◯ 高次脳機能障害
まず「せん妄」について述べておきます。せん妄は意識障害が突然起こり、それが数時間〜数週間程度続くもので、暴れ出したり幻覚妄想状態になることもあります。一過性の意識障害で、なんらかのストレスや身体疾患、それに対する治療侵襲性への抵抗として発現します。
せん妄は認知症とは鑑別しておくべきです。
それから
高次脳機能機能障害は、交通事故によるもの、脳梗塞で脳血管障害によって起こるものがあります。
認知症やせん妄とは異なります。高次脳機能障害の原因は脳挫傷や脳梗塞によって起こります。クモ膜下出血、もやもや病、感染症脳炎、エイズ脳症、
全身性エリテマトーデス、神経ベーチェット病、一酸化炭素中毒、多発性硬化症、正常圧水頭症、ビタミン欠乏症、脳腫瘍などです。
脳がダメージを受けた部分によって発現する症状は異なります。
側頭葉内側の障害は地誌的障害(よく知っている場所で迷って帰宅できなくなる、新しい道順を覚えられなくなら。)
例えば前頭葉だと遂行機能障害といって物事や事態の予測、急な変化に耐えられず、自分で計画を立てて実行することができなくなります。
また、前頭葉障害には非流暢的失語が現れることもあります。非流暢性失語が発現すると発語が少なくなり、失文法という、文法にしたがった文を言えなくなる、失構音が起きるなど、運動失語は左脳前頭葉ブローカ野の失語が起きることがあります。
左側頭葉の障害
流暢性失語、聴覚失認
流暢性失語とは健忘性失語(あれ?なんだっけ?)感覚性失語(滑らかな発語るけれども言い間違いが多いウェルニッケ失語)、伝導性失語(復唱ができない)です。
頭頂葉障害
観念失行(左頭頂後頭葉)観念運動失行(左頭頂葉)
観念失行は、道具を使えないなど、順序立てて行動をすることができなくなるので、紙を折って袋に入れることができなくなります。
観念運動失行は、箸で食べている時に「どうやって箸でものを食べているのですか?」と聞くと途端にやり方がわからなくなって混乱してしまうというものです。
肢節運動失行
手先を使うことができなくなります。(左右中心溝周辺)
着衣失効(右頭頂葉)
構成失行(左頭頂葉)
平面描画、立体描画ができない、積み木が作れない。積み木が積めない。
後頭葉障害
視覚失認(目の前にあるものが何か答えられない。)
相貌失認
顔を見ても誰かがわからない。
左後頭葉障害→右半側空間無視
右後頭葉障害→左半側空間無視
あたかもその半分にものがないような振る舞いをして、ご飯を半分だけ残す、見えない半側にいる人を無視してしまうかのような行動を取る、などです。
頭頂葉障害でも半側空間無視が起こります。
左後頭葉側面損傷→失読
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