ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 発達障害

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
あの頃は
幸せはそこにしかないと
思っていたね


◯「精神科は、今日もやりたい放題」なのか?

標題は、精神科治療は薬漬けではないか?という問題点について指摘し続けている医師、内海聡氏の著作のタイトル名です。彼については様々な毀誉褒貶があり、僕も彼の言説に触れていると複雑な思いがするのですが、一面で鋭い指摘もなされています。

1.精神科医療の現状

内海聡氏は1973年生、筑波大学医学部卒業後、勤務医を経たのちに茨城県牛久市で「牛久東洋医学クリニック」を開業、その後現在では東京でTokyo DD Clinicで一切西洋薬を使わない自費診療クリニックを開業しています。

さて、従前から日本の精神医療の問題点として指摘されているのは「過量・複剤処方」で、患者さんが薬漬けになってしまうという危険性です。

処方量の適正さについてのひとつの目安としてcp換算値という単位があり、内海氏もこのcp換算値を重視しています。

※ 地域精神保健福祉機構CHOMHBOのcp換算値が計算できるサイト
https://www.comhbo.net/?page_id=4370
(レキサルティはまだ掲載されていません。)

抗精神病薬の作用機序や相互作用はさまざまなのでcp換算値=絶対、というわけではないのですが、統合失調症薬として使われている定型・非定型精神病薬は、最も古い抗精神病薬として知られているクロルプロマジン(商品名コントミン、昏倒眠とも揶揄される鎮静効果あり)を基準として1000mg以上が1日量として処方されている場合、必ずといっていいほど過鎮静になります。

過鎮静になると全くといっていいほど動けなくなり、食事、水分摂取、トイレに行くのすら一苦労です。

600mg以上でも過鎮静になっている可能性もありますし、300mg以上でもその人の状態によっては副作用症状の方が強めに出て動けなくなることもあります。

内海聡氏は茨城県でクリニックを開業していたころから、こういった過鎮静に陥っていると思われる患者さんやその家族に書籍や講演などで情報発信をしていき、同クリニックは関東中から寝たきり、引きこもりになっている精神疾患患者さんが藁をもすがる思いで集まるようになりました。

内海氏の著作として「精神科セカンドオピニオン2」などがあります。統合失調症と発達障害には見分けがつきにくい場合があり、統合失調症の症状が改善しないので精神科医がどんどん投薬量を増やしていくと副作用のほうが強く出てきた患者さんをよく内海氏が成育史などを聞いていくと発達障害の場合がある、だから抗精神病薬を徐々に抜いて漢方中心の治療に切り替えるとよく体が動くようになって病状が改善するというものです。

実際、僕も色々な医療機関で治療を受けてきた患者さんと話をしてきたことがありますが、過量服薬となっていた患者さんたちは確かに多いです。

内海氏著作標題書にも述べられていますが、医師の人格と投薬センスとは無関係なもので、それは彼の指摘のとおりです。

古いタイプの教育を受けた、または投薬センスがよろしくない医師はまずA薬という薬を処方してみます。そして症状が改善されないようだからとB薬を出します。

そうすると副作用が現れ、副作用止めのC薬を出し、なんだかよくわからないままに病状が悪化しているのでなんらかの副作用止めD薬に加えてまた新しい抗精神病薬E薬を追加、増量してそうこうしているうちに立派な過鎮静患者さんが出来上がってしまうというわけです。

こうなると一向に良くならないどころか全く身動きが取れなくなってしまうのですが、人柄がよくいつもにこにこしていて優しい主治医の言うことは絶対だし、信じていればいつか良くなるだろうと思っていても良くなるわけがないです。そうすると自己流で減薬、断薬を試みたりするのですが、抗精神病薬の減薬断薬を一気に行うと、強い薬のカクテルで抑えられていた症状が再燃して悪化したり、横紋筋融解など身体的有害症状も出て死に至る場合もあります。

ですので過鎮静にまで至っている患者さんの場合には慎重に1年ぐらいかけて減薬を行うのがセオリーです。以前の内海氏は統合失調症と誤診されていた患者さんを発達障害、アダルトチルドレンと診断し直し、西洋薬は最小限処方で、漢方中心の治療法に切り替えるという治療方針を取っていました。

