心理カウンセラー・ひなたあきらからのメッセージ

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: カウンセリング

C5C1F782-05D7-4D05-9D09-99BC69F4F325

「感謝されると自分が気持ちいいからカウンセリングを仕事にしました」by公認心理師Xさん

この言葉を研究会で聞いた時には唖然としました。

この人によるとカウンセリングをやると自分が尊敬されたようで心地よくなる、感謝されたい、だから心理の仕事を選んだとのことでした。

心理職の資質というのは学歴では決まりません。

公認心理師法には定められていませんが研究をしない人よりはした方がいいと思います。

効果ある心理療法をカウンセラーは行って欲しいですし、そのために勉強して技術や知識を身につける研修や学会に参加することにも意義があります。

上記の発言をした人は結構あちこちの研修に出ていて熱心に勉強をしていたのですが、僕が思ったのは何をお前は院や研究会で学んで来たのだと。

クライエントさんは利害関係がない、秘密を守ってくれる人に話を聞いてもらいたい、スッキリとしたいという理由からカウンセリングに来る場合が多いです。

カウンセラーは「またいつでもどうぞ」と言い、一回だけのカウンセリングでも満足して帰る人、カウンセラーの腕前に不全感がありながら帰る人、本来カウンセリングの問題ではなくて現実の問題で、金銭問題や仕事が合わないなどが主訴で、カウンセリングルーム内ではどうにもできないなど初回面接の終わり方はさまざまです。

またなんらかのニーズがある人は再来してきます。

もちろん僕も自分の腕前は100点満点でクライエントさんの誰もが満足して帰っていくとは全く思っていません。

ただ「何のためにカウンセリングをするか、誰のためにカウンセリングをするのか」というと、それはクライエントさんのためであって、当たり前ですがカウンセラーのためではありません。

カウンセラーが仕事に対して抱いている欲望は何なのか、それはクライエントさんには関係がないことです。

夢いっぱいで心理職の仕事にはついたものの、大変なことがいろいろとあって心折れてしまいそうになった。

でも食べるためには心理の仕事を続けなければならないからやっている人というもいるかもしれません。

仕事としてやっている以上、「いやあ、僕もいろいろ大変でしてねえ、この前は彼女とケンカしちゃいましたよ」という風なカウンセラーの個人的な話に興味を持つクライエントさんは通常皆無です。

カウンセラーの家族が病気でやむなく予定変更してもらったときは「この間はすみませんでした」「大丈夫でしたか?」「ええ、おかげさまで助かりました。それじゃあこの前の話の続きですが・・・」

とあくまでもクライエントさん中心に話は進むわけです。

自分の仕事の不満などをカウンセリング中に語る権利があるのはクライエントさんだけです。

公認心理師試験はマークシートだけですし、臨床心理士試験の短い面接で心理職としてその人の根本的な人間的資質を見抜くことはできないでしょう。

だからこそ心理職にはきちんとやってくれ、自分のことよりクライエントさんを先に考えない心理職はいつか失格という烙印を押されかねないぞと思うわけです。

とある大学のカフェテリアで食事をしていたら医学部生たちが「将来どうしようかなあ、内科とか外科はメジャー科だからめちゃくちゃ忙しそう」

「そうだよなあー俺精神科にしようかな、人の話聞いて薬出してればいいだけじゃん?」という話を聞いて「ほう」と思ったことがあります。

志があってよく学んでいてその道一筋に生きる、臨床心理学を愛しているカウンセラーは仕事もよくできますしクライエントさんからも慕われます。

こういうカウンセラーにカウンセリングを受けることができるクライエントさんは僥倖です。

別に糊口をしのぐためだけに仕事をしていても、目の前にクライエントさんが来たら一生懸命になれればそれでもいいのです。

怖いのは自分の実力を過大評価する人、万能感を抱いたり、際限ない劣等感の裏返しで仕事をしようとする人です。

精神科医でも心理職でも、人をコントロールするために仕事をしたいというコントロールアディクション(支配への依存)に陥るととんでもないことになりかねません。

自分の認知枠の中に相手の人間性や人格を無理やりはめこもうとするようになりますし、歪んだプライドを満足させるためにクライエントさんだけでなく周囲を踏み台にして優位に立とうとします。

