ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 境界性人格障害

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◯ パーソナリティ障害の診断基準・各クラスター・境界性パーソナリティ障害

1.診断

パーソナリティ障害の診断基準は何度も書いています。しつこいので何度も何度も書きます。

A群パーソナリティ障害は奇妙で風変わりなタイプ
妄想性パーソナリティ障害 (広範な不信感や猜疑心が特徴)
統合失調質パーソナリティ障害 (非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴)
統合失調型パーソナリティ障害(会話が風変わりで感情の幅が狭く、しばしば適切さを欠くことが特徴)

B群 (感情的で移り気なタイプ)
境界性パーソナリティ障害 (感情や対人関係の不安定さ、衝動行為が特徴)
自己愛性パーソナリティ障害* (傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわるのが特徴)
反[非]社会性パーソナリティ障害 (反社会的で衝動的、向こうみずの行動が特徴)
演技性パーソナリティ障害 (他者の注目を集める派手な外見や演技的行動が特徴)

C群 (不安で内向的であることが特徴)
依存性パーソナリティ障害 (他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴)
強迫性パーソナリティ障害 (融通性がなく、一定の秩序を保つことへの固執(こだわり)が特徴)
回避性[不安性]パーソナリティ障害 (自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴)

※ 厚生労働省「知ることから初めよう みんなのメンタルヘルス」から引用

さて、診断基準はDSM-5が医学書院から出ています。American Psychiatric Association DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引ポケット版は4,950円ですが何度も読み込むことは公認心理師試験を突破するには必要なことです。まだ持っていない方は買いましょう。(医学書院にそう書きます。と電話で話したら喜ばれました。)

著作権の問題があるので診断基準をそのまま掲載することはできませんが、
日本精神神経学会の林医師へのインタビューに境界性パーソナリティ障害の診断基準が掲載されています。(医学書院了解済)
https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=41
また、MSDマニュアルプロフェッショナル版内で検索するとDSM-5各診断基準が明示されています。

こちらは確認中なのでurlは貼りませんが、MSDマニュアル内で「パーソナリティ障害」と検索すると各パーソナリティ障害DSM-5の診断基準が出てきます。

境界性パーソナリティ障害は常に死への欲求が強く、家族や治療者に対しても果てしない理想化して強い愛情表現をして、しばしば治療者はこの人たちと逸脱した性的関係を持つことがあります。(複数の教科書に記載あり。)かと思うと一瞬後には激しいこき下ろしが始まり、何もかも相手を否定する、ありていに言えばジェットコースターに乗せられている、洗濯機の中で高速回転させられているような気持ちになるわけです。

と言ってもこの人たちも同様に家族、他者、治療者に対して同様の感覚を抱いていて「どうして私の目の前の人はこんなに私を激しく混乱させるのだろう」と思っています。したがって境界性人格障害Borderline personality disorder ; BPDの人たちは精神科治療現場でも厄介者扱いされることも多いのですが、本人は生きていることだけで苦痛を感じ、常に死への欲求を抱いていることが特徴です。

慢性的な空虚感を感じていることも多く、したがってOD過服薬やリストカットをすることもしばしばです。医療者は救命のために仕事をしています。

こういった患者さんの治療も行わなければならないのですが、自らを傷つける行為をする患者さんへと治療者が陰性的感情を抱くこともあります。OD、リストカットは内科救急や外科医療者よりも精神科心身管理者の医師が患者さんにより強い陰性的感情を抱くことが多いようです。

「薬は君を守るためにあるので傷つけるために処方しているのではない」「これが続いたら投薬治療はできなくなる」管理的な医師の言葉に攻撃性を感じて治療からドロップアウトしてしまう患者さんもいます。BPDの患者さんはセンシティブで、「人格障害」という言葉も嫌う人がいます。診断名をはっきりと言わない医師も多いです。

