ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

カテゴリ: 心理学

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コロナワクチンは打つべき?やめるべき?

1.はじめに

コロナワクチンが日本に輸入された、人数分揃ったぞ、ああそれじゃあ早速予防接種だ、集団免疫を獲得して日本も早くイスラエル(1日感染者10人程度)やアメリカのようにノーマスクの世界に戻りたい、と思う一方でワクチン接種を拒絶する、あるいは「様子見」ということですぐに接種を希望しない層が一定数いることは確かです。

Yahoo!の世論調査によると「すぐ打ちたい」は4割にとどまっているとのこと。「絶対に打ちたくない」という人々にワクチン接種を強制することはできません。

「あなたは病院に行きなさい」「病院に行ってはいけません」と同じようにパワハラや虐待にも当たるし、大きな人権侵害になるからです。

2.流言=デマの影響

さて、ワクチンをめぐる「流言」rumorが世の中を横行していてそれによってワクチン接種に抵抗を持つ人も一定数いるようです。

いわく、「ワクチンはプラスチックと同じ成分だ」「ワクチンは磁石と同じだから接種部位に磁石を当てるとくっつく」「ワクチンを打った人は5年以内にみんな死ぬ」「ワクチンは不妊になる。不妊になるウイルスがばらまかれてそれに感染した人も不妊になる」「遺伝子が組み換えられる」etcです。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は「妊婦に影響を与えるとか妊娠に支障があるという証拠はないよ」と言っているのですが、上記のデマはほとんど「悪魔の証明」です。

つまり、開発されたばかりのワクチンで「必ず5年以内にみんな死ぬ」かどうかは5年経たないとわからないわけです。

このあたりの流言が広がるということがむしろ人々の不安を投影しているのではないかと思います。

3.社会心理学的的考察

飛語流言はインパクトがあればあるほど人の心に残ります。「んなわけねーだろちょw草生える」と思っていた荒唐無稽な説の方が説得力を持って人々の心に残って後からずしりと気持ちにのしかかるのは「スリーパー効果」と言います。

「デマ」というのはデマゴーグの略称で、ある政治的な意図をもってわざと人を混乱させるような情報を流すわけですが、こういった自然発生的な「流言」は悪意なく広がっていきます。

このあたりを筑波大学で心理学を教えている原田隆之君がドヤ顔でデマと流言を混同してYahooニュースで語っているわけですが、間違いは正さなくてはいけませんので本記事で優しい僕が親切に教えてあげることにします。

北大路書房の「社会心理学辞典」を手元に参照しているのですが、同書によると流言の発生条件は(標題のみ抜粋)

1)主題への興味・関心
2)認知的曖昧さ
3)欲求・感情(特に不安感情)
4)性格要因
5)批判能力


このコロナワクチン流言は見事にこの5つを満たしていると言えます。今ワクチンは最も高い国民の関心事、そして大急ぎで開発されたワクチンの効果は生体内in vivoでも証明されているのですが、それでも情報が足りない足りないというとキリがないです。

そうすると不安は煽られる、性格要因というのは流言に敏感な人と抵抗性が高い人に分かれるということで、どちらがいいのかという価値判断を僕がしているわけではありません。

こういった事態に対して流言への批判ができる人は流言抵抗性はやはり高いわけです。

ここら辺は試験にも出そうですが、同書によればオールポートAllport,G,Wは主題の重要性(i)は事実の曖昧さ(a)は流言の流布量(R)についてi〜×a、つまり事実が曖昧で重要なほど流言の量は多いということが示されています。

この流言の原因としてはさまざまな社会心理学理論が援用されると思います。

レオン・フェスティンガーFestinger,L認知不協和で「ワクチンの効果がわからないからワクチンの悪い噂がどんどん広まっていく」とかSNSの集団性一斉で極端な方に意見がどんどん流れがちになります。

こういったワクチン反対派の人たちの態度変容は自分が正しいということが証明されるだろう、というやはり不協和を避けるためにバンデューラBanduraが提唱しま自己効力感に向かっていくわけです。

