公認心理師「の会」の暴走・上位資格は6種類
昨日「の会」の専門認定制度について書きましたが、専門認定制度はさらに細かく分かれています。
専門公認心理師制度「の会」HP
によれば同制度では
公認心理師の実践分野を代表する5分野に応じて、6つの専門公認心理師の資格を認定します。
一般社団法人 公認心理師の会 認定 医療専門公認心理師
一般社団法人 公認心理師の会 認定 福祉専門公認心理師
一般社団法人 公認心理師の会 認定 教育専門公認心理師
一般社団法人 公認心理師の会 認定 司法・犯罪専門公認心理師
一般社団法人 公認心理師の会 認定 嗜癖専門公認心理師
一般社団法人 公認心理師の会 認定 産業・労働専門公認心理師
を想定しているとのことです。これは日本公認心理師協会(師会)が構想をぶち上げている「認定専門公認心理師」の上位資格を取得した上にさらに上位資格である「認定専門指導公認心理師(保健・医療)」(例)という二階建て資格を創設したのに酷似しています。
「の会」は6つの領域を分類した上でコンピテンス(心理職の発達段階)における
5分野を横断する基礎的なコンピテンスを「共通コンピテンスリスト」として設定しました。
これらのコンピテンスリストにもとづいて研修をおこない、一定のレベルに達した方に各分野の「専門公認心理師」の資格を認定します。(引用)
として独自に認定することにしました。(5分野と書いてあるのに嗜癖専門公認心理師は6分野目として創設されているじゃないかとか、なんで嗜癖だけで、トラウマとか強迫といった認知行動療法が得意としている分野はどうするの?とか、師会、「の会」に共通した私設開業領域はないじゃんとかツッコミどころ満載なのですが)
とりま
2つの団体で酷似した上位資格を創設してキミたちは一体ナニがしたいのかね?
という疑念は消えません。
さらに「の会」が定める認定資格は5年ごとの更新性、臨床心理士制度を意識しているのだと思いますが、これにお金がかからないわけではきっと当然なく、「資格商法」と言われても全くおかしくないものです。
さらに「の会」のHPには ※コンピテンスリストと認定方法の詳細は、後日発表いたします。とも記されており、to be continuedというこの展開は「なんじゃこりゃ」と思ってしまった次第です。
「の会」が師会の上位資格を意識していないわけではなく、十分に吟味した上で酷似した上位資格制度を作り上げたのはもうケンカを売っているとしか思ません。
昨日高坂先生がツイートで触れていましたが組織率1割未満の職能団体が勝手に定めた上位資格になんの意味があるのかと。
これは師会についても同じことが言えます。
国家資格公認心理師成立のためには抗争に次ぐ抗争、紛糾に次ぐ紛糾がありました。それまでに何百という団体がかかわってきたのですが、それを内側から打ち壊すようなことをして平地に乱を起こして分裂や亀裂を創設していくのかという感想しか持ち得ません。
たった2つの団体が勝手に言い出したことと軽く考えてはならないと思います。
どちらも職能団体を名乗っているのですから、この2つの団体が争い合っていることによって大元の公認心理師制度そのものがアリの穴の一角がダム全体を瓦解させるように公認心理師制度全体に激震を起こそうとしているとしか思えないのです。
これを師会、の会とは何ら上下関係のない各地方公認心理師団体はどのように受け止めているのでしょうか。
以前書きましたが三重県公認心理師協会、大阪府公認心理師会が「の会」とゆるやかにではありますが協定を結んだ意味も激安になってしまうでしょう。
この事態を憂うとともに、勝手に作った上位資格によって公認心理師制度そのものがどんどん薄っぺらで安物の資格になっていくような気がしてならないのです。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_ Tweet
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