DSM-5がディメンション(あたかもグラデーションのような)診断基準システムになったとしてもDSM-Ⅳ-TRの多軸診断システムを捨て去っているわけではないです。

BPDは双極性障害、幼少期に虐待を受けたPTSDやC-PTSD 、不安症、統合失調症、物質・行動依存などあらゆる疾患との併存がありえます。うつ病性感情障害は約50パーセントとも言われています。「境界性パーソナリティの精神療法」成田善弘編

※ C-PTSD 複雑性慢性型心的外傷後ストレス障害Complex post-traumatic stress disorder はICD-11で初めて独立した疾患単位として取り上げられるようになりました。手ひどい(しばしば性的な)虐待や性被害体験はC-PTSDを引き起こします。なおトラウマ研究者Judith Lewis HermanはBPDそのものが被虐待体験があることがほとんどなのでC-PTSDの中に概念化することを提唱しています。

2.歴史的変遷

BPD概念歴史は精神分析の歴史とともに始まります。1906年精神分析家Paul Federnが、神経症のはずなのに精神病状態を示す患者について「潜伏性精神病」と名付けたことにこの中間的な病は始まります。1950年代にはこの境界例が疾患単位なのかそれとも他の病気の亜型なのかについて激しい論争が起こりました。前述書「境界性パーソナリティ障害の精神療法」にも精神分析家がこの境界例に多く関わって来たことが述べられています。

統合失調症ならば精神分析の対象にはならず、神経症圏ならば対象になるからです。Melanie Kleinの対象関係論は部分対象としての「よいおっぱい」「悪いおっぱい」の全体対象として見られず、悪いおっぱいの乳首を思い切り噛むような心性が境界例の人格構造を表しているような気がします。

精神分析学者Otto Friedmann Kernbergは境界例をパーソナリティ構造そのものの特異性に注目、境界パーソナリティ構造Borderline personality organization - BPOを仮定、広くBPO水準の中でsplitting、all-or-nothing thinkingの中で生きる自我同一性の拡散があると指摘しました。

Michael Balint1968年著の「治療論から見た退行」では彼が精神分析学者として、境界例患者には幼少期に築かれていたはずのエディパルな人間関係を他者と結ぶことができない「基底欠損領域」の存在を指摘しました。John G. Gundersonらが怒り、強い抑うつ感情、一時的な妄想様体験、不安定な対人様式について境界例研究を進めました。

境界性パーソナリティ障害がひとつの疾患単位として確立したのは1980年、DSM-Ⅲからです。このパーソナリティ障害概念確立にはそれまでの精神分析学者たちの膨大な研究が影響していたのは言わずもがなです。

BPD概念の理解、そしてこの苦痛を常に抱えている人たちへと共感するためには精神分析学概念の理解は必須と考えます。BPDの人たちは苦しみを常に抱えている。それを無視して虐待なんかなかったでしょう、あなたや他の治療者が作り出した偽の記憶でしょう。こういった侵襲的な 治療家も数多くいます。

3.治療

BPDはクラスターB群の中では最も苦しみを訴えることが多く、治療を求めて医療機関を受診することが多い層です。米国精神医学会治療ガイドラインコンペンディアムAmerican Psychiatric Associdtion Practice Guidelines for the Treatment of Psychiatric Disorders COMPENDIUMでは力動的精神分析療法の有効性がRCT randomized controlled trial無作為割付対象試験によって示されたとの紹介があります。もう一つの効果的治療法は後述する弁証法的行動療法、Dialectical Behavior Therapy, DBTです。

⑴ 薬物療法

薬理的学治療は日本の精神科で行われている第一選択肢です。というのも精神分析や弁証法的行動療法DBTを行う機関は僅少です。さて、コンペンデァアムに戻ると大うつ病症状には抗うつ剤SSRI、そしてその不安のあるBPD患者さんにはベンゾジアベビンBenzodiazepine系抗不安剤の投与が行われます。(ただし、Benzodiazepineは解離を勧める、脱抑制から感情や行動のコントロールが困難になるので使用。控えるべきだという意見も根強いです。)

