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きょうも
待たせた心に未来をとどけて ໒꒱⋆゚


◯ 第8回臨床心理士動向調査

2020.7.13に日本臨床心理士会から、第8回「臨床心理士の動向調査」報告書が出ました。
これは会員専用の情報なので見たとしても当ブログに掲載することはできないのですが、村瀬嘉代子先生が2007に日本臨床心理士会が作成し、一般公開している第5回データのレジュメ があります。古い資料ではないかと思われるかもしれませんが、13年経ったからといって臨床心理士、心理職の状態が激変して、給料が2倍になるわけでもなく、最新動向調査を見た人でもだいたい変わってねえなという感想を持つだけでしょう。

以下村瀬先生のレジュメなどなどに沿って書きます。

まず性別ですが、臨床心理士はだいたい女性4分の3、男性4分の1の割合です。公認心理師試験発表でもこの割合だったことを考えるとまあ順当なところだと思います。

臨床心理士はこの時は大卒者22.8パーセント、平成18年までの経過措置で5年間臨床心理業務をやっていた人で、無資格のまま心理業務を遂行していたある意味優秀と言えますが、年数が経過するにつれて定年退職者も出たりしてその割合はかなり低下していったでしょう。

現在臨床心理士の主流は修士課程卒以上ということになります。

今は過渡期なので、公認心理師試験及び公認心理師制度への批判にもつながっているのですが、第1回公認心理師試験受験票発行数のアンケート結果では36,079人中28,875人が院卒、第2回試験では14,657人中7,722人が院卒者と、大卒以下(専門卒、高卒 ※ 数は僅少ですが)の資格取得者も多いと思われます。

これに対して「大卒以下でも難しい試験に受かったんだからいいじゃない」と書くと臨床心理士の方々からの猛反発がありそうですし「やっぱり修士以上は必要だ」と書くと現職Gルートの方から反発されるでしょう。2005年、二資格一法案の際には臨床心理士は修士課程卒以上という案が出ていました。そこで医療心理師は大卒以上という法案だったのですが、専門卒でもいいじゃないかという議論もあり臨床心理士会からの反対があったとも記憶しています。

村瀬先生が出しているデータは常勤が半分、年収300万円代で半分という結果で、こういったデータは心理職の待遇ががらっと改善しない限り変わらないものです。

公認心理師制度が施行されて初めての動向調査となります。気になる会員の人は公認心理師制度と臨床心理士会の調査結果を見てみるといいでしょう。こぞって臨床心理士が公認心理師を受験した、そういう体感が周囲の人々を見ているとありますが、そういうものです。

まあいつも書いているのですけれどもお金はない、常勤の仕事はないとないない尽くしは昔からだなあと思います。それでいて学会、各種団体の年会費、臨床心理士なら所定の研修に出て資格更新料を払い自分の勉強をするためのワークショップに出て書籍や論文も買ってスーパービジョンも受けて、と出費も大きいわけです。

心理職はお金があまりなくても女性が多いのだから旦那さんの稼ぎで暮せばいいじゃないかという説もありますが、女性でそれを良しとして進学する人はいないわけなので、やはりきちんとした収入は必要だと思ってしまいます。