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公認心理師Gルートとはそもそもそも何か?

公認心理師Gルート資格については、厚生労働省主催、公認心理師カリキュラム委員会で議論の上、受験資格として認容されたものです。

厚生労働省カリキュラム委員会が目指していたGルート創設の意図は何か?現状の運用はどうなっているのか?そして今後の展望は?
これらについて考察を加えたいと思います。

1.公認心理師カリキュラム委員会

カリキュラム委員会ではGルート公認心理師受験資格を実務経験5年以上としました。この時の委員の発言の要旨としては、心理職として働いていても週一程度働いている、という人もいるだろう。そういう人たちにも受験資格を与えるべきだというものでした。

当初は週3回ぐらいと常勤に近い形態を現任者として認める方針だったのが、カリキュラム委員会の中でも秋1回と変転、日本研修センターホームページを見ると経験5年間、週1度心理業務をボランティアであっても短時間行っていれば現任者と認められます。

「大学院卒程度の知識」が求められているものの、公認心理師受験時に提出するアンケート結果 には他資格として、臨床心理士のほかに教員免状、精神保健福祉士、看護師などが記されています。

これもカリキュラム検討委員会で議論された結果を反映しています。その当時の現状で、臨床心理士と精神保健福祉士のダブルホルダーが多いことに言及していました。だからダブルホルダーは問題なかろうと。

大学教員は教えているだけなのだから受験資格はあるのか?という質問に対してカリキュラム委員会はOKを出していました。

そして何度もこの検討委員会で日本臨床心理士資格認定協会は臨床心理士に特段の配慮を求めるように主張していましたがことごとく却下されています。

試験実施機関日本心理研修センターがアンケートを提出させる時点で、Gルートの中にも心理専業でない他職種がいる。公認心理師を取らなくても食い詰めることがない層が多いことは想定内だったと思います。

2.Gルート受験者の実態

Gルートは、科目読み替え不可能な大学院卒業者、学部卒心理職(含司法矯正・児童福祉司など)も相当いたものと思いますが、確かに僕の身の回りでも教員、看護師、3福祉士は多いという印象を受けています。

カリキュラム検討委員会はこういった状態になることは十分に想定しつつ、試験を実施したものと思います。

精神保健福祉士、大学教員にかかわる議論はめくらましで、心理専業者からの反発逃れだったような気がします。

確かに学校教員は児童生徒の相談に乗ります。教科を教えて宿題を出して部活の指導をして、ということだときわめて多重関係的です。

以前日本心理研修センターに電話で問い合わせた時には公認心理師法施行規則に掲載されている26の施設で施設職印と施設長印があればノーマークで受験できる、しかし私設開業、産業領域はきちんと審査をしてそのやり取りには1カ月ぐらい書類のやり取りで時間がかかるとのことでした。

3.Gルート他職種受験をなぜ第1回から第5回まで認めたのか?

ここには2005年の二資格一法案廃案を彷彿とさせるものがあります。当時の「医療心理師」は大学学部卒を想定したものでした。臨床心理士側が大学院卒程度を主張、表向き医師団体が二資格だと現場が混乱することを理由に反対してこの法案が廃案になったことになったのですが「大卒程度」の学歴に切り下げようとしたことには臨床心理士側の反対がありました。

医師側では6年制の医学部卒業者と院卒者の心理国家資格者が限りなく医師と対等になるのではないかと危惧したのではないか、というのはあくまでも僕の邪推です。

2018年から2022年まで認められるGルートはぶっちゃけ学歴不問です。

二資格一法案の時と同様、D1、D2ルート院卒者は臨床心理士、医療心理師は心理系大卒、よりもさらに切り下げてGルートを入れた、というのが僕の印象です。

3.勝手な推測

医師団体は二資格一法案の時のように心理職の価値を引き下げたかった。

しかし医師団体も引き下げばかりだと自分たちが将来苦しむ。心理団体は相変わらず純粋臨床心理大学院を求めている。この綱引きの結果がGルート、2022年までに限って現任職を認めるという結果になったのではないでしょうか?
つまりGルートは双方駆け引きの末の鬼っ子だったのかもしれません。

4.誤解を避けるために

僕はGルート他職種参戦者をdisるつもりはありません。むしろ心理院卒者ですら全員合格することができないこの試験に仕事をしながらメンブレずに合格するパワーメンタル、パワメンかつ鋼のメンタル術師の方々は尊敬に値します。心理専業者の頑張りと努力を評価して協働して欲しいと思います。

学んだ臨床心理スピリットを生かして本業に取り組んで欲しいと思います。

D、Eルートの方がGルート合格者に対して面白くない気持ちを持っているということも知っています。ただ、公認心理師合格はただひとつのステップに過ぎないということも知っておいて欲しいと思います。公認心理師試験ではさまざまな心理検査を区別することが求められていますが心理職は実施する能力を求められています。

精神分析は患者さんたちの心性を理解するのにこの上なく役立ちます。メンタライゼーションもそうです。EMDR、トラウマケアのための各種技法も覚えて活躍して欲しいと思います。