双極性障害を併発している場合も多いですし、感情の障害の病であることから、Carbamazepine、商品名テグレトール、Sodium Valproateバルプロ酸ナトリウム商品名デパケン、Lithium carbonate炭酸リチウムなどのムードスタビライザー気分安定剤による治療が行われています。

コンペンデァアムには掲載されていませんがLamotrigineラモトリギン、商品名ラミクタール、Topiramate、トピラマート、商品名トピナも使用されています。これもコンペンデァアムには記載されていませんがSSRI無反応な患者さんも多いことから定型、非定型抗精神病薬も使われています。

⑵ 弁証法的行動療法DBT

DBTはMarsha M. Linehanによって編み出されたBPDに特化した精神療法です。Linehan自身が厳格な家庭で育てられ、彼女の両腕は傷だらけ、運転していると思い切り突っ込んでしまいたくなると言います。

日本でも訳書は出ています。金剛出版「弁証法的行動療法」「弁証法行動療法実践マニュアル」等です。心理教育、弁証法的な第三者的な「賢明な心」で物事をとらえるという枠組みです。

病理的行動はしばしばBPD患者さんにとっては当たり前のことだととらえられています。不特定多数の異性との避妊をしない性行為を当たり前ととらえているティーンエージャーには賢い心でそれは常識の範囲外と伝えなければなりません。

マインドフルネスに基づいた日記カード記入します。自ら致死的な行為を行うのをやめることがターゲットになります。スキル訓練として苦悩に耐えるトレーニングをします。苦悩耐性は一時的棚上げ、問題から注意を逸らすことなど。

対人関係効率化、情動制御もターゲットです。DBTについて書くことは多いです。対人関係においては自己主張して断られたからといって自己否定されたとはとらえない、自己主張はいかなるときでも行う権利がある、情動制御について、気をそらすためにコインをテーブルの上に何枚も立ててみる、氷を握りしめたりキャンディを口の中に入れてその味わいに注意するというものです。呼吸法も推奨されます。

DBTは個人カウンセリングと集団でのグループカウンセリングを並行して行います。危機に陥った際には治療者に夜間でも電話をすることができます。DBTにはペナルティもあります。自傷行為を行った際には次のセッションに出られません。

⑶ トラウマをターゲットとした治療

統計ではBPD患者さんのうち被虐待体験を持っているのは9割という説もあります。 PTSDを併発している場合にはEMDRや持続エクスポージャー法PE Prolonged Exposure Therapy(私見ですがトラウマへの暴露は侵襲性が高くPEは苦しいのではないかと思います。)対人関係療法Interpersonal psychotherapy、IPTも効果的と言われています。その他プレインスポッティグ、ソマティックエクスペリエンス、ブレインジム等は公認心理師試験には出ないと思います。

※ ちなみにメンタライゼーションもBPD治療には有効と言われています。

4.総括

この病は漂泊の病とも言われています。自我同一性が確立できず、性別違和に苦しむ人、職業観を獲得できない、学校に行けない、社会に出られない人もいます。反面統計を取ると5年、10年単位では回復率も高く、診断基準を満たさないと完治する人、高い感受性を生かしてサービス、接客、経営、心理カウンセラー、精神科医になる人もいるのです。

心理職にとっては、どの精神疾患でも同じですが、きちんとケースフォーミュレーションを行いゴールを短期的にも長期的にも定めてクライエントさんの状態を安定化させることに心を砕きたいものです。

特にこの疾患は治療者が巻き込まれやすく(BPDの「操作性」と言われていますが、特に操作をしようとしているわけではなくBPDの人の防衛反応です。)治療契約や限界設定limit settingをきちんとしておき、しばしば絶望感に襲われるこの人たちの行く道筋を燭光でもよいので照らして欲しいと思っています。

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◯ リスカの過去のある彼女。気持ちを落ち着かせる方法

リスカの過去がある彼女、両手首、両腕は傷だらけで初対面で見ると一瞬引いてしまうかもしれません。

リスカがもう過去のことになっていて、自分なりのストレス解決法を見出していればいいのですが、リスカをする人の悩みは奥深く、些細なきっかけでいつまた感情を爆発させて、さらに危険な行動をしようとするかわからないのです。

