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第4回公認心理師試験合格率予想再考

1.はじめに

第4回公認心理師試験まで約1ヵ月、合格率はどの程度かみなさん気にしているところだとは思います。

しかし、合格率は実際のところあまり意味がない、というか関係ないものと思われます。それは、個人個人の努力の成果が結果につながるのだと考えているからです。つまり、努力した人は合格する。それだけです。また、問題の難易度は第2回、第3回とそれぞれそんなに第4回も変わらないと思っています(エビデンスなし。)。しかしながら、ここに来て急に問題が易化するということもあり得ない(ような気がする)ので、合格率は問題の難易度と受験生のレベルに依存するものと思われます。

周囲の受験者の学習度合いと、そのレベルが聞こえてきている今、合格率について再考してみたいと思います。

2 第4回公認心理師試験受験の受験者層

この層、特にこれまで一番受験者数が多かった G ルートに合格率が左右される可能性が高いと思います。Gルートは一度現任者講習を受けた(今回はリモートが多かったと思いますが、それでも時間、お金はかかる。)人たちはそれなりの投資をしています。そして、Gルートの受験生は不合格者+現任者講習会を含むと毎回 1万人ぐらいいるわけで、不合格滞留者を含めると第2回、第3回試験はなんらかの理由で受験しなかった人たちが多いです。

3.想定

(1) 試験が難し過ぎて受験するのをあきらめたG ルート層

これはさもありなんです。現任者講習会を受けてみた。そして過去問を解いてみた。Gルートの中には前回も相当数の小中高教員心理学初学者が多かったと聞いています(あくまで噂)。確かに英語、国語、音楽の先生等が初めて見る心理学の試験にチャレンジするのはかなり無謀なことのような気がします。

なにしろ心理学の基礎から始めないといけません。事例問題も心理テストや心理統計、精神医学などの知識を必要とするものが多く、国語力だけで解けるような問題はどんどん少なくなってきており、決して得点源とはなりません。人によっては知識問題の方が解けたとという噂も聞くほどです。

問題のあまりの難しさに受験をしなかった G ルート層は多かったのではないでしょう。Gルートが最も受験者数が多く、次回の合格を左右します。多忙をきわめる教員がこの勉強に耐えて合格するのは大変難しいことでしょう。

ただし、多くの人たちが受験をあきらめていたにもかかわらずなお受験をしようとしている人たちは、石にしがみついてでも合格を狙っている、そうであればなんとか合格する可能性は高くなるでしょう。どっちに転ぶかわからない。これが正直なところです。

特に試験を直前に控えた今、夏休みは部活もなく、勉強をするのに時間が取れた小学校教員はかなり学習に力を入れることが可能だったので、スパートをかけたままで試験を乗り切る可能性が高いかもしれません。Gルートについて言及するならば、不合格者が滞留していく中で、心理の非専門家(も多いと推測される)たちが 50パーセント合格したというのは実に驚くべき高い合格率だと思っています。優秀なG ルート層が受験していけばこの試験全体の合格率がかなり押し上げられるのではないかと感じています。

(2) 再受験者層

何度か書いていますが、試験というものは1回不合格になると次回不合格になる確率が飛躍的に高くなります。その結果として合格率がどんどんと下がっていきます。これはどの試験でも同じことです。

公認心理師試験も同様です。そしてどのルートでも同じことです。前回 D1 ルートも 55.4パーセントだったのですが、これは臨床心理士の例年の合格率を下回っています。

4 結語

いろいろと考えてみても合格発表が終わらないとなんとも言えないのがこの試験です。コロナの影響があっても、8月10 日段階では予定どおり試験を行うという通知が出ているので、9月19日には予定どおり試験が行われると仮定します。予定合格発表日の10月29日にならないとなんとも結果がわからないというところが事実なのだと思いますが、上記に述べた理由から、レベルが高い問題が出題され、厳しい受験を第2回、第3回と同様に第4回も迫られていくことになるのではないでしょうか。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_