こんなことを書いているとカウンセリングに期待を持ちつつ読んでいるクライエントさんには申し訳ないなあと思います。

大抵の心理職は熱心、真面目に仕事をしている普通の人です。

その中で尊敬できる心理職に出会えたらそれは素晴らしいことです。

臨床心理士だけでも3万5千人累計合格者がいて公認心理師も2万7千人います。

全員絶対まともですという品質保証はつけられません。

何がなんだかわからずに公認心理師を目指そうとする新入大学生には大学の先生方も臨床のイロハから教えなければならず、大変なことでしょう。

クライエントさんはいつでもカウンセリングをやめたりカウンセラーを変える権利があります。

組織内で暴走したら止める人も出てくるでしょう。

心理職がお互いの立場を尊重するということはいいことです。

ただし相当な規則違反や法軽視の態度を取っていれば通報、通告は同一職種間でも行うことができます。

むしろ通告通報しなければその心理職も同罪というのが倫理的には当たり前です。

ただ、具体的に誰かに迷惑をかけたということがわからない、こういったグレイな発言をするような人はほかの心理職も注意を払って忠告します。

そんな態度で仕事をしていればクライエントさんからのクレームも出るだろうし、所属機関の上司からもきつい指導を受けることになるよ、と。

別に心理職同士で監視し合う必要はありませんが、相互にきちんと物言える自由な雰囲気は大切です。

今後の心理制度でクライエントさんがもっと自由にカウンセラーを選ぶことができたらいいなと思います。

クライエントの方々には言っておきたいことがあります。

そういうことはどの学会のホームページにも書いてありませんが、どろどろとした権力争いをしている心理関係団体の中の人は人格的にどうなのか?と思います。

ブログを書くのにあちこちから話を聞いたり取材をしていると特にそう思いました。

ヤブカウンセラーには気をつけてください
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ

45AF5050-2CEC-4B9A-AE8F-4BEFED0E9EF0


公認心理師のカウンセリングハラスメント防止策

もうそろそろ公認心理師登録証が届いて晴れて公に公認心理師を名乗れる人たちがたくさん出てきました。

お疲れ様でした。そしておめでとうございます。

今日はカウンセリングという行為そのものが持っている危険性について書きます。

◯ 境界性パーソナリティ障害に関して

現代の精神科難治性疾患の中でも医療をはじめとした各心理分野領域で、本人の苦悩が大きい境界性パーソナリティ障害はその効果的な対処法が課題となっています。

もともと精神病と神経症との鑑別がつきにくい症例に対して境界例と呼んでいたのですが、境界性パーソナリティ構造概念を経て、DSM-Ⅲではっきりとした診断体系の中に境界性人格障害は位置付けられました。

この障害はあらゆる意味で医療の世界でも、どの領域で働く心理職にとっても対処が困難とされています。

診断体系DSMの優れているところは境界性パーソナリティ障害を単独の障害として扱うのではなく、合併している疾患についてもその診断可能性を探ることで、多面的な対応がしやすくなりました。

境界性パーソナリティ障害
Borderline personality disorder BPDはパーソナリティ障害という枠組にとらわれているだけでなく、うつのような気分障害、双極性障害、統合失調症、PTSDと並存した診断を受けていることもあります。

なぜBPDが難しいかというとまずはそのスティグマ(烙印)です。

◯AC PTSDとの関連

BPDの人は幼少期から思春期に至るまで親や他者からのひどいネグレクトや危害を連続的に加えられていた場合が多く、アダルトチルドレンやPTSDの中にもBPDの人は確かにいます。

だから全てのACやPTSDの人をBPDとして扱うと「私は人格的に問題があるの?欠陥があるの?障害なの?」と思われてしまうわけです。

人格障害というのはかなりきつい言葉です。

BPDはそうでない疾患が「BPDだ」と誤診されやすく、その逆も多いです。

BPDはパーソナリティ障害の中では本人の苦しみが強く致死率も高い、危険性を孕む病です。

薬物療法が奏功を呈する場合も多く、他のパーソナリティ障害よりも疾患性が高いと言えるでしょう。

日本の保険医療制度の診断名と実体には解離があります。

医師の診察時に医師が患者さんに紙カルテや電子カルテの病名欄を見にくくしています。

例えば双極性障害に医師が処方ししたくても保険適用にならない薬剤があると統合失調症の病名をつけて保険適用させることがあるわけです。

PTSD、AC、BPDは身体的症状やあらゆる精神病的症状が現れます。

保険診療のために医師がどんな診断名をつけてどんな投薬をするか、医師はその患者さんの状態像を見て処方しているわけです。

院内にいれば心理師もカルテを見る機会はあるわけですが、「BPDか、それじゃあ精神病的な妄想か」「病名が統合失調症か、やっぱり妄想か」として扱うと例えば幼少期の被害体験が何度もフラッシュバックしてそれを体験している患者さんの苦悩は置き去りにされてしまいます。