そんな彼女とは怖いから嫌だ、付き合いたくないというのもひとつの選択ですが、そういうタイプの彼女は、何事にも一生懸命で素直、あなたに対しても一直線の愛情表現をしてきます。

その気持ちは純粋なものでひとかけらの嘘もなく、自分が苦しんでいる経験があるからこそ感受性が豊かです。

どうやって付き合っていけばこのタイプの彼女と上手くやっていけるのでしょうか。

1.彼女にはいったい何が起きているのか

リスカする人はもっと激しく致死的な行為を試みる人と致死率は全く変わらず、一般人の何十倍も既遂率が高いという統計があります。

精神科から出された薬を過服薬して救急車で運び込まれることもあります。

どうして彼女はこういった自傷的な行動に出るのでしょうか。

こういった行動に出る人々は生きていることそのものが苦しく、生きている価値を自分で見出せないでいます。

その感情は激しくジェットコースターのように揺れ動き、常に死と隣り合わせにいながら刹那的な行動に出やすいのです。

リスカは死ぬためというより、自分が生きている実感を痛みによって再確認するために行うものです。

襲いかかる空虚感を埋めるため、リスカという痛みという感覚は強烈です。

2.境界性人格障害という病

こういった彼女は、病院で境界性人格障害と診断されていて治療中のこともあります。

激しく価値観が揺れ動くのは誰に対しても起こりうる現象です。

あなたに対して、いろんな他人や医療機関に対しても同様で、ある時は神様のように崇拝するかと思いきや、次の瞬間には罵倒し始めます。

あなたもこういった神格化とこき下ろしの対象になります。

そうすると彼女の中で何が起こったのかあなたにはわからないことも多いでしょう。

なぜ彼女の心情がそのように動くかというと、彼女の考え方の中には中間がないのです。

白か黒かのどちらかでグレーは存在しません。

おそらく幼少期の育てられ方にも関係があり、完璧さを求められて育った経験、虐待されてきた可能性もあります。

あるいは性的犯罪の被害者となって自らの価値を徹底的に低いものとみなしている可能性もあるのです。

3.彼女に対して効果的な対処とは?

それではこのように感情的に激しく揺れ動く彼女にどのように接したらいいのでしょうか。

まずはあなた自身が彼女に巻き込まれないことが大切です。

いかに彼女が動揺してもあなた自身はしっかりとしていて冷静でいることです。

いったん彼女が感情的になり、かんしゃくを起こすとそれはあなたにとっては耐え難い侮辱に聞こえるかもしれませんが、彼女の罵詈雑言は実は彼女自身を映した鏡に向けられたものです。

あなたは彼女が怒り、泣き出して感情の奔流に巻き込まれたときはぎゅっと抱きしめてキスしてあげましょう。

彼女を鎮めるのにこれほど効果的な方法はありません。

自分を無価値と思っている彼女に対して愛情という最高の価値を与えてあげるのです。

4.もし彼女がまたリスカしたくなった時には

リスカそのもののは他の方法で防ぐことができるかもしれません。

よく使われているのはゴム製のリストバンドを手首につけておいて、発作的にリスカしたくなった時には思い切りゴムを伸ばして手放し、手首に痛みを感じさせるという行為です。

ゴムの痛みで自分自身の感覚を取り戻しても実害はありません。

また、100均で買ったお皿を何枚も綿棒で叩き割ることも感情の発散には効果的です。

飛び散らないように新聞紙でお皿をくるんでさらにスーパーのレジ袋何枚かを重ねて安全性を確保した上で行います。

その間彼女がどんなに泣き叫んでも怒っても構わないのです。

彼女がもしこういった代替手段でリスカ衝動を抑えることができたらほめてあげましょう。

きちんと抱きしめて、リスカしなかったことを評価してあげるのです、

5.あなたの愛情という栄養が何よりの薬

境界性人格障害はその名前から、人格に障害がある不治の病と思われがちですが、実際には薬物療法、カウンセリング、そしてあなたが十分に愛情という栄養を注ぎ込むことで好転していきます。