4.おわりに

社会は人間によって構成されていますし、人々というのは説得行動ですぐに態度変容をするというわけではありません。ワクチン推進派からすれば接種人口が増えれば増えるほど集団免疫が獲得されて発生数も少なくなるわけですが、その分非接種派もその恩恵をこうむることに頭に来てもおかしくありません。

反面ワクチン批判派は「相当な人数が発症したから、それで集団免疫が獲得された」「自粛が効果あった」と発生が少なくなれば言うかもしれません。

あまり中立派を装って旗色不鮮明なのも何なのできちんと言っておくと僕はワクチン推進派です。もう接種も終えています。カウンセリングという仕事は人に相対する、しかも医療機関内で働いていると自分の職場のクラスターも見ていて、絶対に患者さんに感染させるわけにはいかないと考えています。

ワクチンの効果はエビデンスが出ているわけでそれが生体内で確認されていることから、医療従事者の僕としてはそれが責任だと感じたからです。

絶対に打たないと決めている人は態度変容しにくいかもしれませんが「様子見」の人は流言に踊らされないで常識というものを見て欲しいと思うのです。

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凛。

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あと3カ月でできる公認心理師試験対策

1. はじめに

9月19日の第4回公認心理師試験まで 3 カ月を切りました。「合格のために一体何ができるのか?」ということについて僕なりに考えたことを書いてみます。

2 絶対に落とせない知識

例えば「自殺の二次予防」という言葉がありますが、一次予防はポスターや地域の集まりでの啓発活動、二次予防というのは、相談活動や支援活動、これはブループリントの「自殺予防」に対応する用語で、これが誤答だということは知っていることはよくわかります。

ヴェーバー・フェヒナーの法則も心理の学部で習う知識、「アドボカシー」という用語は社会福祉のようでありながら、一般的な用語として今は使われつつあります。

2 試験の概括-ブループリントからはそのま出ないことが多い

ブループリントは今年は小項目がご丁寧に索引つきで出ているので「これを勉強しておけば大丈夫だ」と思っている人は過去問を解いた人は誰も思わないでしょう。確かにブループリントから出題されていた項目もありますが、基本的に大項目から何を出題しても自由で大項目「健康・医療に関する心理学」のうち生活習慣病でも心身症でもなんでも出していいことになります。難病もがんも小項目に含まれています。

だからブループリントの小項目を勉強することや過去問も大事ですが、何が出るのかわからない、その「何」が大事になってくると思います。

今回は悪名高いグレリン、レプチン、オレキシンの問題が出ましたが出題委員に専門家が新たに加わったため、じゃあグレリンというのは摂食や成長ホルモン分泌を促進するペプチドの一種であるとか、ホルモンというのはステロイド(コルチゾール)、ペプチド(インスリン、黄体化ホルモン、成長ホルモン)、アミン型ホルモン(メラトニン、アドレナリン、ノルアドレナリン)だとか、絶対出ないという保証がないのです。

心身症は、心身症とメンタルの関係について調べるのではなく、心身症そのものについての知識が必要、高血圧、気管支喘息、胃潰瘍、頭痛、アトピー性皮膚炎、メニエール病 etc それぞれの知識がばしっと出ると思っておくといいでしょう。このあたりの知識はネットにいくらでもあるのでまず「心身症とは何か?」から広げておくといいでしょう。

そして糖尿病、認知症は大学院で習った人も習っていない人も G ルートだと縁がなかった人もいるでしょうけれども、この試験ではうつ病よりも大切な知識となっています。医療法は毎年出ています。

3 過去問はやってみる・模試もやってみる

過去問をまだやっていない人はぜひ本番と同じ雰囲気でやるといいでしょう。もうやった人ももちろんいて、正答だけでなく誤選択肢まで全て調べつくしている人もいるでしょう。

しかしながら、後者の人が高得点を取れるわけではないのがこの試験の怖いところです。

簡単な例からあげます。Alzheimer 認知症は出題されます。レビー小体症候群も出ます。ピック病も出るかもしれません。高次脳機能障害はわざわざ項目まで作ってあるので出るでしょう。さて、脳機能障害が出るのですから、当然脳の病変部と障害との関係についても学習しておく必要があります。

