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sᴋʏᴡᴀʟᴋᴇʀ.
#イマソラ

公認心理師・臨床心理士の転職のコツは「前職の辞め方」の理由説明にあり

1. 序

心理職の転職の仕方は何度も記事にしているのですが、どの転職にも実は共通した要因があります。「それは前職の辞め方」です。医療業界は地域の医師会もありますし、そうでなくともかなり狭い業界です。

教育業界もしかり。教育委員会が他の教育委員会に問い合わせればすぐに「どういう理由で辞めたのか」ということはわかってしまいます。上手な転職の仕方は前の退職の理由について「ウソはつかない」けれども「自分の不利になることはわざわざ書く、言うこともしない」ということです。以下にそれを記します。 

2. 仕事内容とは関係ない理由で転職を余儀なくされた場合

例えばこれは「親の介護」「育児」「配偶者の転勤で引っ越し」などです。これらはすんなり理由として通じます。しかし諸刃の刃でもあります。「じゃあその介護の必要性は消えたの?子育ての事情はもういいの?またすぐ転勤しちゃうからうちで長く働いてくれないんじゃないの?」これについては各々答えをきちんと用意しておきましょう。

介護の場合はデイサービスを入れることができるようになった、ヘルパーさんが来てくれるようになった、別の親戚が介護をしてくれるようになった、等です。

子育ての場合も子どもをきちんと保育園に入れられるようになったし、時間外保育もしてくれるから大丈夫、転勤については、ここの土地は出身地だから永住の地にしようと住宅を購入、配偶者は次は単身赴任してもらうことになるつもり、などいろいろ言いようがあると思います。

大切なのは、仕事に支障がなくて働けるかどうか?ということで、これは心理職でなくても全ての転職につながってくる事柄です。

3. 病院から病院への転職等

これはいろいろな理由があります。非常勤から常勤になれること、ここは微妙な問題です。「小さなクリニックだから非常勤でも惜しまれて辞めて念願の常勤になる」というのはよさげですが、その分今まで面倒を見ていたクライエントさんや心理検査をする人がいなくなってしまいます。そこで使えるのは「私の後任に働いてくれる後輩を探してある」ということです。実際にそうしている人々は多いです。「飛ぶ鳥跡を濁さず」で円満退職できることを強調します。

「前の職場を変な辞め方をした、うちでも変な退職の仕方をしないだろうか?と思われたらかなり不利になります。

あとは、院長が快く送り出してくれることです。(なんという矛盾した条件かと思います。なぜならば勤務先で気に入られていたにもかかわらず転職を承認してくれるわけですから。)

転職の場合には次の就職が決まるまでは今の就職先には言わない人も多いでしょう。働く場所がなくなると困るからです。とりま今の職場の満足しているところもたくさん述べましょう。長くなり過ぎると「転職意志なし」と誤解されるのでほどほどで短く、という難しいさじ加減です。

転職はなんでもそうですが「転職する理由がないほどいまの職場は恵まれている」ことを証明しないとなりません。「金を借りる理由は全くない」ことを証明しないとお金を貸してくれない銀行と同じです。 

あとは就職先をほめちぎることです。精神科・心療内科だけでなく身体疾患とメンタルの関係にも興味を持った、心理テストをさまざまな種類勉強したので生かしてみたかった、病床がある病院で緩和ケアチームの一員として働いてみたかった、などなど前向きな理由をたくさん述べます。「理事長の言葉」などが転職先のホームページに載っていればそれを履歴書に「~という理念に共感した」と書いて口頭でも念押しして述べましょう。

その辺りの話をしておくと、人事担当者も雇われなので、反論はできないです。「辞めた理由」を超えるほどの自分の魅力を語ることが大事でしょう。

4.教育領域から教育領域への転職

ここは最も難しい分野です。教育委員会同士で同じ県・市町村だとお互いに連絡を取り合うことが多いからです。スクールカウンセラーや教育相談所もそうです。しかしここにも抜け穴があります。教育委員会というのはお役所なので、違う自治体になってしまうと全くその退職理由を調査しようとしません。したがって理由については好きなように書き放題です(が、決して悪口を書いてはいけません)。

5. 他領域から他領域への転職

「なぜ他の領域(例えば司法や福祉)で働いていたら、うちの領域(例えば医療)に来たの?」と必ず突っ込まれるでしょう。そこは「司法領域で働いていて(福祉領域で働いていて) 全ての根源的な原因は医療的、生物学的なものに起因するということがわかったので、そこの根源的なところをきちんと治すという医療領域で働きたいという使命感を持ちました」という前向きな、積極的な理由を述べることが大切です。

ただ、その場合も新しい領域では即戦力を求めているので、「こういう勉強をしてきたから、こういう学会に入って研究会に参加してきたから、役立つ」というメリットを最大限にアピールしてください。