実際、境界性人格障害の患者さんは3年、5年経つと見違えるようになり、もう疾患を持っていると診断されなくなることが多いのです。

また、予後もよく、境界性人格障害の人は元々人の感情の動きに敏感なので、接客や営業など対人折衝の仕事に向いています。

精神科医、心理カウンセラーになった人も多くいます。

彼女が作ってしまったさまざまなルールは認識を変えることで改めることができます。

彼女には怒る権利も泣く権利もあります。

人から何か否定されてもそれは人格否定ではないのです。

時間をかけてそういった認識を獲得すると治療に向かっていくでしょう。

あなたは彼女のさまざまな過ちや感情を受け入れてあげましょう。

※ キュレーションサイトtiajuから転載(許可済記事)

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多角形・ダイエットのためのイメージワーク・依存症やパーソナリティ障害を克服することにチャレンジをする。

あなたは物事にはさまざまな側面があることを知っています。

同じ刺激が与えられていたとしてもそれについて怒りを感じていたり、あるいは全く何も感じなかったり、それについて楽しい、嬉しいと思う人もいるかもしれません。

でもそれはたった一つの刺激なのです。

たとえばたった一枚の絵は見る人にさまざまな印象を与えます。

お気に入りの一曲がある人にとっては不快、ただ単に好みでないというだけかもしれません。

あなたは人から否定されてもいいのです。

そして提案をして拒否されたからといって、それはあなたの人権がないということではありません。

あなたはイライラする必要もないですし、そのために過食をする、むちゃ食いをする必要もないのです。

「ノー」と言われたら全て終わり?

そんなことはありません。

もし誰かがそう言ったとしましょう。

「私の言うことに『はい』か『イエス』で答えてください。それについてあなたが何も言う必要性はありません。

世の中の人々はあなたも含めてさまざまな物の見方をします。

それは知覚と認識の多角形です。

もしあなたが誰かから黒くて嫌なイメージを受け取ったと感じたとしても、あなたはそれを自分の力でくるっと回転させることができます。

そうすると黒い色は隠れて見えなくなってしまい、あなたは物事を見たいように見て、腹を立てることもなく、ただ光り輝くオレンジ色や青色の組み合わせでできている光源を見ていればいいだけなのです。
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あなたは自分が見たいように向け見ることができる権利があります。

自分が汚されたわけではなく、あなたに対して危害を加えようとした人が汚れている、つまりあなたは無傷でいたり、傷をやがて自分一人の力で、あるいは誰かの力を借りて必ず癒される時がきます。

その時、あなたは自分を罰する必要は全くないのだということに気づくのです。

ジャンクな食物や甘過ぎるスナック、あなたが必要としているよりもはるかに大量の食物で自分を満たさなければならない理由はありません。

あなたは自己主張したいときにできる権利があり、断られることはその相手があなたの人格を否定したり、なにもかもあなたがダメだと言っているわけではありません。

もしワンマンなナルシストや言ったことを自分で次々に忘れてしまうようなパワハラに遭ったとき、あなたはそれを誰かに訴える権利もありますし、多角形の中で受け流したり、ほかの誰かに相談するというのも多角形の一面です。

あなたは自分の感情がどうにもコントロールできないと思ったときにそれをくるりと回転させて、物事の安全な本質や落ち着いた部分を瞬時に見つけられるほど賢いのです。

(今回のイメージワークはマーシャ・リネハンの弁証法的行動療法概念を参考にしました)

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◯ 境界性パーソナリティ障害精神療法への公認心理師が期待される役割

境界性パーソナリティ障害は、古くはAdolf Stern(1938)にまでその概念の発生が遡ると言われています。

精神病なのか?神経症なのか?