確かに日本の生物学的精神医療は過鎮静を引き起こすような治療を行っているこういった暗部を抱えていています。興奮性症状を示す患者さんを過鎮静にさせてしまえば施設内では楽だからそうしている「薬物ロボトミー」を行っている機関もあるという恐ろしい事実もあります。

欧米では抗精神病薬は基本的に単剤処方しか認めないという流れがあり、日本でも単剤処方主義の大学病院やその流れを汲む医療機関は数多くあります。

ただし、抗精神病薬=悪、減薬断薬=正義、と決め付けてしまうのは危険性も伴うと思うのです。

2.内海氏に対する個人的な疑問

発達障害なのだろうと思い、減薬断薬第一で治療をしていて実際には統合失調症だった場合、症状が増悪すると必要だった薬が投与されていない、その場合に必要な手当てがなされているのだろうかという疑問があります。それとも統合失調症と発達障害を初めからきちんと峻別し、発達障害のみを治療対象としているのでしょうか。

薬害に関するNPO法人を主催している内海氏ですが、代替医療としてのホメオパシーを推奨しています。

ホメオパシー、反ワクチン主義は世界的に科学性に乏しいとして批判されています。過去にホメオパシーを医療行為の代わりに実施したことで死亡例も出ているのです。

内海氏の他にもホメオパシーを推奨している医師はいるのですが、それは西洋薬をきちんと投与した上で総合的な治療行為としての安全性を担保した上で、どちらかというとホメオパシーを精神療法の一種として行っています。

治療行為としてエビデンスが確立されている抗精神病薬など西洋薬を一切使用しないという内海氏の治療方針はいかにも危なげに思えます。

食事療法は精神医療においても大切と思えますが、内海氏の、妊婦の食事状態が悪いから発達障害児や自閉症児が産まれるという見解の表明は、産婦人科医からエビデンスがないと猛烈な反発がありました。こういった子どもを持った親に対してはスティグマを持たせることになったことでしょう。

内海氏の著作や発言の過激さを見ていると、患者やその家族に対し、自らを信奉するように強要していないかという不安を抱いてしまいますが、それとも元々内海信者のみを治療対象としているので、インフォームドコンセントを含めたその辺りの問題はクリアされているということなのでしょうか。僕は「信者」を作るような医療を個人的には好みません。

内海氏は反原発論者でそれに関する著作もあります。政治的思想は誰が持つことも自由でその意見表明も自由です。

ただし、医療においてエビデンスが不足していると、僕のような心理職としては彼の行なっている新しい試みに関してのメンタルケアは大丈夫だろうかと不安になるわけです。(心理職を雇用した方がいいという意味では決してありません。独自の発想に基づく治療には医師自身が患者さんに対するケアを十分に行うべきで、脱落者や増悪例への対応がなされているのかという懸念を含みます。)

もちろん彼の自費診療中心のクリニックには行ったこともなければ診療受付、適応症から治療に至るまでの流れも不明なので、その辺りを知らないと十分に疑問は解明できないかもしれません。

Twitterアカウントをいくつか持っている内海氏ですが「キ◯ガイ医師」というような精神障害者への差別と取られかねないハンドルネームにもその思想的な危惧を抱くのです。

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2016年、発達障害者支援法が改正されました。
発達障害者支援法は、2005年までは「軽度発達障害」という文言が学校現場でも使われていて、知的障害を伴わないADHDやアスペルガー、広汎性発達障害(現在はASDが広義の概念を含む)知的障害を伴わない発達障害はいわば知的障害の付属概念のようなものでした。

2007年、文科省は「軽度発達障害」の文言使用を禁止、発達障害そのものが相当に困難な障害だと認めたと言ってもいいのかと思います。

いくつか改正点の中で注目すべき点は
・社会的障壁の除去
・乳幼児期から高齢期までの切れ目なく援助
・司法手続きの意思疎通手段確保
・国、都道府県による就労支援
・教育支援現場での個別支援、指導計画の策定
・支援センター増設
・自治体による協議会設置

この法改正で行われた大きなところは、基本理念として社会的障壁を取り除くことが明記されたことです。

社会的障壁を取り除くというのは、発達障害者を変えましょうというわけではなく、環境や社会を変えて彼らを生きやすい世の中にしようということです。

ここでTEACCHという概念も出てくるわけですが、ASDとその家族を生涯にわたって支援するというプログラムです。

ASD診断、評価、療育、家族、支援者サポート、就労支援など一生にわたるプログラムです。

「TEACCH」は「Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped CHildren」(自閉症及び、それに準ずるコミュニケーション課題を抱える子ども向けのケアと教育)の略です。

