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◯ パンデミック宣言WHO・COVID-19新型コロナ最新情報2020.3.13・パニック回避の心理学

1.序

僕は一介の心理職ですが日々新型コロナウィルスCOVID-19条情報を更新することにしています。というのも正に人心とその行動に関連している最大限の関心事はCOVID-19だからです。

これについては多くの人々をパニックにわざと陥れるのではないかという誇張した情報発信をする人たちがいます。アメリカの感染症研究家がアメリカ国内で9600万人が感染、48万人が死亡というシナリオが予想されるというコメントをしていてそれを翻訳してすかさずネットのニュースに流します。

多摩にあるクリニック院長が新型コロナウイルスは変異する、そして一度感染して治った人が変異ウイルスに再感染した場合には死亡率が高くなるという発言をYouTubeで流していました。
これだけの短期間でウイルスに変異株ができるわけがなく、また、ウイルス感染は通常一度感染した人は変異株にかかりにくくなるという常識からも外れています。

実際2009年に流行した新型インフルエンザでもその当時40代ぐらいで子どものころにインフルエンザに罹患したことがある人は、新型インフルエンザのいとこ株ぐらいの感染力だったので感染しにくかったのです。

2.パンデミック宣言

最新の情報では2020.3.11WHO事務局長はパンデミックと宣言しました。(日本経済新聞)

ただし、朝日新聞digitalでは「パンデミックの脅威、現実に」 WHO事務局長が会見という記事を3月10日付けで出していますが、まだパンデミックではないと事務局長が述べていて、さらに「歴史上、管理することができる最初のパンデミックになる」、状況に応じてその感染力を抑制することができるという内容のコメントをしていますし、その基本方針は変わっていません。

要するにパンデミックであろうとなかろうと対策は一緒ということです。この記事では、中韓で感染者数が減り、回復者が増えている、インフルエンザよりも感染力は弱い、など「タイトルと内容が違うんじゃないの?」と思っていました。情勢は日々刻々変わります。何も暗澹たる気持ちに自らなる必要はないのです。

パニック商法は確かに炎上商法と同じで多くの人々の目に触れ、広告収入は上がるかもしれませんが目に触れた広告とパンデミック情報が交錯して、いずれスリーパー効果(印象が薄くてもあとからだんだん思い出す)となった場合には悪印象と結びつくだけではないの?と思ってしまいます。

3.日本の優れた水際作戦

こういう時にあてになるのはやり行政の情報です。厚生労働省が2020.3.9に発表した新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の見解」は、危機的な情報も載せていれば、冷静に情勢分析をしていて、予断を許すわけではないが、感染症対策はしっかりやらなければならないという、大変客観的な記述がなされています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html

国際的に見れば日本は確かに政府の初動は遅れたかもしれませんがウイルス封じ込めや治療は高い評価」を受けています。この「見解」によれば、感染者小集団のクラスターを伝播させない、早期診断と重症者治療医療体制の確立、市民行動の変容の3本柱を戦略としています。

感染者は増加している、これは感染症である以上どこの国でも同じ現象は起こっています。しかし二次感染による新感染者数を計算した実効再生産数(感染力を示す数値)は1平均値です。実効再生産数は感染症学では少し難しい概念なのですが、他の感染症に比べると格段に低い数値で、今後治療や封じ込めが進んで数値1未満になればかなりの確率でこの流行を抑えることができるでしょう。

日本の死亡者数は少ないという指摘もされています。北海道では対人接触を低くする試みをしています。

専門家会議では「今回、国内での流行をいったん抑制できたとしても、しばらくは、いつ再流行してもおかしくない状況が続くと見込まれます。また、世界的な流行が進展していることから、国外から感染が持ち込まれる事例も、今後、繰り返されるものと予想されます。

と危険情報もきちんと書いてあるのですが、日本は一定の水準で現在爆発的な感染は広がっておらず、持ちこたえている状態と評価しています。これは外国からの日本の対策の評価が高いことと一致しています。

北海道隔離施策は3月19日にその結果を公表予定です。実は科学的根拠はないそうですが、密閉空間、多くの人の密集、人と近距離で接しないという方針が出されています。

厚生労働省によればこれまで退院した人の数は427人(クルーズ船含む)です。

それでも人は不安ですので、より悪い情報に飛びつきます。その悪循環スパイラルは買い付け、そしてパニックに陥ってしまいます。

4.心理的支援情報

ここでひとついい情報もあります。確かに遅まきではありますが、日本心理臨床学会ではかなり詳細な新型コロナCOVID-19に対する情報提供やリンク集を掲載しています。
https://www.ajcp.info/heart311/
教員、子ども、保護者向け情報、サイコロジカルファーストエイド、

※ 本記事の内容をそのまま子どもに伝えるのは差し控える方がいいのではないかと思います。