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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)

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その壁の向こうに
望む景色がある限り ໒꒱⋆゚


○ 公認心理師試験頻出 PTSD

PTSD はさらっと読めば知識が簡単に頭に入ります。PTSDは知識問題でも事例問題で出てきます。何回か書いているのですが、ここで復習しておきます。PTSDの症状としての特質はいくつかあります。

DSM-5の診断基準として新たに付け加えられたのは、警察官、救急隊員などが職務上で凄惨な場面に接した際にも PTSDになりうるということです。(惨事ストレス)

よく「私彼氏に浮気されて別れたのがトラウマになっちゃって新しい人と付き合えないのよ」とトラウマという言葉は簡単に使われますが、実際のところ、浮気した彼氏が逆上して包丁持ちだして追いかけでもしない限り、それは「トラウマ」とは言えません。トラウマというのは幼少期からの虐待、まさに死に瀕した経験、レイプのような重篤な性被害などが入ります。また、近親者から繰り返し PTSD 体験を聞かされる、ということが診断基準(DSM-5)では定められています。

同じような状況に晒されたとしてもPTSDにならない人は60パーセントと言われていますが、統計によってさまざまに異なります。その人が受けた衝撃の程度や長さによって変わってくるものとおもわれます。PTSD 様の症状を示すものとしては急性ストレス障害 Acute Stress Disorder がありますが急性ストレス障害の場合には1カ月で症状が治まります。1カ月以上だとPTSDの診断となります。

1. 侵入・フラッシュバック
(悪夢を繰り返して見る。日中何もしていない時に侵入思考が発生してくる。(白日夢としてPTSD のトラウマ体験がさーっと侵入してく
るなど)

2.解離
おそらくトラウマ体験があまりに耐えがたいものなので、トラウマ体験を自らの記憶から切り離してしまう。トラウマ体験だけでなく、その
ほかの現実の日常体験も切り離してしまう。結果として全く覚えがないのに東京在住の人が東北でふと気が付いたり、クレジットカードが多額に使われている等の現象が起こる。解離は解離性健忘や多重人格障害といった形で現れることもある。


3. 回避

トラウマを負った状況と同じ場面を回避する。例えば加害者に似た人を避ける。

4. 過覚醒(覚醒亢進状態)

トラウマが起こったのと同じような状況が起こるかもしれないと思って身体中にアドレナリンが駆け巡っているのと同じ状態になり、常に「闘争か逃走か」 fight or flight の状態になる。したがって興奮状態、情緒的には怒りが先行して常にイライラしている。その名のとおり不眠症状が起こることも。過覚醒症状の中にはレイプ被害に遭った女性がわざとミニスカートで暗い夜道を歩く、などもあげられます。(自己破壊行動)

5.公認心理師過去問との関連
子どものPTSDの場合、ポストトラウマティックプレイをすることがあります。3.11の後に例えば津波ごっこをする、地震の絵を描く。などもありますがポストトラウマティックプレイは子供のPTSDを良くすることはありません。これは僕の経験上ですが、特にトラウマを負った人でなくてもテレビで繰り返し震災の映像を見ると気持ち悪くなるという現象もあるので漫然と刺激に暴露されている時間はない方がいいです。

また、半構造化面接として訓練を受けた面接者が実施するCAPSが行われることがあります。(PTSD臨床診断面接尺度)。心理検査としてはPDS(心的外傷後ストレス障害尺度)、またIES-R(出来事インパクト尺度)もPTSD心理検査の鉄板と言われています。K10が使われることもあります。

6.治療

※ PTSDの治療で難しいのは、ただ受容、傾聴という技法でだらだらと聞き続けているとクライエントは外傷体験を追体験することになり、悪化、下手をすると自殺の可能性すらあるということです。

(1)持続的エクスポージャー法(PE)

カウンセラーと行ったセッションの内容を毎日聞く。PEには想像的エクスポージャー法と現実的エクスポージャー法がある。トラウマ場面を想起するのが想像的エクスポージャー法。現実に、トラウマ体験となっていた実際には安全な状況に入っていく
のが現実的エクスポージャー法。ただし、戦争でPTSDになった人を戦争地帯に行かせる、犯罪被害に遭った人を治安の悪い地域に行かせるなどの本当に危険な体験をさせるのは侵襲性が高いので行わない。

(2)EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)指をクライエントの左右で動かして(音刺激やバタフライタッピングでも可)外傷記憶を想起させながらトラウマを消去していく。

(3)CPT

認知療法としてCBTから派生した一種の両方PTSDからの回復を妨げる引っ掛かり (スタックポイント)を解きほぐす。安全、信頼、力とコントロール、価値、親密さを取り戻させる。全12セッション。

(4) IPT(対人関係療法)

(5)薬物療法 SSRI のような抗うつ剤が使われることが多い。