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photo&lyric by 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚ (@Skyblue_sky_)
月並みだけど、人生良いことばかりじゃないよね。夢ばかり見てもいられないし、現実的で退屈な問題と向き合う時間も必要。でも必ずどこかに感動が生まれる瞬間が散りばめられているはずなの。ほら、感動を生む物語って、主人公が順風満帆ではないのがセオリーでしょ。わたしたちの物語だって同じはず。


◯ 公認心理師+臨床心理士を目指す院生あやぱんさん

先日機会があってたまたま臨床心理専攻大学院生あやぱん@ayapan2017さんにTwitterDMで話を聞く機会がありましたので本人の許可を得て記事にしています。

あやぱんさんは心理学科卒→社会人→現在修士1年の院生です。医療領域を目指していて、将来がん病棟で小児の緩和ケアをやりたいとのこと。僕からすると「うわ、すごく大変だけどやりがいのある仕事だなあ」と思いそう言ったら「ありがとうございます」と謙虚な姿勢の人です。院に入学したのも元から公認心理師+臨床心理士のダブルライセンスを目指したからとのことでした。

「実習はどうですか?」
と聞くとやはり新型コロナの影響で先送りになっているとのこと。

あやぱんさんは他の領域にも興味を持っているということで、司法領域や精神科チーム医療(犯罪精神医学、リエゾン精神医学とそのままの言葉を使うとまずいかな?と思ってぼかしました。)にも興味があり、修士2年になるまでにきちんと考えていきたいとのことでした。公認心理師の資格を生かして、という仕事をしたいそうです。(僕の私見になりますがそういうところはこれからどんどん増えていく、というか公認心理師資格ありきの採用条件になって来るのではないかと思っています。)

僕「ところでコロナの影響、実習延期は辛いですね。心理の院生として感じることでも、一般人としてでもこのコロナが人の心に与えている影響についてどう思いますか?」

あやぱんさん「コロナにかからなくても、コロナによるストレスで精神的な病気や身体的な病気になっている方は多いと思います。外出自粛も大きなストレスかと思います。」

臨床の仕事を目指す魅力は?と質問してみたところ、「人の命を含めた人の人生を救うことができるという点が私には一番の魅力になっています。」というやはり一本筋が通った答えで、僕なんぞは自己紹介にも書いたのですが、なんとなく心理職に就いてからなんとなく資格を取ってずるずると今に至る「心理デモやろうかな」「他の仕事ないからこれシカないし」と、ほぼ「デモシカ心理職」の状態で今でも続けているような気がして罪悪感があるのです。(だんだん更生して真面目にやっているつもりではあります。)

「今の修士学生としての学業生活は気に入っていますか?」とあやぱんさんに聞くとやはり
「コロナの影響で普通の生活や授業が出来ていない、ということ以外は気に入ってます。」とのことでした。

現在精神分析の先生について教わっているということで、元々精神分析をやりたかったあやぱんさんは「見えない過去を振り返ってそれを活かして現在に活かすというところです。」と精神分析の魅力について語っています。現在の臨床心理士、公認心理師を目指す院生はかなり忙しくてアルバイトをするヒマもないだろうなあと思って大変失礼ではありますがお金のことについて聞いてみたところ、「忙しいです。だから学業に専念するしかなく、社会人としての貯金を切り崩してやっています」とのことです。

院生だからといっても公認心理師試験に絶対的なアドバンテージがあるわけではなく、公認心理師の出題科目の幅広さについて聞いてみたところ、「法律や基礎心理のところは苦手」と話していましたが何も知らない人に比べたら基礎心理はできるだろうなあと思いつつも、たたみかけるように「統計はどうです?」と聞くと「苦手なので修論は統計使わないでやるかもしれません。人格障害の研究とかですね。」

(僕は今の修士課程は過渡期にあるので将来的には残念なことですが修論必須ではなくなるかもしれないと踏んでいます。)

医療領域を今のところメインに考えているあやぱんさんとしては「心理職なので心のケア、カウンセリングがメインになるかと思いますが、私は生物学的なアプローチが大事だと考えているので生活や医療的なケアの出来る心理職として活躍していきたいです。」

なるほどなあと僕も学生のころ漠然とそんなことを考えていて、仕事をするにつれてこういった生物学的、医療ケア、生活水準を上げることが大切だと痛感しているのですが、あやぱんさんはやはり頭の切れる方なのでさすがだなあと思いました。

この発言について僕から
「心理はカウンセラールームにひきこもるのが当たり前と思っている人が現場でも多いです。」と言ったところ
「カウンセラーは積極的に外に出て行かないといけないと思います。」とプロでもなかなか出てこない回答が得られたのは正直に「すごいなあ」と思いました。

心理職は給料安いと言われていますが…と質問するとわかっていて心理職の仕事を目指したので気にならないとのこと。(※ もちろん給料は上がった方がいいですが。)と注釈つきで。

僕「これから心理職を目指す学部生や中高生にかけられる言葉があれば一言。」

あやぱんさん「心理職は『人助けがしたい』という気持ちだけでは務まらないです。自分自身や家族などの困難を乗り越えてきた人、また乗り越えようと努力する人は是非頑張ってください。」

短時間のようでしたがかなり密度が濃い回答なもらえました。実習についてはこのコロナの影響で厚生労働省は特別措置を考えているようですが、実習、そして精神科医師も心理職は修士論文を経ているので医療の場では優れた研究活動ができると評価されています。

これからの臨床心理士、公認心理師教育にはこうしたやる気がある人をきちんと育てていくという課題があるのだと思っています。