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ᴀ ɴᴀᴍᴇʟᴇss sᴋʏ.
時の速さは変わるらしい。鼓動のそれに添うように。黄昏時は、かくも刻がまどろむもの哉。
◯ 公認心理師試験合格者数/受験者数=合格率
1.序
第3回公認心理師試験の採点結果がそろそろ各人終了したところで、敢えてまた合格率について考えてみます。なぜ合格率を考えるかというと、この試験は大学院卒心理専攻者をモデルとしたレベルにきちんと適しているか、という点を考察してみたいからです。
公認心理師カリキュラム検討委員会では心理専業の心理職が当時5万人~6万人ぐらいではないだろうかと推定していました。となるとその数がゴールで、ゴールの数を推定した上で、試験の適切度を示す難易度→合格率→ゴール数、になるのではないかと考えたからです。
IPSA 心理学大学院予備校代表浅井伸彦先生は第2回の試験合格率が第5回の試験まで続くだろうと予想しています。そして受験者数は第2回~第5回までやはり 1,7000 人程度と予測しています。さて、実際にはどうなのでしょうか?
2.受験者数は?
今回の受験者数はどのぐらいの人数、そしてどの程度の質だったのかということに合格率は依存します。各現任者講習の参加人数を合計すると第3回、第4回の受講者数は推定8千人~9千人程度でした。
どんな人たちが現任者講習を受けたのか考えてみますけれども、「仕事や家庭が忙しすぎてこの回しか受けられなかった」「やっと勤務歴が5年に達した」「人が取っているのを見てうらやましくなった」など理由は様々でしょう。
第2回の受験者総数は推定 16,948 人(合格者数÷合格率 46.4 パーセント)でした。
第3回試験のカギをある意味で握っていると考えられる第2回試験Gルート受験者数は 11,311 人、合格率41.8パーセント、合格者 4,728人、不合格者は6,583人でした。7万円の受講料を払ってなお28,700円の受験料を払った不合格者が果たして再チャレンジするかどうかです。
あまりに試験が難しかったので再チャレンジは諦めたという人もいると思います。
僕は D ルート(1,2とも)に再受験をするものと見ています。彼らは心理専業者です。この資格を取らないと生死にもかかわりかねません。
不合格者は再度受験するでしょう。
D1 ルート総数 3,505 人、合格率 53.6 パーセント、不合格者 1,626 人、
D2 ルート総数人 2,131 人、合格率58.8パーセント、不合格者878人、
Dルートは不合格者総計 2,504 人です。
第2回試験にも第1回試験不合格者は含まれていました。第3回試験にも同じことが言えます。しかしあくまで第2回試験についてしかわ
かりません。
第3回公認心理師試験第2回試験不合格者9,085 人はかなりの割合で第3回を受験していたものと思います。現任者講習修了者 8,000 人程度はそのまま受験します。そして新規受験者は臨床心理士に相似すると仮定すると
2,000 人程度でしょう。(日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士」資格取得者の推移)。浅井先生は第5回まで受験者数 17,000 人は変わらないだろうと予測しています。僕も同意見です。
3.合格率
さて、ここからが僕の見解となるのですが、様々な団体の総意として、心理を専業にしている人たち、人たちが合格して欲しい、そしてその合格率は 6割程度になって欲しいと思っているのではないかという印象を受けています。
合格率は前回不合格者がどの程度合格するかにかかっています。第3回試験は第2回試験とは趣が違った難易度が高い試験で、記念受験していた人の合格はおぼつかなかったでしょう。
国家試験で言えば一番わかりやすいのは医師国家試験のモデルです。新卒者既卒者合格率がはっきりと出ているからです。2020 年新卒者合格率94.9 パーセント、既卒合格率 69.2パーセントでした。医師国家試験でも旧司法試験でも、受験回数が増えれば増えるほど国家試験受験者は合格率が低くなる傾向があります。
「時間がない」「病気だから」という通常ならば「いやそれは大変ですね」という理屈はどの試験にも通じません。シビアなところです。また、勉強の勘どころや受験テクニック、絶対的勉強量、意欲など多数の要因が合格を妨げます。
一般的に一回不合格だった受験者の合格率は6割になるとも言われていますがこの試験はどうなのでしょう?(捲土重来を期してものすごく勉強して合格した人もいるので、個別ではきちんと合格している人はいます。そして新規G ルートの内訳はどんな人たちなのか?
やはりデータ足らずではっきりとした数字は出せないのですが、今回の試験の難易度、試験の質の変化、新卒受験生の話を聞いて、厳しい結果、そして合格率、合格者数を考えると、心理師の不足にならないかということを憂うのです。
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