第4回公認心理師試験合格率は?(試験後予想)
1.はじめに
第4回の試験後のTwitterを見るとかなりの高得点を取ったという書き込みが多く見られます。これは難問揃いと言われた第2回、第3回後には見受けられなかったことです。
実際、僕自身も毎回問題を解いているのですが「合格点取れなかったらブログ辞める」(本気)と言ったからには、今回はかなり力を入れて勉強しました。試験直前までTwitterのスペースで対策講座をやりました。
そのせいかどうかわからないのですが、問題を広げた時に「知らない、わからない」問題は少なかったような気がします。こういう背景があって「今回の試験の合格率は果たしてどのようになるのだろう?」と思って筆(スマホ)を取った次第です。
2.合格率に影響を与える要因
医師国家試験でもどの試験でも1回落ちると「落ち癖」のようなものがついて合格しにくくなると言います。実際新卒は91.4パーセント、既卒(2回目以上の受験者)は54.5パーセントでした。
これを公認心理師試験にそのまま当てはめていいのかどうかはわかりません。「1回ダメだったから今度は頑張ってみよう」と一念発起して合格した人が周囲にいるのは事実です。
また、僕だけの所感かもしれませんが、第1回、第2回、第3回、そして今回も試験の毛色がそれぞれ違っている、と思えます。そうなると得意分野で合格した、という人はそれぞれの試験で多かった可能性もあります。
ただし基本は「心理学の試験」です。心理学を知らずに合格をすることはできません。そういった意味からはどの試験にも共通するところはあるのではないでしょうか。
また、難易度による得点調整は今まで行われていませんし、今回もちょうど6割の138点を合格点とするのが良さそうな気がします。
もしこの第4回試験を平易化したと見るならば様々な要因が絡み合っていると思います。
⑴ 受験者の多くが知っている知識が出た(今回は過去問からの知識が多かったようです。)。
⑵ 受験者にとっては都合5回目の試験なのでノウハウがたまっていた。
等々です。
ただし、資格試験ですし、難問もそれなりにあったことから、合格率が上がると断言するわけにも行きません。友人に毎回試験をコンスタントに解いている人がいるのですが、この人は何回目の試験を受けてもそれほどブレない点数を取っています。
合格率が同等、あるいは下がる要因があるとすれば上記のような事情も関係してくるのかもしれません。
すなわち、
⑴ 多数回受験者が増えたので合格率が下がる
⑵ 今回の試験はこれまでより「心理学」の色彩が強かった(と僕には思える)ので、Gルート他職種の人は苦戦した。
という、こういった要因が合格率を上げるわけではないという理由にもなり得るでしょう。合格率はいつも結果発表を待たないとわからない、というところが正解だと思います。
簡単だったという人もいれば、「とてもではないけれども歯が立たなかった」という人たちがいるのも事実です。
また、受験者層が合格率を決めるということも事実です。回数を経るごとに他職種Gルートの受験者は増えています。
この試験は心理専攻者に有利なように当然ながらできています。心理学の学び方、心理学のセンスも試されているわけで、実際第3回試験の新卒Eルートの合格率は81.0パーセント、Gルートの合格率は50.0パーセントでした。
3.実際の合格率は?
僕に限らず、どこの予備校でも知りたいのは受験者得点の正確な分散(ばらつき具合)です。正確なデータがないのですから正確な予想も困難になるわけです。
しかも予備校等発表の正答は割れ問題も多く、しかもそれは今回事例問題にも多かったような気がします。
予備校等発表の正解と実際の正解が違う。これは毎回同じことで、特にボーダーライン上にいる人にとっては吉凶を分ける境目もわからないわけです。
また、正答だけが発表になっているので「なぜ、どうして?」はもうすでに事前に語り尽くされています。これはどの国家試験でも同じことですが。
どう考えても当てることができない、いわゆる「捨て問」もありますが、どの問題を捨て問として扱うか、どの問題を得点の取れる問題とするのかは受験者それぞれに違うセンスがあるでしょう。
4.終わりに
前回の試験はかなり厳しい合格率を僕と僕のブレーンのS女史と予測していましたが、見事に外れました。予想は予想に過ぎず、実際とは異なるものでした。
さて、この記事を読んだ方々は「実際の数字はどうなんだ」と思うでしょう。実際の数字は多分どの予備校等でも予測は持っていて、僕も持っています。しかし前回大外れだったように、今回もどうなるのかわからないというのが正直な感想です。
Twitterに書いてある感想や点数を出している人々は、自分が高い点数を取れたと思っているからこそ、書けるわけで到底ランダムサンプリングとは言えないわけです。
いつもながらわからないわからないを繰り返していて読者の方には不満を持つ人も多いかもしれませんが、複雑な要因が多く影響を与えるだろうというのは事実と思います。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
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コメント
コメント一覧 (1)
なお、このような些末な知識が、果たして現場臨床で役に立つのか、というと疑問符は残ります。とくにGルートの方は、検査実技能力がありません。知識と技能は異なる能力ですので、この資格を取ってからの研鑽が欠かせません。Gルートの方の研鑽が足りないと、公認心理師の信頼度を損なうことになるかもしれません。老婆心かもしれませんが。