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こころは少し
乾いているくらいがいい
そのほうが夕陽が沁みるでしょ
◯ 公認心理師になろうと憧れていて実態をよく知らない方々へ
1.序
この記事では「公認心理師を目指すと大変だよ」というデメリット、次に「こんないいこともあるよ」というメリットも書きます。それはまるでエステサロンの美容広告のようで、美容外科HINATAクリニック(仮)は高いけど丁寧。サロン・ド・ヤバミンは格安だど通う回数が多くて施術が荒いかも。だから美容外科HINATAクリニックの方がいいね!という広告業界にありがちな比較広告のようです。(前置き長し)
さて、それでは公認心理師になるデメリットについて紹介していきます。
1.デメリット
⑴ 学部のころから勉強が大変
公認心理師受験をするには学部1年生から一般教養科目でもいい成績を取っておかないと学内選抜に落ちる可能性があります。GPAという学内選抜システムを取っている大学も多く、ハードルが高い学部では全科目平均80点以上の成績を取らなければならない大学もあり、留年してももう一度公認心理師養成課程のためのチャンスは与えられません。狭き門となることが予想されます。
だから学部のころから多忙です。バイト、デート、サークルよりも勉強優先の生活になります。学部の時の実習時間は80時間、院に進むと2年間の間に450時間の実習があります。
⑵ 大学院も厳しい
心理学はどの大学でも花形分野で入学偏差値が高く、その中で厳しい選抜を受けて公認心理師課程を有する院に進んだとしても2年間450時間の実習が必要になります。もし半日4時間の実習だったとしても112.5日、ケースを担当し、事前学習、事後検討会等があり、到底サボることなど考えられません。検討会で辛辣な事を言われたら心折れるかもしれません。
⑶ きっと公認心理師試験は難しい
公認心理師試験はかなり難しいでしょう。(多分今と同じレベルと思います。)大学院のカリキュラムをきちんとこなしていても現在臨床心理士、公認心理師大学院新卒の合格率は約6割です。大学院の勉強は公認心理師カリキュラムに沿ったものになり、真面目に勉強をしていれば合格できるでしょう。実習は忙しいですが反面、実践家の卵とさて学べるという、大きな魅力があります。臨床心理士のカリキュラムでも大学院に進んで実習にのめり込み過ぎて、内定まで取れたのに肝心の臨床心理士試験に落ちてしまったという人もいます。
⑷ 公認心理師は「先生」ではない。
「先生!助けてくれてありがとうございました。」ということはまずありません。
学校や会社の文句を言って憤慨して毎回帰る人もいます。そして自宅でくつろいでいたら当直から「緊急に連絡したいと言って切羽詰まって電話してくる人がいます!」と呼び出されて行ってみると、昼会った人が「こんな事やあんなことで困ってるのに誰もわかってくれない!」と怒っています。1時間ほど話を聞いて「まあまあ」となだめて帰します。
その人と翌週会った時には「この前は時間外にすみませんでした」「ありがとうございました」とは言われません。「なんで(学校や会社から)あんな目に遭わされるのか」という文句から始まります。もし「助けてくれてありがとうございます」と公認心理師に気遣いをする人がいたらその人はもう二度と来ない人と思って十中八、九、間違いありません。見切りをつけたからおざなりにありがとうと言うわけです。来続ける人はあなただけにしか言えない愚痴や文句を言える唯一の場所としてカウンセリングを活用しています。
職場の文化によっては「先生」と公認心理師が言われることもあるでしょう。しかしそれはただの記号です。思い出してみましょう。中高生の方々が学校の先生のことを仲間うちで話す時に「ひなた先生ってさあ。」とは言い合いません。「ひなたのヤツ、いつもわけわかんない事ばかり言っているうちに自分でも迷走して着地点わからなくなって話なげーしギャグ滑ってるし、頭くるよな!」と呼び捨てにされます。
心理職が「先生」と呼ばれたとしてもそれは尊敬されての呼称ではなく「BL研究部顧問の先生」とほぼ同等の記号と思っておいた方がいいでしょう。
2.メリット
⑴ 給料が安い