じゃあ境界例にしよう、と疾患単位として独立させたはいいのですけれど、Robert Knightは何でもかんでも境界例に診断してしまおうという「ゴミ箱診断」的な扱いに1950年代に異議を唱えます。

1918年、「狼男」として知られるFreud,Sの症例は実は境界性パーソナリティ障害BPDだったのだろうと後世に言われました。

BPD研究は精神分析学者Kernberk,O、Masterson,Gundersonらによって進んでいきます。

Klein,Mの対象関係論で良いおっぱい、悪いおっぱいという母親の乳房の同一性を認められない特徴もBPD特有の思考法として認められるようになりました。

それに先立ってドイツのBalint,M基底欠損領域は、乳幼児のどの時期がBPDの発祥なのかという研究を進めていました。

紆余曲折を経てDSM-Ⅲで独立したパーソナリティ障害のひとつとして境界性パーソナリティ障害が確立したわけです。

他のパーソナリティ障害群の中でも本人が苦しい、希死念慮や空虚感や自我同一性を喪失している、という本人の病識も高いことから自ら来談する治療アドヒアランスは高いパーソナリティ障害です。

ただし薬物療法だけでいいですよ、という精神病よりもBPDは治療が困難です。

激しい感情のたかぶり、ポジティブ、ネガティブな転移感情を医療スタッフにも向ける、OD過服薬や自傷行為というアクティングアウト、行動化を繰り返すということで、医療スタッフも対応に困り果てることが多々あります。

そして面倒だと思われるとBPDは病棟で嫌われる、そうするとますます患者さんが医療スタッフに不満を持つという悪循環スパイラルがそこには生じかねません。

BPDの患者さんはほかの診断名がついている場合が多いです。

双極性障害と併発していれば行動は無軌道になりがちですし、統合失調症と併発していれば、妄想や幻聴の内容が医療スタッフを含む周囲への院性感情を投影したものになりがちです。

自死率10パーセント、不審死も多く、謎めいた生涯の終わり方を遂げたダイアナ妃もBPDだったのではないかと言われています。

BPDそのものは不治の病ではないです。

薬物療法も適応ですし、きちんと治療を受けていれば寛解率も生存率も高いと言われています。

強い感受性を生かして対人折衝の仕事で見事な社会復帰をする人も多いです。

この難しい病に立ち向かい、数々の輝かしい成功を収めたのは1990年代、Linehan,M博士です。

彼女はBPDのための弁証法的行動療法DBTを生み出しました。

Linehan女史は現在70代ですが、両手首は傷だらけ、いまだに運転していて急ハンドルで突っ込みたくなる衝動があるという、彼女自身がおそらくBPDの既往があるのでしょう。

弁証法的行動療法は集団療法と個人療法の双方で行います。

それまでのように治療スタッフ1人でBPD患者さんを抱えることは、患者さんが持っているさまざまな欲求を満たす、または制止する上では困難でした。

医療スタッフ複数がかかわること、そしてBPD患者さんが集団でグループミーティングに参加することが不可欠だったわけです。

よく以前から言われていたのはBPD治療には限界設定Limit Settingが大事だということです。

そのためにDBTでは治療からドロップアウトしそうになって欠席を繰り返す患者さんについて一定の期間グループセッションを受けられなくなるという限界設定をしています。

ミーティングを気ままに休むことは許されません。

心的苦痛をその時に全く別の要因で味わっていたとしても患者さんはグループミーティングに参加することを義務付けられます。

グループは自助団体として危険性を薄めるためのルール、個人的連絡構築の禁止などが決められています。

DBTは治療法でもあり哲学でもあります。

こういった優れた治療法はBPDだけでなく、強迫性障害OCDほかの精神疾患にもエビデンス、効力が認められるという研究結果が出始めています。

DBTは対人関係スキル、感情調節スキルというBPD特有の困難さに焦点を当てます。

そして治療スタッフたちはそこで頑張れた患者さんを応援、チアリーディングをするのです。

BPD患者さんを受け持ったことがある心理職ならわかると思いますが、患者さんはノーと言えない、断られたら絶望しなければならない、果てには死ななければならないと考えてしまう独特な思考回路を持っている人もいます。

