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(@Skylit_Blue)
誰しも後悔はするもの。あの日あの時、たらればたられば…。明日に転用する為の分析ならいいかもしれないけれど、ただのパラレルワールド旅行なら、ちょっと時間がもったいないかもね。その時点での最善と呼べるものを選んでいるならば、それでいいし、それが全てなんだから。回想が好きなら別だけど。


◯ 受験生も公認心理師も知っておきたい精神薬の副作用

「副作用がない薬には主作用もない」と言われています。精神薬の副作用は毎回公認心理師試験にも出ています。「医者が把握して聞いとけばいいんじゃね?」

という説ごもっともですが、3分間の診療で「はい、変化ないです。」と言うだけで公認心理師は服薬指導はやってはいけないということになっていますが、実際にはラモトリギンを服用している患者さんが「最近湿疹ができて痒くてねえ」と言ったら青ざめて医師に報告して、もう一度診察室に入ってもらわないといけません。(前にも書きましたが)

ラモトリギン(ムードスタビライザー、気分安定薬、抗てんかん薬ですがスティーヴンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson syndrome:SJS、皮膚粘膜眼症候群)といって全身の皮膚が壊死するという難病になり湿疹はその前兆で、死に至ることすらあります。

賦活症候群(ふかつしょうこうぐん、またはアクチベーション・シンドローム、Activation Syndrome)は抗うつ剤SSRIによって起こる不安や焦燥感、躁状態になることもあり、飛び降りたりすることから、未成年に多発していたこの症状から18歳未満の患者に禁忌または慎重投与です。(公認心理師試験既出)

セロトニン症候群がSSRIに起きることもあります。SSRI2種を重ねて投与することが原因の一つとも言われています。てんかんで生じるミオクローヌス発作という筋肉の不随意運動が同時に起きることもあります。発熱、早い呼吸などが特徴で、横紋筋融解といって放置すると死に至ることもあります。ちなみに横紋筋融解は力価が高い抗精神病薬をいきなり抜くと起きることもあるので徐々に1年ぐらいかけて抜くこともあります。
セロトニン症候群については
厚生労働省資料
重篤副作用疾患の説明資料

悪性症候群は

抗コリン作用は、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬や抗精神病薬、抗うつ剤で起こることがあり、口渇感や便秘、排尿障害や吐気が起こります。口渇感には水を多飲してしまうのでなく、口を湿らせる程度にしておくことが勧められます。  

錐体外路症状(EPS)は、動きが全くなくなったり、多動になったり、震戦、顔をしかめたり首を動かすという不随意運動です。下記アカシジアやジストニアも含まれます。

アカシジア(akathisia)は、錐体外路症状の一種です。静坐不能となり、足がむずむずして耐えられないような苦痛を起こします。ベンゾジアゼピン系の抗不安剤やハロペリドールのような抗精神病薬で起こることがあります。むずむず足症候群とだいたい同じような症状で、これを長期間放置しておくと自死に到ることすらある苦しさがあります。

もむずむず足症候群と同じく「両足を切断して欲しい」という患者さんすらいます。それがいいという教科書もあれば、禁忌だともされている記述もあるのですが、抗パーキンソン剤を処方して症状を緩和させることもあります。

ジスキネジアも不随意運動の一種です。そうしようとは思わないのに口が勝手に動いてしまうオーラルジスキネジアが多いです。手を回内会外といって、勝手にドアノブを動かすような動作、足の不随意運動もあります。遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬を長期間連用していて起こることがあります。四肢に起こりやすいです。

ジストニアは不随意に体が動く症状で、全身性と局所性に分かれます。不自然な姿勢を長時間強いられることがあり、これも抗精神病薬の長期連用で起こります。急性の痛みを伴う場合あり。

高プロラクチン血症は男性でも乳汁が出たり、月経不順、男性では性欲減退が起こることがあります。これも抗精神病薬の影響で起きることがあります。Risperidoneリスペリドン(商品名リスパダール等)長期連用は骨粗しょう症や乳がんの原因ともなります。

非定型精神病薬の副作用としてはOlanzapineオランザピン(商品名ジプレキサ)やQuetiapineクエチアピン(商品名セロクエル)Aripiprazoleアリピプラゾール(商品名エビリファイ)Brexpiprazole ブレクスピプラゾール(商品名レキサルティ)による、糖尿病ケトアシドーシスによる死亡もあり得ます。(急なインスリン分泌不足で血糖値が高いままなので昏睡状態に陥ることあり。)このため、これらの非定型精神病薬を服用して口渇感や多飲多尿頻尿の状態になったら投与中止の可能性が高くなります。また高脂血症に陥ることもあります。

定型精神病薬、非定型精神病薬にかかわらず大量投与は過鎮静となって動けなくなります。

体重増加は一部の抗うつ剤や抗精神病薬で認められ、Mirtazapineミルタザピン(商品名リフレックス、レメロン)Sulpirideスルピリド(商品名ドグマチール、ベタマックなど)、Clozapineクロザピン(商品名クロザリル)
Risperidone、Quetiapine、Olanzapineで認められます。

なおClozapineは治療抵抗性の統合失調症薬として画期的な著効がありますが無顆粒球症の(血液中の好中球減少症)可能性が高く、定期的な血液検査が必須です。