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𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚ (@Skyblue_sky_)
目標を高くすると、達成した時の感動は増えるよね。登る山が高ければ高いほど頂上からの景色は素晴らしいものと感じられる喩えと一緒。ただし失敗したときの挫折感は大きいかも。一方で目標を低くすると、達成感は小さくても失敗の挫折感は軽くなる。良し悪しではなく、選択の話なのかもしれないね。

◯ 公認心理師試験を受けないという選択

1.序
先日sorara@sorara320さんの取材をしていてハッと思ったのは、公認心理師を受けるという選択だけでなく、受けないという選択肢もあるということです。公認心理師受験に関するブログコンテンツばかり書いてきていまさら何を、と思われる方々も多いと思いますが(批判ではないです)Gルート他職種で公認心理師を取らなくても特に困らず生きていける人たちはかなり多いです。

福祉職、看護師もそうです。教員でも特別支援学級や養護教諭の仕事をしていれば取ってもいいのかな?でも取らなくても生きていけるしな?と思います。特別支援教育コーディネーターとして働く教員は通常の国語、英語、体育の教員が行っています。5年間連続でコーディネーターを行ってきた教員もいれば、実はやっていなかったけど、機会があったので公認心理師受験を申し込んでみた、という教員の方もいるかもしれません。教職試験で教育心理は勉強したと思いますが、必要とされている心理学知識は僅かなのでほぼ初学者から積み上げる勉強は辛いでしょう。

試験勉強をしなくてもこの試験にさらりと合格点を取れる人もいます。例えば一般就職をする心理大学院卒業、基礎心理学専攻の人にこの試験を受けてもらったら7割ぐらいは取れた、という話を聞いたことがあります。心理学の基礎ができているのであとは院で学んだ知識でなんとかなってしまいます。

soraraさんもあと5点足らずということだったので受かる気になってもうちょい勉強すれば合格するでしょう。

ですが「これは自分の専門性と違うなあ」と思っていてもうすでに持っている自分の資格と仕事が連動して強いアイデンティティを持っている。こういう人は公認心理師資格がなくてもやっていけます。

2.何としても取りたい心理職の人々
医療現場で働く、現役臨床心理士、心理プロパーの人のこの試験に臨む姿勢は必死です。公認心理師資格がないと保険点数も取れないのでなんとか取ろうとするのですが、育児、介護、仕事で多忙だと臨床心理士試験とは異なったこの独特の試験突破は難しいです。

臨床心理士でも科目読み替えが効かなかった受験生は大変です。現任者Gルートとして受験するのでチャンスが限られているので必死です。

臨床心理士試験には何回も落ちてようやく受かったという話を聞くことがあります。福祉+α=心理、というような施設勤務の人は多忙な中ちょこちょこ受けて取った人でそういう人を知っています。また、臨床心理士資格を取りたくてしょうがなく予備校を利用しながらも数回以上落ちてしまう人もいます。

そういう人に「別の道に行ったら?」とは言いませんし思いません。予備校に通いながらでも頑張る気があればチャレンジして欲しいです。「臨床心理士試験、当校は全員合格」「全国平均より高い8割合格」と謳っている大学院が多い一方で、受験者が壊滅的に臨床心理士試験を取れなかった院がこれまであったのも事実です。

3.試験は人柄を見ない。
ペーパーテスト対応能力=臨床能力ではないのですが、これまで勉強してきた熱意や基礎学力などさまざまな要因が受験には絡んでいそうです。

現在心理職Gルートの人は頑張って欲しい、というか頑張るしかないのでそのまま続けて欲しいです。

他職種Gルートの人が心理プロパーから批判されているのは知っていますが、そこは試験、点数が取れれば合格できます。

他人がどう思ったとしても公認心理師カリキュラム等検討会や法律で定められている受験資格があればいいだけですし、こと試験に関しては点数だけが正義なので、履歴書は必要ありません。

4.公認心理師資格はコレクションなのか?

あと3回残されている現任者受験の機会です。資格を多く取ってコレクションのように感じている人も中にはいるでしょう。それが悪いことなのか?というとそうは言い切れないというのが僕の持論です。

コレクションのように見えて、実は心理職になりたいという人もいます。重労働の現場から転職したいという人は機会に恵まれて自己アピールができれば心理職専門家としてスタートできる場合もあるでしょう。

公認心理師合格者数を都道府県別に見ればわかりますが、大都市圏に合格者は偏っています。事実として聞いた話(募集案内も見ました)ですが、どうしても臨床心理士(2年前からは公認心理師も含めて)が欲しい僻地、離島もあり、応募者が誰もいなくて数年来誰も採用できていないそうです。

開業領域で福祉関係職や障害教育をしている人には公認心理師資格は心理学の知識がある証明にもなりますし、信頼性を高めることになります。

5.結語
結局公認心理師資格は取りたい人が取ればいいと思います。特に現役心理職の人々は必死です。そして法制上許されているので他職種から参戦するのも自由です。そして受けないという選択もあります。公認心理師の競争率を下げようと思ってこの記事を書いているわけではありません(そもそも次回締め切りは過ぎていますし、この試験は一定の知識があるかどうか見るだけの試験で、倍率は関係なく、落とすための試験ではありません。)。

その人のキャリアライフプランを考えてみると「あの時取っておいた資格が今たまたまだけどすごく役立った。」ということもあり得ます。ですから資格試験受験の自由を批判するということはその人の可能性を狭めてしまうことになりかねません。

また、自分はこの道で行く、と元々の保有資格の本旨でやっていきたいから他の資格は要らないというならばそれはそれで素晴らしいことです。

要は自分の現在の立ち位置と考えながら、この資格取得に費す時間、労力、金銭と比してそれだけの価値があるのかということは本人だけが決められることでしょう。

※ 今日の 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚さんの文はこの記事にとてもフィットしています。奇遇だなあと感じました。