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ɪɴғɪɴɪᴛᴇ.
好きを纏う。好きを謳う。好きを繋ぐ。それは何処まででも連れていってくれそうな翼の如く。
合格率再考(第3回公認心理師試験の私見)
1.序
公認心理師試験合格発表から2週間が過ぎ、もう一度合格者内訳を見るといろいろと思うところあり、これまではただ筆を走らせるようにしていただけの記事でしたが、もう一度合格者内訳を見ていて思うことをつらつらと書いてみます。(ごめんなさい気をつけて書きます。)
まず、合格発表前まではS女史と3割台前半の合格率ではないかという予想を立てていたぐらいなので「ものすごくみなさん健闘したんだな」といたく感心しました。
全体合格率は53.4パーセント。受験生◯みんが「クイズ王決定戦やん」と言っていたのはさもありなんです。
さて、もう一度各ルートを見てみます。
2.Dルート
D1ルートは現職専任臨床心理士が中心、ここで受かっておかないと後がない。第2回試験では53.6パーセント合格率で1,879人合格。ここでまず推定1,626人が不合格。捲土重来して第3回受験者はだいたいリベンジ組だったのか。それでも前回よりも僅差ですが1.8パーセント上昇。「一度落ちた人間はまた落ちる可能性が高くなる」を見事に打ち破ったと言えば言えるわけです。
ここは法則を乗り越えてさらに難関の試験を突破したという意味でもすごいと思えます。
それはD2ルートも同じで、前回不合格者516+αで838人の受験者が61.6パーセント合格していたわけで相当の健闘と言えます。
Dルートは一生受験資格があるとはいえ、両ルート合わせた今回不合格者は964人。
42,000人の新公認心理師の中でやっていけるかは無資格or他資格ではかなり難しいかもしれません。
3.Eルート
大学院課程で純粋培養された人たちのルートです。まずこのルートの受験者936人というのは、例年の臨床心理士試験受験者よりも300人ぐらい少ない。コロナのせいかなと思ったのですが、合格率は思わぬ81.0パーセント、ここも6割行くか行かないかと予測していたのですが、フタを開けてみると実に81.0パーセント、大健闘だったわけです。
Eルートのみなさんは2020年10月7日の臨床心理士筆記試験、11.7〜11.9の臨床心理士面接試験、筆記が終わったから直前までは公認心理師の勉強やればいいじゃん?
というわけではなく、僕のようないい加減でハッタリで生きているわけではなくて真面目な受験生のみなさんはら1割は落とされてしまうリンシ面接試験のためにビクビクしながら怯えて面接対策、その後の短期間に12.20の公認心理師試験に臨んだわけです。
それでこの合格率はすごい。ですがこのEルートの人たちは院のカリキュラムが公認心理師対応だったからといって、修論を書いて、コロナの中を精神分析系、ロールシャッハ課題満載に苦しめられながら卒業したので感心したわけです。
4.Gルート
Gルートもここでは輝かしい健闘をした、と不合格者半数だったにもかかわらず僕はそう思っています。
心理大学院卒程度の試験です。教員でも看護師でも福祉士でもこの難問奇問を解けた?あるいはオーソドックスな問題を解き切って点数を確保したのはこの試験における金字塔を打ち立てたと言っても過言ではないでしょう。
5.総括
今回Gルートの受験者割合は71.4パーセントでした。全国に他職種が多いと思われるGルートの人たちは7,000人あまりが合格していきました。
これは持論なのですが、今はどこの学部も院も実習先確保に困り果てている状態です。第1〜第3回までのGルート他職種合格者は「たまたま受けたから受かった」資格を眠らせておくのではなく、実習先では心理職になりたいという期待に満ちあふれた実習生に対して本来業務+αの負担が増えても、その心理スピリッツを以って後進の育成に当たって欲しいと思うわけです。
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コメント
コメント一覧 (5)
いつも記事を拝見しております。
周囲に関する例に過ぎないのですが、Gルート合格者の中にほぼD1という方がいます。
たった2名ですが、現心理職であるにも関わらず、それぞれの修了した大学院で単位の読み替えを認められなかったためです。
私の印象としては、Gルートには他職種ばかりではなくほぼDルート(1〜2単位読み替え不可だっただけで、大学院でしっかりと学んでいる)の現心理職の方がたくさんいるのではないかと思うのですが。
Dルート受験者とほぼ同等なのにGルートで受験せざるをえなかった方の数が分かれば、分析の一助になるかと。
長文すみません。
コメントどうもありがとうございます。
ご指摘のとおり、心理専門職、博士号取得、病院勤務でもD科目読替えができずGルート受験者など心理専任者のGルートが多いことは僕も知っています。
ただ、こういった人たちはすでに資格を取得して公認心理師として活動している人たちが多いようです。
やはり国家資格である、ということの重みがかなり大切ということは心理職は重々承知で、Gルートの中にはあまり滞留していないのではないかという印象を受けています。したがって今の受験者はやはり他職種が多いのではないかと思っています。
スキマ世代あり、この制度の示している受験資格の錯綜を感じています。理論的には学部からボランティアで老人ホームで働いていた人も受験者に含まれていてもおかしくはないわけなので、この過渡期にはさまざまな人たちが受験していてその全部を試験実施機関当局もうまく把握できていないので「分析」といっても全てを正確にとらえるのは難しいと感じています。
Eルート新卒が少ない、とのことについてお伝えしたくコメントさせていただきました。
周囲の例というより当方の卒業大学院の話になりますが、臨床心理士試験は全員受験できますが、公認心理師試験については半数程度が大学の読み替え不可や必要科目未受講のため資格無しとなっている同期が存在しております。
これは他大学院や社会人入試の方も同様であると思います。
そのため、臨床心理士は受けられるけど公認心理師は受験資格がなく、試験を受けていない(受けられない)ということが起き、受験生の数が少なくなっていると思われます。
この事実が分析の一助になると思います。
長文駄文申し訳ございません。
コメントどうもありがとうございます。確かに。これはいわゆる「スキマ世代」の中でも大きなEルート新卒問題になりそうですね。5年目見直しの際にこの辺りも検討して欲しいと思います。スキマ問題については
SUKIMA GENARATIONさんが詳しく、僕が変に口出しをするとややこしくして邪魔にすることになりかねないので、その方々もぜひこの機関に相談されてはいかがかとも思うのです。
https://sukima-generation.jimdofree.com
おっしゃる通り、「ほぼD」のGルート受験者はこの3回の試験で多くが合格していると考えるのが自然でしょうね。
合格率にも焦点の1つを当てられた記事だと理解したので「実はG受験者は他職種よりも心理職が多いか、せめて同数ぐらいなのではないか」と、感じたことを書きました。
実際、試験の主催者が統計を取って公表しないことには分かりませんよね。
丁寧にお返事をいただき、重ねて感謝申し上げます。