つまり、誤答となった選択肢が「なぜ誤答となったのか」調べるだけでなく出題範囲の相当広い部分を「深く」調べておく必要があるということです。なかなか一筋縄でいかない試験だということは院卒新卒者でも間違いがないと思います。

だからこそ細かい細かい基礎的な知識は覚えておく必要はあります。「家族再統合」(福祉領
域)「構成的グループエンカウンター」(教育)「甲状腺機能低下症」(甲状腺機能亢進症も覚えましょう) Vygotsky が出るなら Luria, S, Eも出るかもしれません。Piaget,J はどこから出されるのかわかりませんから Piaget の理論は全部覚えておくに越したことはありません。

発達心理学者はたくさんいるので全部一応おさらい (新学習)することをおすすめします。

精神保健福祉法は入院類型だけでなく、全部おさらいしておく必要があります。「自立支援医療ってナニ?」(公費9割負担1割本人負担制度)と聞くよりもきちんと調べておきましょう。

あとは DSMです。以前も書いたような気がするのですが、どんなに詳しい教科書があったとしても DSM-5の診断基準を全部書いてあるわけではありません。それはテキストを制作している会社が悪いわけではなく、DSM-5の著作権が異様に厳しいからです。ということで転載はできないのです。そこで、DSM だけは自分でポケット版でもいいので買って診断基準を覚えておきましょう。PTSD も毎年必出です。PTSD はきちんと覚えなければなりません。

ブループリントからそのまま出る可能性が高いのは第3回試験では健康日本21 でした。裁判員裁判も既出です。ハーグ条約、面会交流あたりはヤマかもしれません。

3.おわりに

まりりんと共同してやったインスタライブでは「ヤマ」として少年院類型以外に少年法の手続き、必出の向精神薬副作用も述べたのですが、「広く浅い」「狭く深い」試験ではなく「広く深い」試験なのが頭が痛いところです。試験に向けて3カ月、ぜひみなさんのご健闘を期待しています。

公認心理師試験対策

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Hikari.

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第4回公認心理師試験もそれ以降も難易度は高いという予測

1. 承前

(1) G ルート創設の経緯

初めに書いておきますが、本記事は G ルート受験者を disる目的で書いているものではなく、あくまで今後の試験難易度に G ルートの在り方が大きく絡むという意図で書いているものです。今さらですが、G ルートの創設はカリキュラム検討委員会が決めたものです。

表向きは例えば相談業務を週1回、主婦などがスクールカウンセラーや精神科クリニックで働いている場合の現任者、あるいは大学教員が教員としての業務を主として行っていて、カウンセリング業務は週1回程度行っている場合を仮定してGルートと認めるというとことになっていました。

これは臨床心理士の現職者を仮定して(正確に言うとまるで仮定していたかのように)述べていたものと思います。ところが実際フタを開けてみると教員、看護師、福祉士など近縁多職種の受験者が多かったわけで、これはカリキュラム検討委員会が予想していたことでしょうか。僕はある程度以上予測していたものと考えています。

2 資格1法案の時は医師団体が医療心理師は大卒を資格要件としていた、または専門学校卒でも可能として、結果臨床心理士団体からの猛反対にあって法案が廃案になったものです。そういった経緯がこれまでにありました。

今回公認心理師制度が成立するに当たっても、各学会や心理関係団体から専門学校卒は要件にしないで欲しいと強力な要請がありましたが、G ルートが認められたことで学歴要件はうやむやになりました。以前書いたのですが、実際、Gルート受験の場合には卒業証明書は不要ということを受験の手引きを見てかなり驚いた覚えがあります。

(2) 医師団体は公認心理師資格の価値を切り下げようとしたのではないか

日本心理研修センターは第 1 回試験の際に受験者が持っている資格として、看護師、教員免状、精神保健福祉士などをアンケートの際に仮定していました。初めから他職種が受験することを想定していたわけです。また、厚生労働省公認心理師制度推進室はある時点で(今はわからないですが)Gルートの専門性に疑問を投げかけたEルート学生向けに「Gルートはいずれなくなるので安心してください」という趣旨の回答をしていました。

