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photo & lyric are by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
ᴇʏᴇs ᴏɴ.
僕らは見たいものを見たいようにこの瞳に映している。だからこの世界に真実なんて在って無いようなもの。だとすればあとは何を信じたいか。ただそれだけなんだ。

公認心理師試験に基礎心理学や統計が必要な理由とは?

公認心理師試験を受験した人、また、今勉強中の人、「なんでこんなに統計やら知覚とか必要なんじゃ、カウンセリングの事例問題だけでええやろ」と思った人もいるかもしれません。

さて、そこでまた本ブログ一昨日の記事にコメントをいただいたふみさんのコメントを引用します。
(※注 自分で記事を書くのが面倒という理由で文字数稼ぎをまするためではありません。)

2回もわたしのコメントをモチーフにブログを書いて下さり光栄です💦
さて、今日、わたしの出身大学のパンフレットを手にしてびっくりしたのは、基礎心理学をメインで教えている文学部で公認心理師のサポートプログラムは無し。臨床心理学メインで教えている国際人間科学部で公認心理師サポートプログラム有りと知り、ちょっとびっくりしています。まぁ、国際人間科学部は理系入試があるし、文系入試しかない文学部よりはまだマシなんでしょうけど。臨床に憧れる人が多いのは分かるけど、基礎心理を知らずに臨床をかじるのは危険だと思っています。


ええ鋭い視点でコメントをいただける方のコメントは何度でも記事にしてしまいますよ。

さて、ここで面白い論文を見つけました。宇部フロンティア大学裙本知子(くぬぎもとのりこ)先生の論文、
大学教育における「臨床心理学」の現状とこれから

です。

ふみさんのコメントと裙本教授の双方に共通しているのは基礎心理学を学ぶことの大切さです。

裙本先生は僕の大好きな丹野義彦さんと下山晴彦さんの文献も引用しています(僕は排他的な姿勢がキライなだけで彼らの研究は素晴らしいと思います)。

ちな、下山晴彦さんのパワーポイント資料も見つけてしまったのでここに貼ります。(S女史談:しもやみんは個人療法家は親の仇か恋人を取られたのか?僕:違うよ。若いころに認知行動療法家と甘い恋をした思い出があるんだよ)

臨床心理専門職になるために何をどのように学んで欲しいか

やはりエビデンスに基づいた「臨床心理学」が強調されています。

さて、統計や基礎心理は公認心理師試験に必要か?ともし僕が問われたらやはり「イエスかはい」で答えると思います。

というのも、ここに、臨床心理士のご家庭ならどこにでもある知能テストキットWAIS-Ⅳがあります。

その理論・解釈マニュアルを見るとWAIS-Ⅳの検証的因子分析、内部相関、測定標準誤差などなどによる詳しい解説が書かれています。

僕に言わせればこれも当たり前のことで、知能テストは「この算数のドリルやってみて?次は国語ね」というような簡単なモデルで差し測れるものではありません。

昨日の
日本臨床心理士会「特報」解読 臨床心理士>公認心理師の構図

の記事についてTwitterフォロー、フォロワーのまりぃ先輩(独学で公臨ダブル合格応援中)とのやり取りが面白かったのでここに掲載します。


最後には箱庭療法と脳血流、神経心理学の関係についての秋本先生の論文を引用しています。

ナラティブ・ベイスド・メソッドの「語りの心理学」も、そして臨床場面で使われているあらゆる心理検査はその信頼性、妥当性を検証するために古典的テスト理論と信頼性、妥当性の検証が行われています。

そしてある時には非科学的と言われかねないロールシャッハ・テストでは僕はエクスナー法を使っているのですが、精神分析的な知見を取り入れながらも僕はこのテストがかなり精密な実験心理学的な試みから解釈が行われているのも知っています。

基礎心理学というのは医学で言えば基礎医学の生化学、解剖学や細胞学に近いものだと思っています。

人間にとって知覚とは何か、がわからなければ脳器質性障害で何がその人に起こっているのかわからないことがあります。

これでもかというぐらい精神分析学が出てくる臨床心理士試験も統計は必出ですし知覚心理学も出ます。

基礎心理学→応用心理学の一部である実験社会学的社会心理学は集団と人の心の動きを探究しています。

以上、つらつらと述べてきたのですがやはり受験生のみなさんには基礎心理学や統計を好きになって欲しいです。応用心理学の一分野である臨床心理学を理解するため、クライエントさんの脳にダイレクトに影響を与える心身症、精神薬理学に関する知見も深めて欲しいと思っています。