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ᴄʜᴀɴɢᴇ.
変わらないものと変わるもの。時として変わらず大切にしたい何かは、そう決め込んでいる価値観そのものを変えた先に続いているのかもしれなくて。

〇合格への道-公認心理師試験はカウンセリング能力を測定しない

昨日の「第4回公認心理師試験勉強法」に対して読者のふみさんにいただいたコメントです。

おはようございます。
第三回の試験問題を見て思ったのは「理系としての心理学」の知識を問われるものへと変わりつつあることです。

私大文系3科目(英語、国語、日本史か世界史)で私大の心理学科や教育学科に入ってそのまま心理職に就いた現任者にはキツかったのではないかと思います。統計や薬理作用は高3で理系にいたわたしには懐かしく、とっつきやすく、正規分布、ベンゼン環など思い浮かんで楽しかった感じがします。

あと2回でGルートの試験は終わり。でもGルートには落ちても生活に困らない人が多いと思いますし、落ちたからといってそれまでの臨床経験や人生経験が無駄にはならない。公認心理師資格がなくても、他の資格があるならそれを生かして生きていく。そろそろ、そういう事態になったら…ということに直面化しないといけないGルートの人は少なからずいると思うのです。公認心理師の資格はあるに越したことはないけれど、あっても使えない公認心理師(特にGルート)はゴマンといますし、無くてもクライアントさんから信頼されているカウンセラーや心理職はたくさんいます。

そろそろそんなことも広報しなければならないところが、関係部署の末端にいる者してはつらいところです。


さて、知識・事例問題でもカウンセリングのセンスは問われているのですが、この試験が心理学大学院程度の知識を必要とすることを考えると、到底カウンセリングのフィーリングだけでは合格できない試験だということはわかるでしょう。

ふみさんが言うとおり、統計はどんなに平易なものでもきちんと統計を学んで系統的に統計的センスで回答できる人でなければ正答はできません。そういう意味では心理大学院新卒者でも「統計は無理」な人には正答はできません。現在の私大心理学科は学部段階では確かに理数科目はできなくとも入学できてしまいます。大学院も場合によっては統計が問われていない、あるいはゼロ点でも入学することが可能な場合があります。

ふみさんのコメントを離れて基礎心理学について見てみます。今回の試験は基礎心理の中では奥行知覚、馴化・脱馴化法、聴覚、学習心理学等はきっちりと基礎心理学を真面目に勉強した人でなければ解けませんでした。

薬学問題については頻出だったのでわかりやすかったかもしれませんが、薬物動態学については学んでいなかったらわからない問題でした。医学領域はこれは完全に理系領域です。

そう考えるとこの試験は単に「カウンセリングをやりたい、臨床心理学の知識を身につけたい」という動機付けだけでは合格はできません。出題対象となっている心基礎心理学についても、あるいは統計や医学についても「これは面白い、勉強しがいがある」ぐらいに思えないと合格は難しい試験かもしれません。

「統計や基礎心理学は勉強すればするほど面白いなあ」ぐらいの気持ちを持てるかどうか、そこまで思えなくても石にかじりついてでもこれらを必死にやり込む気概があるかどうかです。

ふみさんの言うとおり、Gルートの人で合格できなくても特に困らない人にとっては、試験勉強のための意欲が低ければ簡単には得点は取れません。

Gルートで合格できた人たちの話を聞いていると自らの生活の大部分を犠牲にして勉強をしていました。50パーセントの合格率というのはかなり高いもののように思われました。

それだけ努力をした人が多かったということです。ざっと見てみると現任者講習の受講者、これまでのGルートの不合格者のうち約6千人が受験をしなかったようなので、なんらかのやむを得ない理由で受験できなかった人を除いてかなりの人たちが受験を諦めてしまったように思えます。

確かにGルートの中には心理と関係なく、法学部を出てそのまま公務員として就職した人をはじめとした他学部出身の人や心理学と全く関係がないけれども相談業務を行っている人たちも多いと思います。

さて、昨日書いたような方法で一生懸命勉強しましょう、やってみましょうということでも歯が立たない人たちは多かったし、これからも多いと思うのです。公認心理師資格が必要な人は2024年からは心理系大学院を卒業して、心理職に就きたいと思っている人に限られるようになってきます。

その時に試験の難易度がどうなるかはわからないですが、現在公認心理師資格を必要としないで働いていてこれからも資格なしに困らない人についてどうするの?と聞かれると本人も返答に困るかもしれません。

特に公務員はそうかもしれません。ただし、公務員ほど資格を重視する職場はないというのは皮肉なものです。ただし、Gルート他職種の人でも公認心理師を持っていると仕事の幅が広がるのは、特に福祉事業を自営している人は多いと思います。一見この資格があった方がいいだろうと思える、私設開業をしている人でも千客万来でとても勉強どころではないので「〇〇で心理相談員として長年働いてきた」無資格者や臨床心理士のみでこの資格を取らずにやっていこうという人も知っています。

あと僕なんぞは心理専業職ですが「公認心理師持ってますか?」と上司からも同僚からも聞かれたことはありません。クライエントさんに至っては、僕が何の資格を持っていようが関係ないのでしょうけれども、一度も聞かれたことはありません。心理専門職のみなさんは「公認心理師持ってますか?」と聞かれたことはあるでしょうか。

今は過渡期なのでそういった状態にあるのでしょう。ふみさんが言うとおり、この試験にどう頑張ってどうにもならない人はいると思います。それが心理専業者でもです。この先この試験の難易度がどうなっていくかはわからないのですが、やはりコストパフォーマンスは十分考えて欲しいと思うのです。


公認心理師試験対策