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きょうも
その手がとどく世界を抱きしめて ໒꒱⋆゚


○就職1年目の公認心理師

1. 序

2018年、初めての公認心理師試験が行われ、2019年から公認心理師は心理職として働いているわけですが、本年度の臨床心理士試験は難しかった。

確かにそうだったと受験生のみなさんの話を聞いていると(感覚として1次試験合格率5割程度)と思います。ただし(現時点の予想)第3回公認心理師試験が急激に難化することはなく、公認心理師資格取得のみでも十分新卒就職には差し支えないものと思います。

それだけ国家資格としての公認心理師は重みがあり、院卒で心理専門職として働くには十分な資格と考えています。この記事を書いている目的は、公認心理師として専門職に就いた自分をイメージしてもらい、励みにしてもらいたい、そして心理職の現実も知って欲しいという目的から書いています。

2.総合職公務員

なぜ総合職公務員をトップに持ってきたかというと、みなさん学部のころに一度受けて不合格、院卒時に受けてまた不合格という経験者も多く「いいなあ」と思っている総合職は中身の仕事もかなりハードだからです。再受験したいという方も多いかもしれません。

他領域で働いていて、再度チャレンジしたい方はメリットとデメリットをよく考えてみるといいでしょう。総合職は超過勤務手当がありません。中央研修はありますが、全国転勤どこに行くのかわかりません。恋人と一緒にいたいというわがままは一切許されず、全然知らない土地、知らない人たちの中に飛び込んでいくことになります。

2020年大学院卒21万3000円、大卒 18万6,700円と初任給は安く、手取りが 16、7万切るぐらいですが、何しろキャリアなので出世は早く給料も 20 台で年収500 万円台、総合職人間科学区分、家庭裁判所調査官を想定しているのですが、鑑別結果通知書、調査票、調査報告書を期日までに提出できないのは許されません。

しかも一人当たり抱えている案件が多くて読み書きをする量は膨大です。
公務員試験を受けた方はなぜこれだけ多くの事柄を短時間に多く書かせるのかと思ったかもしれませんが、クオリティが高いアウトプットを短時間に大量にこなす必要性があるからです。転勤をきちんとしていれば50代年収1千万円手堅く中堅となってからは定年まで単身赴任、女性ならワンオペ育児必至です。

とはいえ有能な人、要領がいい人は5時で帰ることも可能です。途中で霞ヶ関行政部門に組み入れられなければ、ですが。

社会復帰調整官は興味を引く領域で中途採用幹部待遇ですが、社会人経験者採用です。

3. 児童関係

さて、これも公務員再受験者の人たちのための記述です。児童相談所はなかなか給料がいいです。児童心理司任用資格の中に公認心理師も含まれています。転勤も都道府県内で済むので魅力的です。

ただ、児童心理司で入っても、やっているのは判定のための心理テストで、継続的な心理面接はできません。児童心理司で採用されると、心理判定と児童福祉司両方の仕事をする、あるいは心理にかかわりなく、そのまま児童福祉司の仕事をさせられる人もいます。

報道などでご存じでしょうけれども、児相職員は1人100件以上ケースを抱えていて、200 件の自治体もあります。イメージとしては 200 件山積みになっているファイルの一番上の虐待死しそうな事案から手を次々につけようとしてこっちが溺れかけている間に60番目とか130番目の事案で虐待死が起こるということもあり得ます。

心身ともにかなりハードな仕事で、自治体によっては勤務制限をつけているところもありますが、結構夜遅くまで残っていることも多く、週末夜9時ごろからお疲れ様会(は現在時節柄できないと思いますが)をしていた人々もいます。 

この人たちに払う残業手当をかき集めるために土木課や総務から超過金融手当を付け替えしますので、手取り 40 万円~50 万円の職員も珍しくないです。大卒程度区分の地方公務員は地方上級扱いなので給与はいいです。その代わり、都道府県だと児童心理区分から児童施設に回される場合もあり、その場合には宿直勤務があります。(このあたりは曖昧で、心理、児童心理、児童指導など自治体によって採用形態が曖昧です、)

児童心理治療施設勤務はなかなかハード、児童関係は公務員でも離職者は多いです。ただし、とてもやりがいのある職場です。僕は学会の後に児童関係の人たちの人たちとの懇親会に混ぜてもらったことがあったのですが、とても明るくて前向きな人たちでした。どんな環境にあってもこれから成長していく可能性がある子どもにかかわっているからなのだと思いました。

僕の未知の領域ですが、放課後デイサービス(知人が経営者だったり、受験生がバイトをしている。)もやりがいのある仕事と思います。若い心理職が最初の職場として選ぶことも多いのですがバイトだと時給千円ぐらい。心理有資格者の施設長もいます。福祉関係は総じて規模にもよるのですが、給料は安めが多いです。「この分野にかかわりたい」と思ってやる人たちが多いので、志は高い人が多いです。

障害のある子にかかわりそこに馴染んで働く人もいるので、自分の向き不向きを考えた上で働くといいでしょう。社会的養護施設も心理職
の働きが期待される領域です。

4 福祉関係

福祉関係は、特に障害者施設となると宿直勤務がありなかなかハードです。

無資格でも働ける、いや、むしろどんな資格よりも経験年数の方が求められます。(福祉関係は経験優先が多いです。)月給20万円以上に設定されていても宿直勤務もあります。障害者施設だと手取り17~18万円も珍しくありません。

就労継続支援施設、通所施設も似たようなもので、だいたい同じような給与です。ただ、利用者さんと同じフロアで仕事をして、心理師の場合だと「生活指導員」兼心理相談担当者ということになります。今年の臨床心理士試験でそう聞かれた人は多かったですが、雰囲気としてはフロアメンバーの一員として生活指導員をやりつつカウンセリングをするという多重関係に近いような場面に出くわすことは多分にあります。

和気あいあいとしている場面も多いです。ただし、ある時はフロアの規律を守ることを大切にして利用者さんに注意をしたり、ある時はカウンセリングをして、というのはなかなか難しいことです。他の指導員、サービス管理責任者と打ち合わせが必要と思います。

こういった福祉関係だとボーナスはまああまり期待しない方がいいと思います。福祉は多様多分野です。 

5 教育

新卒でいきなり都道府県のスクールカウンセラーとして採用されることは、心理師が少ない土地でなければ難しいかもしれません。都会になればなるほどスクールカウンセラーの雇用要件は厳しく、毎年採用試験を受けなければなら
ないこともあれば、それほど心理有資格者が多くない自治体は「今年もよろしく」的なところもあります。

スクールカウンセラーの時給がいくら高くても年間予算が決まっています。週2回、他自治体に遠距離通勤して週3回ぐらい働くことは新卒者でもひょっとしたら可能かもしれません。田舎だと片道2時間ぐらいは覚悟してあちこちで働くことになるでしょう。今求人を見たのですが、某自治体(そんなに田舎ではない)で「公認心理師資格取得見込み」とあったので新卒者もOKなのでしょうが、スクールカウンセラー内定後に第2回試験では合格率 46.4 パーセントの公認心理師に「合格見込み」という採用要件は大丈夫なのだろうかという問題も出てくるでしょう。

僕の知り合いでは、スクールカウンセラーは週に1回程度、そのほかの日は教育相談所(月給20万円ぐらい)かクリニック勤務という人が多かったような気がします。昇給なし、したがって年功序列なし。ボーナスなし。ないない尽
くしというところが多いでしょう。

6 医療

医療ほど幅広くいろいろな心理職がいろいろな働き方をしている分野はないでしょう。1職場で1つの働き方があると言ってもいいです。独立行政法人の公的医療機関で心理検査、カウンセリングを行っている心理職も定年まで働いて
いても月給30万円行かない職場は多いです。

地域の中核となる基幹病院は、さぞさまざまな幅広い仕事ができるだろうと思うとそれは誤りで、インテーク面接だけしかさせてもらえないことがあります。

大学病院における心理の扱いは様々です。心理検査だけやらされている心理職もいれば、病棟でデイケアのみやっている心理職もいます。個別カウンセリングはやりません。通常のカウンセリングをやっている、また、緩和ケアチーム
の一員として若くして期待されて働いている心理職もいます。

また、そこそこの規模の病院でも、社会的貢献を目的としている病院だと、地域にサービスを還元するという目的で心理にカウンセリングをひたすら行わせるという病院もありますが、そうするとカウンセリングが殺到します。

心理職でも、カウンセリングを過去に受けようとした人でも知っていることですが、通院精神療法の枠でひっそりカウンセリングを数百円で行うこともあれば、カウンセリングを完全自費治療で行うところもあります。

かなり大きな病院でも院長先生が個人で医療法人を経営していると、人格の優れた(識見は問わない)人ではない限りワンマン俺様になると大変です。だから多少待遇は悪くとも(個人経営のところはだいたいにおいて高待遇はない、
というか心理そのものが高待遇はないのですが)公的機関の方がいいです。

個人経営のクリニックは、本当に院長(社長)の方針によります。クリニックは看護師、受付兼レセプト事務等、小さなクリニックでも多くの人たちを雇っているところもあります。少なくとも2人の事務の人がいないとクリニック経営は回りません。そこに心理が入っていくわけですから、お給料は厳しいですし、事務、レセプト兼務兼心理という場合もあります。

それでも院長先生の人柄がよければ働きやすいと思います。本当はどこのクリニックでも患者さんのことを考えたら心理職がいた方がいいのですが、スペースがない、採算が合わないということで採用していない場合も多いです。だから時給 1000 円代の募集が多いです。ワンマン経営の病院やクリニックは院長の性格次第では大変なことが多く、ざっくり見てたった約8割ぐらいが大変な病院です。

なんと2割は院長の性格がいいので、そういった職場を見つけられればメンブレずに働けるので頑張って探しましょう。患者さんから評判がいいも働きやすい、というわけでもないです。 

院長の人柄がよくて評判がいいのならわかりますが、駅近のいい場所にある、とか、待たない、とか薬局が近い、とかきれいな建物、とかハード的な評判のよさはあてになりません。

7.産業

これはなかなか書くのが難しい、というのも産業も企業や事業体によって扱いがばらばらだからです。僕も産業一医療領域で働いているのですが一概には言えない職場です。

大企業で週1非常勤で働いている心理が丁寧に産業医に教えてもらいながら勉強できる場合もあり、契約社員の場合あり、大規模官公庁の契約職員の場合もあります。

そこのカラーに染まらなければいけないというところが大変かなと思います。○自動車に勤務していて「ああ、私は○自動車はキライなんですよね」とは建前上言えないわけで、組織へのジョイニングが必要になります。

8.結語 

考えてみれば他にも心理の活躍する場所はたくさんたくさんあって、特別支援学校、老人保健施設、リハビリ、EAP、学生相談所、専門学校講師、あるいはひたすらアカポスを目指したり、そのために限界ポスドクのアライさんになる人もいるわけです。

書きながら気づいたのは、僕が全然心理職のみなさんが働いている職場のことを知らないということで、あてにならないということです。きっと夢と希望と愛と勇気に満ちた職場もあると思います。僕のような駄文を書くブロガーよりも、そういう職場で働いている先輩にぜひ就職の仕方を相談してみてください。