あれ?メリットのはずなのについ本音を書いてしまいました。時給単価にしてみると千円台からのアルバイトがあります。しかし初めは安い給料で苦労しながらスクールカウンセラーなどをしつつ仕事をしていると、それなりのキャリアを積んでその間に常勤のポストで安定して働ける人もいます。
心理職の4分の3が女性ということで、スクールカウンセラーを夫の扶養の範囲内で週1、2回やりながら働くぐらいでどうなの?結果的にワンオペで子どもを2、3人育てながらそうしている人もいるでしょう。
しかしそれは公認心理師のいばらの道をこれから歩んで行こうとする人たちの本意ではないはずです。みなさん石にかじりついてでも心理の仕事で食べていきたいという思いで進学するはずです。
僕がこの仕事をそこそこ経験を積んできて思ったことがあります。この仕事では努力をして能力を磨いて勉強していけば若手でも僕なんぞよりも志が高く立派な心理職になれる人々は必ずいるということです。給料が低いだろう、大変だろうけれども心理職を目指したいいう覚悟は先日あやぱん@ayapan2017さんからも聞いて頭が下がる思いでした。公認心理師が国家資格となって保険点数化されたので追い風が吹いています。
⑵ 感謝されない
あれ?メリットを書くはずなのについ、スマホのボタンがまた滑ってしまいました。この仕事は結構地道です。自分自身の心理に何か問題があるのではないかと興味を持って心理学部に進む、それはそれで否定しません。ただしカウンセリングの最中までその気持ちは持ち込めません。あなたはカウンセリングを受ける側ではなくて行うプロです。
そして困った人を助けたくても助けられないことはよくあります。夫婦関係のいざこざや経済的な問題については心理相談をしたところで改善しないことが多いです。そのための相談専門機関を紹介してそちらが役に立つとわかるとクライエントさんはすっと去っていきます。長々と心理職がどうにもならない課題を傾聴していても煮詰まるだけなので見切りをつけて適切な場所に紹介する力が必要です。感謝される機会はケースワーカーに譲りましょう。(多分ケースワーカーもされませんが)こういったリファー(他機関への紹介等)能力は、経験とひたすら調査、そして研究会にマメに出ることで身につく力でしょう。
⑶ 仕事についてからもとにかく金がかかる。
えっと、もうムダな言い訳はしません。勉強を続けて知識を得て技術を向上させるためには自分の興味のある学会や研究会に出るためには全国あちこちに行かなければなりません。学会費、交通費、宿泊費等は一部の例外を除いて自腹です。現在自粛で助かっているのですが依存性が強く苦しくてたまりません。
またとにかく本を読み論文を読みます。自分が興味のある最新の知識を上書きしておかないとならないと思い込んでいるからです。僕はこの前もう家に入り切らないからと千冊近い本を泣く泣く売りましたがまだ書棚3つぐらい本があります。また買わなければならないという僕の強迫観念はきっとどんな名医も治せないでしょう。不治の病と諦め、しかも治療アドヒアランスもないというとんでもない患者です。論文をGoogle scholarで調べてpub medで書ったりします。清貧洗うが如き(誤用)生活をしたい人にはうってつけの仕事です。職名も「公貧心◯師」とワンランクアップするかもしれません。
そして就職したて、あるいは独身でフリーで生活をしていると学生やパートの人が作れるというクレジットカードが作れないということもあるかもしれません。現金主義or半年経ってから審査ユルユルのクレカを作りましょう。
クレカで衝動的に厚さ10センチの本を買ったり自分の住む土地の海を越えて学会に行きカード払いで宿泊するのはかなりドキドキしますのでスリル満点、一人吊り橋効果情動二要因理論で仕事が好きになれます。
というわけでいかがでしょうか。デメリットとメリット双方を順番に並べてみると人はその商品を買いたくなるものです。これから公認心理師を目指すみなさんはぜひこの選ばれし臨床心理学徒になって欲しいです。
時には厳しいと思われるかもしれませんが、大学教官や実習機関の先輩方は真剣に接してくれます。心理職の世界は狭い市ぐらいの規模です。先輩や仲間は職場、研究会やメーリングリスト等できっとあなたを必ず暖かくフォローしてくれるでしょう。
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