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◯ 第1回公認心理師試験と第3回試験
1.序
第1回試験は平易で誰しも合格できた(総計79.1パーセント合格率)「8割合格なんて簡単じゃね?」と思われています。実際のところ、第1回試験を試しに解いてみて「解ける」と思ったものの、それ以降の試験の困難さに辟易として「第1回試験優しすぎておこ」と思った人たちも多かったでしょう。
ところがこれに関しては各予備校や僕も含めて「実情ちゃうわ」と思っている人たちが多いのも事実です。
まず第1回試験はブループリントがワケワカメなので感情の高次回路とか低次回路とはなんじゃい?「負の相補性negative-complementarity)とは?予防のためのKaplanモデルとはなんじゃい。
Caplan, Gなら知っとるが(明らかな誤植)、進化心理学は全然習ったことない。あ、ロールシャッハの復習しなければ、精神分析もやっとかねば、とわけのわからない勉強をしていたわけです。
結果的にただし仲間のCちゃんは無勉で落ちていました。僕も「ノー勉でいいや、ブループリントどっかで聞いた言葉ばかりだし」とと思っていたら全然違ったわけです。
僕は公認心理師法が施行されることになると聞いてその間臨床心理士の過去問をありったけ解いて「まあこれだけ連続して合格点が取れるんだったら大丈夫だろう」と思って出題基準ブループリントを見たら全然違っていたわけです。
小川俊樹先生が出題委員なのでいちおうロールシャッハエクスナー法は勉強しておいたのですが、その他に精神分析もいちおう「出るかな?」と思っておさらいもしておいたわけです。が、これらはムダでした。
で、辰○の模試も受けてみたわけですが、ブループリント準拠ということで結構難しく感じ「ちょ、こんな難しい問題でるわけねえだろ www草」と思ったらだいたい同じぐらいのレベルのものが出て驚いた覚えがあります。まあ模試も復習しておいてよかったな、というところです。
第 2 回試験が難しくてみなさんショックを受けた、第3回はまた別の意味で難しかったからです。
第3回試験合格者にそれぞれ話を聞いてみると、多分その点数には分散「ばらつき具合」が小さかっただろうことです。(この辺りは日本心理研修センターから毎度毎度発表がないのでわからない。)
第1回試験合格者に話を聞くと、8割合格者もいれば 139 点合格者、140 点合格者、160 点ぐらいの人も多くて、もうばらばらという感じでした。
ところが第3回試験になるととたんにみなさん 150 点代前半がやたらと多かったなあというのが僕の印象です。大きく点数を伸ばしたわけではないけれども取らなければならない問題を死守して取った人が合格していたわけです。その場合も心理学の基礎の基礎を知らない人は点数が取れなかった。
第3回試験は「悪問・奇問」が多かった。確かにその意見は当たっていて、それはそうだと思うわけですが、その問題を除いてろ過したら、まあまあ普通の問題も多かったと思います。
しっかりとした臨床心理学的センスを持っていて、きちんとそれを習い覚えていて、基礎心理学もできていた。医学問題がむちゃくちゃ難しかったのは医療従事者へのサービスという感じもあったのですが、医療従事者は司法や教育はわからず、やはり苦しんだわけです。
今回Eルートの合格者が8割出たわけですが、この合格者の8割が 80パーセントの正答率があったかのように数字のマジックで、見た人は「さすが新卒者だなあ」と思ったのかもしれませんが、実際のところは見た目の罠で、分散が広がっていなかったと思うので新卒者でも 140 点台、150 点台の合格者は多かったのだと思います。
ということを念頭に置いて今回の数値を見るとこの辺りの多分中央値の合格者が話しているとおり「はっきりとわかっているところは一問も落とせなかったし、統計がわかる人は統計も正解しなければならなかったきわどい試験だった」ということを感じるのです。
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