心理が勝手に患者さんを傷つける判断をしてはいけません。

医療は証人を呼んで事実の有無を采配して認定する司法機関ではありませんが、「家族からの情報」で客観性を求める場合はあるでしょう。

ところが「事実ですか?それとも妄想なんですか?」という判断を医療が求められる場合もあります。

お金や制度がからむと行政や福祉からの要請で情報を開示や参考意見を聴取されることもありえます。

その際に医師、医療現場は患者を「おかしなやつだから」というスティグマを押しつけてしまうと患者さんのその後には命取りになりかねません。

自傷的なアクティングアウト、行動化は扱うことが困難です。

医師にとってはODで入院を繰り返す患者さんに出せる薬は限られてしまいます。

服薬コンプライアンスをさせるのが難しい、そして医療者のプライドも傷つけられます。

「だからBPDはやっかいなんだ」という扱いを受けていた患者さんが転院すると医師や心理職に恵まれて平静になることもあります。

いつと疑われてかかられていて厄介者扱いをされていたらよくなりにくいです。

同じ投薬治療をしていても治療関係が良好だと薬の効き目が違うというのはよく言われていることです。

心理職が医師の診断を広げて患者さんに先入観を持って対処することは感心しません。

医師は困難な患者さんだからこそ心理職にフォローアップを求めているわけで、患者さんの劣等感を深める目的でカウンセリングを命じているわけではありません。

「教科書にも書いてあったから妄想は肯定も否定もしないでおこう」という態度ではちっとも共感的理解にはなりません。

他院の治療に不信感を抱いて転院してきた患者さんのインテーク(初回の見立て)面接をするのは今後も心理職、心理師が多くなるでしょう。

患者さんと一対一できちんと長時間向き合える心理職の役割は大きなものですし、インテークや心理検査は医師の診断にも大きく影響しますので、ここで患者さんと心理職が良好な関係、ラポールを使っておくことは大事です。

さて、心理療法の話になりますが、患者さんがBPDだと診断され、自覚していたら弁証法的行動療法はかなり有効な精神療法です。

弁証法的行動療法DBTはマインドフルネスや瞑想にも似た精神療法で「賢い心」という第三の精神状態を止揚させる弁証法的行動療法は、患者さんの気持ちを落ち着けるための数々のスキルを内包しています。

両腕傷だらけで自らもBPDであろうDBTの創始者マーシャ・リネハンがBPD患者さんを見る目はとても暖かいです。

さて、最近の患者さんはとても勉強熱心で、初めて受診に来る際に自分の病気のことをかなり調べてから来る人も多いです。

成り立ての大学院卒臨床心理士や公認心理師はとてもかなわないでしょう。

弁証法的行動療法をしようとすると自分はBPDと思われた、と察知しますし、トラウマを自覚していないのにEMDRをされるといぶかしく思うわけです。

今や精神療法の王道と言われている認知行動療法にも侵襲性、相手を傷つける可能性はあるでしょうし、来談者中心療法ということでクライエントさんに漫然と話させているうちにフラッシュバックや徐反応が起きる場合もあるでしょう。

心理職が自分は何をしているか、その危険性は何か、どんな方針で精神療法を行おうとしていてそのターゲットと見込みはどうかという、インフォームドコンセントICがきちんとできないと時としてそれはカウンセリングハラスメントになります。

もともと心理が行うカウンセリングには患者さんの短期的、中期的、長期的治療計画を看護や福祉計画のように立てる力が弱いのです。

あまり強力に自分が作ったスケジュールに患者さんを当てはめようとしても無理が出るのですが、ある程度の見通しは必要です。

今回公認心理師に合格したいろんな人たちから話を聞いています。

公認心理師に合格したものの、もともと心理プロパーでないので福祉、看護、教育の自分の主舞台で心理的知識を生かすという謙抑的な人は賢いと思います。

心理の世界は泳ぎ切れないぐらい広い海です。

もし僕があと50年ずっと勉強を続けても今現在の心理療法の全貌はさわりだけしかわからないでしょう。

全世界のカウンセリングの世界でハラスメントが問題とならなかった時代も流派もなかったと言っていいと思います。(偽の記憶事件など)

守秘義務と安全配慮と主治医の指示をすべて守れと矛盾した要求を突きつけられている公認心理師の仕事は今まさに注目を集めています。

公認心理師制度は常に正と見られるか負ととらえられるかの分水嶺にあるわけです。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ

カウンセラーさんたすけて

(かなちゃん)

わたしはまだ5さいなの

5さいだからむずかしいことはわからない

このまえおかあさんがあたらしいおとうさんとけっこんしたの

やさしいおとうさんで、かながねていると、おふとんにはいってきてだっこされて、ぐにゃぐにゃでやわらかい・・・いやー!!!

