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「私が必ずあなたを救います!」占い師>公認心理師・臨床心理士の図式

1 はじめに

どこにでも困っている人はいます。夫がアルコール依存で働かない、子どもの不登校、自分の身体的・精神的な病気、悩みを抱えていてそれを具体的に解決して欲しい人は世の中に必ずいます。こんな時に教育を受けたプロのカウンセラーなら、その人の話を傾聴しながら相手の態度変容を引き出すためにクライエントさんが何をしたらいいのか、病気という悩みと共存してやっていくためにはどういった心情で過ごすかを一緒になって模索するでしょう。

そして治療契約の際にも「それが目的なので」とはっきりと説明するでしょう。ところが「あ
らゆる悩み事を『解決します』と看板を掲げてある占い師が「私があなたの○○という悩みを解決してあげましょう」と断言したら、来談者は、わらにもすがりたい気持ちでやってきたのですから、はらはらと涙を流しながら土下座して「お願いします」ということがあるかもしれません。(考えてみればきちんと教育を受けたプロは絶対にそういうことを言わないのですから、初めてそういうことを言われて感動する人がいても一向におかしくありません。

占い師が「面接」の中で行う内容は何でもいいのです。タロットカードを引いて「まだ機が熟していないからあと1カ月待ちましょう。ただしその間はここに毎週来てください」「玄関先に猫の置物を置いてください」でも、時間をかけて相手の悩みを聞いた後にそんなことを言えばいいのです。

2. 占いや無資格カウンセラーの実態

残念ながら僕は占いを受けたことがありませんので実は想像だけです。しかしながら相手を受容、傾聴する態度は似ているかもしれません。ただし、受容、傾聴をしない占いも多いかもしれません。故・新宿の母をテレビで見たことがあるのですが来談者を disって「それは無理」「やめときなさい」と言う。

これはこれで一つのあり方だと思います。不倫を成就させたい、復縁したい等は現実にはとても難しい課題です。下に挙げるカウンセラー入門の本を読んでいたら「恋愛カウンセリング」という看板を掲げるよりも「復縁カウンセリング」の方が売れる、なぜならばニッチなところで人々の多いニーズを開拓できるから、ということが書いていました。

常識的に考えたら一方が相手を嫌になって別れたわけですから、通常の恋愛をするよりも難しい、しかしながらネットで調べると復縁カウンセリングの多いこと。

もし僕が開業して「復縁カウンセリング」を看板に掲げたら倫理規定が厳しい臨床心理士資格認定協会からたちどころに資格抹消されそうなのですが(「復縁カウンセリング」-別れた人とのコミュニケーション再構築)だったらアウト?セーフ?あるいは「不倫成就カウンセリング」…(なんか言い訳が思いつかない)「別れさせ祈願」(どう考えてもアウト)世の中のニッチで需要が多い分野というのは、上記のものだけで難しいものです。

また、「子育てカウンセリング」は難しい、「不登校カウンセリング」は需要がある、と「3ヶ月でクライエントが途切れないカウンセラーになる法」(北林絵美里、同文舘出版)には書いてありました。

確かに開業というものは大変難しい領域でかつて僕も試みようとしてリサーチ段階で諦めたことが過去ありました。

3 専門家のカウンセリングや占いとの違い

専門家のアドバンテージ(優位性)は専門教育を受け、開業する前に多くの心理カウンセラーは専門機関で働いてきてプロとしての腕を磨いてきたということです。これらは立派な経歴として書くことができます。クライエントさんも昨今はよく見ているので「臨床心理士・公認心理師」の資格は強みがあるのですが「初回無料」など魅力があるフレーズに負けます。

どうやら占い師や無資格カウンセラーの特徴としては「クライエントさんが言われたいと望んでいることをそのまま言う」という特徴があるようです。言われたいと思うことがあればそれはとても耳ざわりがいいでしょう。

新宿の母などは有名になったのでリピーターを考えずに「ダメなものはダメ」とはっきりと言えるのですが、占い師が「あなたの運命は今大きく変わりつつある。一週間後にまた来るように」などと言えばこれはもう「治療契約」ならぬ「占い契約」になりそうです。

4おわりに

なぜつらつらと今日はこんなことを書いているかというと、困りごと、悩み事を抱えた人たちはこの世に数多くいて、心理相談が業務独占となっているドイツでも占いは特に業務独占とも名称独占ともなっていません。先進諸国でもヒーリング(レイキ)が代替医療のひとつとして保険適用されている国も多いものです。

「将来的に公認心理師・臨床心理士のカウンセリングには人が集まってくるか?」というは、もはや今現在「専門家のカウンセリング人気があるか?」というところにもかかわってきていると思います。誰もが一度は憧れる(かもしれない)領域の私設開業ですが、かなりの努力と苦労がそのバックボーンにあることは間違いないような気がするのです。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_