公認心理師制度推進室(制度発足後活動)や日本心理研修センター(試験機関)がGルートを創設したわけではなく、カリキュラム検討委員会が決定したものです。結果として G ルートは専門学校卒でも高卒でも受験できる資格となったわけです。

医療心理師よりも受験資格が甘くなったと言えます。カリキュラム検討委員会が当初から上記非常勤心理職や大学教員を想定していたわけではなく、こういった事態、他職種組の多数の参入を考えていたのではないかと思います。

多分、ですが公認心理師資格の価値は医師団体と心理団体の綱引き合戦で「5年間はGルートを認める。その替わり心理団体の主張を受け入れて 2024 年からは学部から公認心理師課程だけを履修した純粋培養組が受験することになります。

2.本論

(1) 第5回、第6回試験難易度

以前から書いていることですが、G ルートの合格者増加を公認心理師制度推進室も日本心理研修センターも快く思っているわけではないと思います。だからこそ試験難易度を上げているのだという仮説が仮説 A です。

そして、他職種を含めて実働心理職、公認心理師数は5万人程度(第1回~第3回合格者合計 43,720 人)、その中で実働者は多分現在臨床心理士と同様の3万2千人程度は必要だろうという目算(カリキュラム委員会)があるからこそ最後に人数の帳尻合わせをするために試験難易度を上げているのだという仮説が仮説 B です。ということで第4回試験、第5回試験は平易になるわけではないと思っています。

第5回試験が終了するのは 2022 年、Gルート受験の最終チャンスです。そして2023 年の第 6回試験(純粋培養組が出てくるまでのつなぎ試験?)純粋培養組が初めて受験する第7回試験が始まります。

しかしその間に D ルート、E ルート、F ルート不合格再チャレンジ組の滞留者がたまって来ているわけですから、いきなりレベルを落として全員合格させるわけでもなく、難易度としては同じだと考えるのです。GPA で学部から選抜されてきた優秀な学生なので、純粋培養組に対する当局の合格率予想は 8割を目指しているのではないかと思っていますが、試験問題そのものは相当にレベルの高いものになるでしょう。

厳しい言い方をすると、前回、前々回と試験に合格できなかった人たちはこれからかなりの覚悟をして勉強に、取り組まないと合格はできないと思うのです。

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第4回公認心理師試験合格率予想(試験前 2021.6.18)

従前、S 女史と予想していた第3回合格率を合格発表日の2月12日 13 時 50 分に記事にして発表したのですが(あまり前に記事にすると炎上すると思ったため)、以前から合格率予想を発表してみたのですが、見事に大外れでした。
S女史と第3回公認心理師試験合格率予想をした2月11日

受験者数予想
2,3000
実際
13.629

総合格率予想
32パーセント
実際
53.4パーセント

D1 予想(既卒心理院卒)
35 パーセント
D1実際
55.4パーセント

D2 予想(2回目試験の新卒者)
40パーセント
D2 実際
61.6パーセント

E 予想 (3回目試験の新卒者) 50パーセント
E 実際
81.0 パーセント

F 予想
60パーセント
(家裁・法務省大卒ルートか?)
F 実際
受験者なし

G 予想
18パーセント
G 実際
50.0パーセント

まあ無茶苦茶な外れ方で合格率を低く低く見積もり過ぎていたわけです。なぜ今回合格率が第2回試験 46.4 パーセントよりも難しそうなテストだったのに高かったかというと、やはりコロナ延期による時間的猶予はあったと思うのです。

当初試験予定 2020.6.21 → (延期が発表されて受験生のモチベーションだだ下がり)
2020.12.20 実施、の半年間は途中のモチベーションの下がり方を考えてもかなり貴重な時間で、この時間がなかったら合格できていなかったという受験生の声も多く聞いています。

また、第3回試験の合格率のカギを握っていたのは圧倒的に多いGルートの受験者でした。
(Gルート受験者数) 10,406/13,629人(総合受験者数)いつも計算して合わないのは、これまで G ルート受験をして不合格だった人+新たに現任者講習を受けた人=1万5千人はいるだろうということです。つまり G ルートで受験をす
る人はそれなりに自分で受験するかしないかを決めるというふるいに自分をかけているわけです。