(まさよさん36歳登場)

かなちゃん、怖がらなくていいのよ、かなちゃんがいるこの白い部屋のドアを開けて、私がぎゅっとかなちゃんを抱っこしてあげる。

だから安心して。

かなちゃんは何も悪くないのよ。

悪いのはかなちゃんがお父さんって呼んでいたおじさん、おじさんはもうどこか遠くに遠くの離れたところにいっちゃったからね。

(しょうた14歳登場)

おい、勝手なことばかりお前ら言いやがって、俺の出番を増やせよ!

お前がかなっていうのか、ガキだからっていつまでも泣いてるんじゃねえよ、もっとしゃんとしろ!!

(かな)

こわい、しょうたさんあっちいってよ(泣く)

(しょうた)

やだね、俺は俺の好きなように暴れるね

(まさよさん)

大丈夫、かなちゃん抱っこしててあげるから、しょうたくんももう18歳なんだから、もうちょっとかなちゃんのこと可愛がってあげてね。

(しょうた)

俺の出番をガキに奪われるのはやだっていってるんだろ!

(はつみ18歳)

しょうた、あんた子どもイジメて楽しいわけ?

あんたの方がガキじゃん、かなちゃんは辛い思いしてきたんだよ、もうちょっと子どもには優しくしなよ。

(しょうた)

何だよ、辛い思いって。

(はつみ)

あんたには関係ないよ。

わかったらドアの向こうに帰りなよ。

(しょうた)

面白くねえな。

わかったよ。

ここにいてもつまんねえな。

あっちでゲームやって時間潰すか。

ゾンビ倒すの面白いんだぜ?

(はつみ)

いいからあっちいきな、私も帰るよ。

(まさよさん)

かなちゃん待っててね、また戻ってくるからね、ほら、これね、クマさんのぬいぐるみ。

ぎゅっとしてると安心するの。

いい子だから待っててね。

(かなちゃん)

うん、わたしもむこうであそんでる

(かすみ20歳登場)

ずっと見てたけど、かなちゃん辛そうだね。

(まさし23歳登場)

そうだな、お前、覚えてるの?

俺、何があったか知ってるぜ。

(かすみ)

私は知らないよ、私大学生だから勉強もサークルも忙しいからさ。

私、今主人格なんだってさ。

12歳ごろからずっと。

(ゆめ20歳、元々の主人格)

かすみちゃんありがとうね。

私いつも疲れてるから休んでるの。

だから私の代わりに大学の勉強頑張ってね。

(かすみ)

うん、任せておきなよ。

ゆめは疲れてるから休んでなよ。

(まさし、ゆめ、かすみ退場)

(しょうた登場)

ゲーム何回もやってたからつまんねえな。

(はつみ登場)

あんたもかなちゃんいじめるのやめなよ、大人げない、あんた何歳なんだよ。

(しょうた)

どうだっていいじゃねえか

(カウンセラー)

どうなのかな、深く深く眠っているとみんなが話し合いしやすいね。

しょうたくんは元気だからいろいろ言いたい年ごろだね、まさよさんを呼んでみようか。

(かすみにポンとひざを叩かせる)

(まさよ登場)

(カウンセラー)

まさよさん、しょうたくんと話し合ってくれるかな?

(まさよさん)

しょうたくん、実はね、あなたがあつも暴れたり、かなちゃんをいじめるからみんな困っているの。

なんとかならないかしら?

(カウンセラー)

しょうたくんはまだ14歳だから、もう少し、もう少し大人になったら変われるかな?

しょうたくん、しばらく深呼吸しながら深呼吸だけに注意していてくれるかな?僕の言うことは何も聞かないでいいよ。

しょうたくんは立派で男らしいね、だんだん大人になっていくよ。

(しょうた)

先生、俺、さっきまで14歳だったけど、今16歳、18歳なんですよ。

確かに小さな女の子いじめるのはカッコ悪いですよね。

どこか旅に出ようかな?って。

俺はもう役割終わったみたいな気がしてるんですよ。

(カウンセラー)

しょうたさん、ありがとう、これからどうするかはよく考えてみてね。

かすみさん、出てきてくれるかな?