ノースカロライナ州で始まったTACCHは自治体介入、生涯支援、自閉症を文化としてとらえる、親の療育への期待でしょうか。

自閉症を1つの文化のあり方としてとらえるという概念は画期的なものでした。

また、ASDは整理されていない混乱した状況に置かれることが多いためにこのTACCHでは「構造化プログラム」が重視されています。

一人で勉強できる場所を作る、物理的構造化、イラストなどを多用する視覚的構造化があります。

特別支援学級でも取り入れられるようになって来ているのは個別のスケジュール、(予定外のスケジュール変更は混乱を招く)、また、ASDの子どもたちが一人でもこういった課題に取り組めるように十分課題を視覚化することがワークシステムとして望まれています。

ABA、応用行動分析は人間の行動を環境との相互作用で見ていくというものです。

行動分析そのものはアメリカの心理学者スキナーによって創始されたもので、ごく簡単に要約すると、本人、周囲の活動を阻害、本人の学習を妨げて危険さを招く行為を禁止するというものです。

例:音楽を聴けないとかんしゃく
:遊びに熱中して周囲を見られない
:子どもの気持ちで大人に抱きつく

こういった行動の原因特定、適切な手法で対応、成功できたらなお続ける。do moreですね。

ABA、応用行動分析ではかんしゃくを起こしておもちゃを買うとなおかんしゃくを起こす(要求の実現)、回避して問題から逃れる、叱られるのを喜ぶ、不適切な行動(辺り構わず踊る)、これらは全て強化子になります。

これらの制止のためには不健全な強化子の消去が必要です。

物やトークンを与えるのもいいことができた時にはいい強化子となります。

別に発達障害に罰を与えていけないわけではないのです。

ひどい罰でなく、負の強化子の消去を親も科学的に考える必要があるということです。

TACCHやABAを使ってペアレントトレーニングを実施するにはいろいろな原則があります。

問題行動を起こした時だけ構ってはいけない、よくできてこれから増やして欲しい行動を褒める。

問題行動が起きた時にはクールダウンとして別室で少し頭を冷やしてもらう。

罰は重すぎる罰、ゲーム機破壊や食事抜きはダメ、罰は行為との連続性があるものを、などです。

ゲームを約束を破って夜9時までやったから次の日はゲームの時間を減らす、はいいですが、お肉を食べさせないのはダメです。

合理的配慮

目が悪いから眼鏡をかけたい→OK
前の席に座っていたい→OK

ユニバーサル化を進めるために校舎全体を建て替えて欲しい→ムリ

いつも支援員がいて教科書を読み上げて欲しい・・・→人員がいればやります。

と支援する側とされる側の考え方が一致することが必要なわけです。

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◯ 発達障害概論

発達障害という概念がオーソライズされたのはおそらく平成10年前後で、当時の文部科学省では軽度発達障害という名前で呼ばれていて、概念そのものが曖昧で混沌としたものだったと思います。

昭和の時代は多動(ADHD)や注意欠陥障害(ADD)は、立ち歩いて授業の邪魔をするなとか、片付けられない、宿題をやって来ない子の頬をビンタするとか、管理教育と言う名の暴力の中で発達障害者(児)は排斥されてきていた教育暗部の歴史があります。

僕も小学校の通知票に「授業中喋って歩くのでご家庭で注意してください」と何度も書かれましたが、家庭で注意して多動が止むわけではないです。

そんな時に僕を叱るわけでもなくニコニコしながら手作りおやつを作ってくれた母は偉大だと思います。親のかかわりというものは発達障害者にとっては大きな影響を与えます。

遺伝子2万の10数個に異変があっただけで相当苦しみ続けている人たちは多いです。

スクールカウンセラーとして働いていた時、特別支援学級で彼ら、彼女たちと会っていた時はとても楽しい思いをさせてもらいました。

ASD(自閉症スペクトラム障害)の子たちの中で、自分が興味ある漫画、スポーツ選手の話をする子たちが何人もいました。

それこそ数時間単位で楽しそうに話しています。

中には変わった仲良し同士のASDの子たちがいて、互いに興味関心が違っていても何時間も別の話題をそれぞれしながら盛り上がっていました。

発達障害の人たちが全員サヴァン症候群(一芸に秀でた天才)とは言い切れません。

ただ、WISC、WAISなど知能テストを実施してみると知能下位検査(知能の成分を測定するためのそれぞれの独立項目の検査)のばらつき(ディスクレパンシー)が大きくて、ああ、とてもこの人は苦労するだろうなあと思うことはしばしばです。

