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Gルートとはそもそも何のため受験資格要件なのか?

1. 序論

昨日に引き続いてGルートのことを書いていきます。決して僕は G ルートのことを disるわけではなく、そもそものこのルート創設の時にもカリキュラム検討委員会では迷走、錯綜していました。G ルートとは何か?これに関してはカリキュラム検討委員会等でも相当に議論されたところですが、当初は、大学教員が心理的面接業務を行っていない。

それではゼミを持ってそこで学生を担当している大学教員はどうか?

または司法行刑部門で受刑者を担当していて受刑者との面談をしている行刑担当官はどうなるのか?(行刑心理職鉄島構成員)それではGルートとして認めようという動きになっていたはずです。

そして第4回公認心理師カリキュラム検討委員会では松本主査(厚生労働省)が週1日だけやっているからいいという解釈ではないということを明言しています。(p4)

つまり最初の構想では割ときちんとした「反復継続の意志を持って」行っているということが要件でした。石隈構成員(心理)も大学教員を想定していて、週に1回程度外にスクールカウンセラー、として働いて病院、大学相談室等でカウンセリングを行っている場合を想定しています。また、スーパーヴィジョンもその中に入ることが川端構成員(心理) から提言がありました。北村座長(医師)も「それなりに多くの人が『もっとも』と思うものであれば、受験資格は発生するという理解でよろしいのではないでしょうか」と述べています。

佐藤構成員(医師)は精神保健福祉士も業として心理面接業務が含まれるのならばそれはよいのではないかと述べています。これは僕も確かにそうだろうと思います。カリキュラム委員会では心理業務の頻度、回数については多くが述べられていましたが、職種については多くが語られていなかったというのが印象です。

小中高教員はどうか、福祉施設や官公庁で当事者の面接業務に当たるものはどうか、これについては触れられていなかったのです。結局のところ、公認心理師法施行規則第 5 条に認められる各施設での業務経験によって心理面接業務を行っている者ということで所属機関 (長)の職印が押印してあれば受験資格ありと認定されることになったわけです。

さて、Gルートの行っている心理業務は週3回案だったのが週1回に切り下げられ、ついには週1回、日本心理研修センターではそれすらも要件とはならなくなりました。

こういった、例えば教員が心理面接・検査業務を実際に行なっていたか、生徒指導や教科指導を行いながらカウンセリングを行えるか、それは多重関係に当たらないかと、公認心理師養成に心を砕いている和光大高坂康雅先生も危惧されていたわけです。

このような経緯を踏まえて、例えば第 5 条ではスクールカウンセラーを想定していたようにも思えるわけですが、実際のところどうなのか?

カリキュラム委員会等では多くの他職種 Gルート受験者を想定していたかどうかについては、想定していただろうし、多くの他職種が受験するだろう、あるいはこれほどまでに他職種が受験することが想定外だったので試験のハードルを難化せざるを得なかったとも両面考えられるわけです。

3.私論

これは何回も書いていることですが、毀誉褒貶あるものの、僕は心理スピリッツを持った他職種が誕生していくのはウェルカムです。なにしろ心理大学院卒の知識を得なければならない、それに費やす努力は並々ならぬものがあったでしょう。そういった人たちの努力を否定するわけにはいきません。

そして大事なことなので何度も何度も言うように、現在実習先を探すのに困り果てている大学、院の学生たちに指導もして欲しいと思います。自分は作業療法士だから関係ない、看護師だから専門外、というわけではなく、ぜひその心理スピリッツを生かして欲しいと切に願っています。

そして他職種 Gルートの人たちが指導をしてくれたらそれは心理の学生たちも、心理の知識を得るだけでなく、多職種連携のあり方について学ぶ絶好の機会になるとも思うわけです。

心理の学生たちにもこれをわかって欲しいと思います。Gルートの人たちは自分がこれからぶつかっていく困難をやすやすと手に入れたわけではなく、相当の努力を払ったわけです。確かに 2022年までに G ルートは受験が認められ、多くのGルート公認心理師が出てくるでしょう。それを嫉妬の目で見るだけでなく、G ルートの人たちを多角的な目で見て、さまざまな知見を貪欲に学んで欲しいと思うのです。