(かすみ)

いつも大変だけどみんなと仲良くしていますね。

これからもよろしくお願いしますね。

(かすみ)

はい、私が頑張らないと支えられないから。

(カウンセラー)

かすみさん、無理しないでくださいね。

まさよさんもいつもかなちゃんの面倒見てくれてありがとうございます。

これからもよろしくお願いしますね。

まさしさん出てきてくれませんか?

(まさし)

うん

(カウンセラー)

まさしさんはよくみんなのことを観察してくれていますね、いろいろと自分で判断しているんですね。

(まさし)

はい

(カウンセラー)

これからもよろしくお願いしますね。

まさしさんは観察するのがすごく上手だから感心していますよ。

それじゃあかすみさんに戻って、あとはみなさんドアの向こうに帰りましょうか。

※ あくまでこれは例示で、こんなに簡単に心理療法は進みませんし、人格の成長や再統合には時間がかかります。

トラウマに触発された多重人格障害は、基本的に人格の数だけ面接をしていきます。

20の人格があれば20人分のカウンセリングをします。

しかし相当注意してやらないといけません。

人格の無理な統合は絶対厳禁です。

催眠下、EMDRや自我状態療法でこういった面接は行われていて、うまく行くと人格交代訓練も可能になります。

ただし、刺激に弱い段階でこういった療法をするとかなり大きな危険もあります。

心理職はセラピストです。

チャレンジャーではないのです。

PTSDのことばかり書いていますが、クライエントさんが抱えている恐怖はどの疾患でも重大なものです。

強迫性障害、自己臭妄想など枚挙にいとまがありませんが、どれも死に至りかねない病です。

特に新しく公認心理師になる方、そして既存の心理職の方にも知っておいて欲しいと思うのです。

自分のできること、最善のことをしつつ、手に負えないクライエントさんはその道の専門家に紹介できるだけの社会資源を持ち、できないことを自分でやらない勇気を持つことは大切なことです。

僕自身自分でカウンセリングをするよりも専門機関にクライエントさんを紹介し、うまく軌道に乗ってくれたらいいなと思いつつ手放すことは多々あり、自戒の念を込めて本稿を記しました。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ
にほんブログ村

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ
にほんブログ村

9830F2C5-AD7B-4541-8371-1AAB7028D2A8









アプリが公認心理師を超える?

先日AIとカウンセリングについて書いたばかりですが、大塚製薬とアメリカの子会社及びアメリカのクリック セラピューティクス・インクがうつに効果的なアプリを開発、その承認を待っているという記事を読みました。

治験データでは被験者の短期記憶を改善することによって状態も改善したとのこと、大塚製薬は最大限2億7000万ドルを支払う用意があるということで、相当大規模なプロジェクトになりそうです。

短期記憶がうつに関係しているというのは僕は初めて知ったのですが、
この研究は
「うつにおける短期記憶と選択的注意」
Changes in directed attention and short-term memory in depression

Reg Arthur Williams, Bonnie M Hagerty, Bernadine Cimprich, Barbara Therrien, Esther Bay, Hiroaki Oe
Journal of Psychiatric Research 34 (3), 227-238, 2000

日本でも

記憶障害患者の復職可能性について

原寛美, 上田敏
総合リハビリテーション 11 (9), 709-713, 1983

論文があり、検証は他でもかなり行われているようです。

以前PTSDでfMRIを使った脳記憶断層状態測定で、快刺激と不快刺激を交互に与えてトラウマを除去する研究が内閣府で行われていることも書きましたし、脳科学的に快方に向かわせる試みは多分各地で行われているのでしょう。

思い出してみると僕自身が予備実験被験者として認知行動療法のストレス低減ソフトを使って「なるほどなあ」と効果を体感したこともあります。

日本、外国のアプリでも主として認知行動療法的な働きかけとして、通常カウンセラーがクライエントさんにホームワークとして実践してもらう「行動記録表」を書いてもらう、次回カウンセリングではそれを話題にするということはよく行われています。

さて、そうすると今後実際にはどういったかかわりが想定されるかというと、抗うつ剤などによる薬物療法や修正電気けいれん療法、そしてカウンセリング、もうひとつの手段としてアプリによる軽快化を目指すという時代も来るでしょう。

僕がNBM(物語りの古典的なセラピー)だけをを重視しているかのような印象を持つ人もいたかもしれません。

実際には認知行動療法で学会発表をしたり、役に立つものはなんでも使うのがいいという、節操がないと言えばそうなのですが、その人が信じているのならば宗教をテーマにして話す、キネシオロジー(代替医療的療法)も使います。