挙句に感情を爆発させて周囲との関係に葛藤を引き起こすよりもできないことはできない、「ノー」と言えた方がいいのですし、ノーと言うことで罰せられないという保障が必要です。

安定感を欠く患者さんに対しては、白か黒かで物事を考えない、第三の道を探すという弁証法的行動療法が有効です。

精神の安定をBPD患者さんが保つということは難しいことです。

幼少期虐待を受けて育った患者さんも多いわけで、親からの歪んだ価値観の刷り込みは強烈です。

安定化させるためのマインドフルネス、「賢い心」をDBTでは重視します。

氷を握りしめる、コインを何枚もテーブルの上に真剣に乗せていく、アロマに集中する、キャンディを食べて味を詳細に述べていくという作業は自らを取り戻すのに役立ちます。

しかし重要なのは技法ではありません。

患者さんが自分をセルフ・モニタリングできること、治療者がコミットして結果を出すことが大切です。

医療もチームで行うことが重要です。

境界性パーソナリティ障害の人たちに対し、公認心理師が保険適用されてかかわりを持つことが認められれば、それはDBTという単一の技法でなくても、分析的でもそれは認められるべきだと思うのです。

もともと境界性パーソナリティ障害は精神分析の力がなかったら疾患単位としても認められなかったでしょう。

DBTは行動療法という名ではありますが、治療の随所で治療者は分析的な理解を求められていくからこそと思うのです。

誰もがトレーニングを受けて精神分析家や弁証法的行動を身につけられるわけではありません。

疾病によって国の経済や個人の命が危険に晒されるという不利益と、治療が行われることによって受けられるベネフィットについてよく考え、心理職には十分な研修の機会を官製で行ってもいいと思うのは僕だけでしょうか。

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◯ PTSD.AC.BPD.繊維筋痛症、慢性疲労症候群と公認心理師の可能性

(閑話休題)

僕「(恋人の)ちみちゃん、今日ブログ書くのかったるいから300円で代筆してくれない?」

ちみ「ヤダ、割に合わない、それにアンタのブログ、ムダに長くて読みきれない。読みにくい。要点だけ100文字ぐらいで書くとか?あ、書いてあげてもいいわよ。これまでひなた先生の作品を読んでいただきましてどうもありがとうございました。次回作にご期待ください。300円ちょうだい」

僕「うーん」

ちみ「私、ケーキ教室行くから後で迎えに来てねー」

(本題)

さて、ICD-10がICD-11(世界保健機構が定めている疾病及び関連保健問題の国際統計分類)にバージョンアップされました。

2019年に日本でも適用されるのではないかということで、ICD-11では正式にCPTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)が認定されることになるでしょう。

ICDは日本の保険制度の親玉のような疾病分類で、病名にそぐわない治療法や投薬をすると保険機構から支払いがされません。

だから双極性障害の人に精神病薬を出すのに、統合失調症診断名も同時につけたり、医療機関の現場は苦労しているわけです。

さて、PTSDやCPTSDに現場でかかわる心理職の人たちは相当な努力をしているだろうと思います。

難治性というだけでなく、カウンセリングからドロップアウトもしやすいですし、精神療法家にネガティブな怒りをぶつけてくることもありえます。

それは精神療法家への怒りではなく、加害者への怒りをカウンセリングルームの中で投影同一視しているからです。

さて、PTSD、CPTSDは医療機関だけに関係しているわけではなく、施設内の社会的養護を受けている児童にも起こっていることは、児童精神医学者の杉山登志郎先生がよく指摘しているとおりです。

2016年に日本でも訳書が出たベッセル・ヴァン・デア・コークの「身体はトラウマを記録する」は大変興味深く、評判がいい著作です。

専門家だけでなく、患者さんにもよく読まれています。

心理職が患者さんに「先生、読みました?知ってますか?」と聞かれるかもしれませんので必読の書だと思います。

PTSD、CPTSDの人は解離、回避、フラッシュバック、過覚醒以外にも、激しい全身疼痛を訴えることがあります。

難病指定を受けている繊維筋痛症FMには古くからトラウマや虐待との関連が指摘されています。

繊維筋痛症は慢性疲労症候群CFSと併発していることが多く、日本でも認知行動療法が行われていますが、著効がなかなか出ない疾患です。

「PTSDにはどんな治療法も効きやすい、薬物療法も認知行動療法も精神分析も効く」と言われていますがどうなのでしょうか?

