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きょうも
新たな希望に想いを託して ໒꒱⋆゚


心理臨床学会・公認心理師問題発表者へのインタビュー(職能団体の2つの在り方についての研究)

さて、僕の手元にも心理臨床学会第39回プログラムが届きました。

学会では公認心理師に関する発表がいくつかあります。大会場で従来行われていた実行委員会企画やらなんとか委員会のどえりゃー先生の方々の公認心理師に関する発表等もあるのですが「おま、どんな発表するんや?」と僕が聞いてもガチャ切りされるだけでしょう。

そこで今回公認心理師制度について発表する市井の心理職の方(面識がないので知人の知人ぐらいの伝をたどって、なんとかお願いして)仮にTさん(学会員しか見られないプログラムなので一応仮名)の職場に昼休みに電話してお話をお聞きすることができました。

※ なお、心理臨床学会に限らず学会というものは発表をすでにされたものについては学会の了解も得ないと発表者からの「いいよー」というOKだけで記事掲載はできません。ので発表内容にこだわらずTさんの見解を聞くことにしました。

お忙しい中ご協力いただきましたTさんには大変感謝しております。

(以下インタビュー)

僕:このテーマを取り上げた理由は?

Tさん:今回、この演題を発表するに当たり、これが臨床心理学的研究か?という懸念もあって締切ギリギリまで発表するかどうか迷いました。

ただ、今後、公認心理師を活用する政策、国民の心の健康の保持増進のための政策の審議に参加したり、政策提言を行っていくステークホルダーの一つとして、公認心理師の職能団体は大きな役割を担います。

なので、ちゃんとした職能団体の在り方について議論することは不可欠だろうと思って発表することにしました。

僕:学会ではこういった制度論は、去年も発表はありましたが、ざっと見たところ一般の方からはTさんだけかなと?

Tさん:他に出す場所がなかったかと言うと、日本公認心理師協会、公認心理師の会、それぞれに質問、回答を求めたのですが、あまり動きが見られなかったというのと、心理系学会で私が所属してるのがココだけだったというのもあります。

所属会員数としては一番大きいみたいなので、それはそれで良かったかなとも。

僕:僕も公認心理師に関するブログを書いているので大変興味をひかれます。職能団体が2つに分かれていることへのご意見は?

Tさん:最終的には一つになれというのが願いですが、現実的な所は「仲悪くても構わんから、外から見て公認心理師がまとまっていると思われるような体裁だけは整えとけ。」といったところです。

今回の発表は、研究という体裁をなんとか保持するために、そこまでの主張はせず、2団体の比較という形で、「職能団体」と名乗っていてもそれぞれ目的とするところが大きく異なるということを明らかにし、公認心理師の職能団体とはどのようなものが必要か、ということを考えるきっかけにする、という形にしています。

僕:学会発表という限られた場所だけでは語り尽くせないような

Tさん:本音の主張は、討論用掲示板があるようなので、そこにセルフ投稿しようかなと。

僕:公認心理師の方々にこの問題について考えて欲しいことは何かありますか?

Tさん:周りの公認心理師の話を聞いていても、「どっちに入る?入った方がいい?」という話になり、どこがどう違うのか、母体団体とか業界内の対立構造の話は出ますが、そもそも掲げてる目的も事業も全然違うじゃない、というのに気付いてないように思うのです。団体があるから入会するとか、違いはよくわからないけど義理があるから入会するとか、そういうのでなく、公認心理師1人1人に、どんな団体が自分達に必要なのかを考えてほしい。そういう思いもあり、今回一石投じてみようとも考えました。

(インタビュー了)

※ 忙しいお昼休みということもあってなかなか時間をゆっくり取って話を聞く、ということはできなかったのですが、Tさんの言うような職能団体が2つに割れていることのデメリットはかなり大きなものだと思います。

「学会発表」内容にこだわらず、腹蔵なくお話をして下さったTさんの見解はとても貴重なものです。

よく言われていることですが、確かに職能団体を標榜している組織がふたつに分かれていれば公認心理師全体の発言力も弱くなってしまいますし、迷った公認心理師もどちらに所属したらよいのかわからずに結局組織率は低下、僕も2団体にメールで組織率や会員数を聞いたのですが梨のつぶてです。(返信なし)

こういった制度論については偉い人たちだけが語るのではなく、市井の心理師が多くの議論を積み重ねて意見をボトムアップしていくことも大切だと感じました。