僕は今回の試験でGルート合格率 50 パーセントはいつも「かなり高い」と評価をしています。そこで僕の画餅のような合格率よりも現実は合格率が高かったわけです。第 4 回試験はその試験の難易度と、問題の種類によると思います。第3回試験は合格者の得点分散 (散らば
り方)が少なく、合格点すれすれだった合格者数が多かったのではないかと推察しています
が、日本心理研修センターから全体分散や各問題分散値が発表されたことはないので実際のところはわかりません。

また、第3回試験問題は(1)平易な問題(国語問題)(2)勉強していれば解ける問題(3)相当量の知識がないと解けない問題、の間にグラデーションのように難易度が散らばっていたという印象を受けています。

第2回試験も難易度は同じように分かれていたので、問題の質は若干異なっていましたが、
勉強までの期間が短かったので46.4 パーセントだったのでしょう。

これもいつか書いたのですが、例えば臨床心理士試験は偏差値 60 以上の大学で合格率 60
パーセント程度の難易度です(KKDRGMARHC レベル某大学公式発表)。新卒の院卒ルート、自分が F ラン卒で学部時代にも心理について公認心理師試験に楽に合格できる、その程度の実力がないと思っていたら今の時期から死に物狂いで勉強していないとならないでしょう。D ルートでも前回不合格だったので2回、3回目受験者は臨床、公認ともに数多くいます。

Eルートは大学院側で死に物狂いでカリキュラム編成をした結果と学生の努力のたまもので81.0 パーセントの合格率を出したと思っているのですが、それでも 178 人の不合格者はいたわけで、ノー勉では院卒者でもとても受からない試験です。第4回試験は第2回試験、第3回試験とそれぞれ質は違っていたと思うのですが、難易度的には変わらないでしょう。

合格率も第2回、第3回とそれほど変わらないような気がするのですが、実勉強時間と問題難易度のかけあわせをすると第1回試験の8割近い数字は絶対に出ないでしょうし、それから比べると厳し目の数字になると思うのです。心理専門大学院卒、問題を開いたとたんにわけがわからなくて真っ青になる(脅すために言っているのではなく、その心構えが大切と思っています。)試験です。僕の身の回りにも再チャレンジ組はいます。それでも志のある方はぜひ頑張って欲しいと思っています。

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sᴇᴘɪᴀ.

雨にも風にも負けない心をもちたいと思いながらも、雨も風も感じられる心でありたいと願う。

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パワーストーンを売る公認心理師・臨床心理士

1 .はじめに

本当にそんなことがあるか、というと「ある or 高い確率で有り得る」という答えです。ちょっと用事があって僕の勤務先以外の精神科クリニックに行った時ですが、院長にそっくりの顔をした娘さんとおぼしき若い女性がちんまりと椅子に座ってブレスレットやらなにやらいろんな物を売るコーナーを出していました。

彼女が心理有資格者かどうかはわからなかったのですが「おお、こういう医療機関もあるのだな」とちょっと驚いたことを覚えています。

実は僕は代替医療を全否定する人ではなく、キネシオロジー(筋反射精神反応)は僕自身もイメージワークの一環として取り入れることがあります。エビデンスがないイメージワークをカウンセリングの中に取り入れて目の前でクライエントさんがみるみるよくなっていき、継続してカウンセリングに来ているクライエントさんを見ているとまた取り入れています。

じゃあ、ホメオパシー(百万倍に薄めた毒を使って体内を浄化する)ための砂糖玉(レメディ)での治療はどうか。公的には効果が否定されていて保険適用もないのですが、西洋医学との組み合わせで治療をきちんと受けていればホメオパシーを行っている医療機関もありますが、構わないと思っています。

2.さまざまな代替医療

代替医療というのは西洋医学によらない医療ことで、広くは保険適用が正式に認知されている漢方医療から、厚生労働省が存在を少なくとも認めているリフレクソロジー、カイロプラクティックも代替医療のひとつに入るでしょう。鍼灸治療を代替医療と認める説もあります。数々の論文でその効果が認められている瞑想、また、ソマティック心理学でPTSDなどの治療に勧められている気功、太極拳、ダンスなど代替医療かそうでないか線引きが難しく、プラセボかそうでないかという議論は常に代替医療をめぐって行われています。