クライエントさんに「病者の役割」を与え、治療に専念させる、クライエントさんが現在かかわっている対人関係に焦点を当て、クライエントさんの言うことをきちんと語らせる対人関係療法IPTはシンプルPTSDには効果があるかもしれません。

しかし幼少期から繰り返し虐待を受けていて、現在対人関係そのものが欠如しているCPTSDのクライエントさんをIPT技法16回で完治させることは困難でしょう。

「身体はトラウマを記憶する」ではCPTSDに対するさまざまな心理療法の可能性を検証しています。

認知行動療法はPTSDに効果があるということから、持続エクスポージャー法PEが使われることがありますが、週1回のセッションでトラウマ体験を語ってもらう、その時の録音テープを少なくとも毎日1時間聞いてもらうというのは凄まじい暴露、エクスポージャーです。

僕はクライエントさんに「持続エクスポージャー法もありますけどやってみますか?」と言うとたいてい断られます。

PTSDもそうですが、アダルトチルドレン、境界性人格障害の人たちも幼少期からの深いトラウマを心に負っていることが多く、便宜上診断名としてうつ病、発達障害、双極性障害、統合失調症、恐怖症などあらゆる診断名がついていることもあります。

多彩な症状を示すので前の病院から次の病院に移ると別の診断名がつくことも多いです。

PTSDに薬物療法が効くか、というとPTSD治療ガイドラインではSSRIを第1選択薬としてあげていますが、僕の知っているクライエントさんはSSRIが全く効かない、抗精神病薬を出してもらっても実感がないという人もいます。

PTSDの病態が重い人に多いようです。

それでは精神療法はどうかというと、さきほどの認知行動療法のPEは何しろ脱落例が多く、1日100分テープを聞かないと効果がない、CPTSDには認知行動療法は効かないという研究が出ています。

「身体はトラウマを記憶する」だとじゃあ何がPTSDには効くかというと、EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)が効果的と指摘しています。

そしてまたEMDRから派生した自我状態療法も効果的です。

EMDRも術者によって上手下手はあるでしょう。

指を動かしながら認知の編み込み(EMDRは認知行動療法も精神分析も取り入れています)をすればいいんだというわけではありません。

侵襲性(外科手術だと病変部を切ることによって生体に害を与える可能性があること)はどんな心理療法にもあるので、きちんとクライエントさんに確認しながらセッションを進めないとなりません。

セッション中、心的に安全な場所を確保しながら、クライエントさんがトラウマ記憶でフラッシュバックしそうなところをうまくコントロールすれば相当な効き目があります。

EMDR3回でPTSDがかなり軽快する人は70パーセントだとEMDR創始者のフランシーン・シャピロは数字を上げています。

公認心理師になりました、でもPTSDや虐待、トラウマが背景にある可能性が高い繊維筋痛症、慢性疲労症候群、境界性パーソナリティ障害はわかりませんということでは世間や患者さんからの大きな期待にはこたえられないでしょう。

公認心理師という箱ができたのですから、トラウマへのかかわりが可能な技法はきちんと習得して欲しいと思います。

グラント博士はBSPブレインスポッティングという、侵襲性が低いイメージ療法をEMDRにヒントを受けて生み出しました。

「身体はトラウマを記憶する」はヨガ、太極拳、ダンス、瞑想など身体性の追求に活路を見出そうとしています。

催眠、BSP以外のイメージ療法も効果的でしょう。

これらNBMの心理療法はソマティック・エクスペリエンスとしての新しい治療法の可能性が秘められています。


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