ・ジョブズ、シリコンバレーで働くエンジニアたちはほぼ全員が発達障害と言われてもいますが、彼らなしでは最先端技術の進歩はありえないわけです。

有名な発達障害当事者にテンプル・グランディン女史がいます。

彼女は71歳になります。

高い知能を持つ発達障害(自閉症)として生まれ育ち、生育過程でどうにも人間関係がうまく行かなかった。

そこで「私は牛と一緒に生きるの」と結婚をしたり人付き合いをしながら生きることを諦めたわけです。

頭の良い彼女は心理学を修めた後、動物学に移ります。

彼女の研究対象は牛の食肉加工でした。

肉牛として育てられているので必ずある年齢で食肉化される、苦しまずに愛する牛たち。食卓まで運ばれるようにしたいという信念から、彼女は牛が生命を全うするのに最も苦しまないで済む加工法を考案してそれを機械にしました。

この業績によってグランディン女子は全米動物愛護団体と食肉協会双方から表彰されるという快挙を遂げます。

「大好きな牛を結局食べるために命を奪うことに抵抗はない?」という趣旨の質問に彼女は「あら、牛は食べられるために生まれて育てられたのだから人間とは違うのよ」とさらっと答えています。

さて、この人たちは意思疎通が困難で何もできない人、何かあるとごまかすためにその場しのぎででたらめを言う人なのか、

公認心理師試験の 「通常の会話のやり取りの困難」 というのは重い言葉です。

当事者研究、発達障害の人たちが自ら自分たちで行っている研究はかなりハイレベルで、この発達障害者協会でも積極的に推進されています。

有名な北海道の当事者集団「べてるの家」は自分たちで組織の運営を行うこと、研究も行っています。

これだけ自立している活動は立派なものだなあと思います。

どこかの内紛の末に人集めも統制も取れない専門職団体にも見習って欲しいところが多々あるなあと思いました。

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ASD、ADHD、HSP、GIFTED
変わりゆく発達障害の概念・新公認心理師に知っておいて欲しいこと

1.概論

DSM-5(アメリカ最新診断基準)でアスペルガー、広範性発達障害、PDDNOS(ほかのどこにも分類されない広範性発達障害)という概念が消えてASD自閉症スペクトラム障害という概念になったのは画期的なことだと思います。

DSM-5は重複診断がしやすくなった診断体系なので双極性障害とADHDの双方の診断を受けている人も多くなってきたという所感を持っています。

この双方の診断が出ているということはそれだけ幅広い医療的支援の可能性を高めているのですが、「やっていきにくいですよ」という宣言をされていることにもなるとも思います。

発達障害の概念は時代によってかなり変遷してきました。

2000年ごろから「軽度発達障害」はI.Q70未満の古典的なカナー型自閉症と違って知的には通常程度以上の発達障害が知的に障碍されていないから軽度」という扱いを受けてきたわけですが、これは大きな間違いでした。

生きにくいという意味ではADHD、ADD、ASDでもLDは知的障害の自閉症と変わらないどころか、むしろ重い場合も多いわけです。

2.発達障害は人の話を聞けないから鈍感という誤解

発達障害の人たちは自分たち障害のことを研究し、知識を集積するのに余念がありません。

きちんと勉強している発達障害の人のカウンセリングをしたら駆け出しの心理職は知識で優に負けます。

昔はアスペルガーと言われていたのだから、とりあえず話すのを聞いていればいいだろうと生返事で話をカウンセラーが聞いていると彼らは敏感なのでそれをたちどころに見抜きます。

HSP Highly Sensitive Person
(きわめて繊細な人)は、障害というよりもその人の特性ですが、これがその人の生き方を阻害することがあります。

スクールカウンセラーをやっていた人にはそんな経験があるかもしれませんがHSPは思春期に特に出やすい、廊下の隅で女の子たちが談笑しているのを見て「僕のことを笑っている」と思い込んでいたのが、女の子たちは昨日見たテレビのジャニーズタレントのことを話していたわけです。

思春期に敏感になると、一見妄想ではないか?と思えるような心情になることはあります。

HSPの人にも出やすいわけです。

心理職の人が「妄想だから統合失調症だ」と勝手に診断してはいけません。

3.発達障害の人が持つスティグマ(社会的烙印)・そして有能性

ビルゲイツやスティーブ・ジョブズ、エジソンのように発達障害でも天賦の才に恵まれた人々は多いです。いわゆるGIFTEDという特殊な才能を持つ人です。

人間の持つ2万の遺伝子のうち、15個程度が変異を来たすと発達障害になります。

しかし発達障害、統合失調症、双極性障害も致死遺伝子ではなく、人類誕生以来脈々と受け継がれていて、必ず人類の歴史上必要だったからいまだにこれらの障害を持つ人が生き残って何かを築いたり、天変地異の準備をしていると考えられるという仮説があります。

男たちはみんな狩に行く、無謀な狩人だけでは狩はうまく行かず、狩は嫌いだけど矢じりを作るのに熱中する矢じりオタクのような発達障害の人がいなかったら人類は滅びていたかもしれません。

我は神の子、神の声を伝えられる統合失調症と現代なら言われるようなシャーマンが戦を収め、人々の心に平和をもたらしていたのかもしれません。

大地震や噴火が起きた、いくらでも不眠不休で働いて高いテンションで人々を自信を持って指揮していた双極性障害の人たちが人類を救っていた可能性もあります。

発達障害の人々へのかかわりとして
、「もうちょっと頑張ればできるからやってみよう」というのは、ひとつの正解かもしれません。

しかし金科玉条のようにそればかりを唱えて無理強いすれば必ず失敗するでしょう。

障害を持つ人の数だけ、そしてその人の毎日の状態によってかかわり方も変わるということを心理職の人たちには知って欲しいと考えています。

これまで発達障害に深くかかわってきた心理職の人たちや、新たに心理職となった発達障害に造詣が深い新公認心理師への期待は大きなものになるでしょう。

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