それでは何をしてもいいかと言われると、それはさすがにまずかろうというのが僕の私見です。先述ホメオパシーにしてもアメリカで保健師さんがホメオパシーだけによる治療を行って乳児に重大な健康被害を与えたりしたので禁止している州もあると聞きます。

エビデンスがある西洋医療との組み合わせがあってこその代替医療と思っています。PTSD を
含めるさまざまな精神疾患はじゃあ持続エクスポージャー法を(かなりきつい) 含むCBTだけで治るかというとそういうわけではなく、EMDR もあれば催眠と EMDR を組み合わせた精神療法もあり(この辺りはエビデンスあり)、多重人格障害に「じゃ、この薬飲めば治るからね」という西洋薬もないわけです。

性被害を受けて自殺可能性が高い人に対しての
カウンセリングは根掘り葉掘り聞くとかえって悪化するわけですし、従来のカウンセリングでも上手な人は精神療法も可能なわけですが、代替医療的なかかわりも治療を加速するでしょう。

スクールカウンセラーをした人はご存じのことと思いますが、不登校の子どもや学級不適応の子どもが学校に来ていると体中ががちがちで全身疼痛に近い症状を訴えることがあります。それだけ緊張していれば体もそりゃ痛くなるでしょう。身体性というのは心理臨床の中では忘れてはならない概念だと思います。

カウンセリングの歴史というのは精神分析を創始とすれば 19世紀後半、ロジャーズのような職業指導から発展したものと考えても、1900 年代初頭、歴史はとても浅く、代替医療の長い歴史には到底かなわないわけで、エビデンスはあとからついてくるか、そもそもエビデンスを取ろうとも考えていない身体性を礎とした精神・身体療法もあるわけです。

3.倫理

それでは身体性を重視して代替療法を誰に対して何をやってもいいかというとそれは間違った考えだと思います。「例えば」でショッピングモールでアクセサリーとして売っていることもあれば、専門のヒーリングサロン(ヒーリングも僕は全てを否定しません)で売られているパワーストーン、値段「時価」のものもあります。これは値段がどうとでもつけられるもので、試しに Google 先生で検索してみたらパワーストーン(値段標記なし)で「当サロンには公認心理師・臨床心理士がおりまして〜」と書いてあるサイトがいくつかあってびっくりしました。

どの代替医療にしてもあまりに高額な金額をクライエントさんに突きつけるような「商法」は倫理にもとるものだと思います。特にパワーストーンは「モノ」なので磁気ネックレスのように身に付けていれば肩こりが治るとか、「マイナスイオンマットレス」のようにこの布団で寝ていればどんな重病人でも回復する、とか怪しさ満載の倫理違反と直結しそうな気がしますし、営利のためにクライエントさんを利用するとみなされても仕方ないのではないかと思います。

そう書いていると僕が上記代替療法もどこまでが治療的行為かどこまでがプラセボなのかと突っ込みを受けそうですが。

4.おわりに

カウンセリングを新興宗教的なものとごっちゃにすれば無資格カウンセラーはそりゃ儲けることができるでしょう。G ルートで占い師が合格したという話は僕は全く信じていないのですが、その逆パターンとして公認心理師が加担してクライエントさんを利用する、食い物にすることは可能かもしれません。

常勤職はない、給料は安い、金がない、ないない尽くしの心理職ですが、ともすると人の心をコントロールするだけの技法を持ち合わせているわけですから、決して悪用してはならないし利用されてもいけないし、矜持を持って仕事をしなければならないなあと思うわけです。

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ɢʀᴀᴄᴇ.

今を誇れることはとても貴いこと。でもそれと、過ぎ去りし日々をないがしろにすることとは全く別。いまこうして美しいと感じられる景色を目の当たりに出来るのは、紛れもなくこの場所へと辿り着かせてくれた数多の足跡のお陰なのだから。
#PositiveFinder

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