言語検査が動作検査よりもかなり優位に高い値を示す人は、言語的に考えるスピードが速くてもそれを口にするという動作がついていかないので、結果としてストレスがたまるでしょう。

ビルゲイツ、故スティーブ・ジョブズを含めてシリコンバレーの住人は全員発達障害だろうと言われています。

発達障害、統合失調症、双極性障害という遺伝子性の障害や疾患は、その遺伝子を持って生まれたら子孫を残せない、致死遺伝子ではありません。

人類の歴史が進歩していく中で必ず必要だったからこれらの遺伝子を持つ人々が必要だったわけです。

双極性障害の人は天変地異が起こった時、疲労に負けずに頑張ってそのうち躁状態になると眠らず次々とアイディアを出しながら馬車馬のように働いていたのでしょう。

統合失調症は、精神医学者中井久夫によれば、文化依存症候群ということで、西欧圏以外の文化ではシャーマンとしてかなりの尊敬を集め、預言者、エクソシストの役割もしていました。
(DSM-5ではこういう社会適応している人たちを診断から除外しています。)

日本も戦前は狐払いをしていたのが文化が西欧化するにつれてとんと聞かなくなってしまいました。

どこからか聞いた話の引用で、出典を忘れてしまって申し訳ないのですが、矢じりオタクみたいな発達障害の人がいて、矢じりの改良に専念していたので人類は生き残れたわけです。

発達障害者で名声を博したのはテンプル・グランディン女史で、彼女は人間を仲間として生きることを諦め、その代わり牛など家畜類、動物を最良の友としています。

ただ、食用家畜は必ず食べられるものだからという哲学があり、肉牛屠殺用の機械を牛が苦しまず、そして効率的に食肉化が可能とする発明をしました。

彼女は食肉協会、動物愛護協会の2団体から表彰を受けました。

僕ツイッターなどネットの世界で発達障害の人とかかわることもありますが、この人たちは物凄いエネルギーで発達障害にかかわるデータベースを構築しています。凡百の心理職は到底敵いません。

心理職の僕が読んでも、専門書と比べても全くひけをとらないレベルのものが出来上がっているのに関心しています。

知識は自らの障害、疾患を知る上でその人をエンパワーメントしてくれるものだと思っています。

昔の勤め先の精神科医は患者たるもの薬物の話を医者と対等にできるぐらい詳しく調べておかないとダメだと言い切っていました。

何か生きにくい、生きづらいと思っていて、成人してから発達障害が発見されることもあります。

成人だから何もできないというわけではなく、ADHDやASDには中枢神経刺激薬として、以前は不正利用で悪名高かったリタリン、今は腸内でだんだん溶ける徐放剤のコンサータ、ストラテラが使用されています。

また、ASDにもごく少量のメジャートランキライザーや漢方の処方でかなり好転することもあります。

発達障害者が重度の統合失調症と誤診され、過鎮静を起こすほどの大量の抗精神病薬を投与されていたことは多いです。

一度それだけ力価が高いメジャー投与をされるとどんな名医でも一気に抜くことができず、ゆっくりと減薬するしかありません。

発達障害の正しい診断ができる医師は多くなってきたがまだまだその数は足りないと思うのです。

児童では、最近の市区町村役場の発達検査で早期に発達障害が判明し、きちんと療育を受けられるようになったのはある意味でいい時代になったと言えるでしょう。

恋人、パートナーが発達障害者だということが判明しても決して差別的な目で見ないで欲しいと思います。

もし大切な家族が発達障害だとわかってもそのことで排斥しないで欲しいとも考えているのです。

人はどんな障害や疾患を抱えていてもそれを補って余りある素晴らしさを必ず持っています。

薔薇ならばいずれ必ず咲くものだから。僕は人間の持っている無限の可能性を信じ続けたいと思っています。

版画:千美梨画伯作

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◯ 雑な性格?(発達障害かも?)と思われる彼女と付き合う
(tiajuから転載)

