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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
この世界には
知らなくていい事と
知っておくべき事がある


◯ 公認心理師上位資格に反対します

公認心理師上位資格は日本精神科病院協会、日本公認心理士会、公認心理師の会の3団体が構想を練り、実現させようとしているところです。

日本公認心理師会の上位資格構想は迷走しているのですが、まず公認心理師の上に「専門公認心理師」という公認心理師の上位資格を作る(そしてその上に専門◯◯公認心理師(◯◯の中にはそれぞれ医療、教育、福祉、司法、産業が入ると思われます。)創設案があり、現在もこの案は変更もなくそのままです。

そしてさらに「専門総合公認心理師」という公認心理師最高峰資格を作ろうという構想がありました。

公認心理師の会は認知行動療法家が中心になって作られた団体なので、認知行動療法+公認心理師の資格ができると思われます。

この案が一番クラッとするのですが、上位資格を作るとすれば更新制、5年更新としていくらかかるのでしょうか。お金のことについて考えてみます。

臨床心理士は受験申請書類1,500円、受験料3万、登録料5万、更新料は5年ごとに2万円となっています。

日本臨床心理士会年会費8,000円、地方公認心理師協会は7,000円ぐらい?

研修はそれぞれ別費用、臨床心理士の多くが加入している心理臨床学会年会費9,000円です。

1回の大会参加費用は7,000円です。

公認心理受験に関しては受験料28,700円、登録免許税15,000円、登録手数料7,200円。

心理職のみなさんはこのほかに自分が入りたい、勉強したい学派の学会に複数所属し、ワークショップに出たり継続研修に出てスーパーヴィジョンを受けます。

時給1000円から1500円、新卒手取り17万円、平均年収350万円の心理職は上位資格創設による資格取得に積極的になれるでしょうか?

上位資格創設に賛成、資格取得をしたいという方がいらっしやれば、この記事のコメント、メッセージ、公開メールアドレス、Twitter上でも構いませんので僕のこの記事に対する反論をしていただければ大歓迎で公開議論をさせていただきます。

そして心理職を雇用している、部下としてカウンセリングや心理検査を依頼している院長、医師の先生方にお聞きしたいと思うのですが、心理職が自ら興味を持った分野の勉強で自己研鑽してその実力を伸ばしていくのと、嫌々ながら上位資格を取得してモチベーションが下がっているのとどちらが好ましいのでしょうか?そして医師の先生方は上位資格を持っている公認心理師を優先的に採用しますか?資格手当を出したいと思われますか?

開業領域の公認心理師の方々はこういった上位資格に興味がありますか?率先して上位資格を取得したいですか?上位資格を取得すればクライエントさんは増えますか?クライエントさんの信用度は高まると思いますか?

今でも心理職は意欲的に各学会独自資格を勉強のために取得している人たちが多いです。学会にも出ています。これらの費用はほぼ自腹のことが多いです。外に出れば当然交通費、宿泊費などもかかります。 

僕が聞きたいのは在野、市井の公認心理師の方々の生の声です。医療機関では医師と連携を取りながらきちんと医師の指示を受けていて、医学的知識や人格的に陶冶されな立派な医師を専門家として尊敬しながら働いている公認心理師は数多くいます。僕自身も自らの臨床活動の資としている医師の先生方のオピニオンや論文、著作は数多いです。

もちろん心理学界の先達の先生方が熱心に後進の指導に当たっていることは百も承知の上です。さて、そういった先生方が公認心理師の意見聴取をせずに上位資格創設を推進(強行)することで、その尊敬が高まるとお思いでしょうか?

上位資格を医師団体が創設することによって公認心理師たちの医師への信頼は深まりますか?

心理の偉い先生方に対して市井の公認心理師は上位資格創設をどれだけ望んでいるでしょうか?果たして手放しで喜ぶのでしょうか?

まだできて間もない公認心理師資格の上位資格ができることは、国家資格の存在意義を揺るがすだけでなのだと思ってしまうのです。