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日本臨床心理士資格認定協会「特報」解読 臨床心理士>公認心理師の構図

○ 承前

「特報」ってなんじゃ、君たちは資格界の日刊スポーツでも目指しとるんかい、いつもごちゃ混ぜの情報を載せている心理ブログ界、東スポひなたブログとタメを張る気かい、と思って昼休みに記事の url をS女史に送ったら彼女から「特報ってなんじゃい。特売かい、うちの近くのスーパーの特売だと熟れ熟れで半分しおしおで黒い筋入った野菜果物売っとるで。特売にしないと売れんということかい」となぜか僕がいちゃもんをつけられました。
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会から臨床心理士の皆様へ 〈特報〉 ― 新年度に備えて必ず確認と共有をお願いします!―

ということでこの特報を読み解いてみた次第です。

1 .合格者数

本年度発表された臨床心理士合格者は 1,148 人でした。

平成 29 年 2,427 人受験 1,590 名合格合格率 65.5 パーセント

平成 30 年 2,214 人受験 1,408 名合格合格率 63.6 パーセント

令和元年 2,133 人受験 1.337名合格合格率 62.7パーセント

毎年受験者が減っているのは、周囲の話を聞いていると特に臨床心理士受験熱が落ちているわけでもないことから(資格認定協会様、過渡期である今のところはご安心ください。将来は知りません。)

多分少子化の影響によるものだと思いますが、受験者は漸減しています。今回の合格者は1,148人、2,000 人仮に受験したとすれば合格率 57.4パーセント、まあまあ妥当な数値かもしれません。60パーセントぐらいかもしれません。そうすると前年度と同じぐらいの数値です。

5選択肢2択、「あなたが分析家だったらどうするか」という僕が聞いても超難問というところでもこれだけの合格者を出したということは、合格点のハードルを下げたのかな?と思います。なにしろ合格者が出なければ入ってくる資金もないですし、みなが「こんな難しい試験止めよう止めよう」と言っていたら書類申請料 1,500 円, 資格審査料3万円、登録料5万円、計 81,500円と資格更新料金 2 万円がないと干上がってしまうでしょう。

試験を難化させたとしてもある一定の合格者は出し続けなければならないのです。2024年、公認心理師純粋培養組、臨床心理士資格不取得者が出てきた時からが勝負になるものと思います。

2. 倫理 

さて、臨床心理士の倫理はしっかりとしていて、公認心理師は完全に負けていると思います。ひとつには国家資格なので、勝手に職能団体が倫理を決められない、そして日本公認心理士協会が倫理綱領を定めているのですが、これは会則として立派なものです。しかしながらなにぶん職能団体が分裂しているので、完全に「これ」というものではありません。

親元の公認心理師制度推進室も今のところ審査機関として動いてはいません。

臨床心理士については、その点資格認定協会がしっかりとした組織なので、倫理要領がはっきりとしていて、「資格認定」協会だけあって、臨床心理士有資格者の生殺与奪の権限を持っています。臨床心理士報を見ると男性が多いようですが(個人的多重関係?) 資格抹消、資格6カ月停止等の重い処分が出ているのを毎回見ています。

令和2年5月28日付で理事会承認を経て臨床心理士は厳しい倫理規定を定めることになりました。「厳重注意」「一定期間の登録停止」の場合にはスーパーヴィジョンを受けさせることがあること(第4条)、処分に従わない(すなわち注意された事柄にそのまま反した状態を続けていたり、資格停止になったとしても臨床業務をそのまま続けた場合だと思います。)再度処分を行う(第5条)、処分内容の関係機関への通報(第6条)等と当たり前と言えば当たり前ですが、資格そのものの維持にきわめて厳しいものとなっています。

今の就職市場はダブルホルダー>臨床心理士>公認心理師がまだ主流とこの辺りの事情に詳しいブレーン S 女史からは聞いています。(臨床心理士は大学院教育を必ず受けているから)

さて、斜陽が常に囁かれている臨床心理士資格ですが、33年間の歴史は確かに今現在は大きなものが今あると思います。9月公認心理師試験、10月9日臨床心理士試験(予定)と新卒受験生にとってはかなり厳しい局面に去年に続けて今年も置かれるでしょう。

ひとこと言っておくと、これは別に資格認定協会が悪意があってこの日程にしたわけではなく、だいたい毎年この日程ということです。救いは二次試験口述は11月13日〜15日面接なので、じっくりと面接対策に取り組めることでしょうか。