どんどん科学が進歩していく中で「あれはダメ」「こっちは自分の好みでないから信じられない」と精神療法の世界であまりえり好みをしてクライエントさんに自分の技法を強要することはよくないなと思うわけです。

公認心理師には心を扱う仕事でもある作業療法士も多く誕生したと聞きます。

精神保健福祉士も社会福祉士ホルダーも多いと思います。

さまざまな技法や他職種の底流にある理念をぜひ今後のカウンセリング
に生かしてクライエントさんのためになって欲しいと思うのです。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ
にほんブログ村

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ
にほんブログ村

6953A807-6644-4D4E-9B8B-7DDB3C9754AC

◯ ひどいカウンセリング

上手なカウンセリング、素晴らしいカウンセリングをする先輩カウンセラーがいる反面、思わず顔をしかめたくなるようなカウンセリングの話を聞くこともあります。

カウンセラー本人が自慢げに話したり、クライエントさんからひどいカウンセリングをされたと聞くことがあります。

こんなひどいカウンセリングを受けたら悪化してしまうのではないか、クライエントさんの情報が特定されない範囲で少し書いておきます。

これまでカウンセリングを受けた人の中でこれに近い経験をした人はいなかったでしょうか。

1.講演会での話

とある施設に慰問、講演に行ったカウンセラーがいました。
その施設は社会的ハンディキャップを背負った人がいる場所で、みんな大変な思いをしている子どもたちが入所している施設、

カウンセラーは

「私たちはあなたたちのことを理解したい、していきたい。そのためだったらきちんとあなたたちのいるところまで下りていくから」

と言ったのですが、子どもたちや施設職員はどんな気持ちで聞いたのかなあと。

2.個別カウンセリング

枚挙にいとまがないぐらいカウンセリング被害の話はあると思います。

ドクターハラスメントがあるようにカウンセリングハラスメントもあるわけです。

例えば児童虐待ではとてつもなくひどい虐待が行われていた場合がある。

これはカウンセラーだけでなく、ドクターがもっと悪いわけですが、患者さんの受けた虐待を「妄想」と決めつけてしまう。

挙げ句の果てに妄想かどうか確認するために虐待者の家族を患者に無断で呼びつけて話をして(権限はあるかもしれませんが信頼関係はなくなってしまうでしょう)妄想と断定、カウンセラーにも妄想として扱うように言うわけです。

確かにドクターの言うことにカウンセラーは逆らえないという構造はありますが、「僕は自分が体験したことがないことには共感できないから」とカウンセラーは言い捨てた。

ドクターの言うことに従わざるを得なくても、患者へのハラスメントを行っていいわけでもなく、カウンセラーとしての矜持はないのかと。

3.心理検査

いわゆる投影法の心理検査に詳しいカウンセラーはクライエントさんの奥深くまで分析して見ることができます。

曰く「あなたの傷はあまりにも深い、わたしにはどうにもできない」

ここまでは言い方が悪かったんだろうなあと思います。

自分のカウンセリングの力量を超えた根深いトラウマを負ったクライエントさんが来ることはそのカウンセラーにとってはおかしくはなかった。

「どうにもできない」まではわかります。

だからどうすればいいのか、次はどこの機関に行けばいいのかと紹介(リファー)しなければクライエントさんを見捨てるだけになってしまいます。

4.心理療法の流派

以前から思っていることです。

エビデンス(証拠)がある心理療法として、認知行動療法があります。

嫌悪刺激に暴露する、それがうまくいけば症状は乗り越えられます。

きちんとした認知行動療法家は暴露がうまく行かなかった時の2番目、3番目の手段を考えて治療構造から脱落させないようにしていると思います。

ただし、論文を読んでいるときちんとしたデザインで施行されているものもたくさんありますが、脱落例をどう扱ったのかが不文明な論文もあります。

人間はモルモットではない。

認知行動療法に限らず全ての流派の心理療法に共通することです。

「この人のカウンセリングにはこの流派は合わない」と来られなくなった際に次に行くべき場所を最初から提示しておく必要があります。

患者さんにとってのセーフティネットとインフォームドコンセントを初回から十分に提示しているカウンセラーはどれだけいるのだろうかと思うのです。


にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ
にほんブログ村

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ
にほんブログ村

ADD8280C-6053-4255-B706-B9D8802861E1

↑このページのトップヘ