
◯ 公認心理師養成大学教育の現状と課題
公認心理師養成課程が各大学で始まっています。どうなるのかなあと気にしながらあまり調べてもいなかったのですが、各大学ではカリキュラムを整え、すでに滑り出しています。各大学のホームページなど各大学が公開しているネットの情報を見てみました。
まず東洋学園大学ですが、「2018 年度入学生用 「公認心理師」課程履修の手引」を見ると、2年次修了までに公認心理師科目4科目修了、そして2年次修了までに総取得単位数が40単位数で全ての科目を含めたGPA Grand Pognt Avarageが3.5以上であることが求められています。
GPAとは
成績90〜100点を S=4
80〜 89点を A=3
70〜 79点を B=2
60〜 69点を C=1
それ未満を不可とするものです。
つまり東洋学園大学では、1年時の語学、体育なども含めた必修科目全てでS+A/全科目が3.5以上に相当しないと公認心理師養成課程には入れないというものです。このGPAはアメリカではよく学生の進級や成績判定に使われています。
日本でもGPA導入は多く行われているのですが、そうすると学生が良好な成績評価を求めていわゆる「楽勝科目」を取りたがるという弊害がありました。この弊害は払拭されたわけではないのですが、こと専門科目に関しては必修科目は自分で選べません。そして公認心理師必須科目を含めてのGPA3.5というのは相当に厳しい数字に思えるのです。
他大学のホームページも見てみましたが、帝京大学でもGPA導入はホームページ上で謳われています。心理学科は不合格科目は再履修、履修済科目の再履修はできないので、低い成績で履修をしてしまったらその分のGPAは他の科目でいい成績を取らないと挽回できなきことになるわけです(帝京大学に限らずですが)。
そして公認心理師科目で低い得点になったら公認心理師養成課程に進めないカリキュラムになるであろう大学も多々出てくるのではないかと思いました。他に公認心理師養成課程でGPAを明らかにしているのは心理実習まで含めてそのGPAが2.5という聖徳大学です。
聖心女子大学は学部2年次にGPA、試験、面接を実施、学部から修士課程を経て公認心理師を目指す学生を10人に絞り込んでいます。
東北福祉大学は各年次30人に学生数を定めています。公立大学法人長野大学では、2年次心理学実験Ⅰ、Ⅱの段階で履修上限人数30人、3年次心理演習Ⅰ、Ⅱ履修上限人数10人、4年次心理実習履修上限10人としています。
宮城学院女子大学は5人が各学年履修者上限です。大阪市立大学では、はっきりと人数については書いていないものの、学内選抜を行う定員制であることを示しています。
このように各大学全て厳しいかと思いきや、法政大学現代福祉学部臨床心理学科では 2018年度以降に入学する希望者全員が公認心理師受験資格取得を目指すことができる体制を整えます。と明記されています。
法政大学心理学科は他心理学科に比べれば歴史は2000年設置と浅いですが、90人の心理学科学生がいて比較的大規模です。以前立教大学に問い合わせをした時もどんどん受験して欲しいとの前向きな意欲を感じました。
武蔵野大学に問い合わせをして好感触だったという話を聞いたこともありますが、ここはホームページ上で第1回公認心理師試験合格者(新卒)武蔵野大学89.0パーセント/全平均79.6パーセント、第2回試験については新卒72.7パーセント/全平均46.4パーセントとの好成績を公表、公認心理師養成に前向きな姿勢を示しています。
さて、公認心理師養成課程としてカリキュラムを見て少し驚いたのは、大阪大学です。ホームページを見ればわかりますが、医療機関14、福祉機関5、教育機関は特別支援学校を含めて7、司法機関は大阪少年鑑別所、産業機関としてダイハツ保健センターがあります。かなり豊富な実習先があると思いました。
また、実習先があっても指導教官が充実していないときちんとした実習はできませんし、実習先でも公認心理師が指導をしないとなりません。
ここで、いい公認心理師を養成するための学部、大学院に必要なものは何だろうかと考えてみました。
上記の大学名を見てなんだ、こんな大学Fランじゃん?と思った人はぶっちゃけ多かったのではないでしょうか?僕の周りの心理職にも旧帝大卒、留学歴あり、医学博士号持ち、という人もいれば、いわゆるFラン卒の人もいてさまざまです。
研究会などで一緒になり、求められる資質や能力がその職場ごとに違って渾然としているので一概に「これ」というものはないのですが、常に新しいものに向かって努力している心理職の人は優れた臨床能力もあるようです。臨床家としての能力はあまり学歴に関係ない、というのが僕の印象で、それよりも元々持っている資質、センス、そして就職してからの自己研鑽にその人の心理職としての能力は依存しているような気がします。したがって、公認心理師資格をこれから取った方はどんな大学、大学院を出たいても同じスタートラインに立っているということに自信を持って活躍してもらいたいなあと期待をしています。
さて、公認心理師のためだけの正規教育課程を受けた公認心理師が誕生するのが2024年、そこはゴールではなく、それからまた未来の公認心理師像がスタートラインに立つのだと思います。
(おまけ)
ガラケーをカケホプランにしてあちこち友人に電話しまくって上機嫌そうな父:お前、インターネットとかもやるのか?
僕:うん
父:それだ、あの、「ささやき」とかやってるのか?
僕:うん、あ、ツイッターね、そう、ささやいているだけだから。
父:そうか・・・
(30分後)
父:ささやきか?
僕:うん、ささやいているだけだから。
父:楽しいのか?
僕:いやささやいているだけだし。
(おしまい)
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