彼女の性格や行動を見ていて「あ、雑だ」と思うことがあるかもしれません。

時間に雑でいつも約束の時間にルーズ、ひどい時は約束していたことさえ忘れていて、あなたよりも他の約束を優先してしまうことすらあります。

また、なかなか約束時間に来ないので電話してみると、「あ、スマホなくて出かけられなかったから、電話鳴らしてくれてよかったー」とのほほんとしている場合があります。

銀行に行きたいのに預金通帳やキャッシュカードがどこにあるのかわからない、部屋中ぐじゃぐじゃで「あれどこ行ったっけ?」が口癖です。

大事なサイト、金融機関のサイトに入るにもIDもパスワードも忘れているので困ります。

あなたに聞かれても当然わかりませんが、「どうして助けてくれないのよ!」とかんしゃくを起こします。

そうやって雑な彼女を見ているあなたはイラっとくるかもしれません。

さて、こんな雑な彼女を見ているあなたはどうしたらいいでしょうか。

思い余って、メモをするように言うかもしれません。

しかし彼女は大事なことを書いたメモをどこかになくしてしまいます。

カレンダーに予定を書いてもらうようにしたら、書くことを忘れます。

書いたとしてもも見ずに忘れます。

スマホの予定帳に書かせても見ません。

そのうち、「メモ、メモ」と言っているあなたのことを彼女がうるさく思うようになるでしょう。

「いいじゃない。そんな細かいことでつべこべ言って!」

決して細かいことでなくても、彼女は逆ギレする可能性が大です。

部屋が散らかっていたら、100均で箱を買ってきて整理してあげると役立つかもしれません。

しかしこれも無効で、箱そのものがゴミ扱いされるぐらい滅茶苦茶になる場合も多いでしょう。

片付けるのが下手、というのはわざとでないことも多いのです。

脱ぎ散らかした服をくんくん臭いを嗅いで「あ、まだ着られる」とやられると見てるあなたはげんなりするかもしれません。

部屋の中は服や雑誌の地層になっていて、床が見えずどこから手をつけたら何が出てくるかがわかりません。

だからといって、あなたが片付けを使って手伝おうとすると、猛然と反発するかもしれません。

彼女の頭の中では何がどこにあるのか、彼女なりにはわかっているのです。

それでも大事なものがどこかに行ってしまっていることには間違いなく、アクセサリーは片方だけ、コンタクトや眼鏡の行き先もわかりません。

ネット上ではいろんなサイトに入れないので困っているはずです。

あなたが手助けしようとすると「あ、いいのいいの」と気にしている風もありません。

あなたはこんな彼女を見ているとイライラして叱りつけたくなるかもしれません。

「きちんとしろ!」「大事なIDやパスワードはメモしてでも管理しろ!」とつい命令口調になりがちです。

しかしもしあなたがそんな厳しい態度に出たら彼女はおびえてしまうだけです。

彼女は望んで雑になっているわけではありません。

きっと物心ついた時から雑な性格のために相当な苦労をして、叱られながら生活してきたでしょう。

学校生活では宿題ができず忘れ物も多かったのではないかと思います。

あなたが叱りつけたら、これまで彼女に厳しく接していた教師や親と一緒になってしまいます。

そうすると恐怖が生み出されて彼女は固まってしまいます。

できないことを叱られても変えようがないのです。

こんな彼女にうまく接していくにはどうしたらいいでしょうか。

雑だと思っていても、たまたまきちんと覚えていた、偶然にでも何かが上手くいったということがあるかもしれません。

そうした時はチャンスです。

彼女を大げさにほめるのです。

いつも叱られてばかりで育った彼女にとって、ほめられる体験は新鮮です。

ひょっとしたら彼女がこれまで生きてきた人生の中で、あなたが彼女をほめた最初の人間かもしれません。

たとえばサイトに入れなくて困っている時にはID、パスワード両方忘れた時用のログイン手続きを一緒になってやってあげましょう。

一見雑に見えても本音では彼女はとても困っているはずです。

その困り感覚を彼女と共有してあげるとより彼女の気持ちに寄り添うことができます。

実はこういった彼女の性格特性には、発達障害が隠れていることがあります。

いきなり「発達障害だ!」と言ってしまったらとても抵抗が強いので、いろんなサイトを探したらこんな症状があって似てるかも。

と穏やかに言います。

成人発達障害はかなり多いのですが、投薬治療でビシッと集中力が増す場合も多いのです。

どうしていきたいかは彼女に任せましょう。

発達障害のための相談機関や診断治療をしてくれるクリニックもありますが、彼女の主体性、自主性が大事です。

ただし、もしこういった症状が治まるとすごく気持ちも生活も楽になるんじゃないかなあということは伝えてもいいでしょう。

初めて精神科、心療内科の門をくぐるのはとてもハードルが高いことです。

受診を無理強いしないで彼女の気持ちを理解してあげることを重視しましょう。

(おまけ)
千美梨:久しぶりに花の写真ね。
僕:トイレで撮った。店主の許可得た。
千:あなたデリカシーのかけらもないのね。デリカケ
僕:ちみちゃんも下らないこと言うようになったね。
ち:あんたのが移ったのよ。自覚あるじゃん。

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◯ 公認心理師試験に発達障害者協会から疑義

発達障害者当事者協会から第1回公認心理師試験、発達障害に関する問題について疑義がでました。

問91

問91 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)の基本的な特徴として、
最も適切なものを1つ選べ。

(1) 場面緘黙
(2) ひきこもり
(3) ディスレクシア
(4) 言葉の発達の遅れ
(5) 通常の会話のやりとりの困難

で、厚生労働省から出ていた正解は

(5) 通常の会話のやりとりの困難

となっていたわけで、

発達障害者当事者協会の主張を要約すると発達障害者は意思疎通の困難なカナー型(知的遅れをともなう)だけではない。

清明に意志が通じる発達障害者がほとんど、そうでなければ発達障害者と支援者の意思疎通はできない。

協会は当事者と支援者と十分に意思疎通をしながら活動を行っているのにどういうことなの?

というものでした。

これは確かに発達障害者協会の方に理があります。

元々ASDは自閉症スペクトラム障害なのであくまでスペクトラムです。

だからいろんな人がいるわけなので、心理職の人も現場で見ているし、当事者の人たちも「困難」な人の集団が発達障害当事者というわけではないのです。

僕の感想では発達障害の人たちは少なからずGIFTED、天賦の才に恵まれた人たちが実に多いという印象を受けています。

ツイッタラー当事者の人たちが作った発達障害に関する資料は実に精緻なもので、その知識と研究の深さは

凡百な心理職は負けます。

GIFTEDの中で有名(確定診断を受けているかどうかはわかりませんが、ビルゲイツやApple社を創設した故スティーブ・ジョブズ、シリコンバレーで働くエンジニアたちはほぼ全員が発達障害と言われてもいますが、彼らなしでは最先端技術の進歩はありえないわけです。

有名な発達障害当事者にテンプル・グランディン女史がいます。

彼女は71歳になります。

高い知能を持つ発達障害(自閉症)として生まれ育ち、生育過程でどうにも人間関係がうまく行かなかった。

そこで「私は牛と一緒に生きるの」と結婚をしたり人付き合いをしながら生きることを諦めたわけです。

頭の良い彼女は心理学を修めた後、動物学に移ります。

彼女の研究対象は牛の食肉加工でした。

肉牛として育てられているので必ずある年齢で食肉化される、苦しまずに愛する牛たち。食卓まで運ばれるようにしたいという信念から、彼女は牛が生命を全うするのに最も苦しまないで済む加工法を考案してそれを機械にしました。

この業績によってグランディン女子は全米動物愛護団体と食肉協会双方から表彰されるという快挙を遂げます。

「大好きな牛を結局食べるために命を奪うことに抵抗はない?」という趣旨の質問に彼女は「あら、牛は食べられるために生まれて育てられたのだから人間とは違うのよ」とさらっと答えています。

さて、この人たちは意思疎通が困難で何もできない人、何かあるとごまかすためにその場しのぎででたらめを言う人なのか、

公認心理師試験の 「通常の会話のやり取りの困難」 というのは重い言葉です。

当事者研究、発達障害の人たちが自ら自分たちで行っている研究はかなりハイレベルで、この発達障害者協会でも積極的に推進されています。

有名な北海道の当事者集団「べてるの家」は自分たちで組織の運営を行うこと、研究も行っています。

これだけ自立している活動は立派なものだなあと思います。

どこかの内紛の末に人集めも統制も取れない専門職団体にも見習って欲しいところが多々あるなあと思いました。

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