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◯ 頼れる認知行動療法家・原田隆之さん再登場

1.序

Yahooニュースに掲載されていたのですが、筑波大学で心理学を教えている原田隆之さんという人がいます(知らない人も多いでしょうからあえて所属を書きました…)。

さて、原田さんの記事「ニセカウンセラーに要注意 - 心のケアを誰に任せればよいのか・・・」を読みました。印象的な事柄が多く記載されていたので今日は原田さんの記事の内容を紹介しつつ、僕が感じたことを書いてみます。

Yahooニュースのurlを貼ってもいいのですが、著作権法上は合法でも、強い倫理観を持つ原田さんから訴えられると困るのであえて貼らないことにします。

2.記事感想文

これはあくまでも僕の単なる「個人的な感想」で事実やその効果を保証するものではありません。

⑴ 臨床心理士、公認心理師とその他のカウンセラー

原田さんはとりま「ニセカウンセラーに注意」という趣旨で記事を書き始めています。カウンセリング、カウンセラーという行為や言葉は名称独占ではなく、業務独占でもないので臨床心理士や公認心理師といったしっかりした資格でなければ信頼性がなく、症状が悪化することもあるぽよという指摘をしているのです。

僕はこの主張に対して確かにそれな!と納得する部分もあったのですが、資格がないカウンセラーに満足して通うこともその人の自由であって止めることはできないと思いました。

以前乃木坂46を引退してオンラインカウンセリングサロンを行っている中元日芽香さんのことを記事にしました。彼女は現在早稲田大学人間科学部で臨床心理学を学んでいます。

彼女がカウンセリングを始めた時には無資格だという批判もあったのですが、中元さんのファンがたくさんこのオンラインカウンセリングを利用したということは、それだけ顧客満足度が高いということを示しています。

病院で働くカウンセラーは、ほとんど臨床心理士か公認心理師の資格を保有していますが、必ずしも専門的な技量が患者さんを納得させることができるわけではありません。

心理テストに拒否的な感情を持っていてもカウンセリングルームの中でそれをなかなか言い出すことはできません。

インテーク(初回査定)面接で根掘り葉掘りいろなことを聞かれて嫌な思いをしてカウンセリングアレルギーになる人もいるかもしれません。

その点、薬品の匂いがして白衣の人たちが歩いている病院のカウンセラーよりは民間のカウンセリング事務所でティーサロンのような場所で家庭的な雰囲気、話したいことを自由に話せてうんうんと聞いてくれるカウンセラーを好む人もいるでしょう。

また公的に認められたものとしては遺伝カウンセラーも学会認定資格としてあります。

公認心理師、臨床心理士は確かに心理学の素養があり、知識が豊富です。しかしながら心理学史、精神物理学、多変量解析の知識がそのままカウンセリング能力に反映するわけではありません。

資格が絶対かというとそういうわけではなく、例えばLGBTの人が性別適合手術を受けるに当たってはそのクリニックには専門のカウンセラーがいます。たいていその人もLGBTで、やはり性別適合手術を受けていることも多いです。どの程度別の性に身体を変えていくか、そのコストは、健康上もたらされるリスクと性別違和に関するメンタルの影響など、何も知らない院卒の公認心理師、臨床心理士がぽんと入ってもそういった専門的な話には対応できないでしょうし、真の共感も難しいと思うのです。

⑵ 認知行動療法推し

原田さんは認知行動療法にはエビデンスがあるから信頼性があるけれどもその他の精神療法、例えば精神分析にはエビデンスがないと言います。

僕はどうしたらいいんだろう、1人でいることの能力を獲得しなければならない人や依存する能力を必要としているクライエントさんに精神分析的な概念なしにどうやって説明したらいいんだろう、そして愛着障害を抱える人に対する精神分析を援用したメンタライゼーションMBTは使ってはいけないのだろうかと泣きそうでつらたみが深くやばみんな気持ちになりました。

そもそも精神分析は境界性パーソナリティ障害概念を作り出しその有効性はアメリカ精神医学会でもエビデンスは出ています。

そしてメンタライゼーションのエビデンスもあるのに原田さんは知らないのか、いやまさか国立名門大学の先生なのにそんなことはないだろうと不思議な気分です。

精神分析箱庭芸術療法をやらせるようなカウンセリングは全部ダメそういうカウンセラーにかかったら別のカウンセラーを探した方がいいと書いてあるのを見て、「あ、そうか」これは納得したのです。

きっと原田さんは前世療法、ホメオパシー、チャクラヒーリングを勧めているんだなと理解しました。心理学で扱う精神療法に限らずヒーリングも効果があるということがわかりました。

さて、箱庭、描画もよくないと書かれていましたがこうしたプレイセラピーに近い心理療法は教育相談所などで子どもが喜んで行ってから不登校の子どもたちがやがて教室復帰していくのを見てきた僕としては原田さんの「子どもは遊んではいけない、首根っこを掴んででも泣き叫ぶ子どもを学校に連れて行けば不登校は治る」という戸◯ヨットスクール流の手法にエビデンスがあるというんだなあとも思いました。

箱庭療法の脳科学動態研究で脳血流量が増加して活性化されるという研究は最近かなり多く出てきているのは知らないのかな、いやこれはもし調べて知らなかったようなことがあったらその人は勉強していない証拠だろう(反実仮想)と心理学徒を試していることにはっと気づきました。

イライラ、いや色々と意義がある原田さんの記事を読んでこの人は認知行動療法ではなく、「The HARADA therapy」というまだエビデンスのない精神療法を創設したいという、生きているうちには誰にも共感されず、死後その業績が認められるようなアートを打ち立てていく大望があるのだということがわかりました。