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第4回公認心理師試験結果の講評(日本心理研修センター発表後)

1.得点補正

なんと言っても今回初めて行われた「得点補正」が特徴的です。前回までは138点が鉄板の合格点だったのですが、今回は初めて得点を143点と、62.17パーセントに補正しました。今回は問題難易度が易しかったと判断されたのでしょう。また、得点分散が138〜143ほどの点数にかなり集中していたのではないでしょうか。

得点補正は絶対に行われないという前例を破る衝撃的な結果でした。

第4回公認心理師試験(令和3年9月 19 日実施)合格発表について

2.受験者総数

今回の受験者総数は21,055人でした。今回の現任者講習定員が約1万人と思われたのですが(訂正があれば教えてください)これまでの試験のうち、Gルートリベンジ組が相当数リチャレンジしたことが受験者総数を押し上げたことが推察されます。

コロナが多少落ち着いたことで受験をした人が多かったのか、詳細な事情は一人一人異なるのでわかりませんが、前回第3回試験受験者総数が13,639人だったことを考えると相当数受験者は増加しました。

2.各ルートごとの考察

⑴ Dルート

この人たちはなんらかの事情で受験を見送っていた、あるいは再受験者です。既卒D1ルート67.3パーセント、既卒(中心)D2ルート68.6パーセントはかなりの高数値に思えます。

⑵ Eルート

Eルートは、昨年度不合格だった新卒再受験者と新卒者です。ここで見ておかなければならないのはまず受験人数です。1,335人と、推定臨床心理専攻院卒者数よりもかなり少ないようです。

ということはスキマ世代で受験資格が与えられなかった新卒者がいかに多かったかを示しています。合格率85.5パーセントの8割超えは前回の81.0パーセントに続く快挙です。

かなり急いで公認心理師養成課程を作り上げた大学院と、歯を食いしばって耐えた受験生たちに敬意を評したいものです。

⑶ Fルート

まだ公認心理師法7条2号施設のうち病院などが入っていないと思われるので、法務省矯正局と家庭裁判所調査官と思われます。国家総合職だけあって19人中18人が合格しています。数は少ないものの、今後の国家総合職の受験者の合格率を示す基準となっていると言えるのではないでしょうか。

※ 訂正 平成30年に認定を受けている医療機関もあります。

⑷ Gルート

受験者全体の81.7パーセントを占めることから、合格率を大きく左右する受験者層です。何らかの理由で受験を見送っていた科目読み替えが効かなかった臨床心理士などの心理職や再受験者組、実務経験者です。この中には心理学専攻者でない現任者が相当数含まれていたことを考えると55.7パーセントというのは相当な快挙と言えると思います。

3.全体講評

今回初めて行われた得点補正から「6割程度」はある程度幅がある点数ということがわかりました。次回受験からの人はある程度高い点数を取れるように幅を広げて学習する必